小説『デジモンアドベンチャーPARALLEL〜天下分け目の超決戦〜』
作者:setuna()

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超決戦 第四話
デジタルワールドに向かう当日。
それぞれ覚悟を決めた子供達がお台場小学校に集まった。
〜お台場小学校〜
大輔「丈さん…何ですか?その大荷物?」
丈「え?」
ジュン「丈君…それじゃあ、いざって時に早く動けないでしょ!?」
ヤマト「丈、その荷物のいくつか置いていけ」
丈「ええ!?でも…」
全員【いいから!!】
こうして、丈の荷物は半分以下まで減った。
治「泉君、ゲートはまだなのか?」
光子郎「はい、後少しですから待ってて下さい。」
ヤマト「分かった。」
太一「けどよ、俺達全員でデジタルワールドに行くなんて始めてだよな」
賢「ミミさんはアメリカでしたしね」
賢が苦笑しながら言う。
大輔「皆。」
大輔の声に全員が大輔の方を向く。
大輔「一応聞いておくよ、これは義務じゃない。俺達はやりたいからここにいる。そうだよな?」
ヒカリ「うん」
タケル「勿論」
大輔「京と伊織は?」
メンバーの中で1番心配していた2人の方を向いて尋ねる。
京「大丈夫!!」
伊織「一緒に戦わせて下さい。」
京と伊織の表情は決意で満ち溢れていた。
大輔「そうか、太一さん達は?」
太一「俺達は大丈夫だ」
ジュン「問題ないわ」
ヤマト「さあ行こう。向こうでガブモン達が待ってる」
大輔「必ず全員で生きて帰って来よう!!」
光子郎「皆さん、時間です!!」
大輔「京、いつものコールを頼む!!」
それぞれがデジヴァイスをパソコンに向ける。
京「デジタルゲートオープン!!選ばれし子供達出動!!」
パソコンから光が放たれ、子供達が包まれる。
光が消えた時、パソコン室には丈の荷物だけが残されていた。
新たな冒険の扉は再び開かれた。
〜デジタルワールド〜
大輔「ここは…」
ヒカリ「デジタルワールド…」
ジュン「ここってゲンナイさんの家の近くじゃない?」
太一「言われてみれば…」
辺りを見回すと、確かにここはゲンナイ邸がある森だった。
ヤマト「丁度いい。ゲンナイさんの家に行ってガブモン達の居場所を…」
ヤマトが言い切る前に背後から気配を感じた。
全員【!?】
背後には究極体デジモンのグランクワガーモン。
京「オオクワモン!?」
ヤマト「違う…」
光子郎「グランクワガーモン…究極体です!!」
全員【究極体!?】
丈「何でいきなりそんな奴が出てくるんだよー!?」
丈が情けない声を出すが無理もない。
デジタルワールドに来ていきなり究極体が現れたのだから。
ヤマト「こいつが新たな敵なのか!?」
太一「分からねえ…今は一先ず逃げよう!!」
パートナーがいない現状で戦うのは自殺行為だ。
逃げるがグランクワガーモンの機動力は子供達の移動速度より遥かに上。
子供達はすぐに追いつかれてしまう。
大輔「くそ…ここまでかよ…!!」
グランクワガーモン[ギシャアアアアア!!]
グランクワガーモンが子供達に向かって突っ込もうとした時…。
?[ブラックトルネード!!!!]
横から現れた黒い竜巻はグランクワガーモンの身体を貫いた。
グランクワガーモン[ギギャアアアアア!!!!]
身体を貫かれたグランクワガーモンは断末魔の叫び声をあげて粒子となって消えた。
京「あ…」
消えていくグランクワガーモンを京は辛そうに見つめる。
子供達が上を見上げると、漆黒の竜戦士、ブラックウォーグレイモンがいた。
ヒカリ「ブラックウォーグレイモン!?」
ブラックウォーグレイモン[どうやら間に合ったようだな]
賢「ありがとう、ブラックウォーグレイモン。助かったよ。」
太一「本当に助かったぜ…もう駄目かと思った…」
太一が安堵の溜め息を吐いた。
ブラックウォーグレイモン[全員無事だな。人間の世界でも影響が出ていると聞いている]
ヤマト「ああ、もう大パニックだ」
ブラックウォーグレイモン[そうか…来い、ゲンナイの下まで案内する。]
タケル「助かるよ」
大輔「早くブイモン達と合流しねえと…」
ブラックウォーグレイモンに救われた子供達。
子供達はパートナーに会うために、ブラックウォーグレイモンの案内の下、ゲンナイ邸に向かうのだった。

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