や……た。俺達はついに勝ったんだ! 遅刻というラスボスに!! やべ〜、まさに今はエンディングの気分だ!
そして俺達は抱き合った。もう今の俺達に言葉なんて必要無かった……まさにこの瞬間、俺達は一つになった…。
……はたから見ればなんともう、気色悪い光景の龍哉と当麻であった………。
そしてエンディングモードも解除した二人は自分達の教室へと向かい、席に着いた時に、いいタイミングで龍哉達のクラスの担任である小萌先生が入ってきて、朝のホームルームが始まった。龍哉達はギリギリセーフでホームルームにも間に合ったという事である。
そして時は流れ朝のホームルームが終わり、休み時間となった。
「よぉ上やん、龍やん。朝のホームルームはハラハラしたでぇ」
そう言って現れたのは、学級代表で俺と当麻の悪友でもある、青ピこと青髪ピアスだ。……ちなみに女の子のタイプを聞くと小説の1ページがまるごとうまる程の凄い量である。
「よぉ青ピ。そういえば土御門は?」
そう俺が言うと青ピは心配そうに、
「…それが、まだ学校に来てへんのや。一体何処をほっつき歩いているんだか…」
青ピは少し俯きながら話した。……正直珍しい。クラスのまとめ役でこんな悲しい感情とは無縁な奴がだ。……やっぱり心配しているんだな。土御門の事を。
ちなみに土御門の事について説明すると、彼も龍哉達の悪友で、金髪でサングラスをかけてアロハシャツを着ているいかにも不良っぽい見た目をした男である。だが結構優しい一面もあり、掴み所の無い男である。
すると当麻が青ピを励ますような物言いで話す。
「……まあ気にすんなよ。別に今に始まった事じゃないだろ。どうせ土御門の事だ。またどっかでナンパでもしてるんじゃねえか?」
「……それもそうやな」
青ピは吹っ切れたようにいつも通りの笑顔を取り戻した。
そして龍哉も青ピに話し掛ける。
「ハハ! やっぱり青ピにはその表情が似合ってるぜ」
「それは嬉しいで龍やん。あ〜あ、この表情で女の子を落とせればええんやけどな〜」
「……ふう。青ピがいつもの感じに戻って良かったな。それでこそ上条さんは四バカ四天王だと思ってるでせうよ」
「「だな!(せやな!)」」
……ちなみに、俺、当麻、青ピ、土御門は、クラスで四バカ四天王と呼ばれている。ちなみに何故こうなったかは俺にもわからない。最悪としか言えねえ・・・。
やれやれ。今日日も楽しい一日になりそうだな……。
そう思いながら龍哉は微笑んだ。
そうしてなんだかんだで、学校は終わり、俺と当麻は青ピと別れて、学生寮に帰っている所だった。
そして俺は体を小刻みに震えさせながら当麻に話し掛ける。
「な、なあ当麻。」
当麻がこちらに振り向く。……当麻も体が震えていてすごく具合が悪そうな表情をしている。…多分、俺もこんな表情をしてるんだろうな〜。
「な……なんでございまするか?」
「……何かさっきから後ろにとてつもなくドス黒い殺気を感じているんだが…」
「……実は上条さんもだ」
やっぱりか……。それにしてもなんかヤベーよ。俺達。命狙われてるよ。当麻の不幸体質には慣れてるが、まさか殺し屋まで呼び寄せるとは……。
そして龍哉は小声で当麻に話し掛ける。
(おい当麻! お前とうとう殺し屋まで呼び寄せやがったな! マジでどうしてくれんだアァン!)
(ま、まさかそれはないだろ! よし! そこまで言うってんだったら、この殺気の正体を確かめようぜ。)
(よーしその話に乗った! それじゃあせーので振り向くぞ。)
(ああ、それじゃあ行くぜ……せ〜の!!)
二人は恐る恐る同時に振り向いた…。
そしてそこにいたのは勿論殺し屋ではなく、
一人の少女がいた。
その少女は茶髪のショートヘアで花柄のヘアピンを付けており、常盤台中学の制服をきていた。
常盤台中学。
それは、学園都市の全ての女子生徒が羨望の眼差しを注ぐ名門女子校であり、もちろん通う生徒は全員
『お嬢様』である。
しかしその少女は、お嬢様のような感じは一切なく、むしろ荒々しいイメージの方が強かった。
そして二人は安息した。
「「ハア〜〜。なんだビリビリかよォ〜。ビックリさせんなよな」」
だが、その少女は『なんだよ』という言葉にもともと煮えたぎっていた怒りが沸点に達した。そう、この少女は説明の通りか〜な〜りと言っていいほどプライドが高いのだ。
「アンタ達ねぇ……この学園都市のLEVEL5であるアタシの事を『なんだ』扱いですってぇ? それにさあ……」
そしてこの少女の頭からバチ、バチィ! と粋のいい音のビリビリが弾け出ていた。
そして二人の動物の本能が二人に告げた。『戦闘体形』をとれと。
そして、それと同時に少女のビリビリが爆発した!
「アタシには『御坂 美琴
(みさか みこと)ってゆう名前があるって何度も言ってるでしょうがああああああああァ!!!」
……こうして学園都市のLEVEL5御坂 美琴と、これまた同じく学園都市の不幸な少年×2の決戦の火蓋が開かれたのであった……。
〜To be continued・・・