小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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六月十七日(水)



―――昼休み


「・・・・・」


「・・・・・」


「・・・・・ん、上手いぞ」


「・・・・・!」


「女の子の手作りお弁当を毎日食べれるなんて羨ましいですねぇ」


「・・・・・その可愛らしい弁当は一体誰のものか言ってから言ってもらおうか」


「可愛い女の子が作ってくれたお弁当ですよ」


「・・・・・燃やしていいか?」


「申し訳ございませんでした」


ゴウッ!と一誠の手の平から業火の炎が出た


「うおっ!炎が出た!」


「おおー」


「・・・・・ついでに面白い物を見せてやるよ」


「あっ、炎の形が変わっていく・・・・・」


「・・・・・鳥?」


「・・・・・火の鳥だ」


業火の炎が鳥の形に成り一誠の手の平から翼を羽ばたかせて周囲を飛ぶ


「綺麗ですね・・・・・」


「幻想的だな・・・・・」


「不死鳥って言われているんだよね?」


「すごーい!」


「一誠さん、他にも何かできるで候?」


「・・・・・じゃあ、これだな」


突然、屋上に膨大な量の水が集まりだして一誠達を閉じ込めた。冬馬達は目を見開かすが一誠は気にせずに

立ち上がって水の壁に手を突っ込んで手の先に魔方陣を展開する。魔方陣から小型の魚が勢いよく次々と

出てきた。一誠達を囲んでいる水は魚達が泳ぐ遊泳場となった


「わぁ!水族館みたい!」


「暑さも全く感じなくなった上に泳ぐ魚達を見ながら食べるのも悪くないな」


「可愛いー♪」


「小さな亀もいますね。可愛らしいです」


「一誠さんがする事はどれも印象に残るばかりで候」


「・・・・・そうでもないさ」


「謙遜しちゃう一誠さんは素敵ですよ」


しばらくして冬馬達は食べ終わり、優雅に泳ぐ魚達を眺める。


「・・・・・冬馬」


「何でしょうか?」


「・・・・・飛行能力がついた救急車が出来上がったぞ」


「っ!それはそうですか、ありがとうございます」


「本当に一ヶ月で完成したんだな」


「・・・・・後は病院側と国があの車を認めてくれるか問題だな」


「それなら英雄に任せればよいのでは?」


「・・・・・その手もあったな」


「フハハ!我、降臨である!」


「・・・・・盗聴器でも仕込んでいるのか?いくらなんでも早すぎるぞ」


「英雄はこういう奴だと認識してくださいな」


「むっ、これは何と面妖な。水が屋上を覆っているではないか」


「凄いですね!魚も泳いでいますよ!」


「・・・・・何の用だ?」


「なに、誰か我の名を呼んだような気がしてこの屋上に来たまでの事。そしたら一誠殿達がいるではないか」


「・・・・・まあ、丁度いいか。英雄、お前は商業を総ているよな?」


「うむ。その通りである!」


「・・・・・俺が作った乗り物を使えるかどうか九鬼家で判断してくれるか?」


「一誠殿が作った乗り物・・・・・?それは如何に・・・・・」


「・・・・・放課後になったら見せる」


「分かりました。・・・・・そういえば一誠殿、姉上にしかと届けましたぞ」


「・・・・・そうか、喜んでいたか?」


「何と言えばよろしいか・・・・・。突然、姉上が笑い出したのです。『面白い』と」


「・・・・・一体何が入っていたんだ・・・・・?」


「写真と手紙が入っていたのですが・・・・・」


「・・・・・写真は覚えがある。手紙は・・・・・分からないな」


「では我は去ろう。一誠殿、楽しみにしていますぞ!フハハハ!」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――放課後



