小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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1回戦第2試合〜第8試合




俺達は試合が終わったので、控え室に戻ってくると、

「おー信也!凄かったじゃねぇか!」

「おう!キャップも頑張れよ!」

パァン!

「信也!私、頑張るわ!」

「おう!ゲン、ワン子の事頼んだぞ」

「はっ、俺に出来ることはするさ」

「信也!信也!ハイタッチ!」

パァン!

「おう、信也!行ってくるぜ!」

「ガクト。頑張れよ!」

「俺様のパワーに会場の女達をメロメロにしてやるぜ!」

パァン!

ガクトとハイタッチし、ガクトは長宗我部と共に控え室を出て武舞台へ。





――第3者SIDE――


――武舞台

「1回戦第2試合は400万パワーズ対無敵童貞軍!」

長宗我部とガクト、鉢屋とヨンパチの対戦である。

ニンジャである鉢屋は試合前に薬入りのお茶を出したが、仲間である長宗我部にはその手の細工は通じなかった。

長宗我部は自分の勝利を確信していた。

「第2試合も張り切って、レディゴーッ!」

「さぁてヌッルヌルにしてやるぜお前達」

長宗我部はお得意のオイルレスリングをするため、液体の入った樽を掲げた。

しかし、その油断が仇となった。

「油断したな長宗我部。地獄絵図を見せてやろう」

鉢屋が指をパチッと鳴らすと…

ドカァーーン!

