小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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武士道プラン




東西交流戦の次の日。

今日も無論、学校があるので俺達は起きて朝食をとっている。

そして、昨日英雄に言われた通り、朝のニュースを見ている。
ニュースには十勇士の1人で、エグゾエルNO.1の龍造寺と雪広アナが送る、ニュースDEドゥーンが放送されていた。
ニュースの内容はもちろん、義経達の事だった。

「龍造寺か…昨晩羽黒に押し倒されたのに頑張ってるな」

「えっ?あいつ、あの羽黒に吸われたの?」

「らしいぞ。ヨンパチからの情報だと」

…うわー、あの羽黒にか。どんまい。

「どこの局でも武士道プランの事で持ちきりですよ」

「新聞も一面だぜ、見てみろ。よく記事間に合ったもんだ」

「これがプロのなせる技と言うものか」

ゲンが渡してきた新聞には九鬼極東本部をバックに映る義経の姿が。

「義経か…可愛いよな」

大和がそんな事を言う。

「確かにな」

「それでも京が」

「小雪が」

『可愛いなんて…ぽっ』

「んなこと言ってないだろ」

ニュースを見る。

すると総理が出てきたのには驚いたな。忙しいだろうに。
雪広アナは転生について聞いている…俺もその一人だけどな。ただの転生じゃないけど。

そして、川神学園に義経達が入る事を聞き……と言うよりも川神と言う名を聞いただけで龍造寺が顔色を変え、雪広アナが表情が怖くなって、龍造寺に何かを言ってるが興味ないしいや。

「さて。皆そろそろ行こう。おそらく学校側でも今日のニュースの事の話もあるし」

「だな。皆!出陣だ!」

キャップが仕切り、俺達は学校へ。







俺達はいつものように登校していると、

「お前ら、あの源義経達が学校に来るんだぞう!ちょっとテンション低すぎじゃあらしませんか?
いつもと同じに過しすぎだろう!俺なんて楽しみすぎて、飛び跳ねちゃうぜっ!」

キャップはその場でバク宙を決める。

そこへモロが合流。モロもいつものように週刊ジャソプなどを読んでの登校。
その事をキャップが指摘すると、

「川神では何が起きても、不思議じゃないからね」

その事にキャップ以外のメンバーが頷く。無論、俺も。

「にしても今回は偉人のクローンかぁ。何でもありだねって感じ」

「住民もいつもと変わらない雰囲気だ。慣れたものだな」

「じゃあクリスやまゆっち、信也が口数少ないのはなんでだ?」

その事をクリスとまゆっちが説明する。昨夜のうちに、強い奴が何人も川神に入った事を言う。
そして、川神が闘気で満ちている事を。

「信也も気づいてたのか?」

「ああ。寝ていたら川神の大きな気が1つ。後はそれよりも小さい気が複数感じた」

「す、凄いです。私よりも正確に…」

「まゆっちももっと強くなれば分かるようになるよ」

なでなで

「はわわ!?し、信也さん!?」

「やったぜー!信也さんに頭撫でてもらったぜー!」

顔を真っ赤にするまゆっち。

「弁慶が男なら、絶対パワータイプだよな。
俺様だまっちゃいられねぇぜ、力比べで勝負してやる!」

…残念だなガクト。弁慶は女だ…それも美人…なんて言えないよな。ネタばれになるし。

しかも、女版だったらゴリラみたいなのだぞとか…ひど言い草だな。もし、美人だったら前言撤回するだろこいつ。

「そういや、ワン子はどーしてんのかな」

ピー!

キャップがワン子が何をしているかと思い笛を吹く。

バシャン!

「呼んだー!?」

川から出てきた。

「おお、ワン子。新しい登場の仕方だな」

「あはは、我ながらびしょびしょね…ん〜〜〜」

ワン子がその名の通りのように体をプルプルさせて、水気をきっている。

「んで?どうしたんだ?川に入ったって食いもん落ちてねぇぞ」

「違うわよ鍛錬してるの。重り背負って多摩川くだりよ
かつ、水中にいる外来種の数を確認するバイトね」

「偉いぞワン子。鍛錬しつつ環境のためにするとは…いいこいいこ」

なでなで

「うはは、褒められたわ〜」

「いいことをした子はいっぱい褒めないとな」

「じゃあアタシ、もっといいことするわ!」

そんな俺とワン子を見ていたまゆっちが一言。

「なんだか親子みたいですね」

「おとーさーん!」

「娘よ!」

と、悪乗りで言っている俺達であったが、

「あなた!来世でもあなた!前世でもあなた!」

「あなた!来世でも前世でもあなた!」

京とユキがそう言いながら俺に近づく。

「微笑ましいけど、そろそろ切り上げて登校しないと…遅刻しちゃうよ」

「そうだな。ワン子。早くバイト終わらして来いよ」

「うん!そんじゃ後でねー! 1、2、3、着水、とりゃーー!!」

バシャン!

