小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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東西交流戦




ドッカーン!

爆発音が響き渡る。

「いたぞ!あいつを倒せ!」

『ウオォオーーーー!!!』

俺に向かってくる無数の敵……天神館の生徒達だ。

「ウザい」

シュン!カチャ!

居合斬りで俺に突っ込んでくる生徒達を気絶させる。

「全く大和め…」

そもそも何で俺達が西の天神館と戦っているのかと言うと…遡る事数日前、学長が全校朝礼でいったことが原因だっ

たりする。


〜数日前〜

「福岡の天神館が…週末、修学旅行で川神に来るらしいの。
学校ぐるみの決闘を申し込まれたので、引き受けたぞい」

ドヤ顔で言った時は一度ぶっ殺したくなったけどな。

「東西交流戦と名付ける、激しい戦になるな」

…ちなみに天神館とは西では有名な武道派で有名だ。西にいる優秀な生徒を集めていると聞いたことがある。
何しろ、川神学園に入学する前に、俺に推薦状が来たらしい。が、それを学長がもみ消したとも聞いたことがある。

「夜、川神の工場で学年ごとに、200人を出し合い集団戦。
敵大将を倒せば勝ち。ルール無用の実戦形式、3本勝負」


〜終了〜




そして、2日前に戦いは始まった。

最初は1年生だったが、まゆっちがいるし、大将が馬鹿でなければ、勝てたはずなのに…大将が前線に出て返り討ちに

あった。確か…武蔵小杉だっけ?馬鹿じゃないの?って俺やモモ先輩は呆れていた。

んで、昨日は3年生の番だったが…モモ先輩の技でほぼ相手は壊滅し、余裕の勝利。

それで今は俺達、2年生の番。

戦いが始まる前に英雄がクラスをまとめさせ、今はFとSは手を組んで戦っている。

感じた気配からして、こちらの残存兵力はざっと50前後、相手は120ってところか。俺は大和の指示でさっきからかな

りの数を減らしている。

ユキとマルギッテは大和と冬馬…葵って読んでたら是非名前でと近寄りながら言ってきたので、名前で呼んでいる。

俺以外の面子は各地で指揮ととったり、相手を倒したりしている。

そして、俺だけが何故単独で動いているのかと言うと…敵の大将は兵が減れば動きを見せると言うので、俺は各地を

歩いて、敵を減らしている。それで、俺は今、こっちの兵が一番減っている場所へと向かうと、

「あっ?」

目の前に褐色色の肌をした鉤爪をつけた女?がいた。

「こ、ここなら見つからないって大将言ってたけど…はる…大丈夫かな?」

「……西の武士も馬鹿なんだな」

俺は後ろから思いっきり手刀を食らわす。

「ぐはっ!なに…や…つ」

ドサッ!

倒れる女?

「次だな」

俺は爆発音が響く所へ向かう。





爆発音のする所に来ると男達が弾を運んでいるのが見えたのでとりあえず。

「噛み殺すか」

ドスバキズドンドッカーン!

『うぐあぁあああああ!』

ドササ!

「たわけ!補給船を築いておく。戦の初歩と知れい!」

「だったらその兵站を破壊するのも、戦の初歩だろ」

俺が姿を現す。

「信也!」

「東の腑抜け!どこから湧いてでてきた!?」

「生憎だが、お前の弾を運ぶ奴等は俺がここに来る途中に全滅だ。クリスの部隊も動いている。弾は今あるのだけだ

ぞ」

「笑止!言うた通り…「いや言ってないし。俺、今来たばっかりだから何も聞かせれてない」…うぅ〜大友の言って

いる事を聞けい!」

何で敵の話聞かないといかないんだ?

「大友はこんなこともあろうかと、各地に弾薬は隠しているのだ!保管してな!
伊達や酔狂で場所を選んでるわけではないのだ!」

「…そんなのはお前を倒せば問題ない」

俺は刀を抜く。

「刀か。近距離武器で大友は倒せぬ」

「なら俺も言っておこう。遠距離武器で俺には勝てん」

「言ったな!これでも食らえ!」

俺は跳躍して、大友と言う少女に近づく。

「愚かなり!対空国崩しを食らうがいい!!」

大友は筒を構える。

だが、

「甘い」

懐から鉄球を取り出し、筒の銃口に投げ入れる。

「しまっ…!」

ズドーン!

