小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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六月十九日



―――空き教室


「・・・・・お前等、俺も此処に連れて何があるっていうんだ?」


「依頼だよ。一誠さん」


「・・・・・依頼?」


「そう。校内で起きた問題とか、人の悩みを聞き解決、練習試合の助っ人を雇われる時がある。

それを依頼と俺達は呼んでいる」


「・・・・・なるほどな、それは面白そうだ」


「おっ、一誠さんも乗り気になってくれたぜ」


「依頼料は食券で候」


「・・・・・食券はいらないけど分かった」


「それはそうと今日の依頼は何だろうかねぇ」


「こっちにゃ暴れたい人がいるんだ。悪いが、今回も競り落とさせてもらうぜ」


少しして二人の教師が空き教室に入ってきた


「今日も、メンバーは集まっておじゃるの。・・・・・一人、珍しい者もおるようじゃが」


「それでは、今日の頼み事を詠み上げるヨ」


「愛という〜名目元に〜ストーカ〜」


「今日の依頼はストーカー対峙だネ。頼み人自ら説明したいって事で来てもらったヨ」


そう言って一人の女子生徒が空き教室に入ってきた。


「こんにちは、1年C組の大和田伊予です。実は、私の元にこんな手紙がきまして」


「麻呂が読み上げるでおじゃる」


麻呂と言った男が大和田伊予に渡された手紙を読み上げる


「伊予、お前が好きで、好きで、好きでたまらない。毎日、キミのグッズを拝借して雄汁を付けて

楽しんでる。僕の愛が届きますように僕の陰毛を送ります」


「うわー、それはかなり気持ち悪い奴だな」


「・・・・・蛇のエサにしてやろうか」


「それはしてはいけないヨ!と、グッズとは私物の事だネ。本件はグッズで統一」


「ストーカーを捕まえて止めさせて下さい・・・・・」


「心当たりはあるのか?」


「いえ、全く・・・・・」


「付けられたりする気配は?」


「それも全く・・・・・、私、自転車が好きなんです。自転車で通学したり移動したりしてるから

尾けてくる人がいれば分かります」


「なるほど、走っての追跡なら目立つからなぁー」


「気味が悪いのがグッズで楽しむって所で・・・・・。別に何も盗られたりしてないんです。縦笛も体操服も

無事です。靴も教室に避難させてます」


「おいおい、無事って言っても、使ってまた戻しているだけかもしれんだろ」


「教室に監視カメラまで仕掛けたけど、映りませんでした」


「自宅に置いてあるグッズかもしれねーよ?」


「自宅には父や母が常にいますし・・・・・、セキュリティの高い場所なので不可能です」


「教室の監視カメラ仕掛けたのを知ってる奴が犯人かもな。知ってるが故に映らなかった」


「カメラ仕掛けたのは女子しか知らないんです・・・・・」


「雄汁って書くからにはレズはねーな」


「その手紙、どこにあったのよ」


「私の空の下駄箱に・・・・・」


「上履き持って帰ってる?」


「はい」


「お前、良く色んな手口思いつくな〜、・・・・・まさか!」


「誤解を受けるような言い方するな!・・・・・って事は、グッズで楽しむのはフェイクじゃね?

君がうろたえるのを見て笑ってるのさ」


「確かにそれはあるかもしれません・・・・・、お願いします。この男を捕まえて下さい!」


「頼み料は上食券50枚でス」


「奮発するじゃねーか、熱いぜ!・・・・・50枚!」


「49枚にて候!」


「48枚!」


「・・・・・(もう少し様子見だな)」


「38枚!」


「・・・・・27枚!」


「・・・・・25枚」


「25枚。他にいないカ?なければ兵藤に落札!」


「かなり心配じゃのう・・・・・。まあ、しっかり解決するようにな」


「一誠さんが初めて依頼をこなすのか・・・・・」


「・・・・・食券はいらない。冬馬達に譲る」


「良いので候?」


「・・・・・困っていないしな」


「あ、あの・・・・・よろしくお願いします!」


「・・・・・ああ(今の説明を聞く限りでは、私物の殆どは無事。仕掛けカメラにも映っていないとすると

残るは・・・・・アレだけか。・・・・・今日は現れないだろう。出てくるとすれば・・・・・月曜だな)」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



六月二十一日(日)



