驚きの出会い?
今日は祝日と言う事で学校は休みだ。そして、ゴールデンウィーク突入している。
俺は日曜日のように朝から山に来て、修行している。
そんないつもの修行風景と違ったものがあった。それは
♪〜〜♪〜〜〜♪
どこからか笛の音が聞こえてきた。珍しいな。この山、普段は人来ないのに……気配が4つか。
そのうち1つが微かにだが巨大な気を隠しているな。気配は…こっちからか。
俺は修行服を着直し、刀をもって気配のする方へ行く。
すると、
「ハァァァーー!」
「そぉい!」
「なっ!?」
いきなり攻撃してきやがった!
シャキィン!キィィィン!
パン!
右手で刀で刀を受け止め、左手で錫杖を押さえる。
「「なっ!」」
「せい!」
ドスン!
俊足の蹴りを2人の腹を蹴る。
「ぐっ!」
「がぁ!」
吹き飛んでいく2人。斬りかかろうとすると、
シュン!カキィンン!
俺めがけて飛んできた矢を弾く。
「なッ!俺の矢を弾いただと!」
声のした方を見ると弓を構える少年とその隣でそわそわする女の子。
それと先ほど俺が蹴った2人も…女だった。
「どういうつもりだ。いきなり襲ってきやがって」
「ハッ!てめぇは組織の人間だろ!俺達の命を消しに来たのか!」
「…はぁ!?」
何を言っているんだこいつは!?…いや待てよ。こんな奴を昔…あぁ!昔のニヒル時代の大和か!
「ぐっ…君は義経達の事を襲いに来たのではないのか?」
「…ん?義経だって?」
俺が刀をもった女の子の名前を口にするとその女の子はしまった!と言わんばかりの表情をする。
「ど、どうしよう弁慶!」
「…私の名前まで言わないでよ義経」
「…あっ!」
…何か天然だなこの子。
「誤解しているようだから言っておくが…俺はここに1時間以上前からいたぞ。ここの近くに滝があるのを知っているか知らんが、そこで修業していたんだよ。それで笛の音が聞こえてきて、気を探ったら4人ぐらい…普段は誰も来ない山に来ているから珍しいと思って調べに来たんだよ。そしたら…何で攻撃されないといけないんだか」
ハァ…とため息をつくと、
「す、すまない!義経達の早とちりだったようだな」
「全くだ。俺だったら良かったものの…他の奴だったら怪我してたぞ」
「うぅ…義経は深く反省する」
…この子、ワン子みたいだな。
「別に怒ってないさ。だが、これからは気をつける事だ」
「わ、わかった」
…うん。この子絶対にワン子+まゆっちって感じだな。
「それで?義経に弁慶って…あの英雄と家臣の?」
「…どうしよう弁慶」
「どうするも何も…話すしかないでしょ」
弁慶?は瓢箪から…匂いからすると川神水か?を取り出す。
「おーい。そこの2人もこっちに来いよ〜何もしないからよ」
「与一ー!清楚!こっちに来たらどうだー?」
義経?が2人に声をかけ、女の子…清楚は笑顔でこちらに来ようとするが、少年…与一が渋っているのが見える。
だが、清楚?が手を引っ張ってこちらにきた。
「さて、ここで立ち話も何だし、俺が修行している所に来いよ。茶ぐらいだすぜ」
俺がそう言うと4人は頷き、俺は修行場に案内する。
――修行場――
修行場に着いた俺は4人にもってきていた冷たいおいしいお茶を出す。
「んじゃ、自己紹介でもしようか。俺は川神学園2-F所属の八神信也だ。よろしく」
「あ、自分は源義経だ。よろしく八神君」
「あはは、八神君か、別に下の名前で、呼び捨てでいいよ」
「そうか?なら、信也、よろしくな!」
「私は一応武蔵坊弁慶らしいよ。よろしくね」
「よろしく」
「私は葉桜清楚だよ。2年ってことは私は1つ年上だね。よろしく信也君」
「年上だったか。なら、葉桜先輩だな」
「アッハハハ!私の事も呼び捨てでいいよ?」
「そうか?なら清楚って呼ばせてもらおう」
女子3人とは自己紹介したが、
「俺は気を許さないぞ…いつ、こいつが俺の命を…」
中二病のこいつはまだ言っている。
「バカな事言ってないで自己紹介ぐらいしなよ」
ギュゥゥ〜〜
「痛ってて!?痛い、姐御、する!するから放してくれ!」
与一?がそう言うと弁慶は耳から手を放す。
「全く…那須与一だ。よろしくするつもりはない」
…やれやれ。3人を見ると、困った表情をしていた。
「さて、清楚は分からないが…3人の名前は英雄とその家臣の名前だよな?一体どういうことだ?(この4人はマジ恋で見たことないぞ?…もしかして、俺が死んでから続編でも出たのか?)」
俺が質問すると義経が話してくれた。
「義経達4人は九鬼財閥で作られたクローンなんだ」
…はぁ!?
