振り下ろされたエクセリオンブレードを俺は白刃取りした。
エクセリオンブレードは光で出来た剣なので白刃取りした両手が少し火傷した。
「なっ!?テメェ動かないって言っておきながら嘘つきやがったな!なに白刃取りしてやがる!!」
「嘘をついた覚えはない。俺はこの場から動かないと言ったんだ防がないとは言ってない」
白刃取りした状態から兵藤を蹴り飛ばす。
その時兵藤はエクセリオンブレードから手を離したため俺の手元に残った。
蹴り飛ばした兵藤は校舎の壁にぶつかって気絶していた。
「ヒョウガ君の勝ちだ。これで模擬戦は終了だ」
サー兄が勝者を告げ試合が終わると観客席に居た父さんたちが来た。
「よくやったぞヒョウガ、レイヴェル」
「皆いい試合を見せてもらったよ」
「リアスちゃんもその眷属たちもいい試合でしたわ」
父さん達にバシバシと背中を叩かれながら褒められた。
「所でヒョウガ、試合が終わっているのに何故その聖剣を持っているの?」
「才牙…この武器は所有者が気絶したら普通は消えるはずなんだが…兵藤が気絶しても消えないから不思議に思ってな?それに白刃取りした時は触れただけで火傷したのに今は持っていても何とも無いし」
「火傷したんですか!?見せてください治療します!」
「お兄様の言う事が本当なら彼は気絶してますからおかしいですわね」
「その才牙というのがヒョウガ君を新しい使い手に選んだんじゃないでしょうか?」
「その可能性も有るか…なら試してみよう。サー兄ちょっと来てくれ」
「呼んだかいヒョウガ君?」
「ちょっとサー兄の消滅の魔力でこの剣の先っぽを攻撃してほしいんだ」
「別にいいけど私じゃなくてもリアスに頼めば良かったんじゃないかい?」
確かにリアスの消滅の力でも出来るのだが…
「才牙ってのは一言で言うと諸刃の剣なんだ。才牙が破損すればその所有者にダメージが来る、だから魔力のコントロールがリアスより上手なサー兄に頼むんだ。もし俺がエクセリオンブレードの使い手になっていたら俺にダメージが来るからダメージは少ない方がいいだろ?」
「そう言う事ならやらせてもらうよ。はっ!」
サー兄の指先からビー玉位の大きさの消滅の魔力がエクセリオンブレードの先っぽを消し飛ばした。
その瞬間俺の体に激痛が走った。
「いっっっ!!!」
「大丈夫かいヒョウガ君?」
「痛みが来ただけだから大丈夫。…どうやら本当に俺が使い手になったみたいだな」
俺が使い手と分かったのでエクセリオンブレードを俺の体の中に戻した。
「話は終わった?それじゃあヒョウガはこれから冥界に戻って休んだらパーティーの食事を作ってもらうわ」
ガシッとコートの襟を母さんにつかまれた。
「分かった。それじゃあ皆パーティーで会おう。リアス、兵藤がパーティーに来るなら問題を起こさない事が絶対条件だと言っておいてくれ。問題を起こせば今度こそ兵藤をぶっ潰すからな」
母さんに引きずられながら去り際に兵藤について忠告し、俺は冥界に帰った。