小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

六月十一日(木)


「ああ、女子の夏服は良いですね準、一誠さん。癒される」


「・・・・・いきなり何を言うんだお前は」


「まぁ、薄着は嬉しいけどな。そこまではしゃぐ程・・・・・」


準は冬馬の言葉に応えながらとある生徒に視界が入った瞬間


「っ!2−F委員長!おはようございますっ!」


元気よく挨拶をした。


「おはようございますー」


「夏服、とても似合っていますね。一輪の花だ」


「あ、ありがとうございます」


俺のクラスの委員長が少し戸惑いながらも感謝の言葉を発して俺達より先に歩を進めた


「とうっ、膝かっくん」


「うおっ!?」


「このロリコン〜、僕だって夏服だ〜」


背後から膝の裏から膝で押されて廊下に倒れた準に不機嫌そうな声音で言う準を倒したユキ。


「お、ユキがヤキモチですよ。珍しいにも程がある」


「マジか。そいつは悪かったな、ユキ」


「イッセーとトーマは僕を一度褒めたのにお前は社交辞令もできないのか、ハゲはハゲでも悪いハゲだ」


「・・・・・そこまで三回もハゲと言わなくてもいいと思うが」


「す、すいませんっす!」


「なーんて。どう一誠、僕、一般人の真似できた?


「・・・・・元々一般人だろうが」


「可愛かったですよ、ユキ。萌えました」


「・・・・・萌える要素があったのか?」


「一誠さんが何気にツッコミを入れている・・・・・!?」


「あはーは。本当はどうだっていいよーん」


「それはそれで、何か寂しい親心というか・・・・・」


「一時の夏服を楽しみましょう」


「ま、そうだな。どうせ・・・・・」


準が何か言い掛けたが俺は2−Fの教室に入ったその瞬間、「ウチのクラス、季節感ねーもんな!」と

呆れた声が聞こえた


「・・・・・」


俺が教室に入ると急に静かになった。一人以外は・・・・・


「兵藤、おはよー!」


「・・・・・」


「む、無視しないでよぅ・・・・・」


・・・・・川神一子以外は静かだった


「・・・・・何だよ」


「何ってただの挨拶をしただけよ?」


「・・・・・あっそ」


「今度は兵藤の番よ。ほら、挨拶」


「・・・・・」


シャアアアァァァァァッ・・・・・


「蛇っ!?」


面倒くさいから影から大蛇を出して挨拶をさせた


「・・・・・挨拶したぞ」


「蛇に挨拶されても嬉しくないわよ!貴方自身の声で挨拶しなさいよ!」


「・・・・・」


影から今度は―――


グルルルルッ・・・・・


「今度は虎ぁぁぁぁぁぁ!?」


「・・・・・これでいいだろ」


「良くないわよっ!」


「・・・・・次は―――」


「もう出させないわ!」


「・・・・・」


ドゴンッ!


