小説『影は黄金の腹心で水銀の親友』
作者:BK201()

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第三回解説話―――ヴィルヘルム&シュライバー



前書き

三回目のリストラキャラとレギュラーキャラによる解説回。ヴィルヘルムはシュライバーの変わりに司狼と戦うことになるのでまだまだ活躍する予定。

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シュライバー「アインツ、ツヴァイ、ドライ、フィア」

ヴィルヘルム「ツヴァイ、ツヴァイ、ドライ、オラッ!!」

シュ「おっと、ドライ、ツヴァイ、ドライ、フィア。ツヴァイ、ツヴァイ、ドライ、フォアッ!」

ヴィ「チッ、フュンフ、ツヴァイ、ドライ、フュンフ、ツヴァイ、ツヴァイ、ドライ、ウォラッ!」

シュ「フッ、っと、アインツ、ツヴァイ、ドライ、フィア、ツヴァイ、ツヴァイ、ドライ〜ヤッ!」

ヴィ「グッ!」

シュ「ドライ、ツヴァイ、ドライ、フィア、ツヴァイ、ツヴァイ、ドライ、フィアっと!」

ヴィ「ウオォォォ、シュライバー!ふざけんなぁ!!テメエ!前にも言っただろうがッ!!」

シュ「何だよベイ。こういう遊びなんだろ。大体、前にも言った、ってそれは僕の台詞だよ。一人で血だらけになってとろくさいなー。君のほうから殴ってきたんだしさー」

ヴィ「テメエが全部避けやがるのが気に喰わねえんだよッ!」

シュ「だからそれは君がとろいのがいけないんだろ。僕に文句を言わないでくれよ」

ヴィ「うるせぇッ!畜生ッ、もういい。前と同じやり取りする何ざぁゴメンだ。さっさと台本よこせや」

シュ「はいはい、全くせっかちなんだから。というわけで今回解説役に指名されたのはこの僕、シュライバーとベイ中尉の二人だよ。
それで今回説明することは何なのかなーベイ中尉?」

ヴィ「チッ、一々言い方がむかつくんだよ。アレだ。ナウヨックスの野郎が使った分体についてだ。あの野郎が管理してる六人の分体の能力と出自の詳細について説明しろだとよ。ったく面倒くせえ仕事押し付けやがって。今度会ったらぶっ飛ばしてやる」

シュ「はいはい、だったら速く終わらせようよ。じゃあ、まずは『七皇帝の分体』のそれぞれの名前からね。アウグストゥス、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ウェスパシアヌス、ティトゥスで全員みたいだね」

ヴィ「でまあ、こいつらの特徴とか説明するわけだが、面倒くせえ。資料貼るから見たい奴だけ勝手に見てろ」



―――プロファイル666―――


アウグストゥス…初代ローマ皇帝の名に因んでおり意味は「尊厳のある者」。一番最初に造られた人物であり基となった人物のころからアルフレートに仕えていた部下の一人。その他、詳細は現時点では不明。
能力…現時点では詳細不明。ただし全員に共通することだがアルフレートが造った擬似?聖遺物である。


ティベリウス…現界した後、ヴィルヘルムに仕える。魂も能力も彼が持つ物は全てヴィルヘルムに提供したので既に存在しない。基となった人物は後方部隊の根は真面目だった下士官。良くも悪くもヴィルヘルムに出会ったことで人生が変わったといえる。
ある意味ヴィルヘルムに近づいてきた人物の中で唯一狂っていないかもしれないが、その忠誠心は狂気の沙汰ともいえるので案外そうでもない。
能力…死亡したため不明。ただし、ヴィルヘルムに聖遺物を譲渡したことから譲渡関連だと思われる。


カリグラ…トバルカインの聖遺物の支配権を奪った人物。あだ名が「小さな軍靴」。本人はあまり気に入っていない模様。表立った感情の起伏は余り無く、内心ではアルフレートすら利用しようとしてる。アルフレートも含めて七人の中で唯一聖性の属性に対する耐性がある。つまりは彼はアルフレートに対して相性が良いということである(つまりベアトリス、クリストフ、トバルカイン、ラインハルトも相性は良い)。
基になった人物はユダヤ人の強制収容所にいたKL(コンツェントラツィオンス・ラーガー)に滞在していた親衛隊髑髏部隊の一人。
能力…他者の聖遺物の奪取。その後の聖遺物の支配。ただし、奪取できるのはトバルカインのように自意識をまともに持たない者や、魂の総量が圧倒的に少ない相手のみに限定されている。
現在はトバルカインの能力そのまま奪い取った模様。ただし、初代、二代目、三代目の三人分のみ。ベアトリスの能力は剣を捨てたので能力はなくなった。


