小説『デジモンアドベンチャーPARALLEL〜天下分け目の超決戦〜』
作者:setuna()

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超決戦 第六話
〜ゲンナイ邸〜
明日に備えて子供達とデジモン達が寝静まる中、ヒカリは1人庭に佇んでいた。
大輔「ヒカリちゃん」
ヒカリ「大輔君…」
佇んでいたヒカリを見つけた大輔が声をかける。
大輔「眠れないのか?」
ヒカリ「うん…」
大輔「眠れないなりに身体を休めた方がいい。明日は大変になるから…」
ヒカリ「分かってるんだけど…」
大輔「不安?怖いの?」
ヒカリ「違…」
大輔「はい、嘘」
ヒカリの額にデコピンをお見舞いする。
ヒカリ「痛…!!」
大輔「ヒカリちゃんの悪い癖だよ。1人で抱え込むの、そんなに俺達は頼りにならない?」
ヒカリ「そうじゃないの…ただ、迷惑かけたくなくて…」
大輔「迷惑じゃないさ、辛いなら辛いって言って欲しいよ。何も言ってくれないんじゃあ、まるで信用されてないみたいで…」
ヒカリ「ごめんなさい…」
大輔「謝らなくていいさ」
大輔はヒカリの柔らかい髪を撫でた。
そして2人を遠く見つめていた2人がいた。
太一「うう…っヒ、ヒカリ…ヒカリぃ〜〜……」
ジュン「はいはい、元気出しなさい。戦いが終わったら太一が好きな物を作ってあげるから」
号泣する太一と呆れながら太一の肩を叩くジュンであった。
太一「うう…俺の大事な妹が…たった1人の妹が大輔にぃ〜…こうなったら妨害して…」
ジュン「ヒカリちゃんに嫌われる覚悟があるならやってみなさいよ。私もただじゃおかないからね」
太一を引きずりながらジュンが言う。
太一「ヒカリぃ〜…」
ジュンに引きずられながら太一が情けない声を出した。
ジュン「太一」
太一「んあ?」
ジュン「私が寂しさを埋めてあげるから元気出しなさいシスコン太一」
太一「シスコンは余計だ!!」
ジュン「あんたをシスコンって言わないでなんて言うのよ」
太一「じゃあお前はブラコンだろ!!」
ジュン「少なくてもあんたよりマシよ」
太一の反論を切り捨てて、ジュンは太一を引きずって行った。
翌朝。
ゲンナイ「では頼んだぞ子供達」
全員【はい!!】
選ばれし子供達とパートナーデジモン達の新たな戦いが始動する。
〜荒野〜
ゲンナイから貰ったデジタルマップを駆使し、アジトを発見する。
大輔「あれが…」
少し離れた所にかなりの規模の工業地帯があった。
太一「よし、早速乗り込んで…」
ヤマト「待て太一。少し様子を見よう…そうだな、上空ならあの工業地帯の全てを見渡せる。」
光子郎「テントモン、お願いします」
テントモン[はいな!!テントモン進化!カブテリモン!!]
光子郎「皆さん、カブテリモンに乗ってください!!」
光子郎に促された子供達はカブテリモンに乗り、上空から工業地帯を見渡した。
そこには、奴隷となったデジモン達が酷使されていた。
中には疲労で倒れているデジモンもいた。
伊織「ひ、酷い…」
太一「畜生!!行くぞ皆!!」
大輔「待ってください!!」
太一「何だよ!?」
大輔「皆、2人1組になって行くんだ!!そしてそれぞれ別方向から襲撃をかける!!賢、行くぞ!!」
賢「ああ!!」
大輔はブイモンをマグナモンに、賢はピコデビモンをベルゼブモンに進化させて、施設を襲撃した。
ヤマト「俺達も行くぞ!!」
全員【おう!!】
ヤマトの号令に全員が頷き、パートナーを究極体、完全体に進化させて突撃した。
〜施設内〜
ドゴオオオオン!!!!
突如施設内に響いた轟音と地響きにデューマモンが立ち上がる。
デューマモン[何があった!?]
[選ばれし子供達の襲撃です!!]
デューマモン[何だと!?]
モニターを見ると、施設内で奴隷を逃がしつつ、施設を潰している子供達の姿が映っていた。
デューマモン[ほう…奴らから来たか、わざわざ探す手間が省けたぜ]
デューマモンは口角を上げて、外に向かって歩きだした。
〜太一&丈〜
ウォーグレイモン[ガイアフォース!!]
