小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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挨拶




義経達が来た、その日の放課後。
俺達はSクラスへと向かっていた。

「義経達、いるかしらね?」

「いるな。気で分かる」

「相変わらず、信也はモモ先輩並みにチートだなぁ」

おい、モロ。これぐらいだったら武道家であるまゆっちとかも出来るぞ?

俺達は改めて3人に挨拶に来ている。

Sクラスの前に着くと、

「検問だ。ここは通れないと知りなさい」

クラスの扉の前にマルギッテがいた。

「揉める気は…

「ガクト。お前は下心丸出しだろうが。黙ってろ」

……ひでぇ」

俺が言うと涙目のガクト。

「俺は3人とは前からの知り合いだ。通してくれないかマルギッテ」

「…いいでしょう。貴方がいれば2-Sの平穏が乱れないでしょう。お譲様もいますしね」

そう言って扉の前から退くマルギッテ。


ガララ


クラスに入ると3人はいた。

「おお、義経達がいたぞ…スキが無いな」

「弁慶も凄く強いわね。間近で見ると良く分かるわ」

ワン子とクリスも2人の強さが間近で見てより分かるみたいだな。

「あっ!信也!」

「よぉ義経」

「東西交流戦ではどうも」

「わざわざ挨拶に来てくれたのか、ありがとう!信也も同じ学び舎で学べる事を待っていたぞ!」

「ああ。前にメールが来たときは冗談かと思ったが、本当だったとは…」

…あの日に来たメールが本当とは本当に思わなかったぜ。

義経が嬉しそうにしながら俺達に…俺に駆け寄る。

「弁慶ー、与一ー、信也が来てくれたぞー!来てくれー!」

「信也が来たって?」

弁慶がゆっくりと歩いてくる。

だが、

「機関からの刺客かもしれねぇ。俺は会わないぞ、絶対にな」

与一だけはこないで、中二病を発揮している。

まあ、そんな与一であるが、

「わけのわからない事を。ブツクサ言ってないで来い」

「いてててて姉御痛ぇよ。おい引っ張るな、引っ張るな!!!」

弁慶の怪力の前では無理と化すに決まっているな。

「クリスティアーネ・フリードリヒだ!」

「源義経。改めて、よろしくお願いする」

義経のほうはクリスと熱い握手を交わしているな。

「直江大和。よろしくね弁慶さん」

「どうも。信也の妻、椎名京です」

「僕は川神小雪。信也の妻だよ〜ん」

「ほいほい、私が武蔵坊弁慶だ。まぁ、ぬるっとよろしくね…でも」

ダキ

弁慶が俺の腕に抱きつく。

「信也の妻ねぇ……私の方がいいよ」

「信也の妻の座は…この私が!」

「いやいや〜僕だよ〜」

ダキ×2

左に弁慶、右に京、背中にユキという…凶器を持った3人が俺に抱きついてきた…はっきり言おう…たまらん!柔らかい感触が三方向から…いかん、こんなところでオオカミになるわけには…

俺が焦っている中、

「…俺は気を許さないぞ。悪魔のナイフがどこから狙っているか分からないからな」

…このバカはまだこんな事を…。

「川神一子よ。武道やってるから話し合おうと思うの」

ワン子は無邪気100%の笑顔で与一に話しているのだが、

「…一つ言っておくぜお前達」

「あまり俺に関わらない方がいい…不幸になるからな」

人のこと警戒しすぎだろ!?この中二病が!キャップ達が大和を見てニヤニヤしている。心なしか俺に抱きついている京とユキ、それに俺もニヤニヤして見ている。

「なーんかこういうタイプの奴を昔見た気がするんだよ」

グサッ!

