小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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五月二日(土)


―――川神駅


「・・・・・さて、そろそろだな」


集合時間が十分前になろうとしていた。


「・・・・・来たか」


一誠の前方に見知った顔が視界に入った。


「おはようございます。一誠さん」


「おはよー!」


「一誠さん、おはよう」


「おはようで候」


「・・・・・おはよう。遅刻せずにきたな」


「ええ、デートでは基本の事です」


「・・・・・誰と誰がデートするんだよ。準とか?」


「一誠さん、冗談でも勘弁して下さい」


「・・・・・はいはい、それともう少し待ってくれるか?」


「誰か他にも呼んだのですか?」


「・・・・・ああ、西から呼んだ」


「西・・・・・?」


ユミの言葉に一誠は頷いた。その時、背後から一誠の名を呼ぶ存在がいた。一誠達は声がした方に振り向くと

背中まで伸びて可愛らしい服装を着込んだ少女が駈け走ってきた


「一誠さん!」


「・・・・・久しぶりだな」


「はい!」


満面の笑顔を浮かべる少女は一誠に抱きついた。一誠も少女の頭を撫でて冬馬達に振り向いた


「一誠さん、彼女は・・・・・?」


「・・・・・自己紹介だ」


「私の名前は燕、松永燕。一誠さんに呼ばれて京都から来ました。短い間だけどよろしく!」


「松永・・・・・、あの松永で候か!?」


「おや、松永と言えば・・・・・西で有名な松永納豆を売っていましたよね?」


「おおー、此処でも松永納豆を知っている人がいるとは嬉しいねん♪」


一誠に抱きついた少女、松永燕は嬉しそうに微笑んだ


「一誠さん、一体どうやって彼女と知り合ったんですか?というか、何気に親しそうですけど」


「・・・・・昔、京都に遊びに行ったら決闘をしていて俺も参加して決闘したら何か弟子にしてくださいと

強く申し込まれて以来、たまに稽古をつけに行っている」


「その際、私やおとんが営業している松永納豆を大量に買ってくれる常連客でもあるよん♪」


「へぇ、知らなかったな。てっきり俺達とモモ先輩しか接していないのかと思っていた」


「・・・・・今回は松永納豆を使った料理も出すつもりだ。だから松永納豆を販売している

彼女を呼んだつもりだ」


「ところで一誠さん、私を呼んだ理由は何なんですか?連休空けて来ましたけど」


「俺の店の手伝いだ」


「一誠さんの店・・・・・?」


「一誠さんのお店は『ファントム・イリュージョン』というお店ですよ」


「・・・・・えええええええええええええええっ!?あ、あの超有名なお店ですか!?」


「・・・・・燕、声が大きい」


「す、すいません。でも・・・・・、あのお店が一誠さんのお店だとは知りませんでしたよ。もう、十年以上

お店が閉まったままですし・・・・・」


「・・・・・ユミの言葉から始まったんだけどな」


「ユミ・・・・・?」


「・・・・・冬馬達、自己紹介」


「では私からしましょう。初めまして、私は葵冬馬です。一誠さんとは幼い頃からの付き合いです。

よろしくお願いします」


「俺は井上準、若―――葵冬馬と一緒で一誠さんとは俺達が小さい時からの付き合いだ。

よろしくお願いします」


「僕の名前は榊原小雪♪僕も小さい頃からのお付き合いなのだー」


「私は矢場弓子。よろしくで候」


「うん、よろしくね!」


燕は冬馬達と握手をした。


「・・・・・それじゃあ、自己紹介をした事だ。行くとしよう」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――東京某所 ファントム・イリュージョン前