ウォーグレイモンの放ったガイアフォースが数体のマンモンに直撃し、マンモンは消滅した。
ズドモン[ハンマースパーク!!]
地面に叩き付けられた鎚から生じた火花が上空に飛ぶメカノリモンを撃墜した。
〜空&ジュン〜
ガルダモン[シャドーウィング!!]
ガルダモンから放たれた真空刃がメガドラモンを切り刻んだ。
ドルゴラモン[ブレイブメタル!!]
炎を纏ったドルゴラモンの突進を受けたガードロモンを粉砕する。
〜ヤマト&タケル〜
メタルガルルモン[グレイスクロスフリーザー!!]
メタルガルルモンから放たれた複数のミサイルが空中の複数の敵を撃墜する。
セラフィモン[アセンションハーロー!!]
上空のセラフィモンは地上から襲い掛かってくるデジモン達を迎撃した。
〜ヒカリ&京〜
シルフィーモン[デュアルソニック!!]
シルフィーモンの放った技の直撃を受けたデジモンは粒子となって消える。
京「……」
シルフィーモンが敵を倒す度に京はシルフィーモンを掴む力が強くする。
ヒカリ「……」
ヒカリはホーリードラモンに乗りながら、京を見つめていた。
〜伊織&治〜
シャッコウモン[ムンッ!!]
シャッコウモンは敵から放たれた技を吸収し、無効果した。
ディノビーモン[ヘルマスカレード!!]
技を無効果され、硬直している敵に向かってディノビーモンが爪で引き裂いた。
〜大輔&賢〜
大輔「ここのボスを探せ!!ボスを失えば統率を失う筈だ!!」
ベルゼブモン[ハートブレイクショット!!]
ベルゼブモンの放った銃弾がエアドラモンの胸を貫いた。
賢「数は多いけど大した敵はいないようだね」
マグナモン「!!」
大輔「マグナモン?」
マグナモン[大輔…光子郎とミミのいる方角に強い力が向かっている。]
大輔「何!?」
〜光子郎&ミミ〜
光子郎とミミは奴隷のデジモン達を救出しながら敵を倒している時であった。
アトラーカブテリモン[!?]
突如殺気を感じて即座にその場から動いた。
ドガア!!
さっきまでいた場所にはアンカーが突き刺さっていた。
?[避けたか、完全体にしてはそこそこ戦える奴等らしいな]
リリモン[誰!?]
デューマモン[俺はデューマモン、メシアカのメンバーの1人にしてこのエリアを支配している]
光子郎「メシアカのメンバー…!?」
デューマモン[出来ればあのロイヤルナイツの金色か七大魔王とやりたかったがな…まあいい…]
アトラーカブテリモン[来まっせ!!]
デューマモン[チェーントーチャー!!]
アトラーカブテリモンとリリモンに向けて鎖を放つが2体は間一髪で回避した。
アトラーカブテリモン[ホーンバスター!!]
リリモン[フラウカノン!!]
デューマモン[ふっ…!!]
当たる寸前でデューマモンが分裂した。
ミミ「ええ!?」
光子郎「分裂した!?」
分裂したデューマモンがアトラーカブテリモンとリリモンを蹴り飛ばした。
アトラーカブテリモン[ぐわあああ!!]
リリモン[キャアアアア!!]
蹴り飛ばされたアトラーカブテリモンとリリモンは建物に激突した。
?[デュラモン!!]
?[ルーマモン!!]
デュラモン、ルーマモン[[俺達は双子の兄弟だ!!]]
光子郎「双子!?」
デュラモン[ライトサタン!!]
ルーマモン[レフトサタン!!]
2体が同時に鎖を地面に向けて放ち、突き刺した。
リリモン[!?何処を狙って…]
リリモンとアトラーカブテリモンが少し気を抜いた瞬間。
アトラーカブテリモン[!?]
リリモン[え!?]
アトラーカブテリモンとリリモンの真下の地面から鎖が現れ、2体を拘束する。
デュラモンとルーマモンは、鎖を振り回してリリモンとアトラーカブテリモンを激突させた。
2体は成長期に退化した。
光子郎「テントモン!!」
ミミ「パルモン!!」
テントモン[すんまへん…光子郎はん…]
パルモン[あいつ…強すぎるわ…]
光子郎「そんな…」
デュラモン[所詮は完全体か]
ルーマモン[その程度とは見込み違いか…まあいい。とどめだ!!]
ルーマモンが左腕を上げた瞬間。
ザシュ!!
