小説『真剣で私に恋しなさい!〜転生させられしもの〜』
作者:レイフォン()

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沖縄旅行




さてさて、3日前の金曜集会で修業の事を話し、俺は今、燕と共に空港…つまり飛行機に乗っている。
燕の予定も考え、今日から3泊4日、沖縄旅行ってわけだ。

飛行機に乗り込み、しばらくすると…

「この飛行機は、九鬼の貸し切りで運航します
私達が客室乗務員として快適な空の旅をサポートし」

「かつ安全・迅速に目的地沖縄までご案内します」

九鬼家のメイド…従者部隊の2人…李とステイシーがいたのだ。

「…驚いた」

「…驚いたぜ」

まさか、九鬼家のメイドがいるとは思いもしなかったからな。

「まぁ元々九鬼がらみの景品だけど、ここまでサービスが徹底していたとはね
2人とも、お仕事は大丈夫なの?」

「問題ありませんこれも仕事ですから」

「元から決まっていた事。ロックじゃないけど仕方ない」

「優勝した者達へ、リッチで安らぐ空間を提供し、
心から楽しんでもらいたい―――その配慮で私達が選ばれました」

「本当は私が優勝してこれに乗り込み、皆をコキ使ってやろうと思ったけど」

「残念でした。観念して仕事に丹念に専念して下さい」

…李のギャグのセンス…ないわー。

「この寒いギャグはエアコン代わりです」

「…く」

悔しそうにしているな李。てか、自分では面白いと思っているのだろうか?

「ごほん、では川神シャンパンをどうぞ」

俺と燕にグラスを渡してノンアルコールのシャンパンを入れてくれた。

「いきなり予想外だったけど、旅は旅!
3泊4日、楽しもうね、乾杯っ!」

「乾杯ッ!この日を楽しみにしていたぜ!」

「私も信也との旅行…楽しみにしてたんだ!」

「ハッハッハ!俺も修行前にしっかりと英気を養うぜ!帰ってきたら修行が待っているからな!」

まぁ、夏休み中は戦う事ないかもしれないしな。ヒュームさんも仕事あるし。

「現地の天気は13日以外全て快晴と予測されています」

「私達も現地に滞在し、完璧に旅をサポートするから」

「何かあればすぐに呼んで下さい」

そう言って2人は離れていった。




「初めての沖縄旅行がメイド付きとはねぇ」

「流石に一般人だったら味合わないことだよな。けど、大会優勝者は違うってことだろ…待遇が」

俺達以外には客はいないのでくつろぐ。

「…ふぅっ…今は大空の上…なんだねぇ…」

「…ん?燕、少し酔ったか?」

「うん…あんまり乗らないからさこういうの。なんだかんだでちょっと緊張しているのかも…」

…そういえば、燕もトーナメント終了後は色々と大変だったしな。
疲れがたまっているんだな。

「燕、少し休んでいろよ」

燕の頭を撫でながら言う。

「信也は優しいなぁ〜じゃ…御言葉に甘えさせてもらおうかな」

燕はそう言い、俺によりかかる。




燕が落ち着き、ゆっくりとしていると李とステイシーのいる方が騒がしくなり、不機嫌になる俺と燕。
すると、

「ひひっ、お客を人質にとってやるぜーっ」

……前に義経の鞄をひったくった内一人がやってきた。

「人の旅行を邪魔する者は―――――燕に蹴られて飛んでいけっ」

ドン!

