小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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決意




俺が異世界に到着して数秒。俺の視界に入ったのは・・・・・戦闘機同士が撃ち合いをして直撃した戦闘機が

大海原へと墜ちていく光景だった


「あれは・・・・・ゼロ戦・・・・・?」


『それも戦争しているようだな』


「じゃあ、この世界は俺がいた世界と同じ世界・・・・・?」


『パラレルワールド、並行世界とも言える世界に飛ばされたかもな』


「じゃあ・・・・・この世界はもしかしてガイアたちがいる世界か?」


『似て非なる世界だ。必ず、あいつ等が同じだと思わない方が良い。そもそも、この世界に冥界、

天界があるかどうかする怪しいぞ』


そう・・・・・だよな


『まずは身の状況を確認するべきだ。私とトカゲどもはお前と話すことはできるとは解った。

―――神器と神滅具は使えれるか?』


「・・・・・『幻想殺しの籠手』、『無限創造神龍の錫杖』」


二つの神滅具の名を呼ぶ、―――左手に黒い籠手が装着し、右手には金色の錫杖が発現した。


「―――禁手」


神愛護珠の禁手の状態に成ってみる。―――金色の長髪に金色の六対十二枚の翼、頭に金色の輪が出てきた


「うん、問題ないようだな」


『それは何よりです』


『主』


「ん?」


『こっちに向かってくる物体があるが・・・・・どうするのだ?』


ゾラードの言葉に首を動かす。とある場所に視線を向けるとゼロ戦じゃない戦闘機が俺に向かって飛来してきていた


「・・・・・この戦争に日本はアメリカに負けていたな。―――なら」


戦闘機が機銃を撃ってきた。弾の軌道を読んでかわしながら戦闘機へ向かって


「歴史は変わるけど俺がこの戦争を止めるとしよう」


戦闘機の右翼を殴り壊した。バランスが取れなくなった戦闘機は大海原へと墜ちていく


「メリア、ゾラード、―――サマエル。日本の敵を全て倒すぞ」


俺を中心に一瞬だけ膨大な閃光が発した。光が収まる頃には獰猛そうなドラゴンと金色のドラゴン、

上半身が人間に赤い翼を生えていて下半身が東洋のドラゴンのような長細い尾を持ったドラゴンが俺の周囲に

浮かんでいた


『よろしいのですか?主がいた世界―――ガイア達の許へ帰らないのですか?』


「既に俺を吸い込んだ穴は閉じている。帰る方法はこの戦争を止めてからでも遅くはない」


『全部壊しても良いの?』


「俺が言う物以外の物ならいいぞ」


『わーい!遊び放題だ!』


『暇つぶしぐらいには成るだろうな。・・・・・主、あの機械は破壊して良いのか?』


一機の戦闘機がこっちに機銃を放ちながら飛んできた


「いや、あれは駄目だ。あれが日本の戦闘機なんだ。日の丸のマークが見えるだろう?」


『・・・・・ああ、確かに見える。なら、破壊してはいけないな』


一機の戦闘機―――ゼロ戦に道を俺達は開けた


「さぁて、パーティは人数が多いに限る」


俺は封龍剣を巨大化にして巨大な魔方陣を展開した。


「―――お前等も存分に楽しむと良い」


『――――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!』


「俺の記憶を見て日本の敵を倒してこい」


巨大な魔方陣から続々と飛行能力を持つモンスターやドラゴンが出てきた。俺の記憶をゾラード達に送り

戦場と化となっている場所へと俺達は飛来した



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「くっ!しつこいな!?」


『はっはっは!流石に思い通りには行かないか!』


「笑っていないで背後の敵機を落としていろよ!」


『こうしている間にも無駄弾を放っているぜぇ!?』


ガガガガガガガガガッ!


あー、聞こえているよ!たくっ、今日はついていない!よりによって何で俺達が数機の戦闘機に

追いかけられるんだよ!?


『・・・・・』


「・・・・・?」


不意に何時も笑いながら機銃をぶっ放すあいつから声が聞こえなくなった。・・・・・死んだのか?


