小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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ワン子VSクリス!転入生歓迎の決闘




『ただ今から、第一グラウンドで決闘を行います。決闘内容は武器有りの戦闘です。見学希望者は―――』


ワン子とクリスの決闘を他のクラスの連中も見に来ている。クラスの担任が認めれば見に来ることも可能だからな。それにこういう突発的なイベントにも対応してくる商魂高い連中もいる。


「決闘トトカルチョだ!ワン子 対 クリス、どっちに賭けるよ!」


キャップもその一人だった。


「信也、大和、京、手伝え!」


「一割な」


「一割だぞ」


「一割ダゾ」


俺達3人は手伝うからには報酬がほしいからキャップに1割くれるようにいった。


それを聞いたキャップは呆れていた。


「お前ら、キャップの命令には無条件に従えと……」


「誰の許可を得てここで商売してるんだ?ショバ代を納めてもらおうか」


そこにモモ先輩が現れた。


「姉さん。それより転入生が上玉だよ」


「それを早く言え。どれどれ・・・」


大和がモモ先輩に言うとモモ先輩はクリスの方を見る。



「*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)n゜・*:.。..。.:」(訳:上玉キターーーー!!)


訳さないと不明な言語をしゃべったモモ先輩。一体どうすれば損な言語になるんだろうな?不思議だ。


「ドイツから来たんだよ」


「ああ、あの金髪撫で撫でしたい」


やはりモモ先輩は美少女好きだからな……クリスを気に入ったようだ。


俺達がモモ先輩と話していると爺さんがグラウンドの中央に立ち、左右にはワン子とクリスが位置についた。


「これより川神学園伝統、決闘の儀を執り行う」


「決闘の儀!決闘の儀だ!!!」


「いいぞーーー、やれー!!!!」


周りの観客からの野次が飛んで来る。


「2人とも、前へ出て名乗りを上げるが良い!」


「2年F組 川神一子!」


「ワン子頑張れーーーーー!!!!」


「大和撫子の力を見せてやれ!!」


「今日より2年F組!クリスティアーネ・フリードリヒ」


「期待してるぞ新入りーーーっ!!」


「ワシが立ち会いのもと、決闘を許可をする」


「勝負がつくまでは、何があっても止めぬが、勝負がついたにも
関わらず攻撃を行おうとしたらワシが介入させてもらう、良いな?」


「承知したわ!」


「承った」


2人は決闘のルールを聞いて了解している時、岳人とのヨンパチの2人わと言うと


「ん、スカートで闘うんだよなクリスちゃんは……ってことはおい! ヨンパチぃぃっっ!!」


「分かってる。シャッターチャンスは逃がさねぇ!出世の機会は逃してもこれだけは逃さねぇ!」


既にエロいことしか考えていなかった。


そんな中、ワン子はレプリカの薙刀を、クリスはレプリカのレイピアを構えている。


「いざ尋常に、はじめいっ!!!!!!」


「勝負!」


「いっけぇぇぇぇーーー!!」


開始の合図と同時に二人は動き始めた。


ワン子が薙刀を鋭く振り回す。


「間合いに入らせないわっ」


「……!」


ワン子が一方的に斬撃を繰り出している。


俺は2人の決闘を見ているとモモ先輩の気配を感じ後ろを見ると、大和に絡んでるモモ先輩がいた。


「んー。とりあえずワン子の攻撃が単調すぎる」


どうやら大和に解説をしているみたいだ。


観戦している生徒達(一部を除く)のほとんどがワン子が優勢に見えているみたいだが、


「「……クリス(転入生)の目が慣れてきた頃だ。仕掛けてくるぞ」」


俺とモモ先輩が同じことを言っていると、クリスに動きがあった。


「やーっ!!」


「!!迅いっ……」


クリスの凄まじく迅い突きをワン子はなんとかギリギリかわし、二人の距離が一旦開いた。
そうして観客は沸いた。


「おおっ、すっげぇ!2人ともやるなぁ!」


「今……攻撃したよな!?突いたんだよな?」


「あの突きの迅さ尋常じゃない。ワン子……次懐に入られたら終わりだよ」


「それ以前に……あのバカ、あれを外していないからな。それにあいつはクリスの競技のことを知っていない」


俺の隣にいた京が2人の決闘を見てそういっている中、俺はワン子のあるミスに気づいていた。


「?あれって?それに転入生の競技って?」


「ああ、すぐにわかる」


俺は京にそういうとまた、決闘を見るのに集中した。


「続けて行くぞ。次で仕留める!」


「上等よっ!」


「せいやーーーっ!!」


声を上げたと共にワン子は薙刀をクルクル回し始めた。回せば回すほど薙刀の回転数はどんどん上がっていき、遠心力によってその威力はどんどん上がっていく。


「………これは………!?」