ルーマモン[ぐああああ!!?]
デュラモン[ルーマモン!?]
デュラモンが振り向けばルーマモンの左腕が肩から無くなっている。
ベルゼブモン[探し物はこれか?]
ベルゼブモンが持っているのはルーマモンの左腕。
ルーマモン[き、貴様あ…!!]
ベルゼブモン[随分と調子にのってくれやがったな…]
マグナモン[お前達は此処で終わりだ]
デュラモン[っ!ロイヤルナイツ…!!]
デュラモンは一気に形勢が不利になったと悟る。
大輔「お前らがここのボスか?」
大輔がデュラモンとルーマモンを見上げながら言う。
デュラモン[…そうだ]
マグナモン[…ならば倒す。そしてこのエリアを解放する。]
デュラモン[舐めるなよ!!ライトサタン!!]
マグナモン[!?]
光子郎「気をつけて下さい!!その技は地面から来ます!!」
マグナモン[そうか、技のタネさえ分かれば…]
マグナモンの目前に鎖が現れる。
ガシ!!
デュラモン[なっ!?]
マグナモン[勝てない敵じゃない!!]
鎖を振り回し、デュラモンを建物に向けて投げ飛ばした。
ドゴオオオオン!!
ルーマモン[よくも…よくも俺の左腕をーーー!!!!]
残った右腕でルーマモンがベルゼブモンに殴り掛かる。
バシッ!!
ルーマモン[何!?]
ベルゼブモン[知るか、油断していた奴が悪いんだよ!!]
ベルゼブモンがルーマモンの鳩尾に蹴りを放つ。
ドゴオ!!
ルーマモン[ぐお…お…!!]
ベルゼブモン[フン!!]
ベルゼブモンがルーマモンの顎を蹴り上げる。
上空に舞い上がったルーマモンの胸部に目掛けて銃を向けた。
ベルゼブモン[消えろ!!]
胸部を貫かれたルーマモンは粒子となって消えた。
ベルゼブモン[ケッ、口先だけの雑魚が]
デュラモン[ル、ルーマモン…!?]
マグナモン[よそ見するな!!お前の相手は俺だ!!]
デュラモン[ぐっ!!]
デュラモンはマグナモンから距離を取る。
賢「?」
デュラモン[こうなったら奥の手を見せてやる!!]
大輔「奥の手?」
デュラモン[はあああ!!]
向こうから装甲のような物が飛び出し、それをデュラモンが装着する。
両肩にミサイルランチャー、両腕の装甲に刃が着き、分厚い装甲を纏っていた。
デュラモン[ククク…どうだ!?これが俺の奥の手だ!!]
ベルゼブモン[少しゴツくなっただけで俺達に勝てるとでも?だとしたらとんだ大馬鹿野郎だぜ]
デュラモン[甘くみるなよ!!この武器さえあれば貴様らなど恐るるに足りん!!喰らえ!!]
そう言うとデュラモンは攻撃を仕掛ける。
マグナモン[(成る程…確かに火力はアップしてるが…)]
デュラモン[無駄な足掻きを!!]
デュラモンが追撃するが当たらない。
マグナモンは腕を組んだ状態で攻撃を回避する。
デュラモン[くそ!!]
デュラモンが両腕の刃で切り裂こうとしたが顔面にマグナモンの蹴りが入る。
デュラモン[ぐお…!!]
マグナモン[足だけで充分だ…攻撃力だけあってもそれだけでは俺には勝てない]
デュラモン[ぐ…おおおおおお!!]
デュラモンが連続攻撃を続けるが、足で防がれてしまう。
デュラモン[畜生…死ねええええええ!!]
デュラモンはマグナモンに向けて兵器を乱射するが…。
マグナモン[ライトオーラバリア]
バリアを張られて攻撃を無力果されてしまった。
デュラモン[あ、ああ…]
マグナモン[プラズマシュート!!]
プラズマ弾を受けて装甲が吹き飛ぶ。
マグナモン[これでとどめだ…!!]
デュラモン[くっ!!]
デュラモンが背を向けて逃げようとするが、マグナモンは金色の輝きを纏う。
奇跡のデジメンタル最大出力。
マグナモン[エクストリームジハード!!]
デュラモンは光に呑まれて消滅した。
賢「勝った…」
大輔「まず1体だ…」
子供達はデューマモンが支配していたエリアの解放に成功した。

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デジモンアドベンチャー
新品 \4359
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(参考価格:\6280)