鉄球が詰まったまま発車しようとしたので、爆発を起こす。

「……まだか」

首を逸らすと底を弾が通過する。

「大友家、秘伝…国…崩し…!!」

大友は大ダメージを負いながらも俺に攻撃をしてきた。ふっ、武士だな!

「はははは!その怪我で攻撃をやめないその気骨…見事だ!」

シャキィ!シュン!

ザシュザシュザシュ!

姿を消した俺は高速移動しながら大友を切りつけまくる。

「八神流剣術・五月雨斬り!」

「ぐあぁあああ!!む、無念…」

ドサッ

倒れる大友。

カチャ

「あはは…すっかり相手をとられたわ」

「気にするな。ただ爆発音がやけに響いてきてたからきたらワン子がピンチっぽかったからな…それに」

俺は大きな気が動き始めたのを察知する。

「まだ敵将はいるぞ」

俺が戦っている間に敵将のほとんどは皆に倒されたか。

「とにかく、敵兵を減らすぞワン子」

「了解!」

俺とワン子は前線へと向かう。








前線で敵兵を倒していると、

ピーーー!

ピクン!

「誰かが私を呼んでいるわ!」

ヒュウゥ〜〜〜〜ン!

ワン子が笛の音で急いで走っていく。俺もその後に続く。






ワン子について行くと、男と…何で先生が戦いに出ている?がいた。

先生?が大和に向かって槍を構えていた。

「おーっと、アンタはアタシが相手するわよ!」

ガキィィン!キィィン!

「ぬぅっ、援軍か!」

「ワン子。その先生は任せた」

「それがし、そなたたちと立派な同じ年」

…はっ?マジで?

「それは失礼した」

「いえ」

「行くわよ!」

ガキィィン!ガキィィン!!

ワン子が戦いを始める。

さて、俺も始めるか。

俺は敵の大将を見る。

「ほぉ?貴様が俺の相手か」

「ああ。お前は大将だな?がっかりさせるなよ」

俺がそう言うと男はピキッと青筋を浮かべる。

「図に乗るなよ!軟弱な東の」

シャキィ

「行くぞ!」

「来い」

大将が俺に斬りかかるが、

ヒョイ

簡単に避ける。

「遅い」

バキィ

「ぐあっ!」

左手で大将の腹を殴る。

そして、

「はっ!」

ドカン!

「ぐぉおおおおお!」

蹴りで吹き飛ばし、

「ふん!」

シュン!ザシュ!

「ぐぅおおおおおおお!」

斬撃を飛ばす。

「き、貴様…」

口から血を流す大将。

「この俺を……西方十勇士の大将…石田三郎を……出世街道を歩む俺に蹴りを入れるだとぉ!?許さん!許さんぞぉ

!西方十勇士の怒りを見よ、ぬああああーーーー!!」

男…石田が膨大な気を放つ。

「!?なんだこいつ…!?」

俺の後ろで戦いを見ている大和が呟く。

そして、

「奥義・光龍覚醒!!!斬新だろう、東の!!!」

「お前はどこの戦闘民族だ!?」

「あぁ…髪が金になるなんて見た事がねぇ!!」

「お前はお前で何を言っている大和ぉ!?」

何で変身するかを疑問に思えよ!?

「西では、女よりも男が強い!ハハハハハ!」

「……それは違うだろ」

「何だと?」

「西にはモモ先輩や俺、四天王と言う強者…強い女がいないだけだろ。それだけで西が女よりも男が強いとか…お前

は視野が狭すぎる。(確か京都にいる納豆小町の松永燕とかは…こいつよりも遥かに強いしな)」

松永燕…西ではかなり有名な松永納豆の納豆小町。何故俺が知っているかと言うと、前に偶然で松永燕の戦闘シーン

を動画でとっていた人がいたのか、その動画を見た時に強いと思った。まぁこの事は今はいいか。

「貴様…俺を愚弄するかぁ!?」

「愚弄じゃない。世間を知らない奴に言っているだけだろ?」

「…フフフ、これはな、寿命を削るほどの技だ。この力、解くと見せて、貴様の俺に対する評価を変えてやる!」

「面白い。やれるもんならやってみろ」

俺と石田は刀を構える。

だが、突如、上空から誰かが下りてきて垂直に走ってくるのが分かった。ってこの気は、

「!?何やつ!」


「源義経…推参!」

ザシュン!

