小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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期末の話しとデート




今日、7月に入ったな。まぁ6月の時点で暑かったけど…今年はかなり暑いだろうな。

とまあ、言う俺だったが俺達ファミリーは、基地に来ている。

「今日は水曜日の放課後で、金曜にはまだ早いぜ皆」

大和も俺と同じことを思ってたのかそう言う。

「まぁ自然と足が向いちまうんだ」

「ここ涼しいしね。何より落ち着くし」

「あぁ。7月の頭でこの蒸し具合…真夏は危険だな」

「夏バテ対策にご飯しっかり食べようっと」

「犬はいかなる時もご飯をしっかり食べるだろ」

「友達がいる状態での夏…ワクワクします」

「1人で貝殻拾いとか、ちょっとだけ切なかったからネ」

「今年は皆でどこに行くかそろそろ決めるか」

「僕、涼しい所だったらどこでも〜」

「同じく避暑地に1票」

クリスとまゆっちが加わって早2ヶ月近くか。2人は完全にここに馴染んで何よりだ。
夏か。行くなら北海道とかがいいかもな。美味い蟹とか食べたいし。

皆でどうするか考えているとクリスがふっと思ったのかこんな事を言う。

「ところで皆、期末は大丈夫なのか?」

「あいたー。的確な一撃を放ってくるなぁ」

「クリスー。この空気でそれはないだろー」

この期末と聞いて表情が変わるモモ先輩とガクトは、そんな表情をさせた原因のクリスに言う。

「じ、自分は皆を心配してだな!」

「そうだぞ。クリスは期末で“赤点”を取ってどこかに行けなくなる事を心配しているんだぞ?
特にいつも赤点ギリギリのモモ先輩とガクト、それにワン子」

『うぐっ!』

グサグサグサッ!

3人の胸に矢が刺さったのが聞こえた。それほどショックなのか?

「俺や大和、京にユキは普段から勉強しているから平気だけど、お前等3人は特に危ないだろ。
まゆっちは実力はSクラスだし、期末は問題なし、クリスも問題ない。モロは普通の点数だしな。
キャップは言わずもがな」

「アーハッハッハ!俺は成績、最下層でいいからな。卒業できればいいし」

そんな高笑いのキャップにガクトは言う。

「くっそぉ!俺は赤点なんか取ったら母ちゃんにぶっ殺されるからよぉ…」

涙目のガクト。

「普段から復習しないガクトが悪いと思うよ」

「ぐはぁ!」

京の一言に沈むガクト。

…そう言えば、燕も普段から勉強しているし、期末は平気だろうな。日曜日は美術展に行く約束しているしな。








〜日曜日〜

梅雨まっさかりだが、今日は晴れた。
何で俺が晴れてよかったと思っているかだって?それは今日は燕と美術展に行く日だから。
とはいっても既に来ているけどな。

「はふぅ…やはり和もしくはアジア系の美術展が最高だね」

燕はニコニコしながら美術品を鑑賞している。

「クリームがかった艶めかしいまでの地肌。手触りもつるんとしてそう…うーんイイ」

燕は展示品にうっとりし、キラキラした目で見ている。

俺は室町ぐらいに入った美術品を見ている。詳しい説明が聞けると思いハンディタイプの再生機を借りて美術品の解説を聞いている。

「む、なんだろこの茶器…信也イヤホン片方貸して」

「ほい」

片方のイヤホンを燕に貸し、燕が俺に近づく。

…しっかし、こうしてファミリー以外の女性に近寄られるのも始めてかもな。

「なるほどね―――…室町の時に入ってきたやつか」

普段から京とユキのエロい誘惑などされているから耐性は出来ていると思ったけど、こうして見ると緊張はするんだな。

「つんつん」

燕が肩を突いてきた。

「な、なんだ?」

「ふふ、もしかして照れてるのかな?信也にも可愛いところがあるな〜って」

ムッ、フフフ…そう言うか。なら、俺は…

「燕は美人だからな、ドキドキしないの男じゃないし、お前と一緒にいるのに照れないはずがないだろ」

「…えっ…?」

固まる燕。そして、

「…な、何言っているのかな」

顔を真っ赤にし始める。

「燕こそ、照れているんじゃねえか?顔も真っ赤になっているしな」

「む、むむむ!……くぅ、何も言い返せない」

ふっ、勝った!

「さて、燕いじりはこのくらいにして…川神院での稽古はどうだ?」

「充実しているよ。基礎体力とかも増えてきているしね」

…そりゃ、根性論の川神院だし、増えるだろうな。

「さてっと…そろそろ次の作品行こう?」

「そうだな。そろそろ別の作品も見ないとな」

俺と燕は美術展を巡り巡った。

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