『・・・・・なぁ、俺は夢を見ているのかな?』


「はあ?何言っているんだよ?」


『・・・・・だってよぉ。―――俺の目に大量の怪獣達が空を飛んでいるんだぜ?しかも、俺達を追いかけ

回していた敵を墜としたんだぞ』


「・・・・・何だと?」


相棒から発する言葉に訝しんだ。怪獣?怪獣が敵を墜としただと?そう思った―――刹那だった。突然、

俺の体に影が差したんだ。俺は上空に何かがあると冷汗を流しながらゆっくりと上に顔を向けた。

―――俺の上に巨大な翼を羽ばたかせる大きな金色の身体の怪獣が飛んでいた


『・・・・・なあ?そっちも見えただろう?』


「・・・・・俺達、死んだかもな」


『ああ、こりゃあ死んだな』


相棒の声が何か悟ったような声音だった。俺も心から死を覚悟した。まさか怪獣に殺されるとは

思わなかったな・・・・・


『おい、何勝手に殺されると思っているんだよ』


「・・・・・・は?」


『俺はお前等、日本の味方だ。序でに言うとこの空に飛んでいる怪獣達も全部味方だ』


俺が乗っているゼロ戦の外―――空に金色の翼を羽ばたかせている人間が俺に話しかけてきた。

俺は夢を見ているのか・・・・・?人が、空を、飛んでいる・・・・・


『ん、敵が来たようだな。信じられなさそうな顔をしているからその味方である事を証明してやるよ』


そう言って一人の男が突然、炎に包まれた。炎が少しずつ形に成って巨大な鳥へとなった。

火の鳥・・・・・!?目を大きくして信じられないものを見た俺に気づいていないのか炎の翼を羽ばたかせて

目の前にいる敵機に突っ込んで行った!敵機は炎の翼に当って爆発を起こしたぞ!?


「・・・・・」


『おい、どうしたんだよ!応答しろよ!』


相棒から呼ばれるが俺はそんなことはどうでもいいほどにあの火の鳥に魅入ってしまった。

火の鳥はまたこっちに戻ってきた


『これで分かっただろう?』


「・・・・・ああ」


『数匹はお前達を守らせるようにしてある。―――じゃあな』


火の鳥は巨大な金色の体の怪獣の横に並ぶとこのゼロ戦よりある速度で飛んでいった。火の鳥の言う通りに

俺の周りに怪獣達が俺達を守るように一緒に飛んでいる


「・・・・・相棒」


『やっと応えたか!で、なんだよ?』


「・・・・・この戦争、もしかしたら勝てるかもしれないぞ」


『・・・・・はっ?』


「―――勝利は俺達、日本だああああああああああああああ!」


『お、おい?』


「誰だか知らないがありがとうよ!心から感謝するぜ!」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



『わーい!壊し放題だぁ!』


『簡単に壊れてつまらないがな』


海に浮かぶ船を持って僕は遊んでいた。人間が船の中にいたけど別にどうでもいいや


『えい!』


船を圧し折ってみた。その瞬間にボンッ!と爆発が起きた!アハハ!面白いなぁ!


『サマエル、ぶつけ合ってみよう』


『さんせーい!』


まだ、壊れていない船を掴んでゾラードに向かって投げた。ゾラードも僕に船を投げてきたけど僕が投げた

船とぶつかってもっと大きな爆発が起きた!


ドンッ!


