小説『とある剣帝の無限倉庫』
作者:マタドガス()

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 〜第5話 「ざっとこんなモンだろ?」〜




「はーい。それじゃ授業を始めますよー?」


やあ!皆さんご存知神凪龍哉だ!俺は今授業を受けているんだが…
未だにありえねぇと俺は思う。
このクラス、つまり一年七組の担任、月詠つくよみ 小萌こもえ先生は教卓の前に立つと首しか見えなくなるというとんでもない教師だった。
身長は135cmで、安全面の理由からジェットコースターの利用をお断りされたという伝説を持つ、誰がどう見ても黄色い安全帽に真っ赤なランドセル、ソプラノリコーダー標準装備の十二歳にしか見えない、学園七不思議に指定されるほどの幼女先生だ。


という説明をする内に、俺は授業がかったるいので寝ることにした……というか俺はさっきから誰に話してるんだ?

そして俺は眠りについ「センセー?神凪クンが授業を無視して寝ようとしてまース」

は?

俺はとっさに俯いていた頭を上げて周りをキョロキョロと見渡し、状況を把握する。そして3秒ぐらい考えてようやく結論が出た。


青ピのヤロウ!俺が寝ていた事を小萌先生にチクりやがった!

ヤバイ!


俺が恐る恐る首を小萌先生の方に向けると


「……、」


小萌先生が沈黙している。どうやら授業に全く集中していない俺にものすごくショックを受けているらしい。何だかサンタさんの正体を知ってしまった十二歳の冬のような顔をしている。
と思った瞬間。子供の人権を守るべくクラス中の敵意ある視線が俺に突き刺さってきた。
痛い!視線がものすごく痛い!

俺は無謀ながらも必死にこの痛々しい視線に対抗してみる事にした。


「な、何だよテメェら!あ、もしかしてロリコンなのか!そうだよな&amp;amp;#12316;こぅんな『小さい』先生が好きなんだからみぃんなロリコンに決まって……あ」


俺はこの時気付いた。自分が『地雷』を踏んでいる事に……

俺はびくびくしながら教卓の小萌先生を見つめる。

「それでは神凪ちゃん。授業をはじめますよー?」





にっこり笑顔が超怖かった。
小萌先生は『可愛い』と言うと喜ぶくせに『小さい』と言うと激怒するのだ。俺は全力で謝った。


「す、スイマセンでしたーーー!!」


こうして渋々授業を受けるハメになる龍哉であった。


そして学校が終わり俺は一人で下校していた。え?当麻はだって?当麻は美琴とどっかに行った。どうやら美琴は先日の件で、当麻を巻き込んでしまった事を詫びたいそうだ。

「……さて。何するかな。」 俺はとりあえず公園に行く事にした。何せあそこには俺の大大大好きな苺おでんジュースがある自販機があるからだ!
フフフ…いつもなら当麻にそんなゲテモノを飲んではいけません!とか言われるからなぁ!当麻のいない今こそ絶好のチャンスと言うわけよ。


「そんなわけでいざ!公園へ!」


こうして龍哉は公園へ全力疾走で向かった。



 その一方、その様子を陰からみていた少年が一人いた…


「ハハハ! あれが噂に聞く
LEVEL5第3位の剣帝か。どれほどの実力を持っているのか楽しみだよ!」


そう不適な笑みの浮かべながらその少年も龍哉が行った公園の方に向かって歩いて行った………



龍哉は公園に到着して、一目散に自販機へと直行した。ちなみに今この公園には誰もいない。



「うひょ&amp;amp;#12316;&amp;amp;#12316;苺おでん発見!!」


俺は速攻金を入れて速攻ボタンを押して速攻ガコンと落ちた苺おでんを持ち超速でぷしゅっと開けて、そしてグビッと飲んだ。
味はもちろん


「うめぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


※実際はマズイらしいです。どれぐらいマズイかは、ニコ動に苺おでんを作ってみたという動画があると思うのでそれをみてね★


「やっぱり苺おでんは最高だ!ジュースの革命だ!これはいつか学園都市の大ブーム商品になる事だろう。」


そんな事を言ってる内にもう薄暗くなってきている事に龍哉は気付いた。あわててケータイのアラームを見ていると、もう7時だった。


「おっと!もうこんな時間か。んじゃ、そろそろ帰……」


そう言おうとした時だった。突然龍哉に向かって真空刃が飛んできた。


「うお!危ねえ!でやがれアイギスの盾!!」


龍哉は何とかアイギスの盾で真空刃を防いだ。すると薄暗闇から一人の少年が不適な笑みを浮かべながら龍哉に向かって歩いてきた。


「……誰だテメェは。」


この時龍哉は悟った。この少年は自分を殺そうとしている事に。そして初めて感じる死の恐怖。前に生きた世界では無縁だった恐怖がたった今、自分を殺そうとしているのだ。
しかし龍哉は決して恐れてはいない。なぜなら自分には圧倒的に強い剣帝の能力があるのだから。

「ハハ!名なんて名乗る必要はないだろう?僕は君に興味があってね。君の能力は謎にみちている。その正体不明の原石の力を僕は知りたいというわけさ」


このセリフを聞いて龍哉は内心笑っていた。こいつは馬鹿だ。こいつはLEVEL5の力を全く理解していないという事に。



「ほぉ。その口ぶりからしてお前はこの俺に勝てるとでも?お前の能力はおそらくさっきの真空刃からしてLEVEL3か4の風力使い(エアロシューター)だろ?」


少年はさらに顔を歪ませて嘲笑いながら言った。


「アハ!せ、い、か、い、だよォッッ!!!」


そう言いながら少年は真空刃を連発で龍哉に飛ばした。


「ふう、やれやれ、くだらねぇ攻撃だな」


龍哉は構わずアイギスの盾で全て防ぐ。連発と言っても前方からしか真空刃が飛んでこないので攻撃も防ぎやすいのだ。


「ほぉ。やはりその盾は全ての攻撃を防ぐようだな。ならば!」


-8-
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