ワン子は再び川の中へとダイブするのであった。

そこへ

「天から美少女とうじょーーーう!!」

シュタ

空からモモ先輩が降ってきた。

「この姉妹、普通に現れようとしねぇ…」

「それがこの人達です」

モモ先輩はかなりハイテンション。大方、義経達と戦えると思っているんだろうな。…本当なら、俺が戦ってもいいんだが…学長にやめてくれって前に釘さされているからな。




あ、そうそう!多馬大橋で十勇士の1人がモモ先輩に挑んだけど、指弾一発で倒された事を言っておこう。
それと九鬼のメイドがいた事も言っておこう。






――川神学園・グラウンド――

朝のHRでは、やはり臨時で全校集会が開かれた。

「皆も今朝の騒ぎで知っているじゃろう、武士道プラン」

学長の口から直々に生徒たちに説明する。

「この川神学園に、転入生が6人入ることになったぞい」

ざわ…ざわ…

学長の話を聞き、皆がざわめき始める。

「武士道プランについての説明は、新聞でも見るんじゃ。重要なのは学友が増えるという事。仲良くするんじゃ」

片目を開き、生徒たちに言う。

「…競い相手としても最高級じゃぞい、なにせ英雄」

学長の話を聞き、何人かは考え事をしているようだ。

「武士道プランの申し子達は、全部で4人じゃ。残りの2人は関係者。まず3年生、3-Sに1人入るぞぃ」

学長の言葉に3-Sのクラスのメンバーはワクワクしている様子だ。

すると、横から清楚が現れ、はゆっくりと檀上にのぼっていく。
男子生徒達は清楚に見惚れている。

「こんにちは、はじめまして。葉桜清楚です。皆さんとお会いするのを、楽しみにしていました。これから、よろしくお願いします」

ふわり、と挨拶した後、周りの男子達からは歓声が巻き起こった。

清楚の奴、驚いているな。

そんな中、

「が、学長、質問がありまーす!!」

ヨンパチが学長に向かって手をあげた。

「全校の前で大胆な奴じゃのう。言うてみぃ」

「是非、3サイズと、彼氏の有無を…!」

「全校の前でこの俗物がーっ!みんな、私の教え子がすまん」

パシン!!グサッ!

「あぅぅうんっ!…ウッ!」

小島先生の制裁鞭がヨンパチを襲い、ヨンパチは変な声を出しながら倒れる。

「アホかい!…まぁ確かに3サイズは、気になるが」

「…ええっ」

学長…あんたもヨンパチと同類か。

「ごほん…彼氏はいませんが…その…――はいます」

顔を赤くした清楚は小さな声で何かを言った。

「すんませーん!何て言いましたか〜」

どこかのクラスの男子が清楚に聞く。

「……うぅ…す、好きな人はいます!」

顔をさっきよりも真っ赤にしながら大声で言う清楚。

『……』

しばしの沈黙。

そして、

『ノォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!』

学園の男子生徒全員?が大声で悲鳴を上げる。

「誰だ!清楚ちゃんを惚れさせたのは!」

「血祭りじゃ!そいつを見つけて血祭りじゃぁあ!」

「ジーザス!ジーザス!ジィィィィザス!」

「サーチ&デストロイ!」

「キシャアアアアア!」

……一部の男子生徒が人外化しているな。

……そして、俺は清楚を見ると俺と目が合い、顔を赤くして目を逸らす。

「総代、真面目にやってくださイ!」

「おぉ、すまんすまん。ついのう。葉桜清楚、という英雄の名を聞いたことなかろう皆」

「これについては、私から説明します。
実は私は、他の三人と違いまして、誰のクローンだか自分自身ですら教えてもらってないんです。
葉桜清楚というのはイメージでつけた名前です」