長宗我部が持っていた樽が大爆発を起こした。

「んなっ!おい長宗我部、大丈夫かよ!」

ガクトはすぐ近くにいたため、爆風で飛ばされるが、長宗我部の身を案じる。

「お前等本人を狙っていたのは囮にすぎん。本命はその樽への細工だったのよ。任務完了」

鉢屋はこれで終わりだと確信し、クルリとステージから立ち去ろうとするが、

「ま…だ…終わってない…だろう…が」

「――何。お前あの爆発でまだ立っていられるのか!」

長宗我部は体中がボロボロになりながらも意識を保ち、立っている。

「俺は…ちょ…っと…休んで…るから…よ、行け島津…」

「…おう!てめぇらブッ飛ばしてやるぜ!」

ガクトは卑怯な手でパートナーをボロボロにした鉢屋達を睨みながら突っ込む。

鉢屋はそれに対し、迎撃をするために分身をするが、

「どれが本体かなんて、まどろっこしい事は考えねぇ!」

ガクトはバクサンして破片となった樽の板を力任せに振り回して分身を全て消す。残ったのは本体の鉢屋。

「むん!」

鉢屋はクナイでガクトの急所めがけて投げ込むが、

「モモ先輩のパンチに比べたらおせぇ!」

普段から百代に殴られたり蹴られたりしているガクトには遅く感じ。投げられたクナイを掴む。

「覚悟しろこの野郎―――!」

鉢屋に向けてガクトは拳を振り上げた…しかし、

「それまで―――!勝者、無敵童貞軍!!」

「なっ!?どういう事っすか!」

当たる寸前でそれを止め、田尻を見て言う。

「長宗我部を見てみろガクト」

百代に言われ、ガクトは長宗我部を見る。

「…?…!!こ、こいつ立ったまま…」

ガクトは見た。ニヤリとしながら手を組み、動く気配のない長宗我部を。

「ニヤけた顔だろう。気絶しているんだぞソレ」

「味方の勝利を確信して気がゆるんだな」

「惜しい、実に惜しかった400万パワーズ!」

観客からは負けてしまったガクト達に賞賛と拍手が向けられた。

『カッコよかったぞ!!島津!』

『長宗我部も仲間のために良くやった!漢だぜぇ!』

しかし、勝者である無敵童貞軍のヨンパチは後味が悪そうにしていた。

「な、なんつーか俺達悪者の流れだなぁ」

「我等が歩は冥府魔道…覚悟の上だろう」

「楽して金儲けは出来ないって事だな〜世知辛い」



…どこまでも汚いを通す2人であった。




――控え室

400万パワーズ対無敵童貞軍を見ていた信也と燕はというと…

「ほほぉ。ニンジャはどんな手も使うねぇ」

「…燕。久信さんはここに来ているんだよな?」

「へぇ?う、うん。おとんはここに来ているけど……どうして?」

「いや何。次は俺達があの2人と戦うんだ。先手は打っておこう」

信也は携帯を取り出し、誰かにメールをするのであった。





「弁慶。頑張るんだぞ」

一方で、次の試合の出番である弁慶と辰子…弁慶は義経に応援されていた。

「はい。やるからには、やります…」

「いっぱい寝たから力がわいてくるよ〜」

いつになくやる気な弁慶を見た信也と与一は驚いていた。

「(おいおい、弁慶の奴、めちゃくちゃやる気じゃねえか…こりゃあ、試合の時も注意しないといけないな)」

「(うおっ…姐御、あれ本気だな…さすが相手に同情しちまうぜ)」

「与一君。出番そろそろだけど準備体操とか大丈夫?私はなんだかドキドキしてきちゃった…」

弁慶の次が与一達の試合なので大丈夫なのかと清楚は与一に聞く。

「…予選の時そう言ってキレのある動きしたくせに」



――武舞台

「引き続き、1回戦第3試合を行います
地獄殺法コンビとデス・ミッショネルズ両チーム前へ」

「しかしデス・ミッショネルズとはどういうセンスだ」

「知らないのか。元ネタになる漫画あるんだよ」

石田はそういった漫画を見なようである。



「天ちゃんやほー。痛かったらごめんねぇ」

「あーあ。辰ねぇ起きちゃってるか…」

天使は姉である辰子が起きている事に落胆していた。

「KO予告。10秒で片付けさせてもらう」

ブチッ

「あぁん?言ってくれるじゃねぇか」

弁慶の一言に天使はキレた。

「それではいざ尋常に!ファイッ!!」

「お、かけ声も色々あるんだな」

百代はどうでもいいことに反応するのであった。

「そおぃっ!!!」

「!?ぐわぁっーーー!!!」

試合開始直後、弁慶はゴルフクラブをもった天使に力任せにパンチを食らわした。

「この問答無用の攻撃力…!タチが悪い
なにせガードしても駄目。無理やりもっていくからな」

石田はその問答無用の攻撃を喰らっているので恐ろしさを理解している。

「さ〜て君。1人になっちゃったねぇ、はさんじゃお」

羽黒だけが残り、弁慶と辰子が前後をはさんだ。

「くっ…2人で前後をはさんだという事は…で、でるぞ」

石田はそれを喰らっているので冷や汗をかく。

「ダブル!!」「ラリアット!!」

前からは弁慶のラリアット、後ろからは辰子のラリアットが羽黒を捉える。

ズドン!

「あぶらだ!!」

ドサッ!

