小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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六月八日(月)



「プレミアムに決闘を申し込みますわ!」


「・・・・・は?」


放課後に成った途端に一誠は決闘を申し込まれた。相手は1ーS、武蔵小杉


「・・・・・お前は弓道部に所属していた奴だな?」


「はい!弓道部では指導していただき誠に感謝しております。が!それはそれです。先輩、プレミアムな私と

決闘をしてください!」


「・・・・・何でお前が俺に決闘を申し込むのか分からん」


「私は既に一年生を制覇しました。次は上級生の二年生の制覇を目指しているのです」


「・・・・・へぇ」


「ですので、最初は心苦しいですが先輩から倒した後、次々とプレミアムな私が二年を

制覇していくのです!」


「・・・・・面倒だけど分かった」


「ありがとうございます!では、決闘の申請は私がしますので先輩は先に第1グラウンドに行ってください。

(ふふ、先輩は『人形』と言われている。武器はスタンガン。耐久力は異常みたいだけどプレミアムな

私の手に掛かれば・・・・・!)」


踵返して不敵の笑みを浮かべながら職員室へと赴き勝利を確信する一年生、


「・・・・・」


対して一誠は席から立ち上がり、グラウンドへ向かった。その様子を見ていた大和達は一誠の事について

語り始めた


「おいおい、あいつ、負けるんじゃないだろうな・・・・・?」


「うーん、流石に分からないな」


「・・・・・(お姉様に勝ったんだから負けるとは思えないんだけど・・・・・)」


「あいつの実力はどのぐらいなんだ?」


「ガクトに負けているからなぁー」


「二年で一番下から数えた方が早い方じゃないか?」


「でも、弓で闘ったら強いかも・・・・・」


「なに、そうなのか?」


「うん、弓道部の後輩達に指導しているほど」


「京も弓で闘ったら強いのは知っているが・・・・・。まさか、京以上の実力者なのか?」


「長距離は弓、近距離はスタンガンか」


「軍師の大和には不向きな闘い方だな」


「俺はこの頭脳で闘うさ」


「頭脳の方も兵藤の方が上だけどな」


「ぐっ・・・・・」


「でも大和は『回避力』だけは凄いよね」


「まあ、それが大和の取り柄でもあるけどね」


「大和と兵藤が決闘でもしたらどっちが勝つんだろうな?」


「「「「「兵藤」」」」」


「・・・・・」


「大和に100のダメージが食らったようだな。で、理由は?」


「異常なほどの耐久力があるからな」


「キャップより遅いけどそれでもスピードもあるしね」


「なによりスタンガンだ。受けたら一溜まりもない」


「弓で闘われたら大和は射ぬかれちゃう。・・・・・先に私が大和の心(ハート)を射ぬくけどね」


「大和のようにセコイ事もしなさそうだしね」


「ぐはっ!」


「おっ、大和が倒れたぞ」


ガラ・・・・・。


「失礼します。一誠さんはいますか?」


「ん?Sの奴らじゃないか」


「あれー、いないよー?」


「あらら、先に帰ったのか?」


「おいおい、何でSが此処にいるんだよ」


「私達は一誠さんと帰ろうと此処に来たまでですよ。貴方達と争う気はないのでご安心を」


「・・・・・なあ」


「はい、何でしょうか」


「どうしてあいつと仲が良いんだ?言っちゃあ何だけどこのクラスに限らず他のクラスにも嫌われている

奴だぜ?不良とか人形とか陰でコソコソ言われているのを知っているだろう?」


「本当に一誠の事を知らないからそんな事を言えるんだよー。ねー、トーマ、準」


「ええ、本当は優しい方ですよ。一誠さんは」


「まっ、お前等に一誠さんの事を分かってもらおうなんて思っちゃいねぇけどな。あの人の事は俺と若、

ユキに矢場先輩や西にいる先輩だけ知っていればいい」


「むっ、今の言葉に何か棘があるわね」


「ていうか、矢場先輩も兵藤と接しているのかよ!?ありえねー!」


「西の先輩・・・・・?」


「私達はどんな事でも一誠さんの味方であり友達です。―――例え闇に生きようともね」


「闇だと・・・・・?」


