小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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九鬼紋白




義経達が川神学園に来た次の日。

朝、俺はまゆっちと一緒に弁当を作っていた。

ピクン

すると、突如、強い気を感じた。

「!…誰と誰が戦ったんでしょう」

「…これは確か、釈迦堂さんだな」

釈迦堂さんは、過去に川神院の師範代だった。が、川神院の理念と釈迦堂さんの理念の違いの食い違いでルー先生と戦い、結果負けた。その後、川神院を出ていったというわけだ。



――同時刻、潮風デッキ

ピクン

「!? 今、凄く強い力がぶつかりあったぞ、事件か?」

義経は物凄い気を感じとっていた。

「弁慶、気がついたか?」

義経の問いに、

「いやぁ何も……ごくごく」

「朝から川神水はだめだー」

弁慶は朝から川神水を飲んでいた。

「迎え酒ならぬ、迎え川神水だから大丈夫」


――――同時刻 川神院修行場

「! なんだ、面白そうな事してる奴等がいるなぁ」

「こらモモ!稽古中じゃぞ、手を休めるな!」

百代も気を感じ、稽古の手を止めているのを鉄心に叱られる。

「(今のは釈迦堂…間違いないネ)」




――戻って信也side

おそらく俺達と同じマスタークラスの実力者達も感じ取っているはずだ。けど、一体誰と戦っているんだ?







――放課後

昼休み、紋白がうちのクラスの前を通った。が、特にうちのクラスには入らないでクラスを見てすぐに去っていった。

そして、今は放課後だ。

俺は今日の歴史の授業で出された宿題の資料をとりに、図書室へ来ている。

すると、男子生徒達がある一点を見ているのが見え、そちらを向いてみると…

「あれ?清楚」

「あ!信也!」

本にしおりを入れ、俺を見る清楚。

「こうして、まともに話すのは久しぶりだな」

「あはは、そうだね」

…ちなみに図書室なので小声で喋っている…のだが、

「(俺達の清涼剤を…あの2年生めぇえ…)」

「(清楚ちゃん…己ぇ…確か2年の八神だったなぁ!)」

「(KILL!KILL!KILL!KILL!)」

「(今、俺は魂を捧げるぅ!俺に暗黒魔法の力をぉぉ!)」

……と、まぁこんな声が俺に聞こえてきた。

その後、

「(君達【図書室では静かにしたまえ】)」

ピクッ

図書室にいる京極先輩がお得意の言霊を言い、うるさくしそうな面子を黙らせる。

ありがとう、京極先輩。

「さて、もう少し話そうか清楚」

「そうだね」





俺は清楚と俺のに必要な資料を探しながら、話をして、別れた。

その後、俺は靴を履き替えるために靴箱へと向かうと、反対側から大和と弁慶と会う。

「あれ?お前達も今から帰るのか?」

「ああ。信也は資料探しか?」

「そうだぜ」

「う〜ん信也」

ダキッ

俺が大和と話していると弁慶が俺に抱きついてきた。

「やっぱり信也はいい匂いがするね」

「……俺男だぞ?」

「男でもよ」

男がいい匂いとかするもんか?

