小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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大和VS冬馬&翔一VS準…豪華2本立て!




今は放課後。それまでに大和は色々と葵の事を調べ、下準備をした。

「こりゃまた…そっちは女子が多いな」

すでに葵の後ろは女子が固めていた。これではどこぞのアイドルだぞ?

「そちらは男子から人気のようで」

「たぶん、お前の負けがみたいんだろう」

「賑やかな勝負になりそうですね……では決闘です」

「受けたぜ」

2人がワッペンを置き決闘がスタートした。

「勝手キャーキャー応援している女子どもを黙れせろ」

「そうだぜ、カッコ悪いところ見せてやりな。うへへ」

「お前等。変な応援の仕方はやめろ。大和。お前はお前のために勝負し、勝て」

「普通に応援してくれるのはお前だけだぜ信也」

…まぁもう片方からは 女子の応援が聞こえてくるけどな。

「頭で闘うとして、何で決闘しましょうか?」

「せっかく観客が多いんだ。皆で楽しめるのがいい」

「エンターテイナーですね。私もそう思いましたよ」

「となると…どうするか」

そして大和は屋上を見回した。

「一応、新品のトランプとサイコロは用意して来ましたが…好きなんですよねこういうの」

「ギャラリーには分かりにくな」

まぁ渋るだろうな。相手が持ってきた時点でどんな細工をされているのかもわからないしな。

「ですね。最前列の方以外はきついかもしれません」

「アウトドアなんだから別の勝負にしようぜ」

そして大和が屋上からグラウンドを見た

「んーそうだな…お!」

グラウンドで何かを見つけたようだ。

「…ギャンブル好きなら、こういうのはどうだ?今、陸上部のやつらがタイムをはかってるだろ」

「はい。いつも練習ごくろうさまですね」

「あの最後の組に走る奴ら4人の中で、誰が一着になるか賭けないか?」

「なるほど簡易的な競馬ですね。これは面白そうだ。でも、グラウンドには他にも人がいますし。陸上部以外でなにか賭けるのも面白そうですねぇ」

どうやら葵は大和が何をするのか分かっているようだな。

「何か他にあれば提案どうぞ」

「…ふーむ。結局陸上部が一番盛り上がりそうです
直江さんの提案どおりにいきましょうか」

そして、

「私は1番手前のイガクリ頭の人に掛けます」

「俺は1番奥の髪束ねてるロンゲを選ぶ」

と、2人はちゃんと別々の陸上部の2人を選ぶ。

ロンゲ頭がイガグリ頭を抜く。

「葵冬馬俺の勝ちだ」

勝ち誇る大和だが…甘いな。葵が相手の提案を承諾した事に疑問をもたなかった事を考えていない。

「――それは、まだ分かりませんよ」

「なん……だと?」

「おい、ロンゲ急に速度落ちたぞ……」

「ちょっ…イガグリ頭に抜かれちゃったよ!」

大和は…負けたかと思ったが、

「あれ?ロンゲ頭の人、急に速度が上がったよ!?」

「おいおい、イガグリ頭を抜いたぞ!大和の勝ちじゃねぇか!」

「!?」

大和はグラウンドをもう一度みると…ロンゲ頭が1番にゴールしていた。

「俺の……勝ちだ!(…もしかして信也が何かしたのか?)」

「これは…私の負けですか」

俺は葵の肩を叩く。

「惜しかったな葵。お前にだって負ける時はあるさ。どんまい」

「!(まさか、彼が何かをしたのでしょうか?しかし、一体いつ?わかりませんね)」

そう言って葵から離れ、大和の肩を叩く。

「おし、大和。儲かった金で飯を食うぞ。お前のオゴリで」

「んな!?」

驚く大和。

驚く大和の耳元で小声で言う。

「(俺が根回ししてなかったらお前負けてたぞ?大勢のいる前で。お前も葵がお前の提案を承諾した事に疑問をもてよ)」

グサッ!

「(ぐっ!反論できん…わかった奢るよ)」

「(それでいい♪)」

俺は笑顔で大和を見るのであった。


一方、

「若、惜しかったな」

「ええ。負けてしまいましたが……こういうのもいいですね。直江君、今度は賭けなしで勝負しませんか?
これでもかなりの負けず嫌いなもので」

「ちょっと待った。俺が行こう若が2度も出る必要なねぇ」

井上が葵の前にでる。

「なんか、負けていてもこの男同士友情って……キャー!痺れる〜憧れる〜♪」

…負けても人気だな葵は。

「なら、俺が行こう。勝負事は好きだぜ。こういったもの限定で」

俺が前に出ようとすると

「ちょっと待ったぁ!、こういう時はリーダーが出るもんだろ」

キャップが俺の前に出た

「その心得は?」

「俺がリーダーだ。大和ばっかり目立ってずるいぞ!」

…子供かよ!?