「ふ、古傷が…」

「那須与一に質問だ!人生とはなんだ?」

キャップの問いに与一は答えた……中二病全開で。

「フン、死ぬまでの暇つぶしだろうよ」

グサッ!グサササ!orz

大和が胸を押さえながら床に手を置き、与一に言う。。

「や、やめろぉっ…そんな事言って、後で恥ずかしいのはお前なんだぞ!!!」

「俺に干渉するな。面倒事に巻き込まれたくなければな」

与一はぷいっとそっぽを向いた。

「あふんっ もうやめて!」

床に転がってバタバタしながら言う。

「顔が真っ赤だよ大和。可愛いねぇ」

「過去の自分の生き写し…これは恥ずかしいわね」

「ククク…あぁ、思い出すな皆。あの頃のニヒルな大和を…」

『うんうん…』

昔から大和との付き合いのあるキャップ達は頷く。

同じ弓使い同士なんだし、興味は湧かないのか京」

「信也の方が百倍かっこいいし、かわいい、以上」

「まぁ京の性格上、興味なさそうねぇ…最近じゃ、同じクラスの皆とは話したりしているけど」

…うんうん、京が他人と話すようになってくれているのは昔を知っている身としては嬉しい限りだけどな。

「こらっ、与一。だめだろう?」

「あぁーん?」

「他のクラスから、わざわざ挨拶に来てくれたんじゃないか。仲良くやっていなかいと」

そう、義経が与一に注意するが、与一は基本的に人間が嫌いと言う。
そんな与一の事を知ってほしいと思った義経は昔の与一の事を話してくれた。

だが、

「あほらしい。いつの話を言ってんだよ優等生」

この一言が…弁慶の怒りに触れた。

「与一。公衆の面前で義経に恥をかかせたらどうなるか教えておいたはずだが?」

「冗談じゃねえやってられるか!」

与一は逃走した!

けど、俺から逃げようなんて…馬鹿め!

「よぉ〜い!」

気で作った糸で与一を拘束する。

「んな!?こ、これは…信也の気の糸!?」

「フィィィイイイイイイイイシュゥウウウウウウウウウ!」

「ウボァ!」

糸を思いっきり引くとそのまま与一がクラスへ逆戻りし、その与一を弁慶に渡す。

「ありがとう信也。冬馬、そこの窓あけてくれるかな」

弁慶は窓の近くにいた冬馬に窓を開けるように頼む。冬馬は嬉しそうにしながら窓を開ける。

「与一、ちょっと頭冷やそうか」

「う、うおあああああっ――――――――――――!!!!!」

与一は弁慶に窓の外、この方角はプールの方まで豪快に放り投げた。弁慶も相変わらずの怪力だな。あの時と変わらない…さすがだ。

そして、しばらくしてからザッパーンという着水の音が聞こえた。

「片手でプールまで投げたんですか。凄いですね」

「腕力だけならお姉様並よ。まさにパワー系ね…」

「わわわ、与一大丈夫かな、ちょっとすまない!」

冬馬とワン子は驚き、義経は与一が心配なのか鞄からタオルを出して教室を出て行った。

「義経は本当に甘いな…まぁ、そこが魅力なんだが」

全員が呆れ、驚いている中、2-Sに、

「よーしつーねちゃん、たったかおー☆」

モモ先輩が現れた!

「…来たかやっぱり」

「これも予想通りだな」

「私にお任せください弁慶様。この場を収めます」

俺達の後ろにクラウディオさんが現れた。

弁慶は呆れ、クラウディオさんは自分の好みのことを言っている。

その後、クラウディオさんはモモ先輩に、義経への外部からの挑戦者の相手をして欲しい、その中で義経と戦っていい人を選んで欲しいとの事だ。

「それはいい、OKです!戦いに不自由しなさそうだ。でもいずれきちんと義経ちゃんとは戦いたいなぁ」

「無論です。義経様も喜ぶでしょう」

ワン子とクリスは学校の人間は義経と勝負出来ると聞き、やる気満々になっている。

だが、やっぱり弁慶は戦う気はないご様子。

「こっちはまったりだけどね」

「ん―?」

モモ先輩が弁慶に目を向ける。

「…」

「…」

「先輩と弁慶…2人は、ちょっと似ている感じだね」

「というか…間近で見ると、本当かわいいねーちゃんだ」

ポヨン

モモ先輩は弁慶の胸を揉む。

「ン…先輩も」

顔を赤くしながらも弁慶はモモ先輩の胸を揉み返す。

「くあっ…この返し。なかなかやるな。武蔵坊弁慶」

「初対面で舐められるわけにもいかないもので…90?」

「91になってしまった。んー、お前は89かな」

「負けた…」

「ふふ、武蔵坊弁慶に勝ったぞ、お前達」

……俺は89もある胸で腕を組んでいたのか。…ゴクリ…はっ!いかんいかん!オオカミになりそうになってしまっ

た。







そして、寮に帰った俺は京とユキに抱きつかれながらも理性を踏ん張らせ、誘惑に勝ち、2人を部屋に返して寝たの

であった。

-32-
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