「おおっ!初めて東京にきたよ!そして・・・・・デカイッ!」


「高いねー」


「一度しか来た事無いけど・・・・・久しぶりに見てデカイと思うぜ」


「そうですね。懐かしい場所ですよ。此処は・・・・・」


「私達が店員で働くとは・・・・・緊張するで候」


「・・・・・中を入ったら緊張なんて吹っ飛ぶぞ」


一誠達は裏に回り裏口の扉に辿りつくと一誠はポケットから鍵を取り出し鍵穴に差し込んで捻る。ガチャッと

音が鳴ると鍵を取り出してポケットの中に入れてから店の中に冬馬達を入れて中に入った。そこは超巨大な

厨房のところだった。とても十年間営業していなかったとは思えないほどの清潔さを保っていた


「おおー!広い!綺麗!」


「・・・・・ですが、小さいですね?」


「ああ、まるで小人でも此処で調理をするのかと思わせるほどの高さだな」


「かわいいねー♪」


「一部だけ普通の大きさの調理場もあるで候」


「・・・・・ああ、あそこは俺専用の場所だ」


歩を進みながら厨房から出ると今度は客達が食べる食事場所へと出た


「広っ!?学校の体育館より広い!テーブルの数も多い!」


「おっ、若。あのステージもあの時のまんまだぜ」


「ホントですね。いやはや、懐かしいです」


「あはは!僕、楽しく成ってきたよー!」


「此処にあるテーブルの数は一体どの位であるで候か?」


「・・・・・1000はあるな。で、十階建てだから合わせて一万のテーブルとか個室、ゆったりとした

バーの部屋や和風と洋風もあるぞ」


「そんなにあるなんて・・・・・一誠さんだけじゃあ大変なんじゃ?」


「・・・・・冬馬とユキ、準は既に知っているよな?」


「ああ、可愛いもんだよ。家に飼いたいほどだ」


「テレビでは放送されませんでしたしね。あれはこの店に入らないと分からないですよ。此処は携帯、

カメラでの撮影は厳禁。撮影したらその場で壊されますからね」


「・・・・・此処は見て楽しみ、料理を味わってもらうのが目的の店だ」


「あのー、話が見えないんですけど・・・・・」


「・・・・・そうだな。それじゃあ俺の店に働く従業員達を呼ぼうとしようか」


一誠はレジの方へ赴き、ぶら下がっている紐を掴んで下に思いきり引いた。―――刹那、店中の壁の下に

あった丸い蓋が一斉に開いた。すると、穴の中から鳴き声が聞こえてきた。その正体は


「「「「「「「「「「ご主人様ああああああああああああっ!」」」」」」」」」」


つぶらな瞳をもった可愛らしい人語を話す猫が続々と出てきた。猫達は我先に一誠の許へ駈け走り

抱きついた。一瞬にして一誠は猫だらけになった


「か、可愛いぃぃぃぃぃぃぃっ!」


「なに、このキュートな猫達!可愛いさが溢れているよ!?」


「ああ、癒される・・・・・!俺はこの猫たちを見た瞬間、ビビッと来たぜ!」


「わーい!久しぶりの猫だー!かわいいねー!」


「ふふ、本当に可愛らしい猫達ですね。家に飼いたいぐらいですよ・・・・・」


冬馬達は猫達の可愛さに魅了した。


「あははっ!こら、お前等!くすぐったいぞ!」


あの一誠さえも猫達と戯れると明るくなる程だった


「にゃー!今までボク達を放っておいて酷いニャ!」


「ボク達を呼んだのは人の役に立つ事ですニャ!?」


「ああ、久しぶりの仕事だ。十年振りにこの店を開こうと思っている。少しの間だけどいいな?」


「勿論ですニャ!いっぱい頑張って料理をたくさん作るニャ!」


「よしよし、ご褒美にマタタビを大量にあげるぞ」


「やったニャ!頑張ってお仕事をするニャ!」


「「「「「「「「「「ご主人様ああああああああああああっ!」」」」」」」」」」


「「「「「「「「「「頑張るニャァァァァァァァァァァァッ!」」」」」」」」」」


「だ、ダメ・・・・・。あまりの可愛い猫達を見て私・・・・・幸せで死んじゃいそう・・・・・」


「・・・・・同感で候・・・・・(ああ、飼いたいなぁ・・・・・一誠さんに頼んでみようかな?)」


「皆、お前達と共に一緒に働く人間達を紹介するぞ」


「ニャ?人間達と一緒に?」


「ああ、ダメか?」


「とんでもニャいですよ!人間と働くなんて嬉しいですニャ!」


「「「「「「「「「「よろしくお願いしますニャァァァァァァァァァァァッ!」」」」」」」」」」


猫達は冬馬達にも抱きついた。ユミと燕は嬉々として猫を抱きしめて頭を撫でたりして準は幸せそうに猫達と

触れ合い、ユキは猫の真似をして話しあって冬馬は微笑んで猫達と触れ合った


「さて、冬馬達と十分に触れ合ったところで準備をするぞ」


「「「「「「「「「「ニャァァァァァァァァァァァッ!」」」」」」」」」」


「一誠さん、私達はこのままで接客をすればいいの?」


「いや、冬馬と準はこれでユミ達三人にはこれを着てもらう」


「・・・・・メイド服?」


「数日間かけて完成した制服だ。サイズも合う筈だ。それとスパッツも穿いてもらうぞ」