「決まった!も〜〜の凄いツープラトン!
これは立てない、立てるわけがない!」

怪力の2人のラリアットは流石のレスラーの娘である羽黒も問答無用で沈められた。

「勝者、デス・ミッショネルズ!!」

「わーい、やったやった〜」

審判である鉄心や鍋島は気絶している羽黒を様子を見てある意味で感心していた。気絶だけで良かったと。

「…これは優勝この2人で決まりじゃないか」

「それはまだ分からないぞ?他にも注目するべき選手達もいる事だしな」

石田と百代はこの後の試合を楽しみにしている。




「1回戦第4試合は武神の注目カードです
ザ・プレミアムズ対桜ブロッサム!両チーム前へ!」

「ま、予選と同じ感じでいきましょうや」

「うんっ。敵がこない限り大人しくしてるね」




「では第4試合、いざ尋常に…勝負ッッッ!!」

試合が始まり、小杉は与一達と握手をするふりをして関節技をかけようとしたが、普段から弁慶に色々とされている

与一からすればバレバレなのであった。

「桜ブロッサムが大きく後退して距離をとりました
それもそのはず、アタッカーの那須与一は弓兵です」

与一は素早く射撃体勢に入る。

「!!凄い威圧感…武蔵さん…ここは…」

「分かっているわ。勇み足はしない。約束だものね」

今までの戦いとは違い、小杉は突出しないのを見て、与一は呟く。

「フーン…突出してこないんだな…くればそれを狙撃して終わったものを…」

「撃ってくるなら刀で迎撃するしかありません」

シャキィィン…シャ

由紀江は小杉をかばうように、前に出る。

「(なんだ?刀抜いたら闘気が尋常じゃねぇぞこの女)」

与一も由紀江の変わりように驚きながらも警戒を怠らない。

「(俺の一発を対処してから間合いに突っ込んでくる気だ)」

「(下手に動いたらそこを撃たれてしまいます…
私は矢の迎撃に集中します…後は武蔵さん)」

「(分かっているわよ、相手が次を撃つ前に
飛び込んで、仕留めろっていうんでしょ)」

[(できるだけ高速でネ…さすが英雄…マジ強ぇなコレ)]

「さぁお互いの狙いが分かるだけに簡単には動けない!
両者の間には火花が散っているかのような緊迫感です」

「…ごくり」

清楚はこの緊迫感の中にいるので、かなり緊張している。

そして、両者が動かなくなって、小杉はこの緊迫感の中にいるのが限界になってきていた。

「(先に仕掛けないと――武蔵さんがへばってしまう!)」

パートナーの様子ン気付いた由紀江がそう思っている。

そして、それは

「(―――って考えているだろ。顔に出てるんだよ)」

与一にも分かっていた。

シュウゥ――――ン…シュン!

パートナーを心配して少しの隙を見せた由紀江に与一は今まで溜めた力を解放した。

魔弾となった与一の矢は由紀江に迫る。

「(…友のため…奥義を観客の前で使います。お許しを!)はぁあああーーーっ!!!」

バシュン!

気合一閃、渾身の斬撃が

ズドン!

与一の魔弾のような矢を弾き飛ばした。

「(―――っ!俺の矢を弾いただと?)」

この事には与一も驚いていた。




――控え室

「(今の斬速――阿頼耶の域に達していた…流石剣聖の娘!)」

「(すんごい…でたらめな速度だね…1度見れて良かった)」

「(まゆっち…ここまでとはな。面白い。一度手合わせしたいほどだな)」



――武舞台

矢を弾いた地点から円状に広がる衝撃波を鉄心達が防ぐ。

「(ただ早いだけの斬撃がこうまで奥義に昇華するとはな)」

「(黛流―――何百年、一振り一振り積み重ねてきたんだネ)」

「(若者の才気と情熱。見ているものを熱くさせるわい!こうでなきゃよ、真剣勝負っちゅうもんは!)」

「(もはや達人の腕…次期四天王の1人はもう決まりだろ)」

4人はそれぞれ由紀江の強さを肌で感じていた。



由紀江は矢を防いだのが手一杯で全身がしびれて動けず、与一は気力を矢に絞り込んだ為に忘我に近い。

そして、動けない与一に、

「今がチャンス!私が燦然と輝く時、来たれり!」

由紀江に守ってもらっていた小杉が動けない与一に向かって突っ込む。

「(ち…やっぱり来るかよ…まだ体が動かねぇ)」

「与一先輩仕留めたり!必殺、天翔プレミアムの…!」

与一に攻撃しようとする小杉を…

「だめぇーーっ!!」

「え」

清楚が与一の前に立って両手を前に出し、それが小杉にぶつかり…

ドスン!

「ウゴァ!!!!」

吹き飛ばした。

シュドォォオオオオン!

