小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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七月七日(火)



「あー、試験前のSクラスの雰囲気重過ぎだぜ」


「あーうー」


「あの重苦しい空気は堪えますね」


「それに比べてFクラスは普通だけどね」


「・・・・・うるさいがな」


「Sは競争が激しいから仕方がないで候」


「諦めるんだな」


「緊張感が無いFクラスが羨ましいな」


「私達のところにくれば?」


「そうしたいのは山々ですが立場がありますからできませんね」


「燕とイッセーと一緒が良いなー」


「・・・・・変態がいるからな」


「ホント、露骨にあんな視線を送られたら困るケドね」


「あー、ガクトか?」


「・・・・・あと、豊臣秀吉」


「豊臣秀吉?」


「えっと福本育郎っていう男子生徒なんだけどね。一誠さんはその人を豊臣秀吉って呼んでいるの。その

男子生徒は一部の人に猿って呼ばれているから一誠さんはそれを因んで言っているんだよん。ほら、

豊臣秀吉も猿って呼ばれているでしょ?」


「「「なるほど」」」


ユミ、冬馬、準が納得した


「そういえば今日は七夕ですね。皆さんは行きますか?」


「私は仲間と行く事になっている」


「私は行くで候」


「私はどうしようかなぁー、一誠さんは?」


「・・・・・暇だからな、行くか。燕、一緒に行くか?」


「はい!」


「では、6人で行きましょう。私達も行く予定でしたし」


「わーい!イッセーと燕と先輩と一緒だー!」


「なんか、何時もと同じメンバーで行動するようになったな」


「・・・・・そうだな。・・・・・百代、急に頭を縛ろうとするな」


「いいじゃないか。お前はこっちの方がカッコいいんだからな」


「百代ちゃん、縛るのが上手だね」


「なんか、コイツの髪を縛り続けたら慣れた。そういう燕だって一誠の髪を掻きあげるのが

上手いじゃないか」


「ふふ、百代ちゃんと同じ理由だよ」


「準ー、僕もやってー!」


「はいはい、って、ゴムが無いし。モモ先輩、貸してはくれませんかね?」


「んー、悪いけど一誠で使っているからもうないんだ。ユミ、お前は?」


「あるで候」


「ありがとうございます。ほら、ユキ。動くなよ」


「うん!」


「・・・・・私もしてみるで候」


「おっ、ポニーだらけになったな。よし、私もポニーにしよう」


「私は変だから遠慮するよ」


「おいおい、燕。空気読めよ。ハゲなんかこんな事できないんだからな。できるとしたらピカピカに拭いて

光を照らすだけだ」


「あははは!ハゲー!ハゲー!」


「こら!動くんじゃありません!というか、モモ先輩は酷い!俺は豆電球じゃありませんよ!」


「・・・・・燕のポニー姿、見てみたいな」


「うっ、一誠さんにそう言われるとやらないといけない気分に・・・・・ええい!私もやります!」


「じゃあ貸すで候」


「ん、ありがと・・・・・はい、できた」


「私と準以外はポニーテールですね」


「ああ、これで祭りの時に幼い幼女がいたらな」


「・・・・・準にぃ、呼んだ?」


一誠が素早く性転換銃で女に成り、子供に成って準を上目づかいで見るように言った


「一誠さん最高でーーーーーすっ!」


ドサッ


「あっ、気絶した」


「一誠、何気に乗っているな」


「・・・・・こいつが面白いからな」


「一誠さん、その姿で祭りに行きませんか?」


「・・・・・身の危険を感じるから嫌だ」


「おや、私は何もしませんよ?」


「・・・・・それでも嫌だ」


男に戻って身長を戻した一誠


「残念です」


「いやいや、流石に私も庇いたくなるね。一誠さんの幼女姿を見たら」


「まあ、確かにな」


「酷い言われ様ですね・・・・・」


苦笑を浮かべる冬馬だが、気にしていない様子だった



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――夜 川神院七夕祭り



「祭りー♪祭りー♪」


「こらこら、はしゃぐ気持ちは分かるがぴょんぴょんと跳ねてはいけません」


「賑やかで候。後は一誠さんだけ・・・・・」


「念話で話しかけても繋がらないケド、どうしたんだろう?」


「モモ先輩は先に行ったしな」


「・・・・・何やら騒がしく成ってきましたね?」


「ほんとだー」


「あっ、あれじゃない?」


「金髪の男か?すんげぇ髪が光っているな、髪が神々しく輝いているぞ」


「・・・・・あれ、一誠さんではないで候か?」


「・・・・・え?」


「・・・・・待たせたな」


金髪の男が燕達に近づいて開口一番にそういった


「い、一誠さんですか?」


「・・・・・ああ、そうだ」


「そ、その姿は・・・・・」


「・・・・・お前等を驚かそうと思ってな」


「・・・・・まさか、その姿は天使ですか・・・・・?」


「・・・・・まあ、そんなところだ」


「「「「「―――っ!?」」」」」


「・・・・・完全じゃないけどな」


「完全では・・・・・ない?」


「・・・・・まだその時ではない。俺の正体を明かすのはまだ先だ」


「「「「「・・・・・」」」」」


「・・・・・なんだよ」


「いえ、一誠さんから自分の正体を少しだけでも明かしてくれた事に嬉しくて」