クリスはワン子の動きが必勝の構えだと気付いたらしく、足を止める。ただ踏み込めば斬られることがわかる状況であるからこの行動は当然の判断だ。


「おい違うぞワン子。そうじゃないだろー」


「やっぱり、知らないようだなワン子は……」


『?』


大和と京は不思議そうな表情をしている。


「川神流――――」


薙刀を大きく頭上に振り上げるワン子。
誰もがそのまま振り下ろしの攻撃に移ると思われていたその軌跡は―――


「―――山崩し!!」


薙刀の刃筋は、予想を覆いし斜めに流れていき―――クリスの脚へと振り下ろされた。


「!!!」



フェンシングの有効部分は胴だけであり、薙刀は脚すらも攻撃できる。脚への攻撃に不慣れな人間ならば間違いなく、このすね技を食らってしまうハズである。


ワン子のこの思考が、間違っているわけではない。


だが、


「ふ!」


ただ1つの誤算は―――


「避け……!?」


「セェイ!!!!!!」


ドスッ!


―――フェンシングには全身有効な種目があり、クリスはソレが専門だったということ。


クリスの突きがワン子の肩に炸裂していた。


「〜〜〜っっっっ!!!」


悔しさと痛みでうめくワン子


「それまで! 勝者クリス!!!」


「ウォースゲー!スゲー試合だった!!」


「何が起こったのか分からんがとにかくスゲー!」


見ていたギャラリーがドッと歓声が沸き上がる。


「ワン子が………負けた………ってわりと良くあることだったわね」


「喧嘩ふっかけてはまけてますもんね」


ワン子が負けるのはよくあることなのでうちのクラスの連中は特に気にしていなかったりする。


「足りない頭使い過ぎなんだよ。もっと本能で戦え」


「うあ、ありゃ鎖骨イったんじゃねーか?」


突かれた所を苦しそうにおさえるワン子……


「とか冷静に思ってる場合じゃない。大丈夫かワン子!?」


「フム骨は大丈夫じゃな。しばらく痕は残るがの」


「それは良かった」


先ほどまで悔しさと痛さで俯いているワン子だが……


「くっ……ぅ……ふ…ふふふふ…ふふふふ」


「どうした、“ふ”しか喋れなくなったのか?」


「アンタは黙ってなさい!面白いわねクリス……本気でやってやろーじゃない!」


そういってリストバンドを外し、地面に放るとそれはズンッ、という音を立てて地面に落ちた。


「な…あのリストバンド何キロあるんだ?」


「今まであんなハンデで闘っていたということか!?」


「さぁ。第2Rといきましょー……」


ワン子が第2Rを始めようとするのを俺は、


「このバカワン子!」


ペチッ!


痛めている肩を軽く叩いた。


「〜〜〜いったぁぁぁぁいい!!」


再び肩を抑えるワン子は俺を睨んだ。


「信也〜何するんだよォ!!」


「アホ!もう勝負はついただろうが!始めから全力でやんないのが悪いんだろうが」


「うっ…!」


図星をつかれたワン子は黙った。


そして、


「わかったわよ……。それにしても、やるわね……アタシ達は、アンタを歓迎するわ」


「……!」


ワン子にそう言われたクリスは嬉しそうだ。


それにクリスの周りにうちのクラスの連中が集まっていくな。


「強かったんだねー!スゴイスゴイ!」


「健闘を称えて拍手ですー。パチパチ」


「骨のある奴だ」


「カッコ良かったぞー!」


「よろしくね」


「こちらこそ、よろしく頼む!」


ワン子が笑顔でクリスと握手をしている。成長したなワン子。


俺が嬉しく、感動していたが、


「アンタのあだ名は、えーっと……クリスだからクリね」


「く、クリ?」


「やべぇ立った!!」


「股間の反射神経凄すぎだろ!!まあ俺様もなんだがな」


感動が一気に消えた。


俺は頭が痛くなってきた。そんな俺を京とユキが近づき、


「信也、頭痛いの?私達が―――――」


「―――――介護してあげるよ〜〜」


自分の立派な胸を俺に当ててきた。


「大丈夫だ。……ん?」


俺は2人にそういっていると、クリスが近づいてきた。


「信也。このまま私と戦ってほしい」


「何?俺と戦ってほしいだと?」


いきなり俺に勝負を持ちかけてきた。


「ああ!自分は5年前に助けてもらった時の信也の強さは今でも覚えている。自分はそんな信也を目標に今日まで鍛錬をしてきた!頼む!」


頭を下げて俺に頼みごとをするクリスに俺はこう言った。


「頭を上げろってクリス。いいぜ、戦ってやるよ」


俺がそういうとクリスはバッ!っと元の体制に戻り、目を輝かせていた。


「本当か!それはよかった!では、今すぐに!」


俺は爺さんに視線を向けると、爺さんは「良いじゃろう」っと表情で言っているのがわかった。


俺とクリスはグラウンドの中央に向かうのであった。

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