「う、うん・・・・。一誠さん・・・・・」


「なんだ?」


「・・・・・な、なんか、明るくなったね?」


「・・・・・アイルーとメラルー達と接すれば嫌でも明るく成るさ」


「私、明るい一誠さんの方が好きだよ?」


「・・・・・そうか」


「うん・・・・・」


「むー!僕も一誠の事が好きだよー!」


「じゃあ、頑張って仕事をしてくれ。そしたら俺が作ったマシュマロをあげよう」


「わーい!僕、頑張るー!」


「この三人を更衣室に案内してくれ」


「分かりましたニャ!」


一匹の猫、アイルーに指示燕達を更衣室に案内していった。一誠達も男子更衣室へと赴いた



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――女子更衣室


「僕は此処で待っていますから着替え終わったら出てきてくださいニャ!」


「はーい!」


「さて、着替えるで候」


「うん!」


燕達は一誠が作ったメイド服を着替える為に服を脱ぎ始めた


「わお、二人とも大きいね。それにスタイル抜群だよ」


「そ、そうで候か?」


「そうかなー?」


「うん、羨ましいなー。一誠さん・・・・・大きい子が好きなのかな・・・・・」


「それは分からないで候。でも、一誠さんは大きさ何て気にしないかと思うで候」


「んー、そうだね。一誠さんはそう人じゃあないもんね・・・・・」


「ねーねー、イッセーの事が好きなのー?」


「えっ?」


「僕は一誠の事が好きだよー?小さい頃、僕は一誠に助けられたんだー。大好きなお母さんに毎日いじめられ

て楽しそうに遊んでいた子達に仲間に入れてもらおうとしたんだけど何度も断れちゃって僕がお腹空いて

倒れそうになった時に一誠に助けてもらったんだ。それからなんだよ、僕の人生が変わったのは・・・・・」


『おい、大丈夫か?』


『だーれー?』


『随分とボロボロじゃないか。誰にいじめられているんだ?』


『おかあさん』


『・・・・・そうか、今―――』


『ねーねー』


『ん?』


『僕と、友達に成ってくれる?』


『・・・・・ああ、その前にお腹が空いているだろう。俺と一緒にご飯を食べよう』


『いいのー?』


『当たり前だ。今だって倒れそうだったじゃないか。ほら、友達なら一緒にご飯を食べるのは当然だろう?』


『・・・・・うん』



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



『ユキ、お前と友達に成ってくれる子供を見つけたぞ』


『キミがユキちゃんかい?僕は葵冬馬。よろしくお願いします』


『井上準だ、これから俺達は友達だ。よろしくな』


『・・・・・本当に僕と友達に?』


『ええ、一誠さんのお願いでもありますが僕はキミの事を聞いて友達になろうと思っています』


『一人より二人、二人より三人、三人より四人ってな。大勢で遊んだ方が楽しいだろう?』


『・・・・・』


『ユキ、この二人はお前を仲間に入れなかったあいつより優しくて良い子だ。なにより、

こいつは面白いぞ?』


『ちょっ、一誠さん!それはどう意味ですか!?』


『準、そのままの意味ですよ』


『あ、アンタまで!?』


『―――キャハハハ!おもしろーい!』


『えっ?何か面白い要素でもあったのか?』


『『準という存在自体が』』


『なんですとぉおおおおお!?』


ユキは昔の事を思い出しながら強く言った


「だから僕は一誠が好き、大好き!」


「・・・・・」


「・・・・・私も・・・・・一誠さんが好き。おとんが作った莫大な借金を代わりに返してくれたどころか

私に武術を教えてくれた時からずっと・・・・・」


『はあ、アンタは馬鹿な事をしたんだなぁ・・・・・。分かった、久信さんの借金を全額、

俺が払ってやるよ』


『俺の名前は兵藤一誠。よろしくな』


『稽古して欲しい?・・・・・厳しくするけどそれでもいいな?』


『ほらほら、そうじゃない。もっと足を鋭く動かすんだ』


『この納豆は上手いな・・・・・何十個か買うとしよう』


『松永納豆を買いに来た。何時も通りの量で頼むぞ』


『可愛いと可愛くないと言われたら可愛いに決まっているだろう。将来は更に綺麗になると思うほどだ』


「だから私も一誠さんが好き!・・・・・ユミちゃん。貴女は?」


「わ、私で候?」


「うん、正直に此処で言って。私とユキちゃんだけ教えてちょうだい」


「・・・・・」


『・・・・・誰だ?』


『・・・・・猫かぶっている奴の言葉を聞くかよ』


『二度と俺に近寄るな。巻き込まれても知らないからな』


『何でこの街に来たんだ。俺に近寄るなって言った筈だぞ。だから人身売買に遭ったんだ。

・・・・・次はないぞ』


『―――バカ野郎!なに肯定しているんだよ!?俺を放っておいて逃げればいいじゃねぇか!

