小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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六月二十二日(月)



―――朝のHR終了後 1−C



「・・・・・大和田伊予」


「え?せ、先輩・・・・・?」


「・・・・・・一緒に来てもらうぞ」


「犯人は捕まえてくれたのですか・・・・・?」


「・・・・・これから捕まえる。だからお前も来い」


「は、はい・・・・・」


「あ、あの!」


「・・・・・黛か、どうした?」


「わ、私も一緒に良いですか!?」


「・・・・・別に良いぞ」


一誠は二人の後輩を連れてとある場所へと赴いた。


――――自転車置き場


「此処って・・・・・」


「・・・・・昨日のお前の説明を聞いて自転車だけが非難されていない事が分かった」


「・・・・・じゃあ」


「・・・・・喋るな。『ゴールドケープ』」


一誠はそう言って突然、二人を抱き寄せた。二人は一誠の行動に顔を赤く染め上げるが次の光景を見て

二人の表情が変わった


「ンフッ!ンフフ!誰もいない」


一誠達の目の前に一人の男子生徒が鼻息を荒くして近づいている。どうやら男の目には一誠達の姿が

入っていない様子


「ど、どうして私達は目の前にいるのに気づいていないんですか・・・・・?」


「・・・・・俺の力だ。透明人間に成っていると思えば良い」


「さーて、伊予ちゃんの自転車はこれこれ」


「・・・・・・っ!」


「このサドルにあの尻が!アソコが!」


「〜〜〜っ!?」


「あぁ、たまらんぜ、くんくんくん!」


「・・・・・証拠写真でも撮って捕まえる」


一誠は懐から写真を取り出して男の行動を撮り始める。そして、撮り終えると影から大蛇を出して

ストーカーの目の前に行かせる


「えっ!な、何で此処に蛇が・・・・・・!?」


「―――そいつは俺がいるからだ。ストーカーさんよぉ?」


「い、何時の間に俺の目の前に・・・・・!?はっ!い、伊予ちゃん・・・・・!」


「・・・・・」


透明になる力を解除して姿を現わした一誠達に慌てふためくストーカーに大和田伊予の姿が視界に入った


「ち、違うんだ!こ、これは・・・・・!」


「・・・・・違う?散々、人のサドルに顔を近づけて臭いを嗅いでいるのが一体何が違うんだ?」


「ひっ!ひぃぃぃぃ!」


「・・・・・逃がすかよ」


大蛇が逃走するストーカーに追わせる


シャアアアアアアアアッ!


