「ブーステッド・ギアで力を強化してるのになんで俺と普通に戦えてるんだよ!?」
兵藤は試合開始からずっとブーステッド・ギアを使っているのだが拍子抜けするほど弱い。
力は上がってきているが戦闘技術が全然できてない。
「鍛え方が違うんだよ。そもそもお前しっかりと修行してきたのか?」
「お前を倒すのに修行なんか必要ないんだよ!!」
「(実際は面倒だからってやってないだけだ。て言うか何でフェニックスの坊っちゃんには声が聞こえるのに、所有者であるこいつに声が聞こえないんだ?)」
ドライグの説明を聞いて呆れた。
「兵藤、この間俺に氷漬けにされたのによくそんな事言えたな」
「そんな事とっくの昔に忘れたぜ」
「…そうか、せめて修行してきてたらもうちょっとましな戦いができたのにな」
俺は兵藤の腹に蹴りをくらわせる。
「ぐはっ!テメェ調子に乗りやがって、こうなりゃとっておきを見せてやる!」
兵藤が胸の前で両手を合わせるようにするととそこに光が集まり武器が現れた。
俺はその武器を見て驚いた。
「何でお前が才牙…それもエクセリオンブレードを出せる?」
冒険王ビィトと言う漫画やアニメの世界で人間がヴァンデル(こっちの世界の悪魔みたいな存在)を倒すためその世界の戦闘技術を極めた者だけが手に入れることのできる武器がある、それが才牙だ。
才牙は人によって異なり同じものは存在しない。
だがこいつは他人の才牙、それも至高の聖剣とも言われるエクセリオンブレードを出した。
「あん?何でお前がこれを知っているんだ?…そうかお前も転生者だったのか!それなら納得だな」
「質問に答えろ何故エクセリオンブレードを出せる?」
「そんな事決まってるだろ?転生するときの特典だお前ももらったはずだぜ。俺の場合はこの世界は戦いが多いから悪魔たちに有効な物が欲しく貰ったんだよ」
なるほどそういう力も貰えたのか…。
「エクセリオンブレードを出された時にはかなり驚いたが、使い手がお前だって事を考えたら怖くも何とも無いな。言っちゃ悪いがお前はブーステッド・ギアもエクセリオンブレードも使いこなせてないからな」
「なら、その使いこなせてない力でお前を切り刻んでやるよ!!」
怒った兵藤がエクセリオンブレードで斬りかかって来た。
「攻撃が分かりやすいんだよ!」
カウンターの右ストレートを決め吹き飛ばす。
「ちくしょう!!攻撃が当たりさえすればお前なんか敵じゃないのに…」
「なら当ててみろ。この場所から動かないでやる」
そう言い俺は仁王立ちした。
「ふざけやがって!望み道理攻撃をぶち当てて真っ二つにしてやる!!」
兵藤は俺に向かって飛びあがり魔力を込めた一撃を振りおろしてきた。