…俺の推理が正しければ清楚はあの英雄になるけどな……何て言うか似合わないんだよな。

「25歳ぐらいになったら教えてもらえるそうです。
それまでは学問に打ち込みなさいと言われています。
私は本を読むのが趣味なんです…だから清少納言あたりのクローンだといいなと思ってます」

でも何で25歳なんだろうか?別に20歳でもいいだろ教えるの。何故なんだろうか…。

「皆、テンションが上がってきたようじゃな、良いぞ良いぞ。
2年に入る3人と関係者を紹介じゃ。全員が2-Sとなる」

義経に続いて弁慶が檀上にのぼり、

「こんにちは。一応、弁慶らしいです、よろしく」

軽く挨拶をするしたのだが、

「結婚してくれーーーーーー!!!」

「死に様を知ったときから愛してましたーー!!」

…ヨンパチ。さっきまで倒れてただろ。何という回復力。

「…ん、ごほん、ごほんっ」

「義経ちゃん、落ち着いて…大丈夫」

「ん。義経はやれば出来る」

先に出ている2人が義経を落ち着かせる。

「…よし!源義経だ。性別は気にしないでくれ。
義経は、武士道プランに関わる人間として、恥じない振る舞いをしていこうと思う。よろしく頼む!」

義経がそういうと

「うぉおおー、こちらこそよろしくだぜ!」

「女なのは気にしない!俺達にとってはご褒美だぜ!」

男子学生の怒号が、大地を揺らした。

「挨拶できたぞ、弁慶!」

「義経、まだマイクが入っている」

「……失礼」

「緊張しすぎないことだね」

「しきりに、反省する」

…こうしてみてみると改めて義経が本当に弁慶の主なのかと疑問が出てくるな。

「女子諸君。次は武士道プラン、唯一の男子じゃぞ」

女子生徒達が騒ぐ。

「2-S、那須与一!でませい!」

呼ばれるが…呼ばれている与一が出てこない。

あの馬鹿…逃げて…いるな。屋上から気配するけど。

「照れているのかのう?よーいーち!」

「よいちさーん!怖がらなくて大丈夫ですよー」

学長と委員長が呼ぶ。が、与一は屋上から動く気配なしか。

「あれ?どうやらいないようですネ」

「おー、いきなりサボりとは、ユニークな奴ですなぁ」

教師陣も慌ただしくなっていく。

皆もザワつきはじめた。

「あわわ…与一は何をしているんだ…皆との和が…」

「後でアルゼンチンバックブリーカーだな…」

「仕方ないな」

俺は列から抜ける。

屋上へ向かうために。






――川神学園・屋上――

「…ハッ、くだらねぇの。
卒業するまでの付き合い…馴れ合いに意味はあるのか?人間は死ぬまで1人なんだよ」

「そうか。だが、それと今は関係ないだろ」

屋上に着いた俺は与一の厨二病のセリフ…かつて大和が言っていた事を聞く。

「げげぇ!?信也!」

「このアホ。義経と弁慶に恥をかかせる気か」

ガシッ

俺は与一の襟を掴む。

「は、離せ!信也!いえ、信也さん!信也様!離して下さい!」

「断る。このまま…」

俺は与一を持ちあげる。

「ま、まさか…やめろ信也!」

「行って来いやぁああああああああ!」

ヒュゥゥゥ〜〜〜〜〜ン!ドカーン!