燕の蹴りが炸裂し、俺の立っている方へと飛んでくる。

「ぶるわぁああああっ!」

「俺と燕の邪魔をしやがって…」

ヒュゥゥゥ〜〜〜〜

俺は拳に冷気に変換した気を纏う。

「食らえ!冷凍パンチ!(ポケモン風)」

ドーン!カチカチカチーン

「…………」

俺の目の前に氷の氷像が完成した。

「うんっ。ぐてっとした分、元気取り戻したっ!」

身体を動かしたおかげで燕は元気になっていた。犯人には感謝かもな…。





「…このたびはとんだ不手際を…」

「申し訳ありません」

2人は自分達の失態を悔い、俺達に謝るが、

「いやいや。でっかい害虫だったねぇ信也」

「だな、あんなでっかい害虫に技を使ってしまったぜ」

「ということで私達は害虫しか見てないよ?」

「お前達…」

俺達の意図に気付いたステイシーと李。

「だって…こんな手抜かり上にバレたら大変だよねぇ…」

「うっ!」

燕の一言に胸を押さえるステイシー。

「し、しかし不手際は不手際…報告はします」

「あら…じゃあ李さん達が倒した事にしようか。まさかお客様の手を煩わせましたとはねぇ…」

「くっ…」

ついに李も胸を押さえる。

「そ、そうしてくれるとありがたい」

「ステイシー…」

燕の好意にステイシーは助かったと表情を変え、そんなステイシーに困った表情をする李であったが、

「お前の上司はクラウディオだからいいが…わ、わわ、私はヒュームのじじいだぞ…」

ガタガタ震えるステイシー。

「なるほど。失態がばれたら…ヒュームさんのジェノサイド系の技を食らうのか」

「ぐはっ!」

俺が追い打ちをかけるように言うと何故か吐血するステイシー。

「…わかりました。ご配慮ありがとうございます」

「うんうん。だってそのとおり事実だもの、ね、信也」

「ああ。俺達は何もしていない」

「2人とも、これから仲良くしようねーっ」

燕は2人に極上の笑みを向けたのであった。






数時間後、飛行機は沖縄に到着した。

「んんー…ついた!めんそーれっ!」

「まったり遊んで疲れを解消しようぜ!」

「うんうん!」

「九鬼直営の旅館までご案内します」

李がそう言い、車を用意し俺達はそれに乗り、旅館へ。




「まぁ若いからってことで、部屋がゴージャスよりも
料理がゴージャスな旅館にしたから期待してな」

「ごーやちゃんぷるーにらふてーだーっ!」

「燕、めっちゃハイになっているな」

燕はもうこっちについてから笑顔満開だなぁ。

「飛行機で休んでたからねん」

…同じ部屋だったら、理性持つかな…。

そう思いながら車は旅館についた。






「!何でお前達がここにいる?」

なんと旅館につくと天神館の石田がいた。

「俺達はトーナメントの優勝賞品の沖縄旅行をしにきたんだ」

石田の他には宇喜多もいた。って事は…

「いわゆる強化合宿ってやつだ」

「あ、鍋島館長。ども!八神信也です」

「松永燕です」

俺と燕が鍋島館長に挨拶する。

「おう。この旅館を拠点に俺達は強化合宿してるが…
まぁ気にせず旅行楽しんでくれ!じゃあな!」

鍋島館長は他の十勇士(龍造寺と大村除く)を連れて旅館を出ていった。

「にしても、まさか石田達がいるとはな……騒がしくなりそうだ」

「ま、誰だろうと関係無くいちゃいちゃするけどね」


この日はついたのが午後だったので、旅館でのんびりまったりしてすごした。





「ふぅ…良い湯だったぜ」

俺は露天風呂から上がり、部屋に戻るとまだ燕は戻っていなかった。
まぁ女性なんだし、お風呂は長いか。

ピッ

俺は携帯のメールをチェックするとファミリー全員からのメールや義経に弁慶、与一、清楚達からのメールが来ていた。
特にガクトと京、ユキのメールの量がものすごく多い。
ガクトのメールの内容が…『燕先輩に手を出してないよな!?なぁあ!』や『手を出していたら…ぶっ殺す』などであった。
京とユキのメールはほぼ同じ内容で『あの泥棒燕に手を出されてない?ねぇ?ねぇ?』だった。

ブゥブゥブゥ!

