小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

日常?





さて、いつもの如く、学校へ登校中の俺達。

モロとガクトはきわどい漫画を歩きながら読み、周りに俺達しかいない事をいいことに内容を言っている。
すると、京が言う。

「あれでモてたいと言っているガクトは図々しいね」

「…それには同意だ。あいつも普通にして、興奮しなければそこそこモてそうなのに」

「ほんと…残念だよね」

根はいい奴なんだから、大事な場面で興奮して、血迷った目をしなければいいのにな。

クリスは眠そうに歩き、欠伸をかいている。どうやら夜遅くまで大和丸のDVDを見ていたからのようだ。


多馬大橋に入ると、

「リンリンリリン♪ふぁいっとー」

「いっっっっぱぁぁぁーつー!」

何やら華やかな人達が現れた。

「先輩方オ――ス!!」

ワン子が体育系の挨拶をする、

「おはよう、朝から納豆食べてるおかげで私は元気」

「朝一販促だ」

「おはようございます一子様」

「ワッ。アタシ貴方に自己紹介したっけ?」

「川神学園生徒のデータは全てインプットされています」

スイスイ号の言葉を聞いてワン子は驚く。俺も驚いている全てって…流石九鬼財閥。

「おおう、さすが九鬼製自転車…ひと味違うのね」

「女子生徒を乗せるとむやみにサドルを上下に動かしたくなります」

「おいおい…(どうして九鬼が作るAIは変なのが多いんだ?)」

「ん、何か言った?」

しかも、清楚には聞こえてないみたいだし。

「いえなんでもありません」

「先輩達仲いいですね」

「うん。図書室でお友達になったのよ」

「今は私が清楚を見つけてひらりと飛び乗ったのサ」

燕の話を聞いた大和が燕に言う。

「松永先輩と違って葉桜先輩は文学少女なんだから、派手なアクションは勘弁してあげてくださいよ」

「問題ありません。私がついています」

スイスイ号を見る燕の目の色が変わる。

「この自転車凄いね。オークションでいくらになるだろ」

「恐縮です松永様。ですが出品はしないように」

「まずは自転車が喋る事に驚いて欲しいものですが」

「うちのおとん技術者だから。少しは慣れてるの」

…そういえば、前にそんな事を久信さん自身が言ってたっけ。

「褒められているねスイスイ号」

「女性に褒められると照れますね」

「ん、この自転車…スイスイ号っていうんだ」

「うんっ。なんかね、サラッとその名前が出てきたの」

「(…)」

…燕の清楚の正体が気になるのか。

「どうしたの燕ちゃん…おっ?」

清楚の視線が漫画を読むモロとガクトに。

「ねぇねぇ君達は何の本を読んでいるのかな」

「えっ!?あっ、す…すみません漫画です」

声をかけられたモロとガクト、モロは漫画を閉じた。

「じゅ、純文学じゃなくてごめんなさい見捨てないで!」

次第に壊れていくガクトに

「テンパって言動が怪しいぞ落ち着けガクト」

大和が冷静に指摘する。

「私は漫画好きだよ。どれどれちょっと読ませてくれる」

モロの手から漫画を取り、ページをめくる清楚。

「へぇ〜女の子が皆、可愛いねーいいねー」

…清楚はこういった本は平気なんだな。

「ねぇ信也。清楚が誰のクローンか見当つけてる?」

清楚を見ている俺に燕が声をかけてきた。

「…名前の読み方…頭のヒナゲシ…そして、自転車のスイスイ号と言う名前…1人だけだったら心当たりあるが…信じたくないな」

「……そっか。私も何となく清楚の正体が―――だって信じたくないかも」

「…今は憶測だし、今は忘れよう」

「そうだね」

俺と燕が話をしていると、

「信也君。燕先輩。おはようーっ」

「お二人ともおはようございます!」

「燕、八神、おはようで候。いい天気で候」

「おはー!」

「おはよう!」

歩いていく生徒達に挨拶をされる。

「燕も人気だな」

「信也だって皆に挨拶されているじゃん」

「まぁそうだけどな」

…転入してきてまだ一週間たってないからな燕は。凄い人気だぞ。







そして、俺達は人間学の授業を受け、昼休み、クマちゃんが携帯コンロでカニと野菜、それに何故か持っていた肉を入れて煮ている。

「水の中にちょろっと川神水をいれるのがポイントさ」

食通のクマちゃんは食べ物にはこだわる。

教室でする鍋ってのも新鮮だな。

食べていると義経や弁慶、それに不死川などが来て、貴族が認めるほどクマちゃんの鍋は美味かったと言う事であっ

た。

そんな中、

「ハーイ、エブリバディ。校内放送の時間だぞ!
もし、生まれ変わるなら土地神様になって毎年9歳の生娘を生贄に求めたいと思います井上準です」

準とモモ先輩の放送が始まった。

「ハーイ川神百代です。人に迷惑かける土地神ってただの邪神だと思います、川神百代です」

「いやぁ妖怪なんだから人から恐れられてないと」

「そんなのはどうでもいい。
ハゲお前女の子は愛でるものと言って、生贄とかついに本性を現したな」

「俺が引き取って幸せに暮らすんです!で、大きくなったら村に返す!完璧なシステムです!」

……普通ならそこは返さないけどな。

「…ハゲは放っといて今日は皆に紹介したい商品がある
それは…これだ!関西よりの刺客、松永納豆!川神院でも松永納豆に切り替えるぐらいお勧め!」

…モモ先輩、燕の事を気にいったようだな。よかったよかった。






そして、その日は京と一緒に弓道部に出て、射て終わったのであった。

-40-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




真剣で私に恋しなさい! Original Sound Track ~真剣演舞~
新品 \2609
中古 \1435
(参考価格:\3000)