小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

水上体育祭





ここ最近は、梅雨で雨続きであったが、今日は晴れた。
気温も25度と文句がないほど、いい夏日になっている。

「良かったぁ今日雨だったら泣いてたぜ」

「これは晴れ乞いの生け贄が効いたな」

モモ先輩は昨日、多馬大橋で不良30人を逆さまにつり下げていたようだ。
その様子を大和は見ていたようで、話を聞いた。
大和の話だと雨のせいで視界が悪く、それを利用してモモ先輩を倒そうとしたが逆に返り討ちにあったと。

「さぁ、水上体育祭のはじまりだぜーーーーー!!!!!!!」

ガクトは一番、目が輝いていた。

それもそのはずだ今日は体育祭。が、他の高校と違い、うちは近場の海での体育祭だ。
女子生徒達は全員、スクール水着なため、男達はテンションがMAXなのだ。
ちなみに、何で俺はそこまでテンションが高くないのかというと……普段から京やユキの過剰なスキンシップを受けているから、そこまで上がらないのだ。

ヨンパチは体育祭に出る事よりも撮影に燃えている。

そして、

「ねぇねぇどう、信也?私のスク水は」

「僕のはどうかなぁ〜?」

ムニュムニュ

2人に腕を組まれ、豊満な胸に挟まれている。はっきり言おう。いつも以上に胸の形が強調されているので、息子が反応しないか汗だくだ。

だが、エロな京は、

「あれ?信也のアソコ…反応しているねん&#9825;」

「!」

シュタ!

京のその発言に俺は反応し、2人から離れる。

そして、教師陣の方からこんな会話が聞こえてきた。

「素晴らしいデース!スクール水着で体育祭!時代の最先端を行ってマスねー!」

「長生きの秘訣はコレじゃよ。メモっとけゲイツ」

「なるほど長寿の秘訣は枯れないこと。うーんシンプルだけど重要な要素っぽいね」

「皆様はもう少し教師としての節度を保たれたらどうです」

クラウディオさん、俺はあんたに賛成だ。いくらなんでも教師達がそれじゃぁ、生徒に示しがつかないだろ。


――この水上体育祭…皆の欲望が交錯しているな。


バシャーン!

「わーい!貝拾い全体でいちばーん!!」

「水の中であそこまで動けるとは…やるな」

「師匠は多摩川!」

……そう言えば、外来種の数を確認するバイトしてたな。納得。

ワン子は穫れた貝をクマちゃんに渡している。
クマちゃんがあとで砂抜きして、体育祭が終わったら皆で食べようと言う。さすがクマちゃん。ここまで来ても、そう言う事を考えるか。

なお、この事でキャップが宿題忘れてもクマちゃんと自然のある所に行くのなら、調味料や味噌などは持ってこないとと言い、委員長に怒られていた。

「にしても、S組が思ったより勝負をふっかけてこないわね」

「確かに。これはこれで物足りないな」

「皆、水着を見るのに忙しいんじゃない。しょーもない」

…いや、京。Sクラスにそんなのは…冬馬と準(限定)しかいないだろ。

そう考えているとSクラスへ偵察に行っていた大和が帰ってきた。
Sクラスがこちらに勝負をふっかけてこないのは義経や弁慶と言う…クラス内同士で勝負しているようだ。
俺達にちょっかいを出すなら午後の部からだそうだ。

と、俺達が話をしていると、

「苗字にや、がつく、八神!私と一緒にゴールまで走るで候!」

「俺っすか?わかりました。皆、行ってくる」

俺は部長と走る事に。




走っていると、必然的に俺が先を走っている。

「流石八神で候!早いで候!
私が1位をとれば総合点で青龍軍がトップに立つで候!」

確かに総合点で勝つな。

「このままいけば1着で候」

「……部長、そうでもないみたいですよ」

「?」

俺は後ろ見て下さいっていう風に顔を後ろに向ける。

部長も俺につられて、後ろを見ると…

「待って待って〜」

敵クラスの清楚が走ってきていた。
なお、清楚はスク水ではない。と言うのも、前に着れたはずのスク水は胸の部分がきつくて着れなかったとか。
清楚は給水ポットを持っているが、おそらくそれが借り物であろう。

「部長。スピードあげますよ!清楚、かなり足早いみたいですし!」

「あの走り…どう見ても文学少女とはかけ離れているで候!」

俺と部長は走るスピードを上げる。

なお、

「うぉぉン…あの走り方清楚ちゃん清楚だよぉっ!」

「文学少女は体育もできる!ニッポンポン、アーンタイ!」

と、こんな感じで清楚応援団は、清楚の足の速さについては何も触れていない。

ゴールが近づき、ゴールを見てみると、モモ先輩と燕がいた。

そして、ゴールする。

「お疲れ様、信也」

「私達の青龍軍がトップか」

パァン!