ん?メール?……英雄から?

珍しい人物からのメールに驚き、メールの内容を見てみると…
『信也よ!明日の朝のニュースをちゃんと見てくれ!姉上が考えた企画が流されるのでな!では、我は多忙のため…失礼する!』と言うことらしいが……揚羽さんが考えた企画?……まさかな。

そんな事を考えていると燕が戻ってきた。

「ふぅー、さっぱりしたねぇ」

考え事をしていると燕が風呂から上がってきた。

「さて明日をどかんと遊ぶためにも、今日は寝ようか」

「だな」

布団をひき、布団に入り、電気を消す。

「……わーっ、星が凄く綺麗だねぇ」

「そうだな。空気が澄んでいるから良く見える」

俺と燕は眠りに着くまで綺麗な星を眺めたのであった。






【2日目】


朝起きて、洗顔などをし終えると部屋にステイシーと李が入ってきた。

「朝食持ってきたぞー。白米だ白米」

「ご飯のおかわりはここに置いておきます」

テーブルの上には日本人らしい朝食が並んでいる。

「朝からこれで力つくか?なんならハチミツたっぷりの
ホットケーキにハンバーガー、んでコーラにしてやろうか?」

アメリカ人の朝飯のような内容を言うステイシー。
いや、朝からハチミツたっぷりのホットケーキとか無理だ。

「ステイシー。俺達は日本人だぜ?朝食はこうでなくちゃ」

「そうそう。朝はシンプルでいいんだよん」

燕はそう言いながら納豆をかき混ぜる。
俺も燕につられて納豆をかき混ぜる。

「美味しくなぁれ美味しくなぁれ、なっとう、トゥ〜」

納豆をかきまぜ終わった燕は俺のご飯にかけてくれた。

俺も燕のご飯に納豆をかける。

「さぁ納豆を食べて今日も1日完全燃焼」

「おうよ!今日は遊ぶからな!納豆を食べて力入れないとな!」

俺達は朝から仲良く朝食を食べたのであった。


そして、朝食を食べ終えると俺は昨日英雄に言われていたのでテレビをつける。すると、


『今日のゲスト、ドバイの格闘王ミスマさん!』

ああ、今日は珍しく笑ってええともが朝の放送されていた。

すると、ミスマは朝なのに下品な事ばかりを言う。これを聴いた燕は、

「こういう男ってないと思うね。お金で何でもできるとか勘違いしているのは…」

額に青筋を浮かべながら言う。

そんなミスマの前に、

『フハハハ!偽りの格闘王が吠えているではないか』

揚羽さんが、出てきた…何故だろうか…物凄く嫌な予感がするぞ。

『!?なんだ君は』

『九鬼財閥の九鬼揚羽!!降臨である!!』

司会者…お前、メディアの人間なら九鬼財閥の重要人物の事ぐらい知っておけよ。

『フハハハハ!今日はこの場を占拠しに来た』

そんな揚羽さんに、ミスマは実力が分からないのか10秒でケリをつけると言い、
逆に1秒で番組から消えていった。揚羽様の拳一撃で吹き飛んでいったのだ、

『皆の者見たか?この程度の奴が世界王者を名乗っている。
前にあった若獅子タッグマッチトーナメントに参加していた若者達よりも劣る』

…ちょっと待てよ?無印で、ミスマの事をぶった押した後の日の夜に確か
何か大会を開いたよな?

『我はあのトーナメントで武道家の血が騒いだ。トーナメントは25歳以下の
男女が参加条件だったのだ。我は見てみたくなった。
世界各地にいるであろう強者の戦いを…故に我は、重要なメッセージを皆に発信する』

…間違いない。これは、KOSの流れだぞ!?