―――川神院



「・・・・・現総理大臣が川神院の元門下生だとはな・・・・・。人は見掛けに寄らずだ」


「ふぉふぉふぉ、そうじゃのぅ」


「・・・・・で、百代。何で俺を此処に呼んだ?」


「挑戦者を倒した後に私と勝負して欲しい。あれから一誠と闘っていないから闘いたくて仕方が無いんだ」


「・・・・・そう言う事か。まあ、良いけどよ」


「・・・・・お前さん、ちょっと良いか?」


「・・・・・何だ?」


「・・・・・何処かで見たことあるんだが・・・・・」


「・・・・・俺はテレビでしかお前の事を見ていないが、誰かと人違いしているんじゃないのか?」


「・・・・・そうかい、俺の勘違いのようだな。すまねぇな」


「では、早速勝負を始めるとするかのう。1対2でいいじゃろう。なあ、モモ」


「どうせなら、イッセーも入れてバトルロワイヤルがしたいなぁー」


「・・・・・俺もかよ」


「ふむ。兵藤の力を見せるのも一興じゃのう。よかろう。許可するぞい」


「おいおい、百代ちゃんは兎も角、坊主は流石に勝てる訳無いだろうがよ」


「・・・・・1秒で倒してやる。世界一の大国の技術の結晶体を粉々にしてやるよ」


「・・・・・マジで言っているのか?」


「ふふ、一誠を倒す事が出来ないのなら私に挑戦する資格もないって展開に成ったな。これは面白いぞ」


「うーむ。まあ、資格があるかどうか試す試験って思えば良いじゃろう。二人共、この者を倒すことが

できたら川神百代と勝負する事を許す。それでいいかな?」


二人の兵士は同時に頷いた。兵士として養成されたので無駄口は叩かない。2対1という条件でも、

やるだけである。


「では、はじめ!!」


鉄心の言葉と同時に一誠の姿が消えた。―――刹那、二人の兵士が後方に吹っ飛ばされたと思えばドンッ!と

後から大きな音が鳴った。


「・・・・・なんだと?」


「・・・・・俺もそうだが、百代が相手にするまでもないな」


「音速より遥かに超えて攻撃したって事かよ・・・・・」


「―――ははは!やっぱり一誠は凄い!さあ、今度は私の番だ!」


「・・・・・あの時のようにしてやるよ」


嬉々となって一誠に攻撃を仕掛ける百代。


「川神流、無双正拳突き!」


「・・・・・強烈なストレートパンチってところだな。―――五連衝撃拳」


一誠と百代の拳が直撃した。だが、百代の拳から衝撃音が聞こえ―――


「なっ・・・・・!?」


ドンッ!ドンッ!ドンッ!ドンッ!


続いて4回連続の衝撃音が百代の拳から鳴った。


「・・・・・川神流で言えば、川神流、無双正拳五連突きだな」


「川神流の技を更に強化した技か・・・・・」


「・・・・・嵐脚」


「っ!?」


巨大な鎌風が起こり、百代を斬り裂こうとするが回避されて鉄心の方へ向かったが


「むんっ!」


鎌風を気で使い上空に逸らした


「ふぅ、冷や冷やしたぞい。かなり強い鎌風を呼んだものじゃ」


「川神流、致死蛍!」


「・・・・・嵐脚」


気弾と鎌風が激突する。同時に二人は距離を縮め、拳の激しい攻防を始めた


「あの百代ちゃんと互角に戦っているとは・・・・・。あの男は一体誰なんですかねぇ?」


「ワシの学校に通っている兵藤一誠じゃよ。四天王以外に百代と渡り合えているのは今のところ奴しか

おらん。しかも男でじゃ」


「・・・・・その物言いは、既に知っていたんですね?」


「ああ、そうじゃよ。同時に奴を四天王の一人にしたいんじゃが、本人が嫌がってのう・・・・・」


「彼を川神院に預けたら師範代は間違いなくなれるでしょうよ」


「総代にもなれる素質も備わっている。何故なら―――百代を倒したからのう」


「・・・・・・そいつぁ、本当ですかい?」


「まあ、見てれば分かるわい」


二人は一誠と百代の戦いを見守る。丁度、百代が一誠に蹴り上げられて上空に吹っ飛ばされていた


「くっ!またあの時と同じか!だが、今回は気を封じていないぞ!」


「―――轟龍」


「―――川神流」


「気砲!」


「星殺し!」


極太のエネルギー砲と龍の形と化となったエネルギー砲が地を砕き、天に昇ろうと上下に向かう最中、二つの

エネルギー砲が直撃し鍔迫り合いを始めた


「おおおおおおおおおおおおおおっ!」


「・・・・・」


気のエネルギーを流し続ける一誠と百代。砲撃は未だ、鍔迫り合いが続くかと思ったその時だった。一誠の

轟龍気砲が百代の放つエネルギー砲を吸収して巨大になりながら百代に向かって行った


「なっ!私の気を・・・・・!?」


「―――前回の技とは違うぞ。この技は相手の気を吸収しつつ威力を増す技だ」


「―――っ!?」


「そして、相手の気を全て奪い去る技でもある―――また、お前の負けだ」


ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!


気の龍は百代を、全ての気を喰らい、雲を突き抜け、宇宙空間へと飛び去っていった。百代は全ての気を

奪い去られて戦闘不能となり地面に落下する


「・・・・・また、・・・・・私の負け・・・・・か」


「・・・・・」


「何だろうなぁ・・・・・、一度目は本当に悔しかったのに・・・・・今度はお前に負けて清々しいぞ。

今まで味わった事が無い気分だ」


「ああ、その気持ちと感覚が実感したのならばお前は更に強くなれる」


「・・・・・気だるいが、良い気分だ・・・・・。お前との闘いは私を満たしてくれる」


「・・・・・そうか」


「また、また私と勝負してくれるか?」


「・・・・・約束する」


「ふふ、何故か知らんが心が温かいなぁ・・・・・」


そう言って幸せそうに目を閉じて意識を落とした


「・・・・・本当に百代ちゃんに勝っちまったよ」


「じゃろう?これで二度目じゃな。百代もこれで戦い以外に何か見つけてくれると良いんじゃが・・・・・」


「寧ろ、自分を超える強敵が現れて熱心に鍛錬しそうだな」


「お姉様、幸せそうに寝ているわ」


「・・・・・こいつの部屋は何処だ?連れていく」


「ああ、それじゃあ私が案内するヨ」


「・・・・・よろしく」


「確かに総代になる素質があるわな。この事を世間に知らせるのは?」


「せんで良い。するのならば公式の試合で知らせた方がよい」


「しかし、兵藤か・・・・・。何処の武家なんだろうなぁ・・・・・?」


「さぁのう。ワシもそれだけは分からんのじゃよ。あれだけの実力を持った者の家が存在しているのならば

とっくの昔に世間に知れ渡っている筈じゃがのぅ・・・・・」


百代を抱えて体育教師、ルーの先導のもとに案内される一誠を見て二人は疑問視を浮かべた

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真剣で私に恋しなさい! Original Sound Track ~真剣演舞~
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