「ちょ、待てよ!?九鬼財閥だって?……いや、あそこなら何でも出来そうだな」
九鬼だからと言われれば納得する自分が悔しいな。
「詳しくは言えないが、義経達がクローンだと言う事で我慢してくれ」
「分かった。所で清楚は誰のクローンなんだ?葉桜清楚なんて名前の英雄は聞いたことないぞ?」
清楚に聞いてみると、
「実は私は、他の3人と違って、誰のクローンだか自分自身ですら教えてもらってないの。葉桜清楚というのはイメージでつけた名前です」
「なるほどな」
「うん。25歳ぐらいになったら教えてもらえるそうなんだ。それまでは学問に打ち込みなさいと言われているの。私は本を読むのが趣味なんです…だから清少納言あたりのクローンだといいなと思っているんだ」
「…清少納言だったらいいな」
「うん!」
笑顔の清楚を見て…マジで清楚と思ってしまったぜ。…それにしても、葉桜を別に変換すると…ハオウ。清楚を漢字変換して西楚。頭のついているヒナゲシは確か、虞美人草って名前もあった…おい、ちょっと待てよ?清楚から感じる隠されている膨大な気。名前に花…まさか…いや、ありえないよな。清楚があの英雄のクローンなんて。
「それで、4人は何でここに?」
「今、義経達は九鬼財閥極東本部に住んでいるんだが、ここには気分転換と言う事でここに来たんだ」
「なるほど。だから、普段は誰もこない山から気配がしたのか」
…ん?腹が少し空いてきたな。時間を見たら昼飯の時間が近いな。
「ここで会ったのも何かの縁だ。昼飯食べていくか?」
『えっ?/なに?』
4人が驚く。俺、変な事言ったか?
「い、いいのか?いきなり襲って来たんだぞ義経達は?」
「あはは!いいって。飯は大勢で食べた方がおいしいしな」
俺が笑いながら言うと4人は頷いた。驚いたのは与一も頷いた事だな。
「そこに、丁度、川があるし、与一はこれを使って魚を捕まえてくれないか?」
そう言って与一に串を数十本渡す。
「あぁ?これでどうやって魚を捕まえんだよ」
「見てれば分かるさ」
俺は川のすぐ近くに立ち、
「ハァ!」
ドスン!
気をこめた一撃を水面に叩きつける。
すると、
バシャン!
驚いたのか魚飛び跳ねる。そこへ串を2本投げる。
シュン!グサッ!
串は見事、魚を突き刺さり、そのまま木に刺さる。
「と、まぁこんな感じだ。俺が水面を叩くから与一が跳ねた魚を捕まえる。こんな感じだ」
「へぇ面白そうだな。いいだろう。その話乗ってやる」
「よし、やるか」
そう言って、俺は清楚達を見る。
「清楚達は料理できるか?」
そう聞くと、
「私は大丈夫だよ?」
「義経は切ったりするぐらいならできる」
「私も簡単な事だったら出来るよ」
出来るようだな。
「なら、そこのリュックの中に食材が入っているから、食べやすい大きさに切ってくれ。魚捕まえたら俺も手伝う」
俺がそう言うと3人は分かったといい、リュックを空けて、食材とカレー粉を見て、何を作るか分かったようだ。
「さて、魚を捕まえる前に…準備しておいた米を炊くかな」
魚を捕まえる前に米を入れた鍋の火をつける。
「よし、これでいいな」
「信也!義経はあまり料理離れていないから鍋を見ているぞ」
「なら、頼む」
鍋を義経に任せる。
「よし、始めるか」
「さっさと終わらせようぜ」
与一も何気にやる気になっているので、
「はぁ!」
ドッスーン!
水面を思いっきり叩く。
バシャーン!
音と共に魚が十数匹飛び出る。
「狙い取る!」
シュシュシュシュシュン!グサササササ!!