「え、決闘2連戦!?」

「良いぞ、山猿が天狗に「お前は黙っていろ。本当の意味での負け犬不死川」…お前、嫌いじゃあああああ!うわぁ〜〜〜ん!」

そのまま、屋上から消える不死川。

「信也ってドSだよね、そんな信也も素敵!」

「大好き〜」

ダキッ!

何故か京とユキに抱きつかれた。胸の感触が…。

「風間確か足早いんだったよな?噂は聞いてるぜ」

「ああ。逃げ足となるとさらに凄いぜ」

確かにな。ファミリーで俺とモモ先輩を抜けば最速だもんな。

「俺も自信があるんよ、足で勝負しようぜコラァ」

「乗った!報酬は後で家の軍師と話し合って決めてくれ。金じゃなくてもいいからよ」

「決闘成立だな」

不死川がいなくなったので俺が仕切る。

両陣営ともウォォォォォォオと言わんばかりのテンションだな。この学校の生徒はこう言ったのが好きなのが多いしな。

「じゃあ下りようか。グラウンド借りようぜ」

「待てよ。ここから校門見えるよな?」

「ああ。くっきりとな」

「こっからスタートして、校門ゴールにしないか?
階段を駆け下りるの超速いんだぜ俺。小学生の時それやって保健室に運ばれた時さ、お前は5段飛ばしの準だって保健医に照合もらってっから」

「保健室に運ばれるようじゃ駄目じゃん」

相変わらず鋭いツッコミを入れるモロである。

「いいよ、それで。やろうぜ」

「じゃあ、職員室に伝えてくる」

シュン!

俺は屋上から消える。


〜1分後〜


「ただいま」

『早!?』

ファミリー以外の生徒達に言われた。

「今よりB棟屋上で決闘が行われます。種目はB棟屋上から校門への競争です。進路にいる生徒達は至急道を空けて下さい」

「おー。職員室も対応早っ」

準備もできたな。

「さーて。じゃあやろうぜ!」

「悪いが、若も負けているんだ。俺が負けるわけにはいかねぇぜ
あの、2-Fの委員長」

「はい?何ですか」

「俺の活躍、是非見てて下さい(熱視線)」

「はぁ?」

敵であるはずのクラスの委員長に自分を見て欲しいって…さすがロリコン。

「それでは位置について」

ご丁寧にアナウンスでスタートの合図を送ってくれるらしい。優しいねぇ〜。

「よーい、……どん!」

「おおおりゃあぁぁ! ロケットスタートォォォ! 階段5段飛ばしの連続を見せてやるぜ!」

井上の姿は屋上から消え、叫びながら下へと向かった。

そして、キャップはと言うと、

「おーおー、確かに速いじゃんあのハゲ」

その場から動かずに見送っていた。

「何してるのさキャップー! 早くいかないと!」

「あきらめたのですか?」

…キャップの思考は俺達の斜め上だからな。

「だがそれは階段から下りればいいという単純思考。
それでは風のように自由な俺には勝てない!」

そう言いながらキャップは入口とは反対へと走る。

「俺は、跳ぶぜっ!!!!」

ヒュン!

ためらい事なく、飛び降りる。

「ちょっ、キャップ!?無茶苦茶だよ相変わらず!」

そう言って屋上にいた皆は下をのぞく。

そこには木の幹をスルスル下りていくキャップの姿が。

「一番高い木に飛び移ったというのですか」

さすがの葵もあり得ないと言わんばかりの表情で見ている。

「思いついていても普通やる!?」

「皆に納得のいく言葉を言おう。キャップだからさ」

俺やファミリーは完全に納得したのか頷く。

そして、下では

「え?なんであいつがもうあんな所に!?」

生徒玄関から出てきた井上の声が遠くから聞こえてきた。

そして、キャップの声もな。

「強風暴風台風突風旋風烈風疾風怒濤!! 風をとらえられるモノなどこの世にありはしない!」

「ぐ、追いつけねぇ!」

そして、キャップは凄まじい速さで、一直線にゴールをした。そしてそのまま走り去っていった。

「ちょっ、どこ行くんだ?せっかく勝ったのに」

大和の携帯が鳴る。

「キャップから?何々。“このままバイト行く。報酬は勝手にきめておいてくれ”……ほんと、嵐のような奴だぜ」

「それ、昔からだろ」

「だな」

アハハハ!っと俺達は笑ったのであった。







その後、俺は大和のオゴリで飯を食わせて貰ったのでした。

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