突き飛ばされた小杉はスタジアムの壁まで吹き飛んだ。

「…え?え?あれっ!?」

吹き飛ばした本人も驚いていた。

会場は静まり返っていた。

「今の…私が?」

清楚はアワアワしている。

「おい、嬢ちゃんしっかりしろ…こりゃ担架だな」

「あー…今のはカウンターだなぁ。
ムサコッスが凄い勢いで突っ込んできた分、反動も大きかったんだろうなぁ」

「それにしても相手は飛びすぎな気もするが…まぁそれも日々の鍛錬をこなしている証拠
彼女の正体は、土壇場で強い英雄なのかもな」

「まー清楚ちゃん可愛いし!今はそれでいいや!戦う事になったらじっくり正体を見定めていこっと」

「4回戦の勝者は、桜ブロッサム!」

大佐の勝者宣言に驚いている清楚。

「か、勝っちゃった…!」

「パワーはあると思ったがそこまでとは…」

「な、なんだろうね。体が勝ってに動いた感じで」

清楚自身も自分のパワーに驚いている。


カチャ


「む、武蔵さん大丈夫でしょうか」

刀を鞘に収めながら由紀江は小杉の心配をしている。

「行ってみようぜまゆっち!」

「はい!現場に急行です!」

由紀江は小杉の元へと急いでいったのであった。






「クローンの活躍が会場を湧かせていますが―次も、歴史の英雄が皆さんの前に姿を現します。
1回戦だ5試合、源氏紅蓮隊VSアーミー&ドッグ!」

スタジアムが待っていましたとばかりに大歓声で揺れる。

「では両チーム、しなやかに前へ」

大佐に言われ、両チームは前に出る。

「…むーっ、クッキー相手はやいづらいな」

「確かに。巨額の資金を投じて作られたのなら尚更…」

京と義経はクッキーと戦う事に抵抗があった。

それに対し、紋白とクラウディオはクッキーはメンテナンスをする時期なので大丈夫と言い、クッキー自身も全力で来ると言った。これによって京と義経はやる気になった。

「それでは第5回戦も張り切ってレディ、ゴーッ!」



――控え室

「それで…信也はさっき誰にメールしてたの?」

「ん?」

燕は気になっていた。先ほど、誰にメールをしていたのかを。

「俺の父さんだよ」

「え?」

「久信さんと一緒に俺と燕の試合を見るからって行ってたし、なるべくそばを離れるなって言っといた。母さんも一緒に見学しているし、鉢屋は手出しできないだろうな」



――観客席

「いや〜燕ちゃんと信也君の勇士をここから見れるのはいいもんだな!」

「そのとおりだな久信」

「うふふ…お二人は本当に中のいい友人同士ですね」

久信・零斗・智代の3人は話をしていた。

その近くでは…

「ぬぅ…八神信也…俺の行動を先読みしたか!くっ……仕方ないか」

ドロン

鉢屋は久信を拘束しようと思っていたが、信也の父である零斗がいるため、無理と判断しその場から消えるのであった。




――武舞台

キン!カン!キィィン!

「強いっ!安定して強いぞ源氏紅蓮隊!アタッカーの義経が斬り込む!
そこを遠距離から弓兵が狙撃して支援する!」

舞台では義経と京の攻撃と支援の強力な組み合わせによって亜巳とクッキー2は苦戦していた。

「攻撃と支援!ここまで分かりやすく、かつ強力な食い合わせはそうありません!」

「犬、なんか手段あるかい」

「超高々度からのクッキーダイナミックならばあるいは」

「よし、それいけ!暫くは1人でも持ちこたえれる」

「承知した!今、私は天に昇る…」

天に昇っていくクッキー2であったが、

「グウッ!?」

「隙だらけだよクッキー駄目だよ上昇中でも下見ないと」

地上からの京の狙撃によって急所パーツを的確に狙撃されたのであった。

地上に落ちながらクッキー2は言う。

「フ…さすが、いつも磨いてくれているだけ…ある」

ドスン!

