小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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激運と旅行




今日も学校へゴー。

学校への道のりでキャップが俺達に行ってきた。

「今日、金曜集会な」

「ウィース」

「ウエェ〜イ」

京とユキが返事をする。京は金曜日は楽しみにしているもんな。

ゴールデンウィークに入っているし、今日の集会で連休の予定を決めるつもりでもあるしな。

「まゆまゆとクリは金曜集会は分からないだろ。妹よ。放課後は基地に案内してやれ」

「アイアイサー……ところで、このアイアイって何の略?」

ワン子…頭の悪いガクトに聞いても意味ないだろうに。

「あ、そうだ。信也。頼みがあるんだが」

「何だキャップ?お前から俺に頼みごと何て珍しいな」

「おう。実は今朝、今日のバイト先からメールがあってな。俺、出前を届けるんだけどよ、俺以外の1人が今日、急用で来れなくなってさ、俺の友達でいいから今日連れて来てくれってメールに書いてあったんだよ」

「…なるほどな。それで俺ってわけね」

「そう言う事だ…どうだ?」

…どうするかな。確か今日はクリスがKYなことを言って京がマジギレする日だよな。けど、キャップが来て重い空気を吹き飛ばしてたし…まぁいいか!

「わかった。手伝おう」

「よっしゃ!なら、放課後は俺についてきてくれ」

喜ぶキャップ。

「…ん?どうしたんだまゆっち」

ソワソワするまゆっちが気になったので聞いてみると、

「いえ。前の私にとってこうやって友達と登校すると言うのは…夢だったので、まだ慣れていないんです」

「そうか。なるほどな…まぁこのグループは面白いし、すぐに慣れていくだろ」

「はい!」

うんうん、まゆっちは笑顔がいいな。

「まゆっち。今の気持ちを忘れないようにな。今、いい笑顔だったぞ」

「そ、そそそ、そんなに良い笑顔でしたか!?」

グワッと少し表情が硬くなるまゆっち。

「まゆっち、顔顔」

「はっ!すみません…つい」

ションボリするまゆっち。

ふむ…

なでなで

「ふえぇえ〜〜〜!?」

「おぉ、髪さらさらしてて綺麗だな。手入れもしっかりされているな」

「あうあうあう…」

お、顔真っ赤。

「くくく、早く学校行こうぜ」

「は、はい!」

うん、この表情をいつでも出せればいいんだがな。





――昼休み――

午前中の授業を受け、昼飯を食べ終わるとゲンが俺に話しかけてきた。

「おい信也」

「どうしたゲン」

「ああ、ちょっと忠告しておきたい事があってな」

「…聞こうか」

真剣な表情のゲンを見て、何かあると思い、話を聞く事に。

「それで?」

「親不孝通りは知ってるだろ? 最近そこで変な薬(モン)が出回っている。まだ表には出てきてねぇけど、かなり拙いモノらしいからな」

…あぁ、マロード=葵冬馬がなんかの薬を板垣家にばら撒かせていたっけか。

「しかも昨日、島津の野郎がうろついていやがったからな。それっぽい話は徐々にだが漏れだしてる」

「つまり、俺から仲間に注意を促しておけって事か……それはいいけど、なんで俺?大和でも問題ないだろ?」

「何故って…直江よりもお前の方が知っておいた方がいいだろ?何かあってもお前なら問題なさそうだしよ」

…つまり、頭は大和以上で、武力はモモ先輩と同じな俺に教えたって事か。

「分かった。俺から話しておこう…特にワン子には念入りに」

「っ!てめぇ」

「あはは。冗談だよ」

「ちっ!」

あらま。不機嫌になってしまったか。



――放課後――

俺はキャップと共に、寿司屋のバイトを手伝い、俺も配達をすると何故か行く先々が女性が多かったり、老人が多く、メアドとかを教えられたり、副引き券をもらった。

んで、バイト終了後、キャップと俺で持っていた副引き券を全部使った結果…

・キャップ…2位の箱根旅行団体様用券とテッシュ

・俺…3位の新型IPhone、4位の最新デジカメ、5位の図書カード1万円分、7位の駄菓子豪華セット、後はティッシュ

「ずるいぞ信也!」

「いや、キャップのなんて俺達ファミリーでいけるもんじゃん。俺のは個人用みたいなもんだぞ?菓子セット以外は」

歩きながら基地へと向かう俺達はそんな話をするのであった。



――風間ファミリー秘密基地――

俺はゆっくりと歩き、前を歩くキャップが基地のドアを開けた。

「おっーーす! いやいやいや聞け聞けお前達! 俺達の運たるやまさに豪運と言っていい領域だぜ? ガラガラ回しまくって豪華景品GETだぜ! ささ、寿司の残りをつまみつつもみんなで俺達の偉大さを祝ってくれ! まぁ今日のネタは卵だらけだがな! ……ってあれ? 何だこの空気? ずるいぞう大和! 俺のいない間に何青春っぽい気まずい雰囲気になってるんだよ!!」

「お前はさっさとどけ!」

げしっ!