『今のはデモンストレーションだ。本番は夜7時。
MHKにおいて全世界同時放送をはじめる。夜を楽しみにしておけ。フハハハハハ!!』

ブツン

『…………』

俺と燕は唖然としていた。何が起こっているんだと…。

「と、とにかく海に行こう」

「そ、そうだね…」

俺達は海に行く準備をして部屋を出るのであった。






――――海

「私達は離れた所で待機しています」

「何か用があればすぐに言ってくれ」

李とステイシーも水着に着替え、そう言ってくる…てか、李は何でスクール水着なんだ?

「ドリンクの調整からビーチバレーのパートナーまで何でもやるからよ!」

ステイシーはウキウキしながら去っていった。

「ステイシーは何か元気だな?南国に来ているからか?」

「そうでしょうね。ハイになっています」

李も俺にそう言い、ステイシーの所へ。

それと入れ替わるように、

「ヘイおまち」

燕がやってきた。

麦わら帽子に水着はビキニ?だよな?俺もあんまり水着の種類には疎いからな。

「燕、その水着似合っているぜ!」

「ほんとー?結構派手かと思ったけど良かったわ」

自分の水着が似合っていると言われた燕は笑顔で俺を見る。

「…それにしても…綺麗だ…素晴らしいほどに…ゴクリ」

世界で知らない者はいない納豆小町の水着姿を生で見ているんだ…つい、唾を飲んでしまうな。

「信也…そんなに見つめないでよん」

燕が少し頬を赤くしながら俺に言う。

「ハッハッハ!燕、照れているな!うん、そこも可愛い」

「も、もう…そんな事をいう信也にはこれだぁ!たりゃっ!」

足で砂をかけてきた。

「おっと…甘いな燕…ん?」

俺も燕に砂をかけようとしたら向こうから鍋島館長達の姿が。

「イッチニィ、イッチニィ!!…よぅし十勇士達よ、ランニング休めーっ!」

合宿に来ていた石田達も汗をかいている。

「…はぁっ、はぁっ、はしったなぁ…」

「相変わらず、館長直々のシゴキはこたえますな」

「ふ、ふん…この程度、なんてことはない」

いやいや、石田。お前、汗だくじゃねぇか。

「十勇士どもよ。よく俺のシゴキに耐えた…褒美をやる
せっかく海が目の前にあるんだ、遊んできていいぞ
がっはっは!俺は優しいだろ?なぁ!」

…うわー鍋島館長、ある意味鬼畜だな。絶対に皆、水着とか持ってきてないだろ。
…案の定、宇喜多が嘆いているな。

「よ、お前ら。シゴかれているな」

「こりゃまた。とことんご縁がありますなぁ」

燕は元々は西の人間だから西方十勇士の1人に数えられるはずだが、東に来たからな。

「…ま、いいか!さて、まずは何をして遊ぼうか刀也」

「そうだな…海の中は後でいくとして、だ。……今はビーチでゆっくりしてから
後で思いっきり遊ぼうか」

「そうだね。せっかくリゾートにきたんだし、そうしよっか」



海辺でまったりゆったりすることにした俺と燕にステイシーと李がジュースを
持ってきてくれた。

「フルーツを使ったトロピカルジュースだ」

「ありがと」

「で、こっちがゴーヤジュースです」

「サンキュ」

ちなみに俺がトロピカルの方で、燕がゴーヤだ。

「燕はそういうの頼むの好きだな」

「大丈夫。無理だったらメイドさんが飲んでくれるから」

「え!!?」

燕の一言を聞いたステイシーは驚き声を上げた。

「ナハハハ。冗談ですよん」

「い、いい根性しているじゃねぇか」

ステイシーは自分がからかわれたことに怒りを覚えたのか
怒っている。

「やー、しっかしまったりできますなぁ」

「そうだね!」

「だな!」

俺と燕が笑っていると、

「では私達で沖縄の楽器をひかせてもらいます」

「おぉ、できるんだ。幅広いねぇ」

「従者部隊なめんなってことだ」

2人が楽器をひきはじめ、俺と燕は手を握りながら安らぎの空間を展開していた。





―――なお、俺達のこれを見ていた宇喜多が暴れようとしていたことをしらない俺達。

「離せ島!あいつらくつろぎすぎやろ!
もう、むかついて仕方ないんや!」

「ね、妬んでも仕方無き事!落ち着け宇喜多!」

「あーもうよけいにあつっくるしい」





そして、午前の時間が過ぎていく。





――――そして午後

「よーし、海に入って色々と遊んじゃおうっ」

燕は帽子をとり、燕の美しい身体と水着が目に入る。これは!