クッキー2はそのまま落下し、動かなくなる。

「クリティカルヒーット!流石は天下五弓の弓技だ!」

「天下五弓っていうのは世界で弓技の強い者を5人、
えらい武道家さんがチョイスしてつけた称号だ」

「フォフォ、こういう称号つけると盛り上がるからの」

「勝者、源氏紅蓮隊!!」

義経は嬉しそうに笑みをこぼしていた。

「…ちっ。負けたか…まぁ辰が残ってるしいいか」

亜巳は悔しそうだが、辰子が残っているのでいいかと言いながら去っていった。




――控え室

控え室ではクラウディオが京と義経と話をしていた。クッキーの事である。

クッキーはすぐに治ると聞き、京はほっとしていた。義経も良かったなと京に微笑む。

そして、翔一はクラウディオと何かの交渉をしていた。



信也はクリスやマルギッテと話をしている。

「信也、ついに自分達の出番が来たぞ!」

「最強のレジェンド、見逃さないように」

そう言いながら2人は控え室を出て行った。

そんな2人を見て信也は言う。

「……キャップがクラウディオさんと話してたし…この試合、2人…勝てないかもな。
キャップだし、超が付くほどありえない戦い方しそうだしな…」



信也の言っていたことは当たっていた。




――第6試合

「くっ、おりてこい卑怯だぞ」

「上空に逃げても先はないと知りなさい」

翔一・大友のファイヤーストームVSクリス・マルギッテの大江戸シスターズの試合なのだが、

「さぁ、大江戸シスターズの猛攻に耐えかねた
風間と大友、空に逃げています」

「ふぅ、クッキーからもらってきた
バーニアパーツ、役に立ったぜ」

そう、翔一と焔は翔一が事前にクラウディオに行って、クッキーの旧式パーツのバーニアパーツをもらっていたのだ。それが今、役になっている。

「しかしバーニアがつきたら落下して終わるぞ、どうするのだ風間」

焔の言ったことに翔一は言う。

「そりゃあここから国崩しをブチ込むんだよ」

「無理だ。あいつら大筒の角度から軌道をよんでかわしてくる」

「撃つのはクリス達じゃねぇ、武舞台だ」

「!なるほど!それは名案だ!」

焔は翔一の狙いに気付き、大筒を構える。

「派手に撃ち込むとしようぞ…乱れ国崩しーっ!」

シュドーン!シュドーン!シュドーン!シュドーン!

「砲撃だマルさん!」

シュドーン!

「愚かな!どんなに狙ってもその距離では当たらん!」

シュドーン!ドカーン!

「バーニアと弾が尽きたときがお前達の最後!」

シュドーン!ドカーン!

「それまで避けていればいいだけです!」

シュドーン!ドカーン!

「ははっ、豪快な事考えるヤツがいるもんだ」




その結果は武舞台を全部破壊され、クリス達はリングアウト負けとなったのであった。





――控え室

控え室に戻ってきている両チームであったが、

「負けたな」

「うぐっ!」

「試合前から油断しているからだ」

「ぐぅ!」

信也の言葉の攻撃にクリスとマルギッテは胸に矢がグサッと刺さっていた。

「いやぁ、バーニアも使い切ったし…」

「弾も撃ちきったが、まぁ爽快であったわ。カリは確かに返したぞ南蛮人」

「これで1勝1敗…また勝負です」

「…ああ!」

ガシッ!

マルギッテと大友は握手を交わすのであった。




――武舞台

「ホワッちゃあああーーー!!!」

「くらい――やがれ――っ!!!」

英雄と準は蹴りとパンチを繰り出すが、対戦相手のミステリータッグに掠りもしない。

「あーっと、2人の攻撃が全然ききません!
フラッシュエンペラーズは予選で、外国の強敵達を相手に見事な
戦いを見せているだけあってこれは意外!」

「なんあこいつらは…一体何者なのだ…」

英雄は自分の蹴りが全く当たらない相手に焦っている。

すると、

「ではそろそろ正体を見せてやろう」

ブゥオン!