「では、行きましょうか。あの人はまだそんな遠くには行っていない筈・・・・・」


『只今より、第1グランドで決闘を行います―――』


「兵藤なら一年の武蔵に決闘を申し込まれたからグランドに行っているぜ」


「そうですか、ありがとうございます」


「一誠さんはどうせ負けるだろうな」


「一誠は決闘なんてやる気を出さないからねー」


「相手に花を持たせるのもあの人らしいですよ」


冬馬、準、ユキは教室から退出しグラウンドへと赴いた


「花を持たせるだと?」


「えーと、どういう事?」


「ワザと負けるという意味じゃないかな?」


「なに、正々堂々の真剣勝負の決闘にそんなことをするのなら許せないぞ」


「じゃあなにか?俺様の時もワザと負けたという事に成るんだが・・・・・」


「だと思うぜ、最初はそれなりに攻撃していたが後は防御にまわってガクトに負けた。敢えて避けなかった

のはワザと負ける為だったかもしれないな」


「・・・・・だったら、納得いかねぇな。何故か攻撃をしてこなくなって不思議に思っていただがワザと俺に

勝たせたのなら再戦だ!あんな決闘は納得いかねえ!」


「自分もあの男に決闘を申し込む!あの男に騎士道とはどういうものかを教えてやらねばならない!」


「何で騎士道を教えるのかは分からないけど大丈夫かな・・・・・」


「攻撃はスタンガンだから微妙なところだ」


「(私も兵藤と闘ってみたいな)」


「それじゃあ風間ファミリーは兵藤の決闘を観戦するって事で良いな?」


バンダナを巻いた男、風間翔一の言葉に大和達は頷いた



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「それでは!ワシが審判するからの。はじめっ!」


「・・・・・私はザクロお兄様と一緒に天下に名を上げる。まずは川神学園で最強になる!行きます!」


「・・・・・はぁ、さっさと来い」


一誠は面倒くさそうに溜め息を吐き、手を招いた。武蔵は駈け走り拳のラッシュを一誠に放った。その光景に

観客達は興奮気味に観戦する


「うおー!いきなり拳のラッシュ!」


「人形!一年に負けたら笑い者だぞー!」


「・・・・・(それでもいいさ。勝手に笑えば良い)」


スタンガンを手に持って武蔵に突き出す。バチチッ!と音が鳴るスタンガンの矛先は武蔵に向かったが

体勢を低くしてかわした武蔵に当らずに


「あたたたたたた!」


一誠の懐に入った武蔵は拳のラッシュを一誠の体に浴びせた


「・・・・・」


さり気無くスタンガンを放して武蔵の攻撃を受け続ける


「くっ!大して効いていないようですね!?・・・・・なら!」


一誠の頭ぐらいまで跳んで身体を捻りあげ回し蹴りを一誠の顔に放った。頭が後ろに仰け反って体勢が崩れた


「っ!ここですかさずにプレミアムキーックッ!」


助走を付けた跳び蹴りが一誠の腹部に直撃した。数メートルまで一誠はグランドを滑って少しして止まると

一誠は身体を起こし武蔵に近づこうとした瞬間、地面に倒れた


「・・・・・それまで!勝者!武蔵小杉!」


「プレミアムに勝ったー!」


ガッツポーズする武蔵、対して一誠は身体を起こして首をポキポキと鳴らした。その一誠に鉄心が

近づいてきた


「お主、どうしてそこまで闘う気力が無いのじゃ」


「・・・・・弱い奴に勝ってもしょうがない。それはお前も同じ事だぞ、鉄心」


「むぅ・・・・・。では何故、決闘を受理するのじゃ」


「・・・・・俺が一番弱い事を証明する為だ。俺がワザと負けても此処の生徒の目の殆どは俺が弱いんだと

思わせる。―――どいつもこいつも目が節穴で助かる」


「自分の目は節穴ではないぞ!兵藤一誠!」


「・・・・・」


「テメェ、やっぱりワザと負けていやがったのか・・・・・。お前の負け方は俺様の時のような

負け方だったぞ」


「・・・・・面倒くさいのが現れたな」


「兵藤一誠!自分と決闘をしろ!お前の心を叩き直す!ワザと負ける為に決闘をするお前を許さない!」


「俺様もだ!ワザと負けた決闘に勝っても納得いかねぇんだよ!」


「・・・・・ちっ、デカイ声を出しやがって」


忌々しそうに二人を睨みつけた。観客達からざわめきの声が生じ始めた


「おい、今の聞いたか?」