「ウゴェ!」

与一が地面に激突したが…まぁよしとするか。

俺は屋上から去る。









屋上からグラウンドに戻った時、弁慶に頬を叩かれて起きた与一が自己紹介を終わらしていたところだった。

そして、

「はー美味しい」

弁慶が川神水を飲んでいた。

「おおーーい!ひょうたんがきになってたが後ろで弁慶が酒を飲んでるぞーーーー!!」

「弁慶、我慢できなかったのか?」

「申し訳も」

「こ、これは…皆も知っている川神水で、酒ではない」

「なんだ、そうか……って、川神水なら飲んで良いわけじゃないぞ!」

「川神水はノンアルコールの水だが、場で酔える」

「さすが小島先生。死活問題だからきっちりしないとネ」

「皆さん、すみません。私とある病気でして、こうして時々飲まないと、体が震えるのです」

「なんだそうなのか、なら仕方が無いな」

「それにしても特別待遇すぎると思います」

1年の武蔵小杉だっけ?こいつは特徴ないし、名前もあいまいに覚えているからな。

「その代わり、弁慶は成績が学年で4位以下なら、即退学で構わんと念書ももらっておるしな。
じゃからテストで4位とかだったら、サヨナラじゃ」

「弁慶、お前は5杯で壊れる。これ以上は…」

「わかってる…そもそも皆の前で飲んでるのはわざとだし。
全校の前で1度この姿をみせておく……こういう人間だといつでも好きなときに飲めるわけで」

「無用に敵を作っているようで、義経はハラハラだ…」

「競争意識を刺激しているわけ。良しとして」

…マイペースだな弁慶。

「常に学年3位以内ぃ?ようもそんな大口叩けるのぅ」

「さすがは偉人のそっくりさんだね、優秀だ〜」

「弁慶って頭がいいイメージはないんだが…」

「それでも、この学校ならいけると踏んだのでしょう」

「ほーうそれはそれは…ほんにいい度胸じゃ」

「引きずりおとしたくなると理解しなさい」

「確かに、弁慶に勝ったって響きはカッコいいよな」

どうやらなSクラスの連中に火をつけたな。

「なんだか、皆に不快感を与えたかもしれないが…仲良くやって行きたい。よろしく頼む」

義経は深々とおじきした。
清楚も、たおやかに頭をさげる。
弁慶はしゅた、と手を上げる程度だった。
与一は軽く頭を下げてるだけ。

「あとは武士道プランの関係者じゃな。ともに1年生。2人とも1-Sじゃ!さぁ入ってくるが良い」

爺がそう言うと後ろのほうからどよめきが起こった。
他の生徒達も何事かと後ろを見ると…従者達が2列作って、肩を組み始め、人で出来た道を作り始めた。
しかも、その上を1人の少女が笑いながら歩いてきた。

「我、顕現である」

…どう見ても英雄の妹じゃねぇか!?

「我の名前は九鬼紋白。紋様と呼ぶが良い!
我は武士道プランの受け皿になっている、川神学園を進学先に決めたのだ。
そっち方が、護衛どもの手が分散せんからな。
我は退屈を良しとせぬ。1度きりの人生、互いにたのしくやろうではないか。フハハハハーーーーーーーッッッ!!」

…なんかどんどん濃くなっていくなこの学校。

んで…もう1人の編入生ってまさか…あの金髪老人執事か?

「新しく1-Sに入る事になりました。
ヒューム・ヘルシングです。皆さんよろしく」

「そんなふけた学生はいない!」

同意だな。空気が重くなりそうなだし。

学長によると紋白の護衛としての特別枠らしい。

そして、ゲームの話になるとスグルがいつのだよとか喚いていたが、ヒュームの姿が消えたかと思ったらモモ先輩の背後にいた。

「ふん…打撃屋(ストライカー)としての筋肉が足りないぞ?川神百代」

「っ…いつの間に後ろに」

「ふん、大体分かった…お前もまだ赤子よ」

そう言って再び消える。

「っ!」

シュン!バッ!

俺は背後に気配を感じ、パンチを繰り出すとそこにはヒュームがいた。

「ほぉ?良く俺のに気付いたな」

「気配がしたんでね」

「ふん…流石だな。博和の孫なだけあるな」

「…爺ちゃんを知っているのか?」

まさかここで爺ちゃんの事を知っている人が学長以外にいるとは。

「ああ。あいつは俺のライバルの1人だったが…あいつでも病には勝てなかったか」

「ええ」

「だが、あいつの意思と強さはお前が引き継いでいるな。お前は父である零斗よりも強いと見る」

…父さんまで知っていると…。

「貴様、名は何だ?」

「……八神信也だ」

「覚えておこう」

そう言い、俺の前から消え、紋白の隣に戻った。

「えーここで僭越ながら、ご挨拶させて頂きます」

先ほどまで後ろにいたであろう老人がいつの間にか壇上に立っていた。

「なんだあのご老人、いつの間に壇上に…?」

「私、九鬼家従者部隊、序列3番。クラウディオ・ネエロと申します。
私達九鬼家の従者は紋様の護衛と武士道プラン成功のため、ちょくちょく川神学園に現れますが…どうか仲良くして頂きたい。皆様の味方です」

「フハハ、ちなみにクラの好みはふくよかな女性だ。未婚らしいので惚れた奴が口説いて良いぞ」

「ご解説ありがとうございます紋様」

「さすが紋。堂々としたものではないか」



こうして臨時の全校集会は終わったのであった。

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