『んー?』


海の中から僕の体に何か当った。気に成って海に潜ると黒い筒のようなものを見つけた


『どうした?』


『海の中に黒い筒のようなものを見つけたんだ。壊していいのかな?』


『分からないのならば主に聞いてから壊すんだな』


『うーん、取り敢えずは捕まえようかな』


また海の中に潜って黒い筒のようなものに接近した。そしたら黒い筒からつまようじみたいなものを

撃ってきた。


『ほい』


軽々とそれを避けて黒い筒のようなものを掴んだ。海から顔を出して掴んだものを見詰める。んー、

日の丸のマークが無いなぁ・・・・・。爪で裂くと中は人間が複数いた


『ねえ、キミたちは日本人かな?』


「な、なななななな!?」


『そうじゃないのならグシャグシャにして丸く潰すけど・・・・・』


「に、日本人だ!だ、だから食べないでくれ!」


『不味そうな人間を食べる訳無いじゃん。あー、どうしよう。一誠に怒られちゃうな・・・・・』


『だから言っただろう。主に聞いてから壊せと』


『んー、取り敢えず人間を人間の仲間のところに連れていくね』


『迷子になるなよ?』


『はーい!』


すいすいと黒い筒を持ちながら泳いで人間の仲間のところに送りに行く。うーん、気持ちいいなぁ・・・・・



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「はっ!」


戦闘機と擦れ違う際に封龍剣で翼を斬った。翼を失くした戦闘機は海に墜ちる


「んー、大体は墜としたかな?」


『さあな。だが、この辺りの敵の気配も感じなくなった』


「そっか。じゃあ、一先ずは戦争は終わったか(ゾラード、メリア、サマエル。そっちは?)」


『(船を全部壊したよー!)』


『(サマエルと同じく)』


『(念のために海に浮かんでいる残骸と海に沈んだ船の残骸を全てゾラードに消滅してもらい、

生きている敵の人間は捕まえています)』


「(分かった。それじゃあ日本に集合しよう。モンスターとドラゴンは帰るように伝えておいてくれ)」


『『『(了解)』』』


三匹にそう言い俺も日本へ向かった。大天使化になったまま俺は日本に向かうと途中でゾラード達と

合流するとメリアの体の上に大勢のアメリカ人が乗っていた。メリアの身体に乗り移り、頭を垂れ下げている

一人のアメリカ人に(英語で)話しかけてみる


「よう、気分はどうだ?」


「・・・・・?―――エンジェル・・・・・!?」


「エンジェルが我々の前に姿を・・・・・!」


「何と言う神々しい姿だ・・・・・!」


「おおっ・・・・・!」


「本当にいたのだな・・・・・エンジェルが!」


「質問だ。お前達、このまま死にたいか?それとも生きたいか?一つだけ選べ」


「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」


「仮に死にたいのなら俺が痛みも苦しみも無く死なせてやる。生きたいなら俺がお前達を救済しよう。

俺にはその力がある」


「我々を救済するだと・・・・・?」


「俺は天使だぞ?救済できないでどうする。で、死にたいか?生きたいか?」


「・・・・・我々は母国の為に戦っている。死なんてとうの昔に覚悟をしている」


「・・・・・じゃあ、お前達を待つ家族、恋人、友人が悲しんでも死んで良いんだな?」


「っ!?」


「確かにお前達は母国を愛し、母国の為に戦っているのは承知している。だけど、母国より

大事な物はあるだろう!?」


「そ、それは・・・・・!」


「お前達を想う人々の為に俺はお前達を救済すると言っているんだ!お前達の死がお前達を想う人達を

悲しませ、お前達の死を引き換えにこの戦争に勝利しても

母国は喜ぶどころか悲しむことを何故解らない!?」


「「「「「「「「「「―――っ!?」」」」」」」」」」


「今回死んだ戦友達の中にもお前達の大事な友や親友、家族がいたはずだ。お前達はそいつらの死に

涙を流さない情が無い人間じゃないだろう?」


「「「「「「「「「「・・・・・っ」」」」」」」」」」


アメリカ人達は静かに泣き始めた。俺の言葉が心に届いたようで良かった・・・・・


「俺がお前達を絶対に助けてやる!それだけじゃない、俺はこの戦争を何が何でも止める!」


「「「「「「「「「「な・・・・・っ!?」」」」」」」」」」


「俺は戦争が嫌いだ!何より幸せに家族と暮らせる筈の人々が戦争で死ぬなんて俺はもっと嫌いだ!