「信也の匂いは信也臭だよ」

「?」

わけわからん。

「まぁいいじゃない」

そう言いながら弁慶が自分の靴箱を開けると中に

「お…?靴箱に手紙が入っていたなう」

「ラブレターだろ」

「お、本当だ。3年生から…年上に興味ないんだよねー」

……そこで俺を見るなよ弁慶。頼むから…。

「あと、手紙は気持ちが伝わりにくい気がしてどうも…」

「暦気の方では腰越状文かってもらえなかったからねぇ」

大和は妙な所で納得しつつ靴をはきかえてグラウンドに出ると、ギャラリーの大歓声が聞こえてきた。

「おおっ、まだ決闘やってるのか?」

「義経も大変だな〜戦っているのはワン子か」

俺たちの目の前で刀と薙刀が激しくぶつかり合っている。

「なんという激しさ!義経は驚愕した!」

義経は嬉しそうに戦っている。

「(この重い一撃はガードできないわよっ!)」

ワン子の一撃を見切り、義経は防がないで後ろへと跳ね、そのままワン子に斬りかかった。

「うわぁっ!!」

そのまま、ワン子は倒され、ギャラリーの大歓声が赤く染まっている校庭に響いていくのが分かる。





その30分後、ギャラリーも散っていくのを見計らい、俺達は近づく。

ワン子も義経も笑顔で、また戦おうと約束をしていた。

俺達は下校するために、校門を通る。

校門では紋白が同じクラスの子達に挨拶されていた。

義経は紋白のそんな姿を見て感激していた。

義経は自分はまだまだだと言うが、ワン子やクリスなどがもう私達は友達じゃないといい、それに喜ぶ義経。

そして、義経に俺達を紹介してくれと言う。

「こちら川神一子さん」

「よろしくね!」

いつものように無邪気100%のワン子は紋白に挨拶する。

「兄からいつも話は聞いている、川神一子」

「あ、あはは…そっか…」

それを聞き、苦笑いするワン子。

そして、英雄がいつもワン子の事を褒め称えていた事を話し、何かを言いかけるがクラウディオさんに止められる。

「こちらは椎名京さん、弓の名手だそうだ」

「それほどでもないよ。苗字は椎名。名を京。よろしくね」

挨拶をする京。

「…ふむ。椎名京か」

「?」

京はじーっと自分を見る紋白を不思議そうに見る。

「将来の夢は決まっているのか?」

「愛する人に嫁ぐこと。夢というか決定事項?」

「では、嫁ぎながら、九鬼財閥で働く気はないか!」

「私が?」

「ああ。優遇するぞ!九鬼は人材を求めているのだ!」

そう言って京に名刺を渡す紋白。

さすがの京もこれには驚いている。

「こちらはクリスさん」

「クリスティアーネ・フリードリヒだよろしく」

「うむ。こちらこそな」

なお、クリスに対しては紋白は何もなかった。

「それで、こちらが直江大和さん」

「お前とは一度、目があったな」

「よろしく…えーと」

「紋様と呼ぶがいい」

「はは、よろしく紋様」

「うむ!」

大和にも何もなかった。

「こちらは川神小雪さん」

「よろぴくね!紋様〜」

「うむ!…お前は夢はあるのか?」

「もちろんあるよ〜京と同じで好きな人に嫁ぐこと〜」

「そうか。なら、椎名と同じで、九鬼で働く気はないか?」

「う〜ん。そこのところはわからないかな?」

「なら、名刺を渡しておくぞ!もし、働きたくなったら連絡をくれ!フハハハ!」

「どうも〜」

ユキは名刺をもらった。

最後は、

「それで、こちらは義経達が前に話していた八神信也さんだ!」

「よろしく紋白」

「うむ…紋様と呼ぶがいい!」

「悪いが俺は様付きで呼ぶつもりないぞ」

「…フハハハ!そう言う奴は久しぶりだぞ!お前は夢はあるか?」

夢か。

「俺は八神流剣術の正統後継者だ」

「八神流…ヒュームのかつてのライバルの1人だった…八神博和の孫か」

「ああ。俺は9歳の頃に既に免許皆伝だからな。俺は1人息子だし…まぁ働きながら道場を経営することもできるから…どこかで働くって道もあるな」

「そうか!なら、お前にも名刺を渡しておく!」

「貰っておこう」

紋白に名刺を渡される。

「では我達は先に帰るぞ。クラウ爺」

「は。では、義経様も弁慶様」

「了解。義経」

「うんっ」

俺達は歩き出す。

「バイバーイ!!!」

ワン子が別れを告げてきた。

「じゃあなー!!!」

歩く・振り返って手を振るを何度も繰り返す義経であった。

その後、まゆっちと合流し、俺達は下校することに。




多馬大橋の下では、モモ先輩がスッキリした顔でピーチジュースを飲んでいた。

どうやら放課後はずっと義経への対戦者を倒しまくっていたようだ。

ギャラリーは九鬼家の従者部隊の1人が返していたそうだ。

その従者部隊が俺を見た。

「(…彼が例の…0…ですね)」

俺には彼が何を考えているのかが分からなかった。

その人と入れ替わるかのようにヒュームさんが現れた。

「遠くから見ていた。嬉しそうに戦うんだなお前は」

「実に満足です。…ヒュームさんとも戦ってみたいなぁ」

モモ先輩の言ったことにヒュームさんは

「ぐはっはっはっはっ!!笑わせるなよ小娘!」

笑いだした。

「む」

「予言をしておいてやる。いずれお前は負ける。九鬼が用意した、ある対戦相手によってな!」

「私の対戦相手…?」

モモ先輩はヒュームさんの言ったことに疑問を持つ。私と戦える奴なんてそんなにいないだろうと。

「冬までにお前が無敗だったら喜んで相手してやろう」

それを聞いてワクワクなモモ先輩。

そして、ヒュームさんはモモ先輩に言う。
モモ先輩の強さを支えている瞬間回復の事を言う。その弱点を知っていると。
ちなみに俺も知っている。まぁ今は語るまい。

そして、姿を消したヒュームさんに闘気を露わに知るモモ先輩。どうやら、ボコボコと言われたことが頭にきているようだ。

トレーニングをする気になったモモ先輩はワン子共に走って去っていった。

俺達も寮へと戻っていった。





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