「あうっ!」


―――と、フェイントを掛けて川神一子の額にデコピンを食らわす。大蛇と虎を影の中に戻して

席に座り空を眺める


「ぅぅぅ・・・・・。痛いよぅ・・・・・」


「ちょ、あんた!ワン子はただ挨拶をしてもらいたくて―――」


シャアアアアアアアア・・・・・


「ひっ!」


「・・・・・エサにするぞ」


「・・・・・っ」


「スイーツ、あんな奴に関わるなよ。命が幾つあっても足りねぇぞ」


「本人も近づくなって言っているんだ。その通りにすればいいんだよ」


「・・・・・豊臣秀吉と二次元をこよなく愛するオタクの言う通りだ。俺に近づくなよ」


「俺は豊臣秀吉じゃねぇ!福本育郎だ!猿が同じだからって違う名前で言うんじゃねぇよ!」


「・・・・・覚える価値も無い人間に有名な武将の名前で言っているんだ。有り難く思え」


「な、何だとぉ!」


「・・・・・まあ、俺が好きな武将は織田信長と曹猛徳だがな」


「誰もそんな事聞いていねぇぇぇぇぇ!」


「山猿供!うるさいのじゃ!」


「げっ、2−S・・・・・」


教室に乱入して来た着物姿の少女。全員、その少女に視線を向けた。・・・・・屋上に行くか


「さっきから此方達のクラスまでギャーギャーと山猿供の鳴き声が聞こえて敵わんのじゃ!腹が空いて

エサが欲しいのなら山に帰るのじゃ!」


「腹なんか空いてねぇよ!」」


「それに俺達の所為じゃないんだぞ!全部、兵藤の奴が―――」


「・・・・・いないではないか」


「はっ?・・・・・あっ!何時の間にかいねぇし!」


「お主等・・・・・。自分のした事を棚に上げて此方達と同じ高貴な兵藤の所為にしようなどと・・・・・

よくとまあ、見下げた事をするのう。落ちるところまで落ちたようじゃのう」


「違う!本当だって!」


「言い訳をするなどと見苦しいのじゃ!」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――昼休み 屋上


「・・・・・そいつはご苦労様だな」


「他人事みたいに言わないでくださいな。こっちは苦労したんだぜ?」


「燃え上がった業火の炎を消すのにはそう簡単ではありませんでした」


「・・・・・これで俺に近づかなくなって欲しいもんだなぁ・・・・・」


「そしたら一誠を独占できるるる〜♪」


「しかし、学友との中がより一層に悪く成るで候・・・・・」


「・・・・・学友?なにそれ、美味しいのか?」


「一誠さん・・・・・」


「・・・・・何時も言っただろう。『俺は孤独になりたいんだ』と、別に俺は友達なんて欲しくはない」


「「「「・・・・・」」」」


「・・・・・まあ、お前等が何時も俺の傍にいるから中々に孤独にはなれないけどよ」


「当り前ですよ。私達は一誠さんの味方ですから傍にいるのは当然の事です」


「僕はイッセーの事が好きだからずっと一緒にいるのー」


「若の言う通りだぜ、一誠さん。若とユキと一緒にどこまでもお供するぜ」


「私はまだ一誠さんに恩を返していないで候。それに一誠さんの事をもっとよく知りたいで候」


「・・・・・物好きな奴等だな」


一誠は冬馬達の言葉に小さく、小さく笑った。満更ではないことに冬馬達は気付いて嬉しそうに笑った


「(若、一誠さんが笑ったぜ?)」


「(ええ、私達の行動は無意味ではない事に喜びを感じます)」


「イッセーが笑ったー!僕も笑うー!」


「・・・・・(一誠さんって笑うと素敵・・・・・。それに最近、私達の前だけ前髪を上げてくれている

けど、私達と少なからず親しく成っているのかな・・・・・)」


「・・・・・」


「どうしました?険しい表情を突然して・・・・・」


「この屋上に荒々しい気をした大勢の奴等が来る」


バンッ!