だから俺はこの戦争を止める!絶対にだ!」


「・・・・・エンジェル、あなたは本当にこの戦争を止められるのか?」


「止められるんじゃない、止めるんだ。―――俺はその力がある。この地球に住む人類達は

幸せになるべきだ」


「・・・・・その言葉、信じても良いんだな・・・・・?」


「この戦争は直ぐには止められない。そこまで深刻な状況に成っているんだ。何年掛かるが

分からないが俺は戦争を止める気でいる」


「・・・・・私に何か手伝える事はあるか?」


「た、大将殿!?」


「・・・・・お前、大将だったのか?」


「ああ、だが元だ。このドラゴン達に艦を沈められたのだからな」


一人の老人アメリカ人が話しかけてきた。―――よく生きていられたな。感心するぞ


「それに私は死んだとも言える。このまま日本人に降伏して捕虜になるよりは私はエンジェルに

従っていた方が断然、お前達の為にもなると思う」


「従うって俺は別に部下にしようとなんて思っていないぞ?」


「キミが私の部下達の為に助けてくれようとしているのだ。なら、私もその例としてエンジェルの

手伝いをしたいのだ」


「―――母国を裏切る行為をするかもしれないんだぞ?」


「心痛むがそれも母国の為だと思えば何とでもない」


「俺と付き合うとその身が持たなくなるぞ?」


「ハハハ、これでも体が頑丈の方だ。多少の事なら大丈夫さ」


「もしかしたら味方に銃を突き付けられるような事になるかもしれないぞ?」


「その時になったら私は躊躇わずにエンジェルを盾にする!」


「俺を盾にするのか!?」


「するとも!」


大将とは思えないほどの言葉に俺は唖然とした。・・・・・だが、同時にこいつは面白いと思って俺は

口を大きく開けて笑い出してしまった


「・・・・・はっはっはっ!―――お前、面白いな!」


「ふふふ、それほどでもないさ」


「気に入った。俺の手伝いをしたいのなら勝手にすれば良い」


「勿論そうさせてもらうよ。エンジェルの手伝いをしたら加護が得られるかもしれないからね」


「本命はそっちか?まあ、どうでもいいことだ。だが、―――俺の手伝いをするならお前には

こうなってもらう」


指をパチンと鳴らすと大将の身体が光に包まれて見る見るうちに若返っていく


「こ、これは・・・・・」


「歳で言うと二十歳にまで若返らせてもらった。年寄りに手伝わせるなんて俺は嫌だからな」


「私が若返る時が来るとは・・・・・」


「さて、お前の部下達は日本の総理大臣と話を付けてから母国に送り届ける。それでいいな?」


「ああ、そうしてくれると助かる」


「大将!」


「うん?若返った私に今でもそう呼んでくれるのか?」


「どんな姿であろうとも大将は大将!―――大将、俺もエンジェルの手伝いをさせてください!」


「「・・・・・なんだと?」」


「俺もです!大将とならどこまでも!」


「私もです!」


「自分もついていきます!」


大将の部下であろうアメリカ人が挙手をしながら「大将についていく!」

「エンジェルの手伝いをさせて欲しい!」と言ってきた


「お前達、エンジェルにも言ったように家族と恋人が母国にいるのだろう。母国に帰れば会えるのだぞ?

私はお前達の幸せになって欲しいのだ」


「俺は何もしていないまま帰れるわけにはいきません!もっと何か凄い事をしてから堂々と

胸を張って家族に帰ろうと思っています!」


「エンジェルと共に世界を止めるまでは帰りません!」


「自分もです!幸せは平等にあるべきと自分はその言葉に感動しました!」


「・・・・・はあ、お前等は・・・・・」


「良い部下じゃないか」


「こいつ等はこうなると頑固になって下がろうともせずに自分を曲げようともしないバカな部下だぞ」


「あー!その言い草はないですよ!」


「そうだそうだ!ハゲ大将!」


「誰がハゲ大将だ!今は見ての通りにフサフサだ!」


「・・・・・あ、そうだった」


「「「「「「「「「「あっはっはっは!」」」」」」」」」」


メリアの体の上に笑いが起こった。大将は嘆息したが直ぐに苦笑を浮かべた


「エンジェル。こいつらはこう見えてもどいつもこいつも良い奴らだ。どうか、こいつらも私と同様に

エンジェルの手伝いをさせてはもらえないだろうか?」


「「「「「「「「「「エンジェル、お願いします!」」」」」」」」」」


「はあ・・・・・、・・・・・しょーもない。分かったよ。死ぬまで扱き使ってやるからな!覚悟しろよ!」


「「「「「「「「「「上等だぁ!コンチクショウォォォォォォッ!」」」」」」」」」」


ガイア、皆。どうやら俺はこの世界でも賑やかに暮らせそうだ。俺は皆の許へ帰れる方法を見つけ出す。

見つけたらすぐに皆の許へ帰るよ。だから、それまで待っていてくれ・・・・・




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真剣で私に恋しなさい! Original Sound Track ~真剣演舞~
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