カシャカシャカシャ…ピッ!

「待ち受けにしなくては!」

「ちょ!?そ、それはちょっと恥ずかしいよ…普通のにしてよぉ」

俺から携帯をとろうとする燕。

「一緒にうつればいい。写真とりましょうか?」

「サンキュ李」

俺は携帯を李に貸して、写真を撮ってもらった。

「護衛しつつお客様に快適で楽しい旅をお届けすること
これが私達の今回の使命ですから」

「荷物は見ててやるから。存分に泳いできな」

「どうもでーす。海から戻ったら一緒に遊びましょう!
あ、それと、お腹空いたらバックあけていいですよ。中のモノ好きに食べちゃってください」

「俺のバックにも食い物入っているから勝手に食っていいぜ〜」

俺と燕は2人にそう言いながら海に入っていく。






「うん、クラゲはいないみたいだねん」

「ああ」

俺はそう言う。

「よーし…じゃ、潜ろうか!」

「おうよ!」

バシャーン!

海の中に入ると海の生物がいっぱい泳いでいた。

バシャーン!

「ぷはぁっ!綺麗だな!」

「うん!綺麗で、こういうの楽しいね!」

「あっちの離れ小島までいってみるか」

「そだね。せっかくだから」

「じゃあ、あの小島まで泳いで競争だ!よーい…ドン!」

バシャシャシャシャ!

「は、はや!?信也、待てえええ!!!」

ふはははは!水中適正の高い俺を追い越せるか燕よ!ファミリーでも一番泳ぐのが早いしな俺は!





泳いで小島に来た俺達。

「…ほっほぉ〜、ここはいわゆる無人島」

「…フフ」

燕がぴたっとくっついてきた。

「そう、無人島だよん。人目はナッシングなわけで」

「燕?」

「エロクラゲ君、刺すなら今のうちだよ、んっ」

燕はそう言いながら俺にキスしてきた。

「んむ…チュッ…ぷは、この水着気に入ったんでしょ?この水着、信也を誘惑するために買ったんだよ?」

「燕、お前…んむっ」

燕が舌を入れてきたが、逆に入れ返す。

こうしていると燕の甘い味と匂いが俺の鼻を刺激する。





この日は日が暮れるまで無人島を探検し、テレビをつけた。

『今より、全世界同時放送を行います。通訳はヨシオ・アンダーソン……』

そして、放送が始まる。

『フハハハ!九鬼揚羽である!!
我が九鬼財閥は、今日ドバイの大会社である
ミスマコーポレーションを併呑!もはや世界最大の企業に名乗りをあげた!!!』

…そうか、だから朝の放送を占拠したんだな。

『その記念、そして、若獅子タッグマッチ―トーナメントの熱が冷めたであろうと思い、我は…』

ドン!

揚羽さんは机を叩きながら言う。

『格闘世界大会“KOS2009”を開催するっ!』

揚羽さんの宣言に、俺達は驚く。

『“KOS”……キングオブソルジャーズは、
野に埋もれた戦士達の発掘と若獅子タッグマッチに出られなかった25歳以上
の武道家達のために開いた!そのため、参加資格は無し、誰でも参加できる大会である!
そして様々な武の饗宴を楽しんで頂く!参加形式はチーム!15人1組となりエントリーをしてもらう!この人数は武力・知力・チームワークを目的としてこの人数にしている。故にこの人数と言う事だ!
そして、KOS開催する場所は日本の開港150周年を迎え、若獅子タッグマッチで盛り上がった。アジア最大の港町・七浜と!大都市、川神を舞台とする!!』

こりゃあ…かなり大きな規模の大会になりそうだな。しかも15人1組だって?