「ぎゃああああっ!?」


「黛」


「はい!」


こっちに来るストーカーに黛はストーカーの服を切り刻んで胸板に薄く『変態』と切り彫った。


「た、助けてください!許してください!死にたくない!喰われたくない!」


「・・・・・二人とも、どうする?」


「許しません」


「・・・・・大和田、お前は?」


「・・・・・」


「い、伊予ちゃん!御願いだ!助けてくれ!」


「・・・・・だったら、ストーカーなんてしないで真正面から気持ちをぶつけていれば

良かったものの・・・・・」


「でも、言うのが恥ずかしくて・・・・・中々言えなかったんです。日に日に募る伊予ちゃんへの愛が溢れて

どうしようもなかったんです。だから、職員室に行くのだけは勘弁して下さい。蛇のエサにするのも勘弁して

下さい!俺は愛の被害者なんです!可哀想な人間なんです!」


「・・・・・大和田、今回の被害者はお前だ。お前の言葉でハッキリと言ってケジメをつけろ」


「・・・・・はい」


「い、伊予ちゃん・・・・・」


「私、迷惑をしていたの。貴方にストーカーされて毎日が怖かった。今だって私の自転車のサドルに臭いを

嗅いで見ていてもの凄く嫌だった。私、貴方の事が―――大嫌い」


「そ、そんな・・・・・!?」


「先輩、職員室に連絡を」


「・・・・・当然、それが依頼だからな」


「―――ふ、ふふ、ふふふ・・・・・!」


「え?」


「だったら・・・・・君を殺して僕も死んでやる!」


ストーカーが自暴自棄になって伊予の首を絞めようと両手を突き出して―――


「せいやぁ!」


「・・・・・」


「ぎょえ!?」


何時の間にかエクスカリバーを持っていた一誠と黛に峰打ちされてストーカーは気絶した


「・・・・・たく、自棄になってなに仕出かすか分からないもんだな」


「全くです。あ、だ、大丈夫でしたか?」


「う、うん・・・・・。黛さんって強いんだね」


「い、いえいえいえ!私は未熟者ですよ!?」


「ううん、そんなことないよ。黛さん、私の為に力を貸してくれてありがとう。・・・・・良かったら私と

友達に成ってくれるかな?」


「え・・・・・」


『まゆっち!なに呆けているんだよ!?いま―――』


「・・・・・少し黙っていようか」


『・・・・・それはキツイぜ』


「・・・・・で、黛。どうするんだ?大和田は友達に成ってくれるって言っている。お前自身の言葉で言え」


「わ、私・・・・・」


「うん」


「ほ、本当に私なんかで・・・・・お友達に成ってくれるのですか?」


「勿論だよ!」


「・・・・・黛」


「は、はい!」


「・・・・・強敵と書いて友だ」


「へ?」


「・・・・・この世界は強敵がいるようだ。その強敵の一人、お前と出会えてよかったと思う。

つまらない世界がちっとは面白い事になりそうだ。―――だから、俺も前に進んで言おう」


一誠はスッと手を黛に差し伸べた


「俺と友達になろう。黛由紀江。俺の事は一誠、もしくはイッセーと呼べ」


「私の事は伊予って呼んで!黛さんの事は『まゆっち』って呼ぶけど、良いよね?」


「―――っ」


ポロポロと泣き始めた黛、それに驚いて大和田伊予はうろたえる


「ま、まゆっち!?ど、どうしよう!泣いちゃっているよ!先輩!」


「・・・・・俺に振るか。・・・・・しょーもない」


黛を抱きしめて背中をポンポンと優しく叩く


「嬉しいなら思いきり泣けばいいさ。その方がすっきりする」


「う、ぅぅぅ・・・・・!嬉しいです・・・・・!本当に嬉しいです・・・・・!」


「・・・・・ああ」


「やっと、やっと大和さん達以外にも友達ができて嬉しいです・・・・・!」


「・・・・・今度、俺達と屋上で昼飯を食べないか?大和田も一緒に」


「あ、私の事は伊予って呼んでください!イッセー先輩!」


「・・・・・分かった。伊予」


「はい!」


「わ、私もいいんですか・・・・・?」


「・・・・・構わないさ」


「あ、ありがとうございます・・・・・!」


こうして、一誠の初の依頼は無事に果たせたと同時にまた一歩、前に進んだ



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



六月二十三日(火)