「おお、1本で数匹捕まえるか…さすがだな」
「ま、まぁな。俺にかかればこんなのは朝飯前だ」
「これぐらい取ればいいか」
「でもよ、木に刺さっているけどどうすんだ?」
「こうするんだよ」
手から気でできた糸を指先から出す。それを串に絡ませて、引っこ抜き、こちらに戻す。
「はい終了」
「はやっ!」
驚く与一であった。
魚をとった俺達は清楚達の所に戻ると、米を炊いている以外の鍋に材料を入れている2人を発見。
「ただいま」
「あ、御帰りなさい…わぁー凄い!大量だね!」
清楚が俺達が持つ魚の量を見て驚く。
「まあな!さて、数匹は太い串に突き刺して……で、残りは…離れてろ皆」
4人に俺から離れるように言い、俺は置いてあった包丁を使って魚を投げ、
シュシュシュシュン!バラバラバラ!
綺麗に切り分け、骨もしっかり置いてあった器の上に乗っける。そして、切り分けた魚は鍋の中に。
「後はこれで煮込むだけだ」
〜〜煮込みちゅう〜〜
〜〜煮込み終了〜〜
煮込み終わったのと同時に、ご飯もできたので器を取り出し、皆の器にご飯とカレーを入れていく。
太い串で、残った魚を火で焼いていたのもできたようだ。
入れ終わり、
「それでは皆さん、ご一緒に」
『いただきまーす!』
5人で食べ始める。
「おいしいな!食材のうまみが出ている!」
「ん〜うまいな、九鬼で食べたカレーもおいしかったけど…こうやって一緒に作ったカレーも美味しいね」
「美味しいなぁ。魚もしっかり煮込んでて、美味しいよ」
「おぉ、この焼いた魚とカレー…一緒に食べても美味いな」
「ここの魚は何故か美味しいんだよな。前からここでや仮名を焼いて食ったりしてたけど。うん、美味い」
山…と言っても修行場として使うために、キャンプ用の道具とかは置きっぱなしだけど…ちゃんと準備しておいて良かったぜ。
そして、皆でカレーも魚も全部食べ終わり、話をしていると、
「あっ!皆!そろそろ時間だ」
義経がもっていた携帯の時間を見た。俺も時間を見ると…午後3時を回っていた。
「お前達は帰るのか?」
「そうだね。私達は色々とあって今は門限が制限されているんだよ」
「そろそろ帰るか」
「信也君、今日は楽しかったよ。また、今度お話しましょうね」
4人は立ちあがりながらそう言う。
「信也はまだ、ここにいるのか?」
「ああ。ここには修行出来ているからな。後のノルマは刀の素振り1万回と蹴りも1万回をして帰るさ」
「そうか。また会おうな!それと今日、義経達と会ったことは内緒に」
「安心しな!事情があるんだろ?誰にも言わないよ」
そう言うと4人は安心した表情を見せた。
「じゃあな〜〜!」
義経は何度も何度も歩いては後ろを向いて手を振るを繰り返し、見えなくなった。
「さて!俺も今日のノルマを終わらせて帰るか!」
…約1時間後、ノルマを達成し、片づけをして島津寮へ帰る俺であった。
――第3者SIDE――
「義経様達ですか。お帰りなさいませ」
義経達は九鬼財閥極東本部に戻ってきていた。
「クラウ爺ただいま」
「はいお帰りなさいませ弁慶様…おや?皆様、何かありましたか?」
クラウ爺と呼ばれる老人執事が4人に聞く。
「どうして?」
「皆様、いつもよりも表情が柔らかいからですよ」
「実はね?……(以下略)……というわけなの」
清楚がクラウ爺に説明する。
「ほぉ?山に行ったら偶然、川神学園の生徒と遭遇し、仲良くなって一緒にお昼を…それは良かったではないですか」
「あぁ!信也と色々と話せてよかったぞ!」
「本当だな。俺もあいつとは気が合いそうでいいぜ」
与一までも楽しそうだったのを見たクラウ爺は驚き、目を開けたが、すぐに元に戻した。
「そうでしたか。皆様、おつかれでしょう。お部屋でお休み下さい」
『うん!/おう』
4人はクラウ爺にそういい、各自の部屋に戻っていった。
4人が去った後、クラウ爺は言う。
「八神…信也様…ですか。これは皆に伝えなくてはいけませんね」
信也の知らぬ所で色々と動きがあったのであった。
なお、山から寮に帰った信也を待ち受けていたのは、
「信也!この他の女の匂いは何だ!3種類もするよ!」
「白状するのだ〜」
シュン!シュシュン!
「うわ!ちょっ、やめろ2人とも!」
京と小雪のタッグによる攻撃だった。
「私の信也センサーが3種類の女の匂いをかぎ分けたんだ!」
「お前は犬か!?うわ!」
「ウエェ〜イ、余所みは禁物だよん♪」
何とも騒がしい島津寮であった。