『両方とも政令指定都市の、大都市決戦になる。次にルールだが、ルールがないことがルールだ
大会に参加していない一般人に危害を与えなければ何をしてもよし、何をつかってもよし!である」
……1つ忠告しておくが、今“銃が最強”、無敵を思った奴は、大会に決して出るなよ。その証拠を見せてやろう』

揚羽さんはそう言いながらあずみに銃を撃たせ、それを指でつまみあげた。

そして、色々と話を進めていく。もうすでに準備はできているらしい。
開催は今から1週間後。

『ちなみに。優勝チームには……総額500億円を賞金として与えよう!!!
間違いなく世界規模の大会になるぞ!!!勝てば富も名声も思いのままよ!!
参加せよ!!勝ち上がれ!!!!』

『それと松永燕よ!お前もこの大会に出るのであれば平蜘蛛は使用禁止だ!
さすがにあんなものを使われたら周りに被害が多すぎるからな!
それと我が九鬼財閥の計画したクローンである義経達は全員強制参加だ!
世界の強者たちと戦い、経験を積んでもらうぞ?
八神信也!お前も無論強制参加だからな!では、放送を終えるぞ。
皆の者、楽しみにしているがいい!フハハハハハハ!』

ブツン…

『………ハァアアアアアアアアアア!?/えぇええええええええええ!?』

放送を聴き終えた俺と燕は驚きのあまり、声を出してしまった。

「な、何か凄い事になったね…」

「ああ。これは修行の日程も考え直さないといけないな」

俺はため息をつきながらそう、呟いたのであった。

その後、眠りに着いたのである。





【3日目】

今日は雨が降っている。

「ま。台風じゃないだけ良かったね〜夜にはやむってさ」

「ま、石田達がいるし、退屈はしないな」

俺達は石田達と遊ぶことに。





「出世街道を進む男のリーチだ。高めだぞ」

「それはロンだぞ」

ドゴォーーーーン!

「なにっ」

「こっちもロン。ダブロンなしだから、上家優先…つまり私優先だな。低めだな御大将」

「へぇ?」

「ナイスフォロー毛利。さすがのキレだ」

「ま、今のトコ〜ウチがトップや!」

「ふん、甘いなお前ら…俺は天和 国士無双 ダブル役満だぁ!!」

『な、なにぃぃぃぃぃぃ!?』

毛利と宇喜多が声を上げる。石田は固まっている。

周りで見ていた他の十勇士や燕も驚き、固まっている。

「フハハハハハハ!宇喜多!毛利!お前達が俺に勝とうなんて来世になってもあり得ない!フハハハハ!
これでも俺はキャップとためを張るぐらい運のいい男!俺に勝ちたいならもっと修行しな!」

「くっ!この美しい私が!」

「ウチが…そんなあほな…」

「出世街道を歩む俺が…」





麻雀は俺はその後、トップになったのであった。







部屋に戻った俺達は乾杯をしていた。

「麻雀1位!」

「2位!」

『おめでとう!』

『いえーい!』

あの後、燕は俺がいったん抜けた後入り、2位になった。
俺は1位、燕が2位のお祝いをしている。

「川神水でカンパーイ
いやぁ…宇喜多強いね。あれプロ麻雀だよ、ごくっ
でも、その宇喜多に勝った信也も信也だね、ごくっ」

「まぁ俺は運いいから」

川神水を飲みながら話していると、

「晩ご飯もご馳走を用意しています」

「なんか3食おやつ付きで悪いね、てへへ」

「…くっ、ど、どんどん来るからよ」

「心ゆくまでご堪能下さい。
上質の豆腐でつくった、豆腐ようです。ウニの風味とチーズのような舌触り、濃厚な珍味です。
川神水のつまみにどうぞ」

「アイゴの稚魚を塩漬けにしたスクガラスだ。豆腐と一緒に魚を食べろよ」

ステイシーに言われて、豆腐と魚を一緒に食べると…おお、美味い!