「「「「「「「「「「兵藤!」」」」」」」」」」


「おー、人が一杯来たねー」


「嫌な予感しかしないけどな・・・・・」


「・・・・・なんだ?代表として一人前に出て言え」


屋上に続々と入ってきた一誠と同じ2−Fのクラスメート達。その中から一人、一誠の前に出た


「俺が話す」


「・・・・・直江か」


「此処にいる皆はお前の行動に怒り狂っている」


「・・・・・俺は言った筈だ。俺に近づくな、話しかけるなと」


「ああ、そうだな。だが、それでもお前と仲良くしようとした奴がいるんだ。なのに、お前はそれを無化に

した。―――今日もワン子がお前に挨拶をしようとしただけなのにお前は泣かした上に濡れ衣を着させた」


「・・・・・濡れ衣?」


「騒がした原因はお前の所為だというのに不死川は俺達が騒いでいると勘違いして俺達の所為にされて

いるんだよ!騒がした元凶のお前が逃げてな!」


「・・・・・俺が騒がしたのは認める。だが、俺の言う通りにしなかったお前等も悪い。

―――お互い様だな」


「―――謝る気はないんだな」


「・・・・・謝る?何にだ?お前達と喧嘩なんて何時もの事だろう?謝る事なんて何一つない」


「・・・・・皆、Bに移るぞ」


「・・・・・(B?何かの作戦か・・・・・)」


「兵藤」


「・・・・・何だ?」


「俺達と決闘しろ!」


「・・・・・2−F対俺で?」


「ああ―――と言いたいが決闘にルールを付けたい」


「・・・・・何だ?」


「一つ、制限時間は30分、二つ、俺達は助っ人一人を呼ばせてもらう。三つ、今回の決闘に勝った勝者は

敗者に何でも言う事を聞く事。それがルールだ」


「・・・・・勝利条件は?」


「制限時間以内に全員を倒すことだ」


「・・・・・こっちも一つだけ提案を聞いてもらうぞ。いいな?」


「・・・・・どんな提案だ」


「―――川神百代を助っ人として呼ぶ事を禁ずる」


「「「「「―――っ!?」」」」」


「・・・・・それを承諾するなら川神百代以外の奴なら誰でも好きなだけ呼んでいい」


「・・・・・分かった。お前の提案を呑む」


「・・・・・じゃあ決闘は放課後、グラウンドで集まってこの学園全体に決闘の場としよう。何処に

隠れても制限時間まで一人でもいたら負けだ」


「・・・・・良いんだな?」


「・・・・・二言は無い」


「分かった。それじゃあ―――」


「・・・・・そうそう、俺と闘う奴は赤い腕章を付けるようにしろ。―――間違って違う奴の骨を粉々に

でもしたら大変だからなぁ?」


「「「「「「「「「「―――っ!?」」」」」」」」」」


「・・・・・更に言えば今まで参加していない奴に腕章を付けさせてみろ。お前等一人残らず骨という骨を

粉々にしてコンニャクみたいにする。これは脅しではないからな」


「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」


「決闘に観戦客は不要だな。放課後、俺とお前が指定した奴以外は全員、学校から出て行ってもらおう」


一誠は不敵の笑みを浮かべてそう言い放った



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――放課後 グラウンド



「・・・・・おー、いるいる。これが俺と闘いたい奴らか」


「全く、等々こうなってしまったか」


「・・・・・鉄心、その物言いはこうなると踏んでいたな?」


「お主のその行動を見れば一目瞭然じゃよ」


「・・・・・百代、鉄心。学校の中に残っている生徒はいるか?」


「いや、人っ子一人もいないさ」


「ワシも百代と同じじゃよ」


「じゃあ、決闘を始める前にルールを説明するネ!」


マイクを持った体育教師が口を開いた


「制限時間は30分!勝利条件は一人でも制限時間以内に残っていれば勝利ダ!異論はないネ?」


「ああ」


「・・・・・ああ」


「それじゃあ、試合―――開始!」


決闘の開始の宣言が告げられた。一誠に挑戦する生徒達は―――金色の結界に閉じ込められてしまった。


「なっ!?何なんだよ、これ!」


「これじゃあ学校に入れないじゃないか!?」


「くそっ!この金色の壁・・・・・ビクともしないぞ!?」


「・・・・・この結界はお主の仕業かのぅ?」


「・・・・・ああ、そうだ。バラバラになられるより一ヵ所に集団で集まってくれたほうが効率良い。

―――更に」


―――刹那、結界に閉じ込められた生徒達が突然、口から泡を吹いて次々と地面に倒れて気絶していった


「今のは・・・・・威圧を放ったのか」


「・・・・・御名答、これで一気に数が減ったな。流石に全員は無理だったか」


「お主は本当に強いのぅ」


「・・・・・当然だ、無制限ならのんびりと倒すつもりだったが制限時間だ、速く終わらせる」


一誠は人差し指を上に指した瞬間、気絶していない生徒だけを結界ごと持ち上げて気絶している生徒と分けた


「ほう、凄いのぅ。そんなこともできるとは―――」


「爆」


ドオオオオオオオオオオオオオオオンッ!


結界の中で大爆発が発生した。


「おいおい、結界の中で大爆発を起こすなんて・・・・・」


「・・・・・この方が手っ取り早い・・・・・まだ意識がある奴がいるのか」


気絶した生徒が次々と結界から抜け落ちると同時に未だ、結界に残っている生徒の気を感じ呟く。


「・・・・・この気・・・・・マルギッテと小島ともう一人か」


結界の中の煙が晴れるとボロボロの状態の小島とマルギッテと一人の女子生徒が肩で息をして跪いていた。


「・・・・・」


徐に指をパチンと鳴らした。その音と同時に結界が光輝き、結界の中にいる三人の傷を癒しながら

グラウンドに戻した


「むっ、何故に傷を癒すような事をする?」


「マルギッテと小島は俺と何時か闘う事に成っていた。あの女子生徒はあの攻撃の中で耐えきったから

強いとみて傷を癒したんだ」


「まゆまゆの奴、凄いな・・・・・」


「・・・・・百代、あいつは誰だ?」


「黛由紀江、『剣聖』や『幻の黛十一段』と称されている父親の娘なんだ」


「・・・・・なるほど、百代の次に強そうだな」


「おっ、やっぱり分かるか?」


「・・・・・今度、あいつと決闘を申し込んでみようか。面白そうだ」


-18-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




真剣で私に恋しなさい! Original Sound Track ~真剣演舞~
新品 \2609
中古 \1435
(参考価格:\3000)