クラウディウス…現在進行形でクリストフに仕えている人物。真っ向からアルフレートに対して敵対行動を取っており、彼が知っているアルフレートのことはほとんどヴァレリアに話している。
基となった人物はゲシュタポに捕まった神父の一人。捕まった理由はナチ批判の日刊を書いたため。
能力…現時点で詳細不明。ただし戦闘向けの技能ではない模様。


ウェスパシアヌス…唯一の女性体でルサルカが死に掛けている状況で肉体ごと奪い取った人物。ステータス的には肉体を手に入れたこともあり、現在六人の中では最も高い。アルフレートに対し恋愛感情を持っている。名前が男性名であるためパシアスと呼ぶように強要している。
基となった人物は娼婦。スパイの真似事で小銭を稼いでいたがそれがばれ捕まる。処罰を受ける直前にアルフレートに出会い自分から媒体となることを望む。
能力…死体或いはそれに近い状態の他者を喰らってその技能と能力を奪うこと。要はカニバリズムの終点。またルサルカが司狼に奪われた聖遺物も再生している。


ティトゥス…現在進行形で司狼に仕えている人物。楽観的というかどんな物事に対しても肩の力抜いていこう、みたいな感じで行動している。他人のトラウマ抉ったりするのが得意で周りに嫌われやすい。実力的には最後に造られたためか高い、が変わりに寿命などを犠牲にしており実は半年も生きられない(まあ、ストーリー的に意味は無いが)。
基となった人物は秘密結社である第一次世界大戦後にトゥーレ協会で造られた元少年兵。当時、少年兵という概念が無い中で(少年士官というものは存在したらしいが)最右翼の一部が多くの少年兵を作った。その中の一人で周りの同年代が死んでいく中、今このときを楽しんで生きていこう。という刹那快楽主義者考えを持つようになる。
ある意味、蓮とは真逆の立場で同じような思想を持ったといえる(似て非なるものではあるが)。
能力…物質生成。慣れ親しんだ片手銃とその弾丸、手榴弾などの小火器においてのみノータイムで生成可能。それ以外は時間が掛かるうえに劣化しているので使い物にならない場合が多い。ただし弾丸の規格を無視することが出来るので、ショットガンの弾、マグナムの弾、ダムダム弾やフルメタルジャケット弾など弾薬の生成の自由度は広い。また、それを片手拳銃に込めることも可能(つまり弾丸は総て自身によるオーダーメイドといえる)。




ヴィ「―――って見たいな事らしいがこの説明に俺ら必要か?ほとんど書いてあること載せてるだけじゃねえか。別に俺じゃなくても問題なかったよな、コレ」

シュ「いいんじゃない。どうせ君だって暇だったから押し付けられたんでしょ。折角、活躍できると思ってたのに君のせいでもう出番がないしさ」

ヴィ「ハッ、ざまあねえな。なんなら此処でまたテメエを殺してやろうか?」

シュ「いいねぇ、でも今度死ぬのは君の方だよ?」

ヴィ「上等だァ!いくぜ、オラアァァ!!」

シュ「アハハハハ―――!!」

――――――戦闘発生によりこれ以上の解説を不可と判断。彼らの解説回を終了したいと思います。――――――

アルフレート・ヘルムート・ナウヨックス追加情報

・形成…栄唱は十字架の印(Doxology ist ein Zeichen des Kreuzes)
見た目としては事象展開型の聖遺物。能力の触れ幅が大きく、また様々な使用法があるためそれなりに優秀な能力。ただ、能力としては見方を変えると器用貧乏とも取れる上に、戦闘向けというわけではない。

・創造…晃世界 主の祈り(アールヴヘイム―――パティームノスティア)
基となった渇望は「他者に認められる存在でありたい」。能力はあえて一言で言うなら「他者の弱体化」。
正確には周辺の環境に自らが干渉する、という能力の形としては覇道に近いが求道の能力。一概には言えないが求道よりも覇道に対して効果が現れやすい(例外:至高天・黄金冠す第五宇宙、涅槃寂静・終曲など)

・渇望…「他者に認められる存在でありたい」。彼の渇望の考え方は総ての出来事を肯定して納得するから誰か一人でも自分のことを認めて頼って欲しい、というものである。この渇望から彼はラインハルトに仕えており、ラインハルトの願いを叶えようとしている。彼が約束や契約を果たしきるのは例え一時であったとしてもその間は他者に認めてもらえるため。
尚、本編中の「結末を知りたい」というのが自分の渇望だと発言しているのは完全な勘違い。他人に認められたいなら如何すればいい⇒他者を肯定すればいい⇒他者を肯定するには如何すればいい⇒他者を知ればいい⇒他者の結末を知れば全体の人物像が見えるのでは。とこのように形が変わっていった物である。





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後書き

冒頭の二人の会話はカウントダウンボイスを聞けば何しているのか分かります。
現時点での分体の実力はカリグラ≧ウェパシアヌス>ティトゥス>アウグストゥス>クラウディウス=ティベリウス―――となっています。

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