「これは美味い!」

「うん!魚がコリコリしてて…うん沖縄のつまみって感じ
こりゃあ川神水がすすむってもんだね」

…ちなみに俺は知った。…燕は酔うと顔がポゥッと赤くなり、

「信也も飲んでるかな?お酌してあげるよ」

陽気になると言う事を。

「こちらが海ぶどうです」

「きたきた。これ食べやすくていいよね。あはは」

酔ったと分かりやすいタイプなのであるということを。

「定番のゴーヤチャンプルーにラフデーです」

「で、ゴーヤの甘酢漬けな」

「お、このラフテー…肉厚がいいな」

「うん、川神水を飲んで…っ、ラフテーを食べてっ…チャンプラーをかきこむと!!」

「うまいんだよな!」

何故か知らないが俺と燕は食べ方が同じなのだ。

「…やはり、強い人は肉食で健啖な場合が多いですね。
もちろんそれが強さの条件ではありません。ただ、統計的にその傾向が強いだけです」

「よく考えれば当たり前って感じもするけどな」

「それでは私達はこれで下がります」

「夕飯済むか、用があったら呼んでくれ」

そう言って2人は出ていき、俺と燕は豪華な晩ご飯を食べながら話していると、

コンコン

「美しく入るぞ、八神」

「お、毛利か」

「充電器助かったぞ。返却しておこう」

「そうか。そこに置いといてくれ」

「…しかし随分と豪勢な食事だな。なかなか美しい…
さすがトーナメントの覇者というところか?」

「ま、それに加えて九鬼家のサービスもあるな」

「なるほどな…しかし」

毛利が燕を見る。

「ほぇ?」

「美しい相方だ。このレベルの女なら俺の彼女でもいいな
ではな。美しく邪魔した分、美しく去ろう」

そう言いながらムーンウォークしながら出ていく毛利であった。

「…ナルシストに美しいって言われちゃいました」

「ま、それだけ燕が美しいという事さ」

「うん、信也にもそう言われると頑張らないと!」




俺達は、そのまま夕食を美味しく頂いたのであった。





夕食を終わらせ、歯磨きをお互いに終わらせると、

「―――あ、ちょっとロビーでネットしてくるね」

「いってらぁ〜」

燕が出ていく。

「あ、そうだ。燕に飲み物頼めば良かった…飲み物ないし、買いにいかないとな」

俺も部屋を出て売店へ。





ロビーに行くと龍造寺が燕にちょっかいを出していた。

「消え失せろ」

ズドン!

「うぼぉあああ!」

龍造寺に向かって気弾を撃った。

「龍造寺、な〜に俺の許嫁に手を出しているんだ?ん?」

「あ、いや…これは、俺のサガという奴で…」

「こんの……ドアホー!!!くたばれえええ」

バチン!

「まだまだぁああ!!」

顎に向かってアッパーを食らわす。

ドサッ!

「がっは……」

伸びる龍造寺。

俺は燕の手をひいて部屋に戻った。




「ったく、あいつのあれは仕方ねえな」

「……」

燕が顔を真っ赤にして俺を見ている。

「し、信也…俺の許嫁って…」

「本当のことだろ?」

なでなで

「親同士が決めた事といえ、俺と燕が許嫁関係と言う事には変わりないだろ?それより龍造寺に何もされなかったか?」

俺が問うと、

「…実は…」

「よし、今から龍造寺を殺しに行こう!」

俺は気を圧縮し、刀に変えドアへ向かう。

「ちょっ!?ウソだよ!」

燕が俺の顔を自分に向けさせ、

俺が燕にキスをしようと唇を近づけると、

「…むっ?」

「…あ、なんか大勢きてる…もう何?」

キスしようとしたが、覚えのある気が大勢きたので俺達はキスを中断。

コンコン

「おい。先ほどはうちの龍造寺がふざけた真似をしたな
詫びてやらんでもないぞ」

……おい、それが詫びに来た人間の言う事か?

