小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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謎の女子生徒と歓迎会





今日も元気に皆と登校していると…

「俺はシンロン。愛も情も許さない…いざ勝負、川神百代!」

ドッスン!

「うぐわぁ!お前に勝ち、梁山泊に入ろうとしたものをー!」

いつもの如くモモ先輩への挑戦者が現れては星となる。

そして、決闘が終わると大和に絡むのもいつものこと。

「姉さん戦えなくても、からみついてくるじゃん!」

まさにその通りだな。

「そんな事言って、年上に可愛がられて嬉しいんだろー?」

モモ先輩は大和の頭をヨシヨシと撫でている。ついでと言わんばかりに胸とかを押し付けて。

そんな大和を見て、羨ましいガクトはまゆっち…と言うよりも松風に言う。

「松風、言ってやれ!」

「年上って響きはいいけど、早く年取っちまうんだぜ?」

「決ーめた。今夜は島津寮の201号室に泊まうっと」

「ええええ!?私の部屋ですかっ?」

「寝技の乱取りで、上下関係を再確認させてやろうな」

涙目になるまゆっち。さすがに可愛そうなので、

「やめてあげなよモモ先輩」

「何だ信也?お前が私の相手をしてくれるの…か!」

シュン!ガシッ!

俺にストレートを繰り出すモモ先輩の拳を掴む。

「なっ…」

驚くモモ先輩。

手を放す。

「……面白い。信也!今から私と…」

「戦わないよ」

「ちっ…」

…そんなに舌打ちしなくてもいいだろ。

「リンリンリリン、リリーン♪」

風をまとって、文学少女こと…清楚が自転車に乗って現れた。

「おお見ろモロ!葉桜先輩だぞ清楚だなぁ!」

「ホントだ…見てよ、自転車から降りる仕草も絵になるねぇ」

ガクトとモロは清楚に目を向けている。

「恭也、モモちゃん、こんにちはー!」

「こんいちは、清楚」

「清楚ちゃんこんにちは!おっぱい揉んでいいかな」

「ええっ!?」

「やめねぇかこのセクハラ先輩」

ガツンッ!

俺が拳骨でモモ先輩の頭を叩くと、頭を抱えて痛がる。

「痛ッ!!!何すんだよー!信也!!!」

「あほか!こんな公衆の面前で何をしようとしてんだモモ先輩は!?」

まだ他の生徒達も通っているんだぞ!?

「あれ?姉さんと信也はいつの間に仲良くなったんだ」

「ワタシ美少女ニメガナイ、スグニ教室イッテ、口説イタ」

「オーイエス…」

「俺は4月のゴールデンに突入した時に、山で出会って仲良くなった。義経達も一緒にカレーを食べたもんだ。なー清楚」

「ねー信也」

俺と清楚が仲良く話していると、

「葉桜さんを紹介してくれよ信也!!ハァハァ!」

血迷った表情で俺に言うガクト。

「…どうしようかね」

「紹・介し・て・く・れ・よ!!!」

「あー分かったから。血の涙を流すな!!」

「楽しそうなお友達だね、信也」

清楚は、柔和に微笑んだ。

「島津岳人です。ベンチプレスで190あげます。俺様と結婚を前提にお付き合いしてください。」

「あはは、お互いわかり合ってからね、島津君」

ガクトは軽くあしらわれていたが、満足そうだった。

「フフフ。キモイと断られなかっただけ善戦しただろう」

「お前はそれでいいのか…」

「言うな信也。ガクトからしたらいいんだよ…」

大和…それでいいのかよ…まぁ俺の事じゃないしいいか。

「清楚って自転車通学なんだな」

「うん。気持ちいいんだよね、風を感じて。九鬼財閥に開発してもらった電動自転車でね、坂道を苦もなくすいすい進むんだ。だから名前は、スイスイ号って言うの」

ピクッ

…スイスイ…騅!?……マジか。俺の推理は当たっていたのか…清楚の正体が…―――のクローンと言う事が。いや、例え清楚の正体が―――のクローンでも、俺は清楚とは普通に接するぞ。