「ギャフ!」

俺が後ろにいるのに道を塞ぐキャップに蹴るを入れる。

「んで?何があったんだ。大和。簡潔に頼む」

「え、えーとだな…実は……」

俺とキャップは何があったかを聞いた。

「ふーん。なるほどねー。ってか、話もう全部解決してんじゃん。クリスもまゆっちも謝ったから終わりじゃね?」

「そうだな。話を聞く限りでは」

「ん、まぁな。そうなんだけど…」

大和が京とユキを見る。……なるほど、もしかしてクリス、俺の事でも言ったのか?

「俺の事で何か言われたのか?」

ピクッ

反応する2人と顔色が悪くなるクリス。

「大方、生々堂々戦った俺がこんな危険な〜とか、あれでも武士なのか〜とか、サムライか〜とか言ったんだろクリスが」

「うぐっ」

「そりゃ、ここの基地の事に加えて俺の事を言えば2人はキレるだろ」

「す、すまない」

「いいよいいよ。まぁ俺の家族の事を言っていたら…ここで3枚におろしているけどな」

「い、以後気をつける」

汗を流すクリス。

「まぁ、1回ぐらいはしかたないよなキャップ」

「そうだな。だから、京とユキは機嫌直せ。な?」

機嫌の悪い2人にキャップが言うが、

「……つーん」

「……ぶーぶー」

機嫌の悪い2人である。

「あーあ。いじけちゃった。ケアは信也に任せた」

「任された」

俺は2人の間に置いてある椅子に座る。

「とりあえずどう皆。今ちょっと気まずい思いをした関係を修復する意味で、連休旅行に行かねーか?」

「旅行!?」

「いきなり発言したなお前」

キャップの言葉に今までずっと黙っていたのか分からないがガクトの行っている事が本当ならずっと黙っていたんだろうな。

「いやー、アタシもさっきクリに言おうとしたけど、直江さんちの大和君がアイコンタクトで自重って」

「さらにややこしくなりそうだったからな」

「旅行ってどういう事キャップ?」

モロがキャップに聞く。

「ふふ。商店街の抽選で見事引き当てて来たのだ。じゃーん!2泊3日箱根旅行団体様招待券!」

そういって旅行券を取り出すキャップ。

それに驚く皆。モロが何位?と聞き、キャップは2位と答え、後は全部ティッシュでションボリと言う、

それを聞いた大和は十分な成果だろと言うが、

「何言っているんだお前等!信也なんて凄いぞ!?」

キャップがそう言ったせいで皆が俺を見る。俺は袋の中から貰ったものを取り出す。

「3位の新型IPhone、4位の最新デジカメ、5位の図書カード1万円分、7位の駄菓子豪華セット、後はティッシュだ」

『お前、どんだけ!?』

キャップやクリス、まゆっち以外が揃ってそう言う。

そして、ワン子が俺達に言う。

「ほんと、絶対守護霊ついてるよねキャップと信也は」

それに同意するメンバー。

んで、旅行はいつ行くかをキャップは3、4、5日で明日準備の明後日出発と言う。



その後、俺は京とユキに、あーんと言って食べさせてあげたりと機嫌を回復させ、クリスとまゆっちが写真立てを見て、7年前の夏の日に竜舌蘭を守った昔話を話して聞かせた。
そして50年後、今度はクリスとまゆっちも一緒に写真を取ると新しい約束をして、今週の金曜集会は終わりを迎えたのだった。









――おまけ――

「ね、ねぇ…この招待券…10名様までって書かれているけど!?」

「ククク…なら自然とガクトはお留守番だね」

「そうだね。アハハハハハ!」

「おい!何故俺様!?」

「あ、あの…」

「まゆっち。自分は新参者だからって遠慮するな」

「けど、キャップどうするんだ?」

「そうね。アタシ、行きたいわよ」

「私もだ」

「自分も日本の温泉に浸かりたいぞ」

「なら、俺は自腹で行こう」

『えっ?』

「俺、暇なときにPC使って株とかやってて金持っているし」

「何だよ信也〜そんなに金があるなら…「あげないぞ。モモ先輩は借金返すのにいっぱいいっぱいだろう。ちゃんと借りたら返さないと将来、ロクな大人にならないぞ」……わ、ワカッテイルサ」

『…絶対に分かってない』



こんなことがあったのさ。

-25-
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