小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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修行の話し




若獅子タッグマッチトーナメントから数日後の金曜日。
俺達、風間ファミリーはいつものように金曜集会を基地で行っていた。

そして、キャップがいつものバイト先…今回は寿司屋で貰ったあまりもの……トーナメントが全世界放送されていたおかげか分からないが…キャップが行くと若い女性客が多く来て、繁盛したとか。
そのおかげであまりものと言うよりも…店長がキャップに大量の土産としてキャップに寄こしたそうだ。

そして、この日、俺は皆に打ち明けた。
どうやら皆は俺が燕に利用されていたと勘違いしていたからだ。

「―――っと言うわけだ」

「…僕、まさか信也が燕先輩の企みに気付いてたなんて…」

「さらに、燕先輩とは許嫁だったなんて…」

皆は前者である企みよりも燕と俺が許嫁だった事に驚いている。…まぁ女子メンバーは目の色が若干ハイライトになってたけどな。
まぁ皆納得してくれたからいいか。

「けど、モモ先輩だって今は楽しいんだろ?前以上に修行に身が入ってさ」

「ああ。毎日が楽しくて仕方なな。燕との修行も楽しい…そうだ」

モモ先輩は何かを思ったのか俺をじーっと見る。

「お前、最近になって前よりも修行し始めているよな?何かあるのか?」

…やっぱり気付かれたか。

「そう言えばそうだよね。朝早くから寮を出て、かなりの時間、ランニングとかしているみたいだし…」

「朝ご飯をいつも以上に食べているし…」

「夜遅くに1,2時間寮を出ているし…」

「オラも知っているぜぇ」

じぃ〜〜〜

…皆の視線が俺に…。

「はぁ…仕方ないか。実はな」

俺は話すことにした。



――説明中――




――説明終わり――



「と言うわけだ」

話し終わると一番驚いていたのは…モモ先輩だった。

「マジか。おいおい、ずるいじゃないか信也!あの爺とは私が戦いたかったのに!」

グワングワン!

「は〜な〜せ〜…目が回るぅ〜〜〜〜〜〜〜」

「ね、姉さん…話してやりなよ」

大和がそう言うと…

「ちぃ、仕方ないな」

ガバッ!

「あ〜目が回る…」

頭がくらくらするぞ、まったく。

「それで、どうしてあの執事爺と戦う事になったんだ」

「俺の爺さんとヒュームさん、そして学長がライバル関係立ってのは知っているよな?」

「ああ。爺にそう聞いたが…」

「俺の目標だった爺さんが互角だった相手だ。俺は爺さんがいけなかったさらに先に行きたいんだよ」

…俺の中に残っている爺さんの記憶は逞しく、強く、広い背中が一番残っている。あの背中に追い付きたくて俺は鍛錬を重ねてきた。そして、爺さんのライバルだったヒュームさんと戦い、勝利し、その先に行きたい。
きっと爺さんもヒュームさんも、そして学長すら見た事のない領域に…俺は行きたい。

「…信也がここまで真剣なのも久しぶりじゃないか?」

「キャップ?」

「確かにそうかもしれないね」

「うんうん!私達の知っている信也って…何て言うかさ、悩みがあっても私達に言わなかったしね…昔から」

「そうかもね。僕達は信也に色々としてもらったけど…今思えば僕達が信也のために何かをした事ってあんまりないかも…」

「俺様もそう思うぜ」

「僕もだよ〜」

「自分はまだそこまで信也の事は知らないが…信也が困っている・悩みがあるのなら聞くぞ!」

「わ、私もです!」

「オラもだぜぇ!」

「俺達も手伝うぞ信也!」

皆が俺を見ながらそう言ってくれた。

「お前等…ありがとうよ!」

本当に仲間ってのは良いのもだな。

「さて、具体的な修行はいつからするんだ?」

「来週あたりに燕と沖縄旅行に行くんだが…その後だな。
ただ、場所は決まっている。その場所を使わせてもらう許可は貰っているんだよ」

「ほぉ?その場所ってのはどこなんだ?」

俺はニヤリと笑みを浮かべる。

「その場所とは……神奈川県の海浜都市「松笠(まつかさ)」にある「竜鳴館」が所有している島…名を【烏賊島(いかじま)】と言う場所だ」

「……おい!?竜鳴館だと!橘 平蔵が館長をしているあのか!?」

モモ先輩がいち早く反応した。

「姉さん、その…竜鳴館と橘平蔵って?」

「竜鳴館と言うのはだな…元四天王、鉄乙女さんの高校時代の母校だ。川神学園と結構似ている…のか?それと橘平蔵と言うのは、言ってみれば爺のような存在だ。聞いた話じゃ…米軍から「彼が戦争に出撃していたら勝敗は分からなかっただろう」と言われるほどの最強の肉体と精神を持っているとのことだ」

「…うん。姉さんが学長みたいだっていうのも頷けるよ」

大和がうんうん、としていると他の皆も同じようだ。

「しかし、よくそんな場所を借りられたな」

「俺は平蔵さんや乙女さんとは知り合いだよ」

「なるほどな。って事はもしかして修行の相手には…」

「そう、乙女さんが手伝ってくれるって言ってた。今は教師の事でいっぱいいっぱいだったけど、たまにはしっかり鍛錬しないと身体が鈍るとかでOK貰った。後はモモ先輩達に、燕が来る予定だ」

「…マジで本格的な修行なんだな」

「こうでもしないと俺も鈍っている身体をしっかりほぐさないとな」

「義経達は誘ってないのか?」

「これから誘う予定だ」

そう、モモ先輩に言うとガクトが言う。

「何か…その、よう。話を聞いているとよ、凄く豪華なメンバーじゃねぇか?」

「うん、僕もそう思うよ。このボード二かいていくよえ〜っと」


キュキュ、キュキューキュ!キュキュキュ!


「うん、できた!」

モロがボードにマジックで名前を書いていった結果こうなった。



[タイトル:信也の修行!
参加者:風間ファミリー全員・竜鳴館館長、橘 平蔵・元四天王、鉄乙女
参加予定:源義経・武蔵坊弁慶・那須与一・葉桜清楚?
場所:烏賊島(いかじま)]



「こんな感じになるね」

「そうなるとだ。魚とかはそこで釣ればいいし、こっちから行く時にもっていく食材は…」

「俺様は肉を希望する!」

「私は栄養のために野菜!」

「自分はお稲荷さんを作れれば」

「わ、私は何でもいいです!料理できますし…」

「僕はマシュマロ〜」

「私は天帝ハバネロカイザードリンク」

「私も肉だな。美味いし」

「俺は現地調達したので良いかな」

「僕もだね」

…凄く面白がってないか皆?まあいいか。

「とにかく!目的は俺の修行だぞ?行く日は後で知らせる。まぁ、行くのは俺が沖縄旅行から帰ってきたらだな」

「けっ!燕先輩と同じ部屋とかで寝るんだろ!!モゲてしまえ!」

…モテナイ男の妬みだな。










その日は遅くまで集会を行ったのであった。

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