小説『とある剣帝の無限倉庫』
作者:マタドガス()

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うん、信じてくれて良かった良かった。


するとしばらく黙ってた当麻はインデックスに話し掛ける。


「あのーー、俺にはなにも聞かないの?」


「うん? ああ、りゅーやの能力が凄すぎて君の事をすっかり忘れてたよ〜」


「……そうかよ」


うん。ドンマイ当麻。


「ところで君の超能力はなんなの?」


「……えっと。何なのって言うか」


当麻は少し戸惑っきていた。
成る程。俺は当麻の学校に初めて来た時、LEVEL5っう理由もあってクラス中の奴らに能力について質問責めにされたから能力の説明には慣れてるが、当麻は強力な能力持ちとはいえ、その能力のせいでLEVEL0だ。しかも、学園都市のカリキュラムを受ければ誰でもスプーンぐらい曲げられるようになるのに当麻はそれすらできない。世間から見れば落ちこぼれの中落ちこぼれだ。でもだからって人を馬鹿にしていいはずはないがな。 話が逸れたが、そんな当麻に能力の説明をする機会なんて滅多にない。それ以前に当麻の能力が『異能の力』にしか反応しないって事は、まず『異能や超能力』について知っててもらわないと説明にならないしな。

そんな事を長ったるく考えていると、当麻が自分の能力についてインデックスに説明し始めた。


「えっとな、この右手で触ると……それが異能の力なら、原爆級の火炎の塊だろうが戦略級の超電磁砲だろうが、神の奇跡だって打ち消せます、はい」


「えー?」


「……つかテメェ何だそのよく雑誌の最後の方のページに載ってる幸運を呼ぶミラクルストーンの通販見てるみてーな反応は?」


ああみなさん見てください! 当麻君の怒りのボルテージが上昇中です!


「だってー、神様も信じてない癖にー、神様の奇跡だって打ち消せますとか言われてもー」


……驚くべき事にインデックスは小指で耳の穴をほじって鼻で笑った。……こりゃあ当麻の怒りは沸点に到達したな。 へ? 止めないのかって? なんか面白そうなのでこのままみてるわ。


「コノヤロー! テメェがそこまで言うならお前も魔術の1つや2つ見せてみろやーー!!」


「……私は魔術を使えないもん!」


「な、ん、だ、と〜〜〜! このインチキ魔法少女がああああ!!」


「い、インチキじゃないもん! ちゃんと魔術はあるんだもん!」


「じゃあなんか見せてみろやハロウィン野郎! ソイツを右手でぶち抜きゃ俺のイマジンブレイカーも信じるしかねーんだろ、このファンタジー頭!」


「いいもん見せる!」むきーっ! という感じでインデックスは両手を振り上げ、「これっ! この服! これは『歩く教会』っていう極上の防御結界なんだからっ!」


インデックスが両手を広げて強調しているのは、先程説明した、純白の修道服だ。

すると当麻は不適な笑みを浮かべた。


「……、ふぅん。てか、つまりアレだ。それが本っっっ当に『異能の力』だってんなら、俺の右手が触れただけで木っ端微塵、って訳だな?」


するとインデックスはこれまた凄く嫌らしい笑みを浮かべ、


「君のチカラが本っっっ当な・ら・ね? うっふっふーん」 すると案の定当麻はぶちギレて、上等だゴルァ!! と叫びながらインデックスの肩をがっちりと掴んだ。


………あれ? まてよ? 当麻のイマジンブレイカーの力は勿論本物だし、インデックスの歩く教会だとか言う力も根拠はないが、多分本物だろう。つまりイマジンブレイカーは右手に触れた異能の力を例外なく打ち消す。……っつうことはインデックスの服が………ヤバイ!! 止めさせないと!!!

龍哉は焦りながら思考を急停止させて、止めさせようとした……が、すでに遅かった……。


頭のフード以外全身素っ裸のインデックスが当麻の頭に噛み付いていた……。




 その後、素っ裸の状態で様々な物を俺達に投げ付けるインデックスを(なんで俺まで……)ロンギヌスの槍を突き付ける事でその場の空気を沈黙させた後、何とか二人を和解させた……そして今現在は二人とも落ち着いている。
ちなみにインデックスは当麻の能力によってバラバラになった歩く教会(笑)をピン止めで繋ぎ合わせ、何とか元の状態に戻してそれを着ている。つまりアイアンメイデン状態である。


「い、インデックス様! 真に非常に申し訳ありませんでしたーーー!」


「………もういいよ。だからいい加減床に減り込んでいるその頭をあげてくれないかな?」


「はい! 何と言うありがたき幸せ!」


ようやく当麻の連続土下座がおさまり、二人は完全に和解した。すると突然当麻が両手に頭を抱え、叫び出した。


「ヤッベェェ! 補習があるのをすっかり忘れてたああああああああ!!」


……やれやれだぜ。


「いいぜ、行ってこいよ。インデックスの事は俺に任せな」


「ああ、サンキューな龍哉。あと、一応俺の部屋の合い鍵渡しておくわ」


そうして俺は当麻から合い鍵を貰う。


「じゃあな」


当麻はただ一言それだけを言うと、外に出ていった。そう、ただそれだけを呟いて。つまりそれだけ龍哉の事を信頼しているのだろう。

そして当麻がいなくなった部屋で龍哉は決意を固め、インデックスに話し掛ける。


「なあインデックス。お前を狙っている魔術組織。どこにいるのかわかるか?」


するとインデックスは一瞬体をビクッと震える。確かにこんな事を突然聞くのもおかしいよな。


「……なんでそんな事を聞くの?」


そして数秒の沈黙く後、龍哉は立ち上がり質問に答える。


「……、そんなの決まっるだろ。その魔術組織を潰すんだよ」


「……! む、無理だよ!
いくらなんでも危険すぎるよ……それに、奴らに喧嘩を売るって事は、わたしと一緒に地獄の底まで堕ちる事になるんだよ! それでも「地獄に堕ちる? 違うね。俺はお前を地獄の底から救い出したいんだ!」……!」


そしてインデックスは泣いた。不覚にも泣いてしまった。それだけインデックスにとっては嬉しい事だったのだ。
そして龍哉はインデックスを抱きしめる。


「……別に泣く事は決して恥ずかしい事でもカッコ悪い事でもねぇ。とりあえず辛い事があったら泣けよ。誰だってそうするさ。俺だってそうする」


そうしてインデックスは泣きじゃくりながら本当に申し訳なさそうに龍哉に話し掛ける。


「ひぐ! ……えぐ! …本当にごめんなさい…本当の本当にごめんなさい……」


すると龍哉は少し呆れながら、

「だーかーら、さっきも言ったろ? お前は安心していいんだ」

龍哉はインデックスに優しい笑顔を向ける。


それを見たインデックスは再び大粒の涙を流した。 しかしさっきの涙とは違い、インデックスのその表情は、どこか嬉しそうだった……。



                                       
                                      〜To be continued・・・








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