小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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「・・・・・さて、残り時間は20分ぐらいか、一人五分で闘えば良いな」


「どうして私達の傷を癒したのですか・・・・・あのまま爆撃を続けていれば貴方の勝ちの筈です」


「・・・・・忘れていないか?」


「何?」


「・・・・・お前と小島は俺と何時か闘う事に成っていただろう。俺の攻撃を耐えきっていたし万全の状態で

闘う事を俺は望んで傷を癒したんだ」


「覚えていたのか」


「・・・・・一対一で闘おう。小島、お前からだ」


「先生と呼べ!」


小島梅子の鞭が一誠に向かった。冷静に軌道を読みかわしながら前へと歩を進む


「―――ならば!」


「・・・・・?」


小島梅子は鞭を新体操のリボンみたくクルクルと回転させる。鞭はやがて一つの塊となる


「・・・・・犬?」


「犬神!!!」


鞭で作られた犬は一誠に体当たりするように動く


「・・・・・お手」


一誠は犬の躾の真似をすると鞭で作られた犬は意思を持っているのか途中で止まり一誠の手に手を置いた


「・・・・・お代わり」


反対の手を一誠の手に置いた


「・・・・・伏せ」


そう指示すると犬も伏せた―――刹那


ドガンッ!


伏せた犬を思いきり蹴った。その衝撃に鞭が解けて元に戻った


「・・・・・今、鞭で作った筈の犬が勝手に動きましたよね?」


「私自身も信じられない光景を見たのだが・・・・・」


「・・・・・」


「・・・・・さて、面白い物を見せてくれた礼に俺も面白い物を見せよう」


一誠が横に腕を突き出した。空間が歪みだして穴が広がってそこに腕を突っ込ませると穴から黒い剣を

取り出した


「・・・・・確か、剣術も扱えるとか言っていたな。―――それより、今どうやってその剣を取り出した?」


「・・・・・時間が無いから直ぐに終わらす。もう少し闘いたかったけどな」


黒い剣が意思を持ったようにうねり始め、神速の速さで宙を無軌道に激しく動きながら小島梅子の方へ

向かった。対して小島梅子は驚愕しながらも鞭で防御壁を作り黒い剣先に直撃しないように防いでいく


「なっ!?なんだ、この剣は!連結刃か!?」


「・・・・・惜しいな。まあ、教えはしないけど名前だけは教える。

―――この剣の名前はエクスカリバーだ。正式な名称はエクスカリバーオルタだがな」


「エクス・・・・・カリバー!?」


「英雄、騎士王アーサー・ペンタゴンが使用していたと言われている剣が実在していたなんて・・・・・!」


「・・・・・元の色に戻すか」


エクスカリバーオルタを掴んでいる手に金色のオーラが纏った。握っている柄から剣先まで黒から青と

金色の色へと変わっていく


「何て神々しい剣なんだ・・・・・」


「・・・・・こいつは聖剣エクスカリバーとも言う。小島、少しの間だったが終わりだ」


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


エクスカリバーの刀身に金色の光が奔流と化となって纏った


「―――最終奥義、九尾狐!」


小島梅子は必殺技が来ると察知して瞬時で鞭を振るい、巨大な一つの塊にした。それは九本の尾を持った

巨大な狐だった


「・・・・・懐かしいな」


「何?」


「・・・・・約束された勝利の剣!」


「っ!はああっ!」


鞭で作られた巨大な九尾と金色の光の斬撃が直撃した。―――が、それは一瞬で決着がついた。光の斬撃に

鞭は消滅してそのまま小島梅子を呑みこんだ


「・・・・・また、闘おうな。・・・・・次はマルギッテ、お前だ」


「ええ、かかってきなさい!兵藤一誠!」


「―――もう来たぞ」


「っ!」


一拍してマルギッテの目の前に何時の間にかいた一誠が呟いた。


「・・・・・」


「Hasen!Jagd!」


マルギッテはトンファーを振るい一誠に直撃させようと突き出すが、一誠の拳によって粉砕された


「―――わ、私のトンファーが・・・・・!」


ドゴンッ!


