小説『デジモンアドベンチャーPARALLEL〜天下分け目の超決戦〜』
作者:setuna()

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超決戦 第八話
〜森〜
モースモンを倒し、モースモンが支配していたエリアを解放した子供達。
子供達は現在、崩壊した洋館から少し離れた場所にいた。
ヤマト「タケル!!しっかりしろ!!」
ヤマトはタケルの包んである繭を引きちぎり、顔を見えるようにした。
丈がタケルの頸動脈に手を当てた。
パタモン[タケルは大丈夫?]
丈「大丈夫。眠ってるだけだ。命に別状はないよ。」
ヤマト「良かった…」
パルモン[でも毒針で刺されたのよ。私、毒消し草を探してくる!!]
パルモンが毒消し草を探しに、森に入っていく。
ミミ「お願いね!!」
ヒカリ「大輔君。お兄ちゃん。今回はまるで悪夢を見ていたみたいだね。」
大輔「悪夢?」
太一「?」
ヒカリの言葉に大輔と太一が首を傾げた。
ヒカリ「タケル君がこんな目に逢い、ヤマトさんが苦しむ。それこそ悪夢じゃない。」
大輔「…そうだな…」
ヒカリ「でもこんな悲劇みたいなことがまだ続くんだね。」
大輔「…でも、その悲劇を止められるのは俺達だけなんだ。頑張ろう?」
ヒカリは大輔の言葉に頷いて、少し考えた後、全員に問い掛ける。
ヒカリ「皆!!正直に答えて!!今まで戦った2匹を見てどう思った?私はデューマモンはともかく、彼女は犠牲になったみたいに見えるの」
ヤマト「犠牲…?」
ヤマトが顔を顰ながら呟いた。
彼からしてみては、モースモンは大切な弟を傷つけた憎い敵でしかない。
ヒカリ「メシアカという組織の言いように動かされてる駒に見えるの。俗に言う捨て駒に」
大輔「っ!!」
大輔は口元に手を遣る。
ヒカリの言う通りだと思ったからだ。
大輔「確かにそんな感じがする…」
ヒカリ「じゃあ。問題に戻るね。皆は今まで戦った2匹を見てどう思った?」
ジュン「デューマモンは同情の余地は無いけどモースモンは何となく違う気がする」
賢「はい、自分の子供が死んだ時、涙を流してました。」
大輔「根っからの悪人じゃなかったのかもな…」
ヒカリ「……」
ジュンと賢、大輔の言葉に全員が静まり返る。
太一「でも…」
全員【?】
全員が太一の方を向いた。
太一「大輔も言ったけど、今この悲劇を止められるのは俺達しかいないんだ。俺達が負ければデジタルワールドはメシアカの物になっちまう。現実世界もあいつらのいいようにされちまう。」
治「そうだな…」
太一の言葉に同意するように治が頷いた。
治「今の僕達は前に進むしかない。僕達に出来ることは可能な限りデジタルワールドと現実世界の被害を最小限に抑えること。」
治の言葉に全員が頷いた。
パルモン[お待たせ!!]
両腕一杯に毒消し草を持ったパルモンが戻ってきた。
大輔「パルモンお疲れ、タケルが回復したら次のエリアに向かおう」
子供達は次の戦いに備えて休息を取るのであった。

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