「あーっと…ついにマントを脱ぎ捨てたァッ!」

マントの下から出てきたのは

「フハハハハ!九鬼揚羽降臨である!」

「ヒューム・ヘルシングです」

元四天王の九鬼揚羽と最強の執事ヒュームだった。

「やっぱりな。そうだと思ったよ気で」

「いやいや出場制限ひっかかるだろう」

石田はヒュームを見て、そう言う。

「川神学園の学生であれば出られるんだ」

「私は1-S所属ですからな」

「そして我は年齢制限にひっかかっておらぬ!
完璧な変装であったろう。小十郎も気づかなかったはどうかと思うがな!」


――――控え室

小十郎はブルブル震えていた。

「これは詰んだ…かな?」

「さぁな。だが、爺さんのライバルだったヒュームさんと戦ってみたいってのもあるぜ」

冷や汗をかく燕と別の意味で燃えている信也がいた。

「…ま、でも…何か事情があるみたいだし…」

「だな、まずは話を聞かないと始まらないな」



――武舞台

「姉上、なぜこのような大会に!?」

英雄の問いに揚羽はこう答えた。

「ひとつは、大会に不穏な者が出場していないか、中から見張るため…これは問題無かった」

「もう1つは?」

「お前に無理をさせないためだ。ここで負けてもらう」

「そ、それだけのために?」

英雄は姉の揚羽の自分を思う事に感動し、棄権する事に。だが…準が英雄に「お兄ちゃん」といったことによって、英雄はヒュームに紋白を変な眼で見ていると準の事を教え、準はお仕置きという名の制裁を受ける事となってしまうのであった。

「質問だ。どのクラスのお仕置きがいくと思う?たとえば体罰教師クラスか、軍の鬼軍曹クラスか…」

「ひ、ひと思いに鬼軍曹できてください、サー!」

「不正解っ」

「た、体罰教師クラス?」

「それもNOっ」

だんだんと準に近づくヒューム。

「そ、その上ですかァ――っもしかして極道の如きお仕置きですぁぁーっ!」

「正解!ふんっ!!!」

ズシャ!

ヒュームのカッターのような蹴りが準に決まる。

「うぐわぁぁっ!!!!」

「ふんっ!」

ドスーーーン!

ヒュームはどこから出したか分からないが、冷凍した巨大マグロで叩く。



数分後



ドサッ

準はボロ雑巾のようになって倒れた。

「正式に決着!勝者、ミステリータッグ!」

「フハハハ案ずるな皆の者。2回戦、我々は棄権する
目的は全てはたしたからな!」

「フ…ルールを満たしているとはいえ強引は強引…流石に俺達がこれ以上活躍すると白けるからな」

この時全員が思った。既に活躍しすぎだろうっと。





「さぁ次の1回戦最後の組み合わせとなります!」

「ワン子の出番だな。頑張れよ」

「負けるんじゃねぇぞ」

「一子、ファイトじゃ」

「落ち着いて、しっかりネ一子!」

一子と縁のある者・肉親の者達は一子を応援していた。

「なんだか愛されている奴なんだな」

ただ一人、鍋島だけは一子が皆に愛されている事に驚きながらも笑っていた。




そして始まる1回戦最後の試合。

「きーっく」

「おっと危ない!」

「ぐすん、避けられちゃった」

「こいつ…何なんだ一体…」

小雪は蹴りを避けられた事にショックを受け、忠勝はよくわからない小雪に疑問を持つ。

「ええい小雪は感情にムラがあるわ!こうなったら此方が決める!くらえー!!」

「うわぁっ!」

一子は不死川の投げ技で場外に投げられた。

「4,おっと豪快!5,不死川選手の投げ飛ばしだ!」

「川神を投げてるスキに、男の山猿を…」

不死川は忠勝を投げに行こうとするが、

「ねーねー心」

「はえ?」

小雪が話しかける。

タッ!

「投げたワン子が壁を蹴って戻ってきたよ?」

「それを早くいわぬにょわーーーー!!!」

「川神流・三角龍!!」

壁まで投げられた一子は壁を蹴り、その反動と共に技を放った。

「決まったぁ!見事な三角蹴りです!」




こうして1回戦はすべて終了したのであった

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