「・・・・・最初から本気か全力で闘わなかったのが敗因だったな」


「・・・・・っ!?」


「・・・・・もう一回」


マルギッテの腹部に突き出した拳を引くとその場で駒のように回ってもう一度マルギッテの腹部に今度は足を

突き刺した。遠心力がついた蹴りはマルギッテを学校の壁まで吹っ飛ばすには十分過ぎていた。

壁にぶつかって止まるかと思えば壁を突き破って学校の中に入っていった


「―――最後は黛由紀江」


「・・・・・っ」


「・・・・・お前にはこいつ等で相手をしてやろう」


右手は胸にぶら下げていた大剣のストラップを外して巨大化にして持ち、左手にはドス黒いオーラが集束して

漆黒の大剣へと形になって現れて一誠は手にした


「二つの大剣・・・・・ですか」


「・・・・・『封龍剣「神滅龍一門」』と『龍喰者の究極龍殺し』」


「・・・・・」


『やっと私の出番が来たか』


『久々に暴れちゃおうよ!』


『あ、あの大剣が喋ったぜぇー!?』


「あわわ、松風と同じ九十九神なのでしょうか!?」


『『違うっ!』』


「ひぃっ!ごめんなさい!」


「・・・・・」


ガゴンッ!


「少し、黙れ」


『『はい!申し訳ございません!』』


一誠が二つの大剣と大剣をぶつけてドスが籠もった声音で黙らした


「あ、あの・・・・・」


「・・・・・話は無用だ。行くぞ」


瞬時で黛の目の前に移動して大剣を振り下ろした。


「くっ!?」


ガキンッ!と刀で受け止めて横に逸らし一誠に斬りかかるが、もう一つの大剣で防がれた


「―――はは、やるな」


「お、重い・・・・・!」


「・・・・・そら、もっといくぞ!」


「負けませんっ!」


ガギッ!ガガガガガッ!ガギッ!ギギンッ!ガギギッ!


「おおおおおおおおおおおおおおおおっ!」


「せいやぁぁああああっ!」


激しい剣戟が繰り広げる。何時しか一誠の表情は笑みを浮かべていた


「はははははっ!久しぶりだ、本当に久しぶりだ!剣で此処まで俺についてこられる奴は

本当に久しぶりだ!」


「くっ・・・・・!私も驚きです、まさか男性の方で此処まで

剣術を身に付けている人がいるとは・・・・・!」


「―――だが、そろそろ終わりにしよう」


「ええ・・・・・」


二人は距離を離れて気を集中して高め始めた。―――刹那、同時に跳び込み距離が縮み


ザンッ!


擦れ違う際に斬った。剣と大剣を振り切った状態で二人は動かずにいた。


「・・・・・」


「・・・・・」


一拍して


「・・・・・お前、強いな」


「・・・・・先輩もお強いです」


一誠の腕がボトリと大剣を持った状態で地面に落ちていた


「・・・・・だが、俺の勝ちだ」


「・・・・・」


ドサッ!


