小説『影は黄金の腹心で水銀の親友』
作者:BK201()

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第二回解説話―――螢&リザ





リザ「皆さん、こんにちは今回解説役に指名されたリザ・ブレンナーです」

螢「……どうも、櫻井螢です」

リザ「貴女どうしたの?そんなに不機嫌そうな顔で」

螢「いえ、別段そういうわけではないんですが……どうも本編における私の存在感が全くと言っていいほど無くて……」

リザ「あら、でもここに呼ばれてきたということは貴女はレギュラー組でしょう。私はもう死んでしまったから私のほうがリストラ組でしょうし」

螢「地味に自虐ネタに走らないでください。こんなとこに来てまでツッコミ役はしたくないので」

リザ「そうね、私も貴女もどちらかといえば真面目なほうなのだし、そういった事は他の人たちに任せるべきね」

螢「では、まず始めに少佐殿…これではザミエル卿と被ってしまうので今回はナウヨックス殿と呼ぶことにします。ナウヨックス殿が使った形成と創造についてです。あれらの能力の詳細を教えてください」

リザ「そうね、形成位階での彼の能力は周りの環境に左右されてしまうの。彼は周りの形の定まらない物質を吸収してそれを自分の武器にするわ。だから彼は空気だけしかない橋の上よりも水辺のほうが有利なのよ」

螢「結果としてベイには負けていましたが、マレウスには勝った理由は何ですか?」

リザ「一つは彼女は戦闘タイプではないこと、二つ目はベイとの相性の悪さ、最後にこれが重要なのだけどその場所ね」

螢「場所ですか?別段悪くないのでは、というよりむしろ水辺に出れた分、ベイ戦のほうが有利では?」

リザ「そうでもないのよ。ボトムレスピットではたくさんの人間が死んでスワスチカが開いたからその場所はある意味で霊魂の漂う場所になるから彼にとってはかなり有利な場所みたいなの」

螢「そうですか。じゃあ彼と戦うときはそういった場所を選ばないほうが良いということですね」

リザ「そうね。おそらくは病院での戦闘で私を殺したのも、それが狙いだったのでしょうし」

螢「では次に創造について聞きたいのですが」

リザ「彼の創造『晃世界 主の祈り (アールヴヘイム―――パティームノスティア)』は他者への干渉を主にした能力よ。相手の能力を封じたり、五感を狂わせたりするの。ただ、それには条件があるらしくて普通は相手の認識が少しずれる程度のものらしいわ。もっとも、一般人レベルならいくらでも狂わせれるらしいけれど」

螢「それでも十分恐ろしいと思いますけど、確かに単純に創造の枠内で言えばそこまで驚異的ではないですね。それで、条件とは?」

リザ「まず相手との実力差ね。流石に首領クラスには殆ど効果がないそうよ。ただこれは弱点にはなりえないわね。
次に相手の位階クラス。創造、形成、活動の順番で効果が発揮しやすいそうよ。普通は逆だと思うのだけど。だから彼と戦うときは形成で戦ったほうが良いかもしれないわね。
最後に相性。これに関しては下を見てもらったほうが早いわ」


効き易い← →効き難い
ベイ(創造限定)<蓮(序曲)<ザミエル≦ベアトリス=トバルカイン=螢≦マレウス<フィナー蓮<シュライバー≦クリストフ=マキナ<ラインハルト


螢「これはどういった基準で作られてるんですか?見た所、殆ど統一性も見られませんし」

リザ「まあ、そうよね。簡単に言えば聖遺物が何処に影響を及ぼすかによって変わるらしいわ。
つまり、上位三人は自分の聖遺物を自分の体内に、中盤の人達は自分の武器として手に、下位の二、三人は自分の周りそのものに影響を与えている。シュライバーに関しては創造が不安定みたいだから他二人ほど効き難いわけではないみたいだけど」

螢「どちらにしても私との相性は良いとも悪いとも言えないみたいですね」

リザ「他の武装具現型中ではマシな方という扱いではあるみたいだけどね。でもこれは純粋な創造の効き易さで相性の差とは別みたいよ。それがこれみたい」

良い←相性→悪い
マレウス<ザミエル<蓮(序曲)<ベイ≦螢<シュライバー<フィナー蓮<ベアトリス=トバルカイン<クリストフ<マキナ<ラインハルト

螢「私は本当に良くも悪くも無いんですね。ええ、分かっていましたよ。私なんて所詮新入りだし、覚えたての藤井君にも苦戦するし、戦闘途中で忘れられる始末だし、私なんて……」

リザ「拗ねないの。これから頑張って良いとこ見せればいいじゃない。それに必ずしも貴女がナウヨックスと戦うわけじゃないわ」

螢「それは確かにそうですが、私よりも創造のときでは同率だった二人より劣っている理由はなんですか?」

リザ「聖性の性質によるものらしいわ。曲がりなりにも聖剣と聖槍、ヴァレリアやハイドリヒ卿との相性が悪いのも聖槍が原因みたいなの。彼、詠唱を嫌がる節を見せたでしょう」

螢「それがなにか?自分の詠唱を嫌がるというのも不思議ですけど発現出来ているなら問題ないのでは?」

リザ「アレは『ロザリオの祈り』って言ってカトリックの詠唱なの。つまり、彼は聖なるモノというのに対して明らかに嫌悪を表している。それが原因で彼らとの相性を悪くしていると言えるのよ」

螢「聖書の詠唱を使っているのに聖なるモノを嫌っている?矛盾していませんか?」

リザ「ええ、そうね。もっともこれで彼の弱点が一つ分かったも同然ね。うまく利用すれば相性の悪い人でも倒せるかも知れないわ」

螢「だからといって簡単に勝たせてくれる相手でもないでしょう。ですが出来る限り彼と会うときは場所を選ぼうと思います」

リザ「それが得策ね。私も油断して後ろから刺されたわけなのだし。じゃあ今日はここまでと言う事で。皆さんまた会う機会があれば、ぜひお会いしましょう」

螢「……ではお疲れ様でした」

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