小説『愛されたくて愛されたくない』
作者:水士()

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私は一人きりになった寝室にいた。
どうしてあの人は私にここまでするんだろう?
私なんかにしても何の得も無いのに・・・・
分からない。
頭を悩ませていたら喉が渇いてきたので台所に移動しお湯を沸かした。
ちょうどお湯を沸かしお茶を入れた所で玄関のドアが開く音がした。
桜井さんが帰ってきたのだろう。
やっぱりおかしい・・・・
本当に薬局行ってきたのだろうか?
はぁとため息をついたら桜井さんが部屋に入ってきた。
「ただいま!シップ勝手きたよ。ついでに夜ご飯も買ってきたから後で食べながら詳しく教えてね」
私は頭を縦に振った。
「じゃあ上の服だけを脱いで。シップ貼るから」
私はおとなしく上の服だけ脱いだ。
背中に冷やりとした感触がした。
どうやらそこらじゅう痣だらけだったらしい・・・・
寝室がシップくさかった。
「よし!貼り終えたよ。さあ夜ご飯食べよう」
そう言って桜井さんは部屋から出て行って台所に行った。
私は服を着るとノートとペンを出して台所に向かった。
台所に行くと机の上に弁当が出してあり桜井さんは弁当を開けて食べていた。
私は食べながらノートに昼間あった事を書いた。
説明し終わった頃には弁当は空になっていた。
「そんなことがあったんだ。とりあえず声は今日中になおるんだね?」
頭を縦に振った。
「なら今日は心配だから泊ってくね。もう遅いから寝よっか」
そう言って桜井さんは寝室に入って行った。
私は時計を見ると十二時だった。
確かに遅いな・・・・
部屋に入ると桜井さんがベッドに横になっていた。自分の横を叩いておいでをしていたので私は横に寝転んだ。
どうやら私は疲れていて直ぐに睡魔が襲った。

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