「では、一誠殿。貴殿が作った乗り物を見せて欲しい」


「・・・・・少し待て」


「どんな乗り物なのか楽しみです」


「一誠さんの事だからとんでもねぇ乗り物かもな」


「楽しみー」


「そうだね」


冬馬達は一誠が作った乗り物に興味津々で待っていた。―――刹那


「・・・・・ん?急に暗くなったな?」


「ですが、上空にはなにも無いですよ?」


「・・・・・ステルス解除」


「ステルス・・・・・!?」


一誠の呟きと同時に上空に何もない空間から、姿を現わした巨大な物体


「・・・・・デカッ!?」


「おお・・・・・!」


「これは・・・・・」


「おおきいー!」


「凄い・・・・・」


「・・・・・ステルスも搭載してみた」


「いやいや、何ですかこれは!?」


「・・・・・救急飛行車」


「飛ぶ車!?今まで見た事もないよ!」


「・・・・・取り敢えず乗るぞ」


飛行している車の底が複数に開いて寝台車を乗せた土台が降下した


「わっ、車が降りるんじゃなくて寝台車を乗せた台が降りたよ」


「・・・・・より、救助しやすいように作った。これだけ大きな物が道路に置くと邪魔になるからな。

それに道路で走るより飛行した方が何倍も速い」


「確かに、信号を無視しても走行できますが、速度制限がありますからどうしても遅れてしまいます」


「因みに、これは何人まで乗れますか?」


「・・・・・医師を除いて百人まで乗れる」


「もの凄い性能を持った飛行能力を持った車だな」


「・・・・・まあ、これは大災害や戦争時に使用する物だけどな」


「では、他にもあるのですか?」


「・・・・・病人と怪我人を十人まで搭乗できるコレと同じ物を作ってある」


一誠達は寝台車を乗せた台に乗り込み、台と共に飛行する車に上昇した。そして、中に乗り込むとそこはまだ

汚れを知らない純白の機内だった


「へぇ、中は結構広いな」


「・・・・・そういう風に作ってあるからな」


「うむ。このぐらいの広さなら怪我を負った大勢の庶民を治療する事も出来るな」


「・・・・・さて、操作するか」


「え?一誠さん・・・・・動かすことができるんですか?」


「・・・・・俺が造ったんだぞ?」


「・・・・・そうでした」


「・・・・・九鬼財閥極東本部で良いな?」


「うむ。よろしく頼みますぞ」


操縦席に向かう一誠に続く英雄達。操縦席は飛行機のコックピットと似たような電子機器が設置されていた。

席に座る一誠は操縦桿を握り、パチパチとスイッチを上げていく


「うわ・・・・・、本当に一誠さんが造った物なの・・・・・?」


「・・・・・当然だ。さて、行くぞ」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――九鬼家極東本部



「は、速い・・・・・」


「あんなにもの凄い速さで来たのに私達に衝撃を与えなかったよ・・・・・」


「フハハ!凄いではないか!これを世界に知らせれば一目置かれるのは必至!・・・・・むっ、モニターに

映っているのは姉上ではないか、それに九鬼家従者部隊も・・・・・」


「って!武器持っているぞ!?」


「・・・・・英雄、マイクで外にいる奴らに言って止めさせろ」


「了解した。・・・・・姉上!我です!九鬼英雄です!従者部隊に攻撃指示を中止してください!」


「あっ、攻撃態勢が解かれていく」


「危うく攻撃されるところでしたね」


「・・・・・まあ、こんなこともあろうかと天候に左右されずにしてある上にどんな攻撃にも耐えられる

絶対防御のバリアをオートしてあるから大丈夫だったがな」


「何気に一誠さんはそこまで対策してあんだな」


「・・・・・取り敢えず、降りるぞ」


一誠は操縦桿で機体を地面に着陸させるとコックピットの横にあるドアを開け放って折り畳み式の階段を

出して英雄達と共に外へ出た


「英雄!」


「姉上!」


「あの人・・・・・強いね」


「・・・・・やっぱり分かるか?」


「うん、分かるよ」


「英雄、この機体は一体何なのだ?」


「この機体は一誠殿が造った飛行能力が備わった救急車ですぞ」


「一誠が造った・・・・・?」


「・・・・・久しぶりだな。九鬼揚羽」


「・・・・・ああ、こうして会うのは英雄がテロに遭った時以来だな」


「・・・・・もうそんなに経つのか」


「数日間の間だが、楽しい一時だった。そしてまた、こうしてお前と会えた事に我は嬉しい」


「・・・・・」


「一誠。一つ聞くが、何故この機体に乗ってこの九鬼家極東本部に来たか教えて欲しい」


「・・・・・より、人間の命を救うために造った。だが、これを世界に知らせると共に認めさせる

必要がある。そこで九鬼家の力でこの機体を世界に知らせて欲しい」


「その後は我等、九鬼の物にしてもよいと?」


「・・・・・自由にしろ。この機体の詳細と操縦方法、注意事項を印したファイルだ」


手に持っていた青いファイルを揚羽に渡す


「・・・・・量産の声が掛かったら俺に言え、この機体は俺しか造れないからな」


「我等の力では生産できないと言うのか?」


「・・・・・造れるものなら造ってみろ。天文学的な値段に成るだろうけどな」


一誠は携帯を操作しながら揚羽に告げた


「・・・・・そういえば、久遠寺森羅の手紙には何て書いていた?英雄が突然笑い出したと聞いたが」


「ああ、私の事や一誠の事が書かれていた。実に面白い内容だったぞ。―――結婚相手がお前にすると

書いてあったからな」


「「「「「・・・・・え?」」」」」


「無論、我も一誠。お前に好意を抱いている。英雄をテロから救い、私自身も危険から守ってくれたあの時

以来からずっとお前に好意を抱いていた」


揚羽は一誠の前髪を上げて瞳を据える


「ふふ、あいつより先に初めてを奪うのも悪くは無いな。・・・・・少し、緊張するが」


「・・・・・は?何―――」


「ンン・・・・・」


「「「「―――っ!?」」」」


一誠は揚羽にキスされた。人前で堂々と・・・・・


「・・・・・一誠、お前を我の婚約者とする。その為には父上と母上に認められるほどの男に仕上げるぞ。

全国模試で一位だからと言ってそれだけで満足する我ではないからな」


揚羽の衝撃の言葉に一拍して


「「「「「えええええええええええええええええええええええええええええええええっ!?」」」」」


この場にいる全員が声を揃えて驚愕の声音を発した


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