「ああ、ワザと負けているってホントかよ・・・・・?」


「じゃあ、今の決闘もワザとか・・・・・?」


「俺達を騙したって言うのか?本当は強いのにワザと負けて俺達を嘲笑っていたのか・・・・・?」


「はぁ・・・・・」


「なに溜め息吐いているんだよ?」


「・・・・・お前等の所為で俺は目立ち始めた」


「はっ?」


「・・・・・折角、俺は頭だけが良い奴だと認識したのにお前等が『ワザと負けた』何て言うから見ろ、

あいつらが疑問し始めたじゃないか」


「それはお前が悪い!最初から真面目に決闘をしていれば良かったのだ!」


「・・・・・俺は目立つのが嫌いなんだ。『天才少年』という設定して天才の域に入ることで他の天才と

混じってしばらくしたら世間から注目されずにいられるんだ。それなのにお前等は余計な事を言いだしたから

注目し始めたじゃないか」


「んなこと、俺様にとってはどうでもいいな。兵藤、俺様と決闘しろ!その為に此処にいるんだからな!」


「自分もだ!」


ガクトとクリスは自分のワッペンを地面に置いた


「・・・・・」


『主、もう隠すことはできないかと』


『疑問させたままだと更に疑問が広がる』


『開き直っちゃった方が良いと思うよ?』


『孤独になりたければ絶望的な力を見せつけてやればいい』


一誠の体の中にいる三匹のドラゴンと胸にぶら下げている大剣が一誠に問うた。一誠は相棒達の

言葉を聞き一拍して


「・・・・・鉄心」


「なんじゃい」


「引き続き審判を頼む」


一誠は前髪を上げた。その瞳は諦観が浮かんでいた


「・・・・・よかろう。では両者、名乗りを上げい!」


「2−F、クリスティアーネ・フリードリヒ!」


「2−F、島津岳人!」


「2−F、兵藤一誠」


「ワシ、川神鉄心が立ち会いのもとで決闘を許可する。勝負がつくまでは、何があっても止めぬ。が、

勝負がついたにも関わらず攻撃を行おうとしたらワシが介入させてもらう、良いな?」


「ああ!」


「おう!」


「・・・・・」


「では、はじめい!」


二度目の決闘が始まった。同時にクリスとガクトは一誠に向かって駈け走った


「今度こそ真剣に勝負だぜ!」


「お前の力を見せろ!」


「・・・・・」


一誠は徐にボールを蹴るように足を振り上げた―――その瞬間、二人の視界に映るほどの巨大な鎌風が

発生して二人に接近した。


「「なっ!?」」


慌ててかわす二人だが、巨大な鎌風はそのまま学園を真っ二つに切り裂かれ崩れ落ちた


「が、学校が・・・・・!」


「真っ二つに成っただと!?」


「これがお前達の望んだ真剣勝負だ。文句はない筈だ。―――嵐脚『乱』」


一誠は空高く跳び上がって次々と鎌風を起こしてグラウンドに立つクリス達に向け放った


「げっ!?今度は複数かよ!」


「あれを受けたら自分達は学校のように真っ二つだ!かわし続けるぞ!」


「落ちてくる瞬間を狙うしかねぇな!」


ドドドドドドドドッ!


二人がかわし続けるとグランドが次々と裂かれていく。直ぐに落ちてくるだろうと二人は確信して数分後


「って、落ちてこないんですけど!?」


「な、何故なんだ!?」


「―――月歩、爆発的な脚力で空を蹴る事で浮き続ける事が出来る」


「なっ!それは卑怯だぞ!降りて正々堂々と戦え!」


「・・・・・負け犬の遠吠えにしか聞こえないな」


「くそっ!ここまで強かったのかよ!」


「弱い奴等に勝っても意味が無い上につまらないから適当に負けていただけだ」


二人に話しかけながらグラウンドに降り立つ。


「お前の言う通り、絶望的な力を見せつけて孤独になろう」


「な、何を言って―――」


シャアアアアアアアア・・・・・


一誠の足下の影から二匹の巨大な大蛇が現れた


「こ、こいつは・・・・・親不孝通りで不良を喰った大蛇!?」


「俺が親不孝通りに歩いていたらお前ともう一人―――源忠勝か?俺の跡を追っていたな。

目的は知らないけどよ」


「じゃ、じゃあ・・・・・親不孝通りにいる不良達が大蛇に襲われて喰われているって

いうのは・・・・・!」


「ああ、俺の仕業だ。―――行け」


二匹の大蛇はもの凄い速さで二人に向かって行った。


「は、はや―――」


ドンッ!


