小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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信也VSクリス!




『ただ今から、第一グラウンドで引き続き決闘を行います。決闘内容は最初と同じで武器有りの戦闘です。見学希望者は―――』


ワン子とクリスの決闘の後、俺とクリスの決闘が始まろうとしている。ちなみに、外野では…


「決闘トトカルチョだ!信也 対 クリス、どっちに賭けるよ!」


キャップはまたトトカルチョをしていたりした。


まったく、俺を賭けの対象にしないでほしいものだ。ま、キャップは風のような人間だし、言っても意味ないか。


俺はそう思いながらグラウンドの中央に立つ。


「これより、八神信也対クリスティアーネ・フリードリヒの決闘を始める。2人とも、準備はいいかの?」


「自分は構わないが……信也。武器はどうするんだ?何なら教室に取りに行くまで待つが?」


クリスは俺の両手を見ながら言ってきた。まあ、確かに今の俺は無手だしな。そう言われても仕方ないが……


「安心しな。俺の武器は……」


そういいながら俺は袖の中に手を通した。


そして、ゆっくり手を引くと何とそこから


「ここにある」


刀が出てきた。


「!? 一体どうやったらそこ(袖)から刀が出てくるんだ!」


「これぞ、東洋の神秘ネ(棒読み)」


ちなみに、日本という国を間違った認識で覚えているクリスにこう言うと、


「なるほど!これが噂に聞く、TOYO NO SINPIか!ジャパニーズニンジャだな!」


こんな風に変な勘違いをするのだ。


なお、この俺とクリスのやり取りを見て聞いていた京とユキ、ワン子はというと…


「(何、私の前で別の女とあんなに仲良く!!)」


「(あははは〜信也〜後でお仕置きだねぇ)」


「(何かしら?痛みを感じなくなってきたけど、今度は変な気持が湧き上がってくるわ!)」




*後に、信也はこの3人によって大変な目に遭うのであった。




「これより川神学園伝統、決闘の儀を執り行う」


「決闘の儀!決闘の儀だ!!!」


「いいぞーーー、やれー!!!!」


周りの観客からの野次が飛んで来る。


「2人とも、前へ出て名乗りを上げるが良い!」


「2年F組 八神信也」


「信也君頑張れーーーーー!!!!」


「日本侍の力を見せてやれ!!」


「今日より2年F組!クリスティアーネ・フリードリヒ」


「今回も期待してるぞクリスーーーっ!!」


クリスは先のワン子との決闘で結構皆に馴染んでいるのかかなり応援されている。ま、俺も人のことは言えんがな。


「ワシが立ち会いのもと、決闘を許可をする」


「勝負がつくまでは、何があっても止めぬが、勝負がついたにも
関わらず攻撃を行おうとしたらワシが介入させてもらう、良いな?」


「わかった」


「承った」


俺とクリスが決闘のルールを聞いて了解している時、岳人とのヨンパチの2人わと言うとまたも、


「ヨンパチ!わかっているな!」


「あたぼうよ!さっきみたいにカメラのフィルムいっぱいに撮ってやるぜ!」


先ほどと同じようなことをしていた。


「それでは、いざ尋常に……はじめいっ!!!!」






SIDE・第三者


学長の開始の声が、学園中に響く。


「……」


「……」


しかし、信也とクリスは構えたまま、微動だにしない。


「なんだ?全然動かないぞ?」


「おーい。睨み合ってないで動けよー」


「そうだそうだー」


先ほどの激しい戦いとは裏腹に、まったく動きのない2人に、観客から野次が飛び始めるが、


「お前ら、少し黙れ」


「「!?」」


モモ先輩が一言呟くと、野次を飛ばしていたも者達が静かになった。そう。2人の戦いは、もう始まっていたのだ。信也はクリスがどんな行動をしてきても対処できるような、隙のない構えをしている。
それを前に、クリスは迂闊に攻め込めずにいるのだ。


そして、始めに動き出したのは…


「イクぞクリス!」


信也の方だった。信也は素早い動きでクリスに近づいていった。


「っ!?(速い!?)」


クリスも信也の速さに驚きながらも迎撃に出る。


「せい!!」


レイピアで信也に攻撃するも


スカッ


「なっ!?この至近距離で!」


最低限の動きでレイピアの突きを避け、刀を振う。


「くっ!」


刀が当たるギリギリのタイミングで避けたクリスは体勢を立て直そうとするが、


「連撃を受けてみな!八神流剣術奥義・連撃斬光閃舞!」


信也の刀から複数の気の斬撃がクリスを襲う。


「ちょっ!?うわああ!」


いきなりの気の斬撃に驚きながらそれを避けるクリスであったが、その避けられた斬撃はそのまま校舎の方へと向かい……



ザシュ!!



向かった先である体育館をそのまま斬り裂いた。


「う、嘘っ!?何なんだ今のは!!」


クリスは自分に繰り出された技の威力に驚き、声を上げた。


「さっきのは気を刀に凝縮して放った技……だ!」


驚くクリスに説明をしながら瞬動でクリスに近づいた信也は、


「紅蓮拳!!」


ドスッ!


「が…は!?」


クリスに腹を気を溜めた拳を叩きこんだ。


「続いて!斬空閃!」


気を曲線状にして飛ばした。


その攻撃によって紅蓮拳のダメージが抜けていなかったクリスは斬空閃を手に喰らい、レイピアを手放してしまった。


「〜〜〜っっっっ!!!」


悔しさと腹と手の痛みでうめくクリス。


「それまで! 勝者信也!!!」



SIDE・第三者 OUT


ワァァァアアアアアアア!!!


「ウォースゲー!スゲー試合だった!!」


「何が起こったのか分からんがとにかくスゲー!」


「何か刀で飛ばしていたのもすげえ!!」


見ていたギャラリーがドッと歓声が沸き上がる。


俺は刀を鞘にしまい、袖の中に入れた。


「ありがとう信也。今日はとても勉強になった。また、いつか自分と決闘をしてくれないだろうか?」


そう言って手を差し伸べてくるクリスに、


「ああ、俺でよければいつでもな!」


そう答えて、しっかりと握手する。


こうして、俺…八神信也VS転校生であるクリスティアーネ・フリードリヒの戦いは幕を閉じた。

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