準決勝 蜘蛛獅子VSデス・ミッショネルズ
2回戦も終わり、今は準決勝の開始を待っている俺達。
「準決勝第1試合!暑い試合になりそうです!
蜘蛛獅子VSデス・ミッショネルズです!」
大佐さんに言われ、俺達は武舞台に上がる。
「さーてと。大物食いといきますか!」
「弁慶、お前とこうして本格的に戦うのは初めてだな」
「そう言えばそうだね。初めて会った時はそこまでマジじゃなかったし……ゾクゾクするよ。けど、勝つのは私達さ」
「はっ!言ってろ!」
「真剣勝負ってのは一瞬で勝負がつくもの…30秒で決着をつけようか」
…ほぉ、これが弁慶の本気モードだな。
「そうね、言わないでもそうなるかもね」
「ああ。面白くなりそうだ」
「タッグマッチファイト、レディゴーーッ!!!」
試合が始まる。
「そぉい!」
「うらぁ!」
弁慶が錫杖で俺に叩きに来た。俺はそれをストレートで弾く。
「くぅ!錫杖から衝撃がビンビンくるよ信也!」
「そっちこそ!モモ先輩レベルのパワーだな!」
俺と弁慶がニヤリと笑っていると、
「信也!」
「うああああ!!!」
後ろを向くと板垣が俺に突っ込んできていた。
それを俺は、
ヒョイ!
軽くジャンプし、板垣の肩に手を置いて、そのまま背後へと回り込み、
「多連撃!」
ズガガガガ!
連続で蹴りを入れる。
「ぐぅぅ!!」
吹き飛ぶ板垣だが、踏ん張ったか……。
「やっぱ、信也を倒すのは無理か……なら!」
「こっちよりもー」
「燕に集中だな」
2人が俺の前から燕の方へと向かった。ここは手を出さないでおこう。
ピクンッ!
「…ラリアットの予感!」
「その通り!」
「避けられないよー!」
2人の強引なラリアットが燕に迫る。
「じゃあ上に逃げるっ」
燕はそう言いながら上へと逃げた。
…与一の試合を見ていて何か思いついたな燕。
「与一の試合を見ていなかったか?」
「せぇいっ!」
2人は燕を豪快に蹴り上げた。
「これはー!死の垂直落下がくるぞ!」
「…でも今、わざと蹴り上げられなかったか?」
「ああ…!どのみち、これは空中戦で決着がつく!」
「これは、俺の出番ないな…残念。本気の弁慶と戦えたのにな……まぁ他の機会があるかな?」
上を見上げると、蹴りあげられた燕が空中で体勢を整え、弁慶を蹴り飛ばし、板垣が燕を技に掛けるが、一度映像で見た燕がその技の返し方がわかっており、空中で技を返した。
ドサッ!
弁慶が空中から落ちてきた。
そして、
「決め!」
グキグキッ!
燕がそのまま技を決めて、板垣に止めをさした。
「投げ技を華麗に返してみせたーー!!!
決まったぁ!勝者、蜘蛛獅子!!!!」
「組み合わせが悪かったら、終わってたけどね」
「まぁ最後は武士娘としては恥ずかしかったけどな」
「うっ、そのことは言わないでよ信也」
燕は少し恥ずかしそうにしていた。
「燕…これ程とは…!!」
モモ先輩は燕の強さに改めて驚いていた。
「あー。1つの技にこだわりすぎたか」
「だな。急造チームだからって、強引すぎだったな」
「せっかくものぐさな私達が練習した技なもんで、つい。辰子、無事?」
弁慶は先ほどから動かない板垣辰子に声をかけるが、
「Zzz…Zz」
…寝ていた。
「みたいだね」
ピンピンしているなこの2人。
その後、板垣はタンカで運ばれていった。俺達は控え室へ。
――控え室
俺と燕は決勝戦の相手が決まるのを待っている。
そして、
「それまで!準決勝第2試合、源氏紅蓮隊が勝ち抜き」
「ふぅ、次の出番か。私、ちょっと、顔を洗ってくるからね」
「ああ。早めにな」
燕が出ていくと、モモ先輩やルー先生達が控え室に入ってきて、ワン子を褒めていた。
「ベスト4まで行けたのは見事だぞワン子」
「本当だよ、よく頑張ったネ!」
「お…オスっ!ま、まぁ2回戦は運が良かったけどね」
「くどいようだけど、それも実力だっテ」
「結果を出したことが重要なんだよ、よしよし」
モモ先輩はワン子の頭を撫でる。
「お姉様…」
「良かったな一子…」
「うんっ、ありがとうタッちゃん!」
その後燕が戻ってきたので、俺と燕は舞台へと上がっていくのであった。