「御大将。もう少し柔らかく言いなされ。どうです、そちらは今夜が最後の逗留日とのこと
仲直りもかねて皆で花火でもやりませんか」

…大友の花火かな?

「ほれ、ホスト。お前も謝りぃ。
謝らないと八神にまた、吹き飛ばされるでぇ?」

「…悪かったよ、俺は綺麗な女の子を見ると、
周囲が見えなくなってとりあえず口説いてしまうんだ」

…迷惑な病気だな。

「ハナ迷惑な病気だわ〜」

…まったくだ。

俺は燕を見て、どうする?と目で語る。

「…いこっか…続き、いつでも出来るもんね」

「そうだな。そうしよう」

外に出た。






「砲撃は芸術ぞ!大友自慢の花火とくとご覧じろ!」

大友の実家は花火屋で、西日本花火大会で代々トリを務めているらしい。

ヒュゥ〜〜〜〜ン、ドン!

「おおー。綺麗綺麗!いいねぇ迫力があって!」

「がっはっは。実に見事な大輪花火。さすが大友よ」

「大友がいる所に花火ありだな」

「うん!しんみりしたものかと思えば、どはでなのがキタねぇ」

「私ほどではないが…美しいなァ。私ほどではないが」

「やれやれこれで隣に美人がいれば最高なんだけどね」

ヒュゥ〜〜〜〜ン、ドン!

「こやつはどこまで懲りない男なのだ」

「そういういきものなんだな。ためいきがでる」

ヒュゥ〜〜〜〜ン、ドン!

「ウチがおるやんか!はっはっは!」

「…さて、景気良く打ち上げた所でシメるとしよう」

最後は、線香花火。

「なるほどここで線香花火なのね」

「大友は最後まででかい花火でいいと思うのだが」

「大友。ワビサビってヤツが重要なんだぜ」

「お、信也は分かっているじゃねえか!その通りだ」

「まぁ館長命令なら仕方ないこと」

線香花火をしていると、

「ふふ…」

「どうした燕?」

「うん…少し前までは信也とこうやって、許嫁の関係になって沖縄に泊まりきて、まったり花火を見ることができるようになるなんてなぁ〜って思って」

「まぁそうだな」

「楽しいよね」

「ああ!」

線香花火を片手に笑い合う俺達がいたのであった。

そして、花火を終え、部屋に戻った俺達は疲れたので寝る事にした。
こうして、俺と燕の初めての沖縄旅行は終わった。











――――とある場所にて

ある部屋に一人の老人がいた。その老人の前には15人の少女達が膝をついている。

「よいか、お前達。お前達15人は1週間後に開催されるKOSに出場するのだ」

『はっ!わかっています(のだ)!』

「名前は下も名前でいいだろう」

『はっ!わかっています(のだ)!』

「いけ!お前達の力を見せてやるのだ!」

『はっ!では言ってまいります(なのだ)!』

6人少女達は武器を手に持ち、その部屋から出ていった。
その後ろを残りの9人が追って出て行った。

部屋には老人だけが残っている。

「…フフフ…もうすぐだ…もうすぐ…儂の念願が叶う。マープル、お前の考えた計画…儂が利用させてもらうぞ!
フフフフ……アーハッハッハッハ!…げほげほ!む、むせた」

老人は高らかに笑い、むせたのであった。

そして、彼の立っている近くの机にはその老人の若き頃の写真に、大勢の女性達が映っていた。



この老人は何者なのであろうか?

-62-
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