二人の体が大蛇の口元にぶつかりそのまま学校の壁にぶつかった


「が・・・・・はっ・・・・・」


「ぐ・・・・・ほっ・・・・・」


口から血反吐を吐く。大蛇が下がると二人は地面に倒れるが大蛇に銜えられて一誠の許に運ばれる


「鉄心」


「・・・・・勝者、兵藤一誠!」


決闘が終わった。だが、観客達からの声が聞こえなかった。一誠は二人を地面に降ろして大蛇を影の中に

戻した後、二人の傍に跪いて両手を二人の腹部に付けた瞬間、二人の体が金色のオーラに包まれて傷ついた

身体が治っていく。


「やはりその力は不思議じゃのぅ・・・・・。あっという間に他者の傷を直すなど川神流には無い技じゃ」


「・・・・・お前等の流派と一緒にするな」


ガクト達の傷を完全に治した一誠は指をパチンと鳴らした。―――刹那、真っ二つに裂かれた学校と

グラウンドが壊れる前の頃に巻き戻しテープのように戻って完全に直った


「壊れた学校とグラウンドまで直すとは・・・・・」


「はぁ・・・・・、これから面倒な事が起きそうで嫌だなぁ・・・・・学校、辞めていいか?」


「ダメじゃ」


「・・・・・しょーもない。なるようになれか」


「イッセー!」


「・・・・・ん?」


「とーう!」


一誠に抱きついてきたユキ。そんなユキに一誠は怪訝な顔でユキに話しかけた


「・・・・・おい、怖がらないのかよ」


「なにがー?」


「・・・・・」


「一誠さん、別に私達は何も怖いとは思っていませんよ?寧ろ、本当の一誠さんの力を見て感動した方です」


「そうだぜ、いやー、流石に大蛇が出てくるとは驚いたけどそれが一誠さんの力なら受け入れるまでさ」


「・・・・・お前等」


「私もで候」


「・・・・・ユミ」


「また一つ、一誠さんの事が知れて嬉しい。これからも一誠さんと接して一誠さんの事を知るで候」


「・・・・・」


「一誠!」


「お前・・・・・」


「今の技、凄いじゃないか!今度は私と勝負をしよう!」


何処からか現れた百代に抱き疲れて瞳をキラキラと輝かせて闘いを申し込まれた。―――さらに


「いえ、次は私としてもらいます」


「・・・・・誰だ?」


「今日、転入してきたマルギッテ・エーベルバッハだ。一誠さん」


「・・・・・ああ、学校を囲んでいた軍人の仲間か」


「マルギッテ・エーベルバッハです。覚えておきなさい」


「・・・・・兵藤一誠」


「さあ、構えなさい。私を楽しませることです」


「おいおい、先に言ったのは私だぞ?お前は私の次だ」


「では、どちらが先にこの男と闘うか勝負して決めましょう」


「―――それは、面白そうだな。いいぞ、やろうか」


「こら!百代!何勝手に決闘をしようとしておる!」


「えー、いいじゃんかよ」


「良くない!今日は此処までじゃ!また学校を壊されてはかなわん!」


「その時は一誠に頼めば良いじゃないか」


「・・・・・その兵藤がおらんから言っておるのじゃよ」


「へ?あっ!いない!?」


「・・・・・しょうがない、明日にでも決闘を申し込むとしましょう」


「あーっ!ずるいぞ!私が先に決闘を申し込むんだ!」


「いいえ、私だと知りなさい」


「いーや!私だ!」


「私です」


「私だ!」


「さっさと帰らんか!このバカモン達がああああああああああああああああっ!」


鉄心の怒号に二人は渋々と帰宅した


「・・・・・超プレミアムに先輩は強かったのね・・・・・」


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真剣で私に恋しなさい!! 大判マウスパッド
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