こいつらの言う事に耳を傾けるな!』


『俺はまた誰かを傷つけてしまった・・・・・!俺の行動でまた・・・・・!また人を・・・・・

傷つけてしまった・・・・・!』


『・・・・・2−Fの兵藤一誠、世間から天才少年って言われている。どうでもいいけどな』


『だから俺はもう大切なものを失くす辛さをしたくないから孤独になろうとしていたんだ』


『ユミ・・・・・』


「・・・・・私は最初、一誠さんの瞳を見て放っておけなくて、何とかしようと思って一誠さんに接した。

だけど、逆に私が危険な目に遭ってその度に一誠さんが助けてくれた。私が男子生徒達に襲われた時なんか

何時も無表情だった一誠さんが感情をむき出しになって私を逃げるように催促した程だった。その後に

気づいたんだ。この人は私を冷たくしているけど実は私を守る為にワザと危険から遠ざけて安全な場所に

行かせようと冷たく言い放った事を・・・・・」


「「・・・・・」」


「その後、私は一誠さんと何時もより接するようになった。弓道部だってたまにだけどちゃんと顔を出して

部員達に教えてくれる。お昼も私と食べるのが嫌そうだったけど最後までずっと傍で一緒に食べてくれた。

それが嬉しくて私は一誠さんとずっと傍にいた。だけど、最近は百代も一誠さんに接するようになって

二人きりで食べる時間が減って寂しかった。その時に感じた気持ちは良く解らなかったけど・・・・・

今、二人の話を聞いて分かった。―――私、一誠さんの事が好きなんだ・・・・・と」


ユミは自分の気持ちを理解して二人に自分の気持ちを告げた。


「私も一誠さんが好き。・・・・・大好き!」


「―――ふふっ」


「・・・・・?」


「それがユミちゃんの本来の喋り方なのね♪」


「・・・・・はっ!?」


「だいじょーぶ!ユミちゃんの事は秘密にしてあげるよん」


「・・・・・助かるで候」


「あー、喋り方変えた!トーマ達におしえよー」


「そ、それは勘弁してくれ候!」


「じゃ、喋り方を戻して僕達とお話をしようよー?」


「既に一誠さんはこの事を知っていると思うケド、私達三人の時だけは猫を被らないで欲しいかな?」


「・・・・・分かったよ」


「じゃあ、一誠さん大好き同士として友達に成りましょう!」


「おー!」


「よろしくね。燕、小雪ちゃん」


「僕の事はユキでいいよー」


三人は手を差し伸べて手と手を重ね合った。


「「「よろしく!」」」


コンコン


「「「・・・・・?」」」


『着替え、まだ終わっていないのか?ミーティングしたいんだけど』


一誠が三人に聞いてきた。その言葉に慌ててメイド服に着替え始める三人だった



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「おー、可愛いじゃないか」


「ユキ、お似合いですよ」


「一誠さんも色んな才能があるんだな。メイド服を作るなんて凄いじゃないか」


三人のメイド姿は白と黒の二種類のメイド服で胸元にリボンがあり、肩とスカートの端にフリルが

施されていた。ポケットには猫の肉球のマークが付いていた。準と冬馬は黒いスーツに白いワイシャツに

黒いネクタイを付けた姿。


「それにしても凄いですね。サイズがピッタリですよ」


「目測で三人のサイズに合わして作った」


「・・・・・じゃあ、私達のスリーサイズを・・・・・」


「把握済み」


「「〜〜〜っ!」」