2人とハイタッチした。

「ふぅ…まぁ2位なら頑張った…のかな」

「ん?おい葉桜…このポッド…水満タンで候」

…えっ?満タンの水を抱えて2位…あの早さだって?……いや、気にしないでおこう!うん!






その後、俺はモモ先輩と燕に捕まり、3-Fの陣地へ。その際、ここから自分の陣地の方へ気で作った糸で自分の弁当の

入った袋をこっちに持ってきた。これを見た燕と部長は唖然とし、モモ先輩はさすがだな〜と言った。

「腹減ったぜ〜」

「楽しいおべんと〜」

俺と燕はウキウキしながら弁当を出していく。

「じゃーん。納豆オムレツ!匂いもきにならない一品だよ!」

「俺はまゆっちと一緒に作った弁当だ」

んじゃまぁ、頂きますかね!




弁当を食べていると、

「信也〜」

「何だ燕?」

「一口食べる?」

自分の納豆オムレツを見せる。

「いいのか?」

「うん!はい、あ〜ん」

スプーンを俺の口元に持ってくる燕。

「あ、あ〜ん…パク…もぐもぐもぐ」

ピッカーン!こ、これは!

「口の中で広がる半熟卵がご飯と納豆の味を引き出している!うまい!」

「よかったぁ〜美味しそうに食べてもらえて何よりだよん」

燕はいいお嫁さんになると思ったのは俺だけの秘密だ。





昼飯を食べながら、俺は燕と話している。

「燕は、午後の競技何か出るのか?」

「出るよ。その名も水上歌合戦!」

「…ただ歌うだけなんだな。水上以外は」

燕のが歌うと言ったら…あれしかないな。

「それにしても良かったな大和、神裂。クラスで自慢できるぞ
3年のクラスでおねーさん達に囲まれてましたってな」

「余計な恨みを買いそうだ…後は京やユキが知れば殺されそうだがな…(他にもまゆっちとかワン子とかクリスとか

……後は義経や弁慶もな)」

「モモちゃんは凄すぎとしてユーミンもスタイルいいね」

「い、いきなりなんで候?」

「なんか眺めててふと思った。バスト85のDはありそうだなぁ…やるねぇ」

……燕は大体、83ぐらいか。

「私は83だよん信也。普通だねぇ」

心を読むな!?


まあ、こんな感じでランチタイムは終わった。






――――水上体育祭・女子『船渡りアスレチック』

「ここは本家が決めなければっ!」

バシャンバシャンバシャン!

「おーっ、船から船へ実に見事なジャンプだネ」

「八艘飛びの伝説を再現できるとは嬉しいのぅ」

「素晴らしい身のこなし…いいものを見られました」

「オラ達もアクロバティックにいこうぜ!」

バシャンバシャンバシャン!

「おーっと、これも義経に劣らない華麗な跳躍だネ!」

「うわ…黛さん思ったよりやるじゃない…!」

「まゆまゆの強さが明るみになっていくな、いい傾向だ」



――――同じく午後の競技・女子『大遠投』

「バレーボールを浜辺からどこまで投げられるかの勝負
上等上等…分かりやすい方が熱くなるってものよ」

Fクラスはワン子だ。

ヒュゥゥゥ〜〜〜〜

強い風が吹く。

「今だワン子!強い風の流れにボールを乗せろ!」

「チェェェストォォォォォォォー!!!!」

バシャァン!

「次は私か…これあまり動かないで済むから

そおいっ!」

ヒュゥゥゥン…キラッ

弁慶は軽く投げたつもりだったみたいだが…ボールは遥か彼方へと旅立っていった。

「球が遥か彼方に消えた…弁慶は怒らせない方がいいな」

「あーあーあーあー回収大変だぞこりゃあ」

「むぅ一子殿でも弁慶相手のパワー勝負では分が悪いか」

「どちらの応援をしている。S組である事を忘れるな」

これを見たワン子は、

「がーん…あっさり抜き返されたわ」

ショックを受けて涙目になっていた。

それと小笠原がどんまいという。




――――同じく午後の競技・男女混合『三人四脚』

俺は京とユキと出ている。

幼馴染コンビとしての息ぴったりでダントツの1位……だが、そのまま京とユキに襲われそうになった。
でも俺は逃げる事に成功。






――――同じく午後の競技・2年男子限定『益荒男決定戦』

「今回からはじめて行われる種目じゃのー」

ルールは各クラスから男1人を選び、はりつけ状態のまま他のクラスの女子の前へ連行、女子はその男をどんな手を使ってもいいので誘惑し、股間が反応したら負けで、反応が一番遅蹴れば遅いほど高得点と言う事だ。
なお、選ばれた男の体には判定装置をつけ、誘惑に負けた場合は電流が流れると言う事だった。
この説明を聞いたうちのクラスのほとんど…俺やキャップ、ゲンを抜いた男子はやべぇっとか言っている。

