〜第4話 新たなトモダチ〜
あのビリビリとの揉め事から数日後、龍哉と上条はお互い休日で暇だったので待ちをぶらついているのだが、
「暑い!? 暑いよとま」
「そうだな龍哉」
暑い!暑すぎる!!転生前は北海道に住んでいたからこの暑さは地獄だわ・・・。こんなのに耐えてるのか関東の住民は!?
「なあ当麻、ファミレス行かないか? 俺がおごるからいいだろ?」
「まじですか!上条さんは感動しました!それじゃあお言葉に甘えていっちょ行きますか!」
「ああ、そうだな! ふう、ようやくこの猛暑地獄から開放されるな・・」
ツライが、なれていかなければと龍哉は思った。それじゃあいっちょファミレスにゴーゴーゴゴーだぜ!
「『Let’s go ファミ「ねえアンタ達。ちょっと待ちなさいよ。」 え?』」
悪夢。二人はそう感じながら後ろに振り向くと、そこには先日戦った御坂美琴がいた。やはり額から電撃がほとばしっている。 ………てゆうかこれは先日と同じパターンだよなあ!? 黒子はちゃんと注意したのかよ・・。
「「うげ、ビリビリ再臨!」」
「ビリビリ言うな!私には御坂美琴っていう名前があるのよ!それとそこのアンタ!私と勝負しなさい!」
いらッ。
俺の怒りは暑さと苛立ちで臨界点を突破した……。ここは愛の説教と垂れ込もうか。
「テメェ!!」
そう言い俺はビリビリに近ずく。
「な、なによ。」
突然御坂は異様な殺気を龍哉から感じた。御坂の思う事は只一つ……
殺られる!
そう思い御坂はその場を離れようとするがその時すでに遅し……
龍哉の手が御坂の肩を掴んでいて、二人の距離は5cmもなく御坂は死を覚悟した……が、
「理由を話せ」
「え?」
御坂はつい間抜けな声を上げてしまった。自分を狙う獣が、突然元のムカつく高校生のそれに戻ったからだ。
前から気になっていたんだよな。なんでコイツが俺達にこんなに突っ掛かってくるのかが。
龍哉はいくら黒子がバトルジャンキーと御坂の事を称していたとはいえ、二人に喧嘩ふっかける理由が気になったのだ。
「こんなに俺達に突っ掛かって来るってことは、何かワケがあるんだろ?ちょうどファミレスに行く所だったからお前も来い!」
「え?いや、私は別に「問答無用!!」」
そう言う訳で無理矢理ビリビリの手を掴んでファミレスに向かった。
なんだかビリビリが顔を赤くしていた気がするがきっと暑さのせいだろう。
そんな訳でファミレスについた俺達は窓際の席に座り注文を待つ……無料の水を当麻とガボガボ飲み干しながら………
「ぷはーー!!生き返るーー!!」
「それにはメチャクチャ同意だわ。オカワリしようぜ龍哉ッ!」
「おう!どうせ無料だし飲みまくるぜえええッッ!!!」
そうして俺達は水をひたすら飲む。飲む。飲む。飲む「いや!あんた達飲み過ぎよ!」
とビリビリにツッコまれる。さすがに飲み過ぎて腹がたぷたぷだ。
と、いうわけでとりあえず水を飲み干すと俺は本題へ入った……
「で、俺達に何か恨みでもあるのか?俺は別にお前に恨まれるような事をした覚えはないが……当麻、お前はどうだ?」
当麻は数秒悩んだあと眉をひそめていた。おそらく当麻は本当に何もしていないだろう。
そして当麻はビリビリの顔色を見ながら口を開く。
「上条さんは断じてそのような行為をした覚えはありません!!」
するとビリビリは当麻を睨んだ後、少しいらついた表情で腕を組んだ。当麻が何もしていないとなると原因はなんだ?