黛が地面に倒れると刀も二つに折れた


「―――そこまで!勝者、兵藤一誠!」


「・・・・・はぁ、鈍ったな。帰ったら鍛練をしないとヤバそうだ」


勝利の喜びよりも嘆息して切断された腕を見て呟く。


「「「一誠さん!」」」


「「一誠!」」


「・・・・・?」


「一誠さん!直ぐに病院に行くで候!」


「・・・・・病院?何でだ?」


「腕が斬り落とされているのに何言っているんだ!?」


「・・・・・ああ、これ?」


「ていうか、痛みを感じていないのか!?」


「・・・・・慣れた」


「慣れるものじゃないで候!」


「・・・・・」


無言で空間を歪ませて穴を広げると、手を入れて何かの瓶を取りだした


「・・・・・冬馬、これ持っていろ」


「これは・・・・・?」


「・・・・・準、大剣を持ってくれ」


「おいおい、そんなことしている場合じゃ―――って重!?この大剣、かなり重い!」


「・・・・・よっと」


「は、放してもいいですかね?」


「・・・・・地面に突き刺してくれ。ユキ、手伝ってくれ」


「はいはいほーい!・・・・・重ーい!」


「そんなに重いものなのか?ちょっと貸してみろ」


「お、お願いします」


「・・・・・これ、私でも重たく感じるぞ・・・・・。こんなものを一誠は振り続けていたのか?」


「・・・・・冬馬、蓋を開けて腕に振りかけてくれ」


「こうですか・・・・・?」


冬馬に渡した瓶の蓋を開けてもらって中に入っていた液体を一誠が斬り落とされた腕と腕の断面をくっつけた

場所に振りかけた。液体は傷口に染み込むと煙が立ち昇り、傷が元に戻って斬り落とされる前の状態に

戻った。完全に治ったか手のひらを開いたり閉じたりして腕の調子を確かめる。―――最後は


ドゴオオオオオオオオンッ!


グラウンドに殴りつけて確認した。その際に数メートル程のクレーターが生じた


「・・・・・二、三日すれば元に戻るか」


「・・・・・えっと、さっき斬り落とされた腕だったよな?」


「ええ、確かにそうですね」


「斬り落とされた腕って直ぐに治るものじゃないよな?」


「指ぐらいの物でしたら神経や、血管などを縫い合わせ骨を繋ぎ合わせて数カ月すれば元には戻りますが、

切り落とされた腕は現段階の医療では元に戻すことは不可能に近いです」


「だよな?だけど、あの液体を振り掛けただけで、もう絶好調な程まで回復しているぞ?グラウンドに

クレーターを作るほどに・・・・・」


「・・・・・きっとこの瓶に入っていた液体が原因なんでしょうね」


葵紋病院に勤める親の息子の二人が疑問視する


「イッセー、腕。大丈夫?」


「・・・・・ああ、しばらくしたら大丈夫だ」


「一誠さんは本当に強いで候・・・・・。剣もあんなに上手いとは驚きで候」


「というか、この重たい大剣を良く軽々とまゆまゆと渡り合えたな!?」


「・・・・・まぁな」


大剣を百代から取り大剣のストラップに戻して首に掛けて黒い大剣も役目を果たしたとばかりに

一誠の手から消えた


「さて、兵藤。壊れた学校を直し、傷ついた生徒と教師を治してもうぞい」


「・・・・・はいはい、分かっている。皆も手伝ってくれよ」


数分後、一誠の力によって学校が元に戻り、一誠に倒されて傷を負った生徒と教師達の傷も完治した。


「さて、兵藤。ルールでは勝者は敗者に一つだけ何でも言う事を聞かす権利はお主の物に成ったが

何を言い渡す?」


「・・・・・冬馬、お前に権利を譲る」


「私に?」


「・・・・・俺には不要だ。どうでもいいし」


「分かりました。学園長もそれでよろしいですか?」


「うむ。勝者がそう言うのならワシは何も言わんよ」


「・・・・・では、一誠さん」


「・・・・・ん?」


「一誠さんから貰った権利を使います」


「・・・・・嫌な予感がするんだが」


「ふふ、一誠さん。貴方の口から秘密をお話してください。まあ、既に一誠さんの秘密は既に

私達は知っていますが・・・・・」


「・・・・・は?」


「強引には聞きません。決心した時でも良いですのでお話しください」


「・・・・・今、俺の秘密を知っていると言ったな?」


「はい、間違いなく」


「・・・・・一応聞くが、どうやって知った・・・・・」


「矢場先輩と一誠さんが話してくれたとある男の過去の話です」


「・・・・・ユミ」


「ごめんなさい。だけど、一誠さんが話してくれた過去の話を聞いて

話せずにいられなかったで候・・・・・」


「・・・・・はぁ、やっぱり失敗したな」


「なあ、話が全然見えないんだけど・・・・・」


「ワシもじゃ」


「私もネ」


「・・・・・お前等には絶対に教えない。百代は別として」


「なんじゃい、気になるのぅ・・・・・」


「・・・・・何時か知る時が来るさ、・・・・・何時かな」


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