現に、

「うわ、僕パス……死ぬよこれ」

「これサルとか論外だからね、送ったら即死でしょ」

「こればかりは否定できないぜ!」

「キャップで決まりはない?性に目覚めてないし」

「僕もキャップでいいと思いまーす!」

「なんだか知らないが俺は断固として断る!」

「なんでさ」

「他クラスの女にとり囲まれるなんて気味悪い!」

「右に同じ。俺は死んでもやらんぞ。死んでもだ」

そして、皆の視線が俺に集まる。

「八神君で…いいんじゃないかな?」

「そうねぇ。普段から椎名っちやユキっちにの誘惑に耐えているんだし」

『確かに…』

小笠原の言う事にクラスの殆どが納得する。

「……しゃあないな。俺が行こう」

Sクラスからは…準だった。大和は準を見るとメモを京とユキに渡していた。2人とも悪い表情だったと言っておこう。





俺は今Sクラスの陣営で磔にされている。
英雄はいないようだ。

「よし、英雄さまがいなくなったな。弁慶、十字架を倒せ」

「わかったよぉ〜」

そう言って十字架を倒す弁慶。

「では、弁慶さんと義経さん、彼に跨って下さい」

冬馬の言った事に、

「え、えぇえええええ!?」

顔を真っ赤にする義経と

「ほっほぉ?」

ニヤリと笑う弁慶。

「ほら行くよ義経」

弁慶は義経の腕を引っ張り俺の前に立つ。

「フッフッフ…」

ドサッ!ムニュ

弁慶が俺の腹の上に乗り、胸を当ててくる。

義経は…

「う…うぅ……信也の何か…あ、暖かいものが///」

俺の股間の上に跨っていた。くっ!この競技、何でもありだからな。まずいぞ。

「ふふ…さぁ信也。私と義経に興奮してよ」

俺の顔に触れる弁慶。…はっきり言って色っぽい。この色っぽさは京にもユキにもないものだ。
が、

「フッ…弁慶。俺を舐めるなよ。中学の頃から京やユキに過剰なスキンシップをされてたんだ。これぐらいの誘惑に

負けるほどやわじゃないぜ」

俺のその言葉を聞いた弁慶の目に火がついたのが見えた。

「…なら…」

弁慶は腹の上から退き、義経に一旦退いてと言う。

そして、

ムニュ

「んな!?」

何と弁慶は…胸を俺の股間の部分に擦りつける。

これはまずいぞ!?さすがに京もユキもここまでしてなかったし……まぁ直接パンツ越しで触ったりしてきた事はあったが。

「ふふ……信也の…立派だね」

顔を赤くしながら俺に言う弁慶。

「はぁはぁ…」

俺より明らかに興奮している弁慶。

「これ以上の事…しようかな」

そういって俺のトランクスタイプの水着を降ろそうとするが、

「それまでじゃ!」

学長の声が聞こえ、止まる。

「…タイムリミットかぁ」

そう言って俺の上から退く弁慶。

危なかったぜ(汗)




俺が最後まで残っていたので、うちの得点がSクラスを抜いた。







――――水上体育祭・女子『水上歌合戦』

「さぁついにこの種目が来たぞい水上体育祭の華…
水・上・歌・合・戦!ルールは普通の歌合戦と一緒
違いと言えば歌手がスク水という事だけはフォフォ」

「2-F、クリスティアーネ・フリードリヒ一番手で推参」

フォオオオオオオ!

ヒュゥウ、ヒュウゥゥ!

クリスの登場に男子生徒達が騒ぐ。

ついに

「12番松永燕!歌いまーーーす!!
では聴いて下さい。私の持ち歌“納豆小町”」

武神相手に渡り合え、話題となっている燕を全クラスが注目している。

歌い始める燕の歌を聞くと、皆納豆を食べたくなってきたと言い始める。

燕の歌が終わると飛び入りで京が参加し、

「優勝は2-Fの椎名京。準優勝は3-F松永燕!」

ありゃま、燕は2位か。仕方ないよな。あの京のしっとり感の歌は誰もが認めるだろう。



――――水上体育祭・男女混合『バレーボール』

「義経達の勝ちだな!!」

身体能力も高いSクラスは全戦全勝だった。





そして、水上体育祭ファイナルステージ・クラス対抗怪物退治

「それぞれのクラスごとで一匹ずつ、怪物の着ぐるみを討伐してもうらうぞい。
怪物にまいったと言わせる速さを争う競技じゃ。ただし中には川神院の修行僧が入っているので、
クラスの力を合わせないといけない。チームワークが大切な競技じゃぞ」

そして始まる怪物退治。




うちは普通の修行僧だ。

俺達と大和の指示ですぐに捕獲した。



こうして、怪物退治は終わり、総合点数が届かないと思いきや、Sクラスと引き分ける形となったのであった。

-43-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




真剣で私に恋しなさい!! 大判マウスパッド
新品 \2000
中古 \
(参考価格:\500)