「皆さん、よろしくお願いします」

「おおお喋ったぞ!これも腹話術か?」

クリスは物が喋ると全て腹話術だと思っているとは…さすが、アホの子代表。

「こちらは機械ですね、松風は九十九神ですが」

「メイドイン九鬼なら喋っても不思議じゃないわ!」

「人工知能はクッキーで実証済みだからな…」

「はい。クッキーさんは、私の先輩にあたります」

「この自転車もしかしてトランスフォームするのかな」

「師岡様。残念ながら、そのような機能はありません。私は、ただの自転車ですので」

「ただの自転車は普通しゃべらないと思うケド…」

「その通りだな」

九鬼の技術力はどんだけなんだかな。

「いやぁそれにしても、すっげぇ自転車だな」

「なぁ、俺が乗ってみていいか?風になろうぜ」

「すみません。拒否いたします。私に乗れるのは主のみ」

ほぉ?大した忠誠心だな。感心感心。

「もしくは美少女の方なら歓迎します」

「ただのスケベだった…」

「俺の感心を返せよ…」

「場をなごませる、小粋なジョークというやつですよ」

「じゃあ俺が乗ってもいいんだな?」

「断固、拒否します!」

「いーじゃん、いくぞ!」

「きたねぇケツを乗っけるんじゃねぇ!(ビキッ)」

「うわぁぁぁ、大和、信也…こいつ怖いぞぅ!!」

「無理に乗ろうとするからでしょ…それにしても」

「ジョークですよ、ジョーク」

嘘じゃないだろ。声が本気だったぞ。

「なんで九鬼が作る人工知能はすぐキレるんだ…」

「まさしくクッキーの後輩って感じするよね」

「そう言う設定ってのもあるよな」

マジでキレやすい人口知能だな九鬼のは。俺だったらもっとましな人工知能作れるぞ。

「すみません、私を守るためにこういう威嚇機能がついているようなんです」

「行きましょう清楚。余裕をもった登校を」

「はーい。それでは皆さん、また学校で」

と、漕いで走っていこうとする清楚であったが、

「し、信也」

「どうした清楚?」

顔を赤くした清楚が俺に近寄る。

「その…こ、今度お弁当作ってくるから一緒にお昼食べない?」

もじもじする清楚が可愛くて抱きしめたくなる衝動があったが、抑える。

「いいのか?なら、メールをしてくれ。楽しみにしているぞ」

「う、うん!じゃあね!」

そして、俺の前から去っていく清楚であった。




のだが、

ゾクッ!

な、何だ…この寒気は!?

そう思い後ろを向くと…

「最後のあれはなんなんだ!」

「あっははは!話してもらうよん」

「詳しくね!」

「話してもらいます!」「諦めた方がいいぜ信也…」

「清楚ちゃんとあんなに仲良く…」

「許し難いな…」

……6人が尋常ではない殺気を放っている。え、何これ…怖い。

「…逃げるが勝ち!」

ヒュゥゥ〜〜〜〜〜ン!

『待てぇえええええええええ!』

6人が俺の後を追いかける……くっ!仕方ない!

俺は懐からあるものを取り出す。

「食らえ!」

ヒョイ!

投げたのは…閃と書かれた球状の玉。

ピッカーーーーン!

『うわああああ!』

光を発し、6人が怯んでいるうちに俺は学校へ。










と、思ったのだが、

「へへっ、お宝ちゃんをゲットォ!義経のグッズとあらばどれだけ高値がつくことやら…へっ、俺は釈迦堂の間抜けみたいに落ちぶれんぞぉ!内閣調査室で働いていたんだ、いい暮らししてても許されるぅ」

などと、バイクに乗った男が言うのを聞き逃さなかった俺。

シュン!シュタ!

俺はバイクに乗る。

「誰のものだって?」

「なんだぁてめぇは!」

「義経の友達だよ!」

俺は拳に気を溜め、思いっきりバイクに叩きつける。

「ちょっ!?ま…」

何かを言いかける男の襟首を掴んで、

ヒョイ

投げる。それと同時に俺はバイクの上から退き、男に連続で蹴りと拳を食らわす。

「ぶるらぁああああああああああ!」

連続攻撃で持っていた鞄を手放す男。それを片方の手で受け止め、蹴りで男を地面に叩きつける。

「ウゴェ!」

ドサッ!