―――放課後 2−F



「イッセー♪」


「・・・・・金か?」


「・・・・・何で分かった?」


「・・・・・自分の胸に聞いてみろ」


「あはは・・・・・、百代ちゃん。分かりやすいよ」


「まあ、それは当然だとして」


「・・・・・当然かよ」


「遊びに行こうではないか」


「・・・・・遊びに?」


「うん、お前と遊んだ事無いし私、今暇だから何処かに行って遊びたいんだ」


「・・・・・そろそろ期末考査だが、勉強しなくてもいいのか?」


「何だそれ、食べ物か?」


「・・・・・それで良いのか、先輩さんよ」


「いいんだ。今はともかく遊びたいんだ」


「・・・・・予言を言おうか。お前は絶対に勉強の事で俺に懇願して頼みこんでくる確率は100%だ」


「ほら、行くぞイッセー」


「・・・・・人の話を聞け」


「待って!私も一緒に行く!」



―――ゲームセンター



「・・・・・何となくきたが、何をしようか」


「私はゲームなんてあんまりした事が無いから分からんぞ」


「じゃあ、色々とやってみようよ」


「そうだな。金は勿論、一誠ので」


「・・・・・しょーもない。それじゃあ、まずはあれにしよう」


「あっ、タイミング良く合わせるダンスのゲームだね。これ、やったことあるよん」


「ふうん、それなら私でもできそうだな。よし、燕。勝負しようか」


「うふふ、良いよん。負けないからね」


燕と百代が台の上に乗り一誠はワンコインを入れて操作する


「・・・・・これでいいか?」


「ああ、何でも良いぞ」


「それじゃあ、スタート!」


曲を選択し終わり、ゲームが始まった。


「ほっ!はっ!やっ!」


「これは!中々!面白い!な!」


「・・・・・上手いな」


一つも外す事もなくゲームは続き―――


「よし!パーフェクト!」


「私もだ!」


「・・・・・今度は俺もやってみるか」


「それなら私が曲を選んでやろう」


「・・・・・頼む」


「・・・・・一誠ならこれができそうだな」


「うわ、それを選択するの?」


「あいつなら簡単だろう。逆にいえば悔しがるところを見てみたくないか?」


「・・・・・ちょっと見たいかも」


「・・・・・それは俺に対する挑戦だと受け取っても良いんだな?」


「パーフェクトになったら頭を撫でてやるよ」


「・・・・・なんだそりゃ」


「それじゃあスタートだ!」


百代の操作のもとでゲームが開始した


「・・・・・難易度超レベルかよ・・・・・!」


「これ、絶対にイジメだよね・・・・・」


「これを設定した私が言うのも何だが、鬼だな」


隙間が無い程の連続で出てくるタイミングが画面に出てくる。だが、一誠はそれを難なくタイミング良く

リズムに乗ってクリアしていく。―――そして、


「・・・・・パーフェクト!?」


「凄いな。このゲームをやった奴等の中で断トツの1位だぞ」


「・・・・・面倒だった」


「おー、よしよし。凄いなぁ一誠は」


「・・・・・」


「前髪を垂らしたままパーフェクトは凄いとしか言えないよ。というか、前髪をあげようよ。折角、

遊びにきているんだからさ」


「ついでに後ろの髪をポニーにしよう」


ワックスとゴム紐を取り出して一誠の髪を弄くり始めた


「わぁ・・・・・」


「おお・・・・・」


「「カッコいい・・・・・」」


「・・・・・変な風にしていなければ文句は無い」


「一誠さんってポニーも似合うんだね・・・・・」


「よし、携帯で写真を撮るぞ。待ち受け画面にする」


「それいいね!私もそうしよう!」


携帯を取り出して撮影をし始める二人。


「・・・・・もういいか?」


「うん!」


「ああ」


「・・・・・今度は―――」


その後、3人は様々なゲームをし、最後は3人や一誠とツーショットでプリクラを撮ると川神院に続く

仲見世通りに移動した。


「んー!葛餅美味しい!」


「他人の奢りで食べる甘い物はまた格別だな」


「・・・・・感謝しろよな」


「アリガトウゴザイマス」


「・・・・・デコピンするぞ」


「ありがとうございました!」


「・・・・・よろしい」


「一誠さんは食べないの?」


「・・・・・いらない」


「むー、なら・・・・・あーん」


「・・・・・」


「一誠さん、あーん」


「・・・・・」


渋々といった表情で燕に突き出された葛餅を食べた


「美味しいですか?」


「・・・・・同時に良いアイディアが浮かんだな」


「へぇ、どんな物だ?」


「・・・・・そう言いながら何故、俺に突き出す」


「面白そうだからだ」


「・・・・・」


無言で百代に突き出されたスプーンにある葛餅を食べる。


「美味いか?」


「・・・・・ああ」


「それで、どんな物なんですか?」


「・・・・・」


鞄からノートと鉛筆を取り出して何かを描き始める。


「・・・・・こんな感じだな」


「葛餅とパフェのコラボ?」


「おおー、ボリューム満タンの上に可愛らしいですね?―――店員さーん!」


「・・・・・おい」


「良いじゃないですか」


「はい、何でしょうか?」


「この人が考えた葛餅の新しいメニュー何ですが、どう思いますか?」


「葛餅の・・・・・?」


「・・・・・こんな感じ」


「・・・・・っ!?」


店員の目が大きく開き衝撃を受けた様子だった。


「こ、これは!・・・・・店長!店長!」


「・・・・・面倒なことに成りそうだから退散するぞ」


「は、はい!」


「えー!」


「・・・・・また今度奢ってやるから文句言うな」


「約束だからな!」


代金をテーブルの上に置いて3人は姿を暗ました。店長を呼びに行った店員は店長と共に一誠達がいる

テーブルに向かったが既にいなかった。

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