「じゃあ、僕のサイズも?」


「・・・・・まあな」


「あんた・・・・・。色々と凄過ぎでしょう」


「一誠さん、その能力を是非伝授してくれませんか?」


「決して邪な気持で目測していないからな。それと冬馬、また今度な。―――さて」


一誠は手に持っていた複数の紙を冬馬達渡した


「開店時間までに全部覚えろ」


「・・・・・多過ぎじゃないか?」


「途中で分からなかったらアイルーとメラルー達に聞けばいい」


「分かりました」


「ご主人様!食材の調達全て整えましたニャ!」


「分かった。直ぐに調理ができるように準備もできているな?」


「はいニャ!」


「よし、俺も着替えるとしよう」


そう言って一誠は―――


「「「「早っ!?」」」」


「おーっ、あっという間だねー」


一瞬で黒い仮面と黒い服装を着込んだ


「店を開いたら俺の事を『F』と呼ぶようにしろ」


「はーい♪」


「んー、一誠さんが『F』何て驚きだよ。その格好も小さい時に見たけど久しぶりに見たよ」


「此処にいない百代以外はお前等だけが知っているんだ。かなり貴重な事だぞ」


「あっ、そう言えばどうですね」


「アイルーとメラルー達、全員スタンバイ!」


「「「「「「「「「「ニャァァァァァァァァァァァッ!」」」」」」」」」」


「マナー違反をしようとする客もいたら即座に(携帯とカメラを)斬れ」


「「「「「「「「「「畏まりました」」」」」」」」」」


雰囲気と鋭い目付きや顔に傷がある他のアイルーとメラルー達とは違う数十匹のアイルー達が何時の間にか

一誠の背後に並んで待機していた。しかも武器と防具を身に着けていた


「おおっ、何時の間にいたの?」


「こいつらは主に食材となるモンスターや食材を調達する係りでもある。かなり強いぞ」


「へぇ、そうなんだ」


「まあ、マナー違反をしようとする客はいるけどそれ以外にもこいつ等の役目があるんだ」


「というと?」


「・・・・・あまりにも可愛いアイルーとメラルーを飼いたいが為に連れて帰ろうとする客もいるんだ」


「「「「「なるほど」」」」」


「玄関ホールには荷物チェックをする係りを務めるアイルー達がいるし、携帯とカメラを置く為のロッカーも

あるからマナーを違反する客はいない」


「でも、絶対とは言い切れないのですね?」


「ああ、だからこいつらの出番という訳だ。―――それじゃあ手筈通りに」


「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」


「おー、忍者みたいに消えたー」


「さて、そろそろ開店時間だ。休みたい時は休んで良いからな。腹が減ったら俺に言ってくれ」


「「「「「了解!『F』!」」」」」


「―――それじゃあ」


一誠は懐から携帯を取り出して打ち込んだ。―――刹那


ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!


と激しい爆音が建物の外から鳴り響いた


「十数年振りに『ファントム・イリュージョン』を開店する!」


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真剣で私に恋しなさい!S 大判マウスパッド 川神百代
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