「それはアンタのせいよ!」
そう言いビリビリは俺を指差した。それは意外ッッ! オレ!!! ・・・・て、
「へ?俺?」
突然の事に俺は唖然としてしまった…俺はコイツに何も恨まれるような事はしていない。…となると、やっぱり逆恨みか? 俺はどんな理由なのか期待してビリビリに耳を傾けていたのだが、
「そうよ!私はアンタのせいでLEVEL5第3位の座を降ろされたのよ。
この時の屈辱がアンタにはわかるの?」
俺は呆れてため息を吐いた。いままでこんなくだらない理由で俺達に突っ掛かってきていたのかコイツは。 しかもだ、無関係の当麻まで巻き込んで……俺は自分の心情を告げる事にした。
「くっだらねぇ。」
「え?」
ビリビリは唖然としていたが、すぐに自分の言った事が侮辱されたとわかると、怒ってお得意の電撃を出しはじめた。もう少しで周りの電子機器まで届きそうだ。まずいな。とりあえず自分の言い分を言わせてもらおう。
「確かにお前にとっては屈辱だったとは思うが、あんな電撃を撃ってきて、もし普通の人だったら死んでるかもしれないんだぞ」
「うっ!」
ようやく自分がした事に気がついたようで、ビリビリは当麻を申し訳なさそうに見つめている。
「とりあえず当麻に謝れ。コイツは関係ないのに巻き込まれたんだぞ。それでこの件は終わりにしようぜ。勝負の相手だったらたまにしてやるからさ」
「……わかったわよ…その……ごめんなさい」
ビリビリは当麻にぺこりと謝った。やけに素直だとは思ったが、こいつも決して悪い奴ではないんだろうなあ。と適当に結論ずけることにした。
「いいっていいって。気にすんな。それより何か食べましょうや。このまま険悪モードが続くのも上条さんにとっては心苦しいしな!」
と当麻。確かに反省してるようだし、もともとの目的であった涼しさ確保も果たせたし、俺も注文を頼むとしますか!
「ハハ! そうだな! ………ていうかおごって貰うお前が言うなよ!」
「ワリイワリイ。じゃあ上条さんはイチゴパフェにさそて頂くわ」
「ハイハイ。で、美琴は何にするんだ?」
「ああそれじゃああたしは・・・て、ちょ、ちょっと!? なんで名前で呼ぶのよ!!」
なんでって同じ飯を食う仲になったわけだし別にいいだろ? ・・てか突然美琴の顔が真っ赤になったぞ? あやっぱり暑いよな、わかるぜ。
「いいじゃんもう俺達友達じゃないか。この際お互い名前でよぼうゼ!」
「……わ、わかったわよ。…………りゅ、りゅう・・ゃ・・」
ビリビリは恥ずかしそうに顔を下げながらも俺を名前で呼んでくれた。俺はなぜか照れ臭くてつい美琴をからかってしまった。
「ハハ。なんだ、そんなカワイイ顔もできるじゃねえか」
「ッッ!? よ、余計なお世話よ! あと私はスパゲティーナポリタンでお願い」
「わかった。それじゃあ俺は小豆納豆おでんパフェにしよ」
「「ええぇぇぇぇぇぇ!?」」
今叫んだのは美琴と当麻である。
そう。察しのとうり龍哉はだいのゲテモノ好きでこれが龍哉の自覚していない最大の汚点である。
「お前味覚大丈夫か!!」
「そうよ!そんなゲテモノを好むのは世界中を捜しても龍哉しかいないわよ!」
「ハァ?この素晴らしい組み合わせこそがパフェの味を引き立てるんじゃねえか!?」
この味をしらないとは人生損してるぞ!? もったいなえなあ・・。
※良い子は真似しないように。
「まじかよ……てゆうかそんなパフェがあるのか…」
御坂は龍哉に対して若干引き、上条も親友の汚点に顔をしかめた。
〜それから10分後〜
俺達は些細な話しをしているとおまちかねの小豆納豆おでんパフェの御登場だ!そして俺はパフェをムサボリ食べる!
「うめえぇぇぇぇぇぇ………てお前ら! なんで目を逸らすんだああ!! ハッ!? まっまさかこの素晴らしいパフェが気持ち悪いとでも言うつもりか!?」
この瞬間ッ! 龍哉のゲテモノ料理2連撃に耐え兼ねた二人の考える事は奇跡的に一致し、
「「当たり前だろ(でしょ)うがあぁぁぁぁぁぁぁ!」」
「う、嘘だあああああああッッッ!!!」
ゲテモノ料理はやめてほしいという切実な思いをこれから抱えていくことになるとは、上条と御坂が知る余地もないだろう。
……そんなわけで龍哉達は楽しい時間を過ごすのであった…………。
〜To be continued・・・