男は倒れる。

そして、俺は遥か後方にいる義経に言う。

「義経〜〜〜」

手に力を溜め、鞄を…

「受け取れぇええええええ!」

投げた。

ヒュ〜〜〜〜〜〜ン!スポン!

義経の腕の中に鞄があるのを確認し、俺は学校へ。6人から逃げるためだ。…いや、もしかしたら義経と弁慶も加わっていたかもしれないけどな。









そして、昼休み。俺は今日は飯を屋上で食べたい気分なので、大和と共に食べ、大和は寝ている。俺は空を眺めている。

そこへ、

「おっ、こんな所で昼寝をしている男のコと空を眺めている男のコをはっけーん」

「ん?……!」

そこには見たことのない女子生徒がいた。けど、彼女を見た瞬間、かなり強いことが分かった。

しっかし、ここに来る生徒が俺や大和、キャップ以外にいるとは。

「私も散歩がてら、サボりスポット探してるんだよん」

「なるほど」

「んぁ〜っ!いいねぇここは。涼しい風が吹いていてさ」

「だな。ここよりいい所はこの学園には無いと思ってる」

そうしていると、大和が起きた。

「ん〜何だ…って、誰!?」

大和は見知らぬ女子生徒を見て、声をあげる。

そして、

ス、スカートが…。

そう、俺は寝っ転がりながら空を眺め、大和は寝ていたのでまだ、横になっている。そのため、女子生徒のスカートが気になってしまう。それは大和も同じようだ。

「期待しても、パンツは見えないと思うよ。ごめんね」

その言葉に大和は物凄く反応する。

「なな何をおっしゃいますか、そんな事は思ってません」

「…大和。それは気になっているという意味に聞こえるぞ。凄く動揺しているし」

グサッ!

「うぐ!」

胸を押さえる大和。

「屋上クリアー。引き続きたんさーく!!」

そう言って屋上から去っていく女子生徒。

数秒後、強い風が吹く。

「ちょっと吹くの遅いんじゃねーのか!?」

「……」

ササッ

そんな事を平然と言う大和から少し距離をとる。

「はっ!」

大和も俺がいるのを思いだしたのかダラダラと汗を流しながら俺を見る。

「……そして、無言のまま俺は屋上を後にした」










授業が終わり、俺は直ぐに寮へと戻り、ジャージに着替えた俺はランニングに出る。

ランニングを初めて約1時間後。川神院の前を通ると大和とクリス、1年に転入してきた紋白とヒュームがいた。

「何してんのお前等?」

「あれ?信也か」

「おお、信也じゃないか」

大和とクリスが俺に声をかける。

「何をしているだ?」

「実はな…」

話を聞く限りではこうだ。

大和とクリスは『仲吉』でくず餅パフェを食べに行ったら紋白達と出会い、義経達に歓迎、兼、誕生パーティーを開く上での悩み事を相談されたと。
それで、どうするかという事を考えていたそうだ。
大和は自分の人脈を使うから任せろと言い、パーティーの準備をするとのことだ。

「なるほどな」

「1年、2年は問題ないんだが…残りは3年なんだよ」

どうやら、この前、義経と生徒会長が戦い、怪我をしてしまったため、3年はどうするかとのことだ。

「何だ。3年なら俺に任せろ」

「「えっ?」」

「俺、3年には知り合い多いんだよ。弓道部の部長もいるし、他に助っ人で部活の試合とか出てたから他の部長達とは知り合いだから、頼んでみるよ。ちょっと待っててくれ」

俺は携帯で各部長達に協力を仰ぐ。すると

ピッ!

「全員OKだってさ。手伝ってくれるって」

『おお!!』

3人は喜んでいた。

「じゃあ、大和!お前は会場の確保と各責任者の事について連絡!俺は食事と飾り付けを!」

「了解した!」

俺と大和は結構忙しくなりそうだ。

そして、クリスはマルギッテに連絡し、冬馬や準も手伝ってくれるそうだ。






―――――義経達の歓迎会まであと2日。

-34-
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