小説『とある剣帝の無限倉庫』
作者:マタドガス()

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「うん……ありがとう」


インデックスは完璧な笑顔で微笑んだ。しかし龍哉はその笑顔を向けられる事に対して少しだけ…そう、ほんの少しだけ腹がたった。


するとその考えをシャットするように当麻が龍哉に話かけてきた。


「おい。さっきから黙って聞いてれば何だよ魔術って?あと10万3000冊の魔道書って何だよ!俺のようなおバカさんにもわかるように説明しろ!」

ああ、そういえばすっかり当麻の存在を忘れてたな。まあ俺の口から説明してもいいが、それだといろいろとマズイからな、ここはインデックスにわかりやすく説明してもらうか。


ちなみに龍哉は、能力の向上の為、様々な神器の勉強をしている為、オカルトにもそれなりの知識がある。


「なあインデックス。こいつにもわかるようにわかりやああすく、説明してくれないか?」


「うん。わかった」


 それからインデックスは当麻に魔術と自分について大事な要点だけをわかりやすく説明した。が、当麻は今だに信じられないという表情をしている。まあ無理もないよな。当麻にとって魔術や魔法なんて二次元における漫画やアニメの中でしかないのだから突然「俺実は魔法使い」なんて言って信じる奴がどこにいるだろうか?

そんな事を考えているととうとう当麻の口が開いた。


「……そうか、だいたい意味はわかった」


「わかっちゃうの!?」


 おまえは天才か!? 普通信じないだろ? 転生者で原作知識が消えかけでもう登場人物もほとんど覚えていないとはいえ、魔術の存在を知っている俺はともかくお前は違うだろう! なのにどうして・・・。


「……まあ正直信じられねぇけどおまえの事だ。こんな状況で嘘なんか言う奴じゃないからな」


……まったくよぉ。当麻。おまえって奴は……


「ありがとな当麻。こんな話を信じてくれてさ」



「いいってことよ。それよりこの状況を整理していいか?」


「ああ、いいぜ」


すると当麻は顎を手で抑えながらう〜〜むと真剣に考えて始めた。


「まずこいつの名前はインデックスで、こいつは『完全記憶能力』っつう一度見たものを二度と忘れない能力を持っていて、その能力を使って世界中にある魔道書を記録して、魔道図書館とも言われていると。これであってるか?」


「ああ、お前にしては上出来だ当麻」


「うんうん。君もようやく信じてくれたみたいだね」


インデックスも満足しているようだ。


「けどよ、その能力を利用しようとする魔術組織に追われてるんだったよな……」


当麻が口を挟む。どうやらその言葉を気にしているようだった。当麻はそうゆう奴だ。見ず知らずの他人でも困った奴がいたらすくに手を差し出す。まあ、こうゆう奴だからこそ俺は当麻のダチをやっているんだけどな。


「……うん。そうだよ。実はついさっきまで奴らに終われていたんだ。今回は本当にあぶなかったんだよ。建物の屋上に追い詰められて…捕まりそうになったから屋上から屋上へ飛び移ろうとして…「それで距離が思った以上に離れてて足が届かなくて俺の部屋のベランダに引っ掻かっちまったってワケだな」……うん」


一見マヌケな話に聞こえるが彼女はそれほどまでに追い詰められていたという事だろう。


そしてインデックスはさらに話を続ける…

「私ね…1年から前の記憶がないんだよね…最初に目が覚めた時、自分は見ず知らずの土地にいたんだ。まあ記憶がないから見ず知らずの土地なのも当たり前なんだけどね…しかも自分の名前すらもわからなかった…」


「「………」」


龍哉と当麻は絶句した。記憶もないこんなに小さい少女が1年間も自分を狙う見ず知らずの組織から逃げていた事に。彼女は一体どんな思いで逃げてきたのだろうか。そんな事が二人の頭の中を過ぎった。


そんな二人を気にしたのか、インデックスは話を変えてきた。


「そ、そういえば、君達は超能力か何かを持ってるのかな?」


……まあ隠す事でもないし、このドンヨリとした空気を変えるチャンスだと思い、俺は自分の能力を教える事にした。当麻も同じような事を考えていたらしく、インデックスの質問に賛同した。

「ああ、いいぜ。俺の能力は武具使い(ウエポンマスター)っつう能力で、剣帝とも呼ばれてる。能力について説明すると、どんな武器や防具でも独創空間から出すことが出来るんだ」


するとインデックスは少し唖然とした後口元を歪ませてニヤケた。うん、すごくムカつく。


「……お前。絶対に信じてないだろ」


「え〜〜。だって〜、何でも出せるって事は神具も出せるって事だよね? 無理無理ィ〜〜だってそういった類の物は皆それぞれの十字教に重要に保管されてるんだから」


……そうか。そこまで言うなら見せてやるよ。


「出ろ! ロンギヌスの槍、アイギスの盾!」


そうして龍哉は出てきた二つの武器をインデックスに見せ付ける。その二つの武器を見たインデックスは口をあんぐりと開けて唖然としていた。


「e? え!? う……そ。嘘でしょ!? …でも霊力や見た目はまさしく本物。でも一体どうやって?」


インデックスは目を丸くしながら二つの武器を見つめている。龍哉はそんなインデックスに苦笑しながら質問に答える。


「教えてやるよ。その二つは本物じゃあない。いや、厳密に言えば『本物と全く同じのレプリカ』と言った方が正しいかな。つまり俺の能力は出したい武器を自分の独創空間で創造して、それを現実空間に出す能力なんだ。どうだ、認めてくれたか?」


そう言いながら龍哉はロンギヌスの槍とアイギスの盾を戻す。


「……うん。こんなに本物そのままのレプリカ出されちゃ信じるしかないよ」

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