目が覚めると病室のベッドに寝かされていた。
「ここは…」
「フェニックス本家の領土にある病院だ。今は関係者以外は立ち入り禁止にしている」
俺が呟いた言葉にそばに居たカイザーの伯父さんが答えてくれた。
「伯父さん、俺が気を失った後フェニックス分家…と言うより糞親父どうなりました?」
「…サウザーは私がこの手で殺した…フェニックス分家に居た従者たちはヒョウガ君に凍らされた者やヒョウガ君の母親も実行犯として処刑した。それ以外の者は本家で引き取る事になった。ヒョウガ君も私の養子として引き取った」
確かに襲いかかって来たものだけを凍らしていたな。けど分家に居た連中は信用できないな。
「そうですか…念の為に伯父さんが本家で信頼できると思う従者を1人、俺の側近にしてくれませんか?襲いかかってこなかったとは言え、俺は分家の奴らはハッキリ言って誰一人信用も信頼もしていません」
「5歳とは思えない位冷静だね。お〜いグレイフィア居るか!!」
「お呼びでしょうか旦那様?」
何でフェニックス家に居るのか知らないが(神に頼んだ影響かな?)伯父さんがグレイフィアを呼んですぐにあらわれた。
「あぁ今日から私の息子になる事になったヒョウガ・フェニックスの専属のメイドになって彼を守って欲しいんだ。お願いできるかな?」
「私もヒョウガ様の事が心配でしたのでその申し出受けさせていただきます」
どうやらグレイフィアが専属のメイドになってくれたみたいだ。
「専属メイドになったグレイフィアです。グレイフィアとお呼びください」
「今からヒョウガ君の父になるカイザー・フェニックスだ。しばらく慣れないかもしれないけど、父さんって呼んでね」
『俺の事はヒョウガでいいよ父さん。グレイフィアもよろしく。そして二人にはこれをあげます』
お互いに自己紹介した後、俺は魔力を使い融けない氷で作った氷細工をわたす。
「これは…すばらしいな」
「氷細工です。俺の魔力を込めて作ったので融けないはずです。父さんには俺を助けに来てくれた時の父さんの姿をした物を、グレイフィアには俺の事を表す氷の不死鳥だ。不死鳥は俺のイメージだけどな。適当な場所に飾ってくれ」
「大切にしますヒョウガ様」
「融けないって言っても壊れはするから気を付けてね」
こうして俺はフェニックス本家に住む事になった。