「ぐああああ!」

一瞬で石田を斬る義経。

「ぐ……はっ、その名前…お前も…俺や島と同じように、武士の血を引く人間か…」

石田の問いかけに義経が答える。

「違う。義経は武士道プランで生まれた者…血を受け継ぐものにあらず…そのものだ」

「……?それにしても理不尽なまでの強さ…惚れ…る」

ドサッ

石田の奴、完全に気を失ったな。覚醒が解けるから。

「久しぶりだな義経」

「あぁ!久しぶりだな信也!」

「…?知り合いか信也」

大和が俺に聞いてくる。

「まぁな」

「でも、俺は彼女のような目立つ子…みた事ないぞ?」

その事は義経が答える。

「無理もない。義経は、今日から2−Sに編入された」

「……Sクラスなのか」

「そうだ。Sは実力最優先の、選抜クラスだそうだな
…正直、少し緊張しているが、弁慶が、義経はやれば出来る子、というので頑張ろうかと」

照れている義経を見て、ワン子を見ているような気分になり、ワン子の事を思い出し、ワン子の戦いを見てみると、

技を決めて最後の敵将を倒した。

義経はそれを見ていたので、ワン子に近づき、感心しているのか話している。

「あはは、どうもどうも」

苦笑いのワン子。

「これぐらい感心した!」

義経が手をバッ、と横に広げている。変なところが子供っぽいよな。こういう所もワン子にそっくりだな。

「…えーと、ところでどなた?」

ワン子は最もな意見を言う。

「その話は後だ…ともかく、これで勝ったな」

「うん。敵将はすべて倒した。勝ち鬨を高らかにあげよう」

義経がワン子を見ている。

「え、あ、アタシが…勝ち鬨!?」

「その権利がある。義経が保証する」

義経を見る、コクンと頷く。

「いやははは、て、照れるけど…それじゃあ」

息を大きく吸い、ワン子は大声で勝ち鬨を上げた。

「敵将!全て討ち取ったわ――――!!!」

「勝ち鬨をあげろ――――!!!!!」

「俺達、東の勝ちだ――――!!!!!!」

ワン子が声高らかに勝利宣言した。それが聞こえたのか、各地から怒号が聞こえる。

そこへ、

「フハハハハハ! 皆の者、大義であった!!」

英雄が現れた。

「おい九鬼英雄。なんなんだ彼女は。2-Sだそうだが」

「武士道プランの申し子か。予定よりも早く投入されたな」

「義経も武士だ。戦と聞いては武士の血が騒いで黙っていられない」

「貴方が義経のクローン…しかしまさか女性だとは」

「義経は義経だ。性別は気にするな」

「ええ、私もどちらでも構いません」

「「お前は違う意味で言っているだろ!」」

俺と大和の声が重なった。

「それにしても何だ武士道プランって…?」

大和は義経や英雄の話にあった武士道プランについてを聞く。

「明日の朝、テレビを見よ。それが一番てっとり早いわ!」

確かに一々、話すよりもまとめてわかるテレビのほうがいいよな。

「これから、よろしく頼む」ぺこり

「どうも、こちらこそよろしく」

「これから、よろしく頼む」ぺこり

「大事なので義経は2回言ってみた。では、さらば」

そう言って義経はこの場を去っていった。

だが、すぐに戻ってきて、帰り道が分からないと言うので俺が帰り道を教える。そして、俺にお礼を言って帰ってい

った。









戦いが終わると天神館の皆も爽やかだった。

この敗北を糧として今よりも強くなって貴様を倒してやる!っと石田に言われた。

そして、俺は天神館の十勇士達とメアドを交換する。

大友は顔を少し赤くしながら俺を見ていた。これに、俺は嫌な予感がした。天神館の皆は止まっているホテルへと帰

っていった。

そして、

「さっきのやり取りはなんだ!」

「その通りだよん〜」

「そうね。話は聞かせて欲しいわね」

「自分にも話して欲しいものだな」

「あ、あのあの!私にも詳しく!」

「話してもらうぜ信也ボーイ」

モモ先輩を抜いた風間ファミリーの武士娘達に睨まれている。てか、何でクリスとまゆっちが!?

ここは……

「逃げるぅ!」

ヒュゥウ〜〜〜〜〜ン!

『待て!』

……この日の夜。俺は5人に追いかけられたのであった。

-30-
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