「うわー!一誠さん、カッコいいです!金髪に瞳が蒼って凄い!外国人みたいです!」


「一誠さん・・・・・綺麗・・・・・」


「カッコいいねー♪」


「へぇ、天使になるとこんな感じになるんだな。すんげぇや」


「・・・・・取り敢えず祭りに行こう」


「「「「「はい!」」」」」


一誠達は、屋台を色々と巡回していった


「はむはむ」


「んー♪美味しいね」


「リンゴ飴も美味しいで候」


「・・・・・俺は疲れたがな」


「女性と一緒に写真を撮られっぱなしでしたからね」


「次から次へと一誠さんに近づいて『あ、あの!写真を撮らして下さい!』なんて言うからな」


「一誠さんって女性キラーなんですかね?」


「・・・・・他の女は興味ない」


「じゃあ、私達は?」


「・・・・・」


「「「・・・・・」」」」


「・・・・・る」


「え?」


「・・・・・興味ある」


「「「・・・・・」」」


「・・・・・異性としてな」


「「「・・・・・っ!」」」


「・・・・・」


「私も・・・・・一誠さんが気になっています。異性として・・・・・」


「私もです・・・・・」


「僕もだよー」


「・・・・・そうか」


「一誠さん私も―――」


「若、此処は場の空気を読むべきだ」


「・・・・・ですね」


「・・・・・行くぞ」


「「はい」」


「うん!」


その後、一誠達は型抜き、矢場、クジ引きと色々な店に訪れ遊んだ。次に向かったのは


―――金魚すくい


「・・・・・最後はこれをして帰ろうかな」


「そうしましょうか」


「おっ、他の金魚より一際大きい色違いの金魚がいるぞ」


「青分魚に羽衣、白凰ですが。どれも珍しいですね。それも二匹ずついます」


「・・・・・よし、全部捕るか」


「マジで?」


「・・・・・俺はやると言ったらやる男だ」


「その言葉、一誠さんの為にある言葉ですね・・・・・」


「おっ!燕達じゃないか!」


「あっ、百代ちゃんと直江君」


「大和君、此処で会うのは奇遇ですね」


「さっきも会っただろうが・・・・・。それで、金魚すくいでも?」


「ええ、彼が挑戦するんですよ」


「・・・・・・?お前、一誠か?」


「はっ?姉さん、何を言っているんだ?」


「・・・・・百代、直江と姉弟なのか?」


「いや、私の可愛い舎弟だ。というか、どうしたんだ?今のお前は金髪に蒼い瞳だ。気も何時もより

多く感じるんだが・・・・・」


「・・・・・少し、力を解放してこいつらを驚かせようとして来た」


「―――それじゃあ、あの時の私と激しくした(闘った)のは本気じゃなかった訳だな?」


「・・・・・俺は色々とやり方があるんだ。それと、お前等は勘違いなんてしていないよな?」


「まあ、百代ちゃんと一誠さんがやる事なんて」


「大体予想できるで候」


「ウェーイ♪」


「ね、姉さん・・・・・?兵藤と一体何を・・・・・?」


「ん?ああ、それは―――私と一誠だけの秘密だ。なー♪」


「―――っ!?」


「・・・・・そうだな。あの事は直江には秘密だよな」


「うんうん、そう言う事だ。さて、大和。青い金魚を捕ってくれ」


「あっ、ああ、分かったよ。姉さん・・・・・」


「モモ先輩も青文魚を?」


「なんだ?もしかして一誠も狙っているのか?」


「うん、それじゃなくて羽衣と白凰も捕るんだよん」


「ほーう、大和。ライバルがいるぞ。一誠より先に捕れたらお前は凄いぞ」


「・・・・・こいつとライバルなんて俺はごめんだ」


「・・・・・っ」


「・・・・・さてと、おやっさん。一回だ」


「おっちゃん。チャレンジだ」


「おいおいまさか、百代さんがやるんじゃ・・・・・」


「安心してくれ。私は見学だ」


「なら良かったぜ。大切な金魚全部持って行かれちゃあ話しに成らねぇや」


金魚すくいの店主が杓子を受け取り一誠は獲物の行動を読み、焦らず慎重に


パシャシャシャッ!


瞬時で六匹の青文魚、羽衣、白凰を掬った


「「は、速い!?」」


「おお♪」


「・・・・・意外と簡単だったな」


「こ、こいつはたまげたな・・・・・。あの一瞬で掬っちまうなんてよ。それは、青文魚、羽衣、白凰の

中でも特に美しい目玉商品なんだ。店にも中々いない個体だぜ?」


「・・・・・確かに、他の金魚より生命力が感じるな。バラバラで入れてくれ」


持ち帰り袋に入れられた六匹の金魚を手渡された一誠は百代、燕、ユミ、ユキ、冬馬、準にそれぞれの

金魚を渡した


「えっ、いいの?」


「・・・・・元からそのつもりだ。受け取れ」


「あ、ありがとう・・・・・」


「一誠、私も良いのか?」


「・・・・・欲しかったんだろう?なら上げるさ。それに、お前は戦い以外に何か興味を持つべきだ。

人生は戦いだけじゃない」


「・・・・・お前もジジイや大和みたいに言うんだな」


「―――俺はお前が心配なんだよ。戦いに魅入られて強い力を手に入れた代償として大切な何かを

失ってしまいそうなお前の事が・・・・・」


「い、一誠・・・・・?」


「百代・・・・・」


「「・・・・・」」


一誠は悲しみを瞳に乗せて百代の瞳を据える。百代は一誠が本当に自分の事を心配してくれると気付いて

青文魚を受け取った


「うん、ありがとう。大切に育てるよ」


「・・・・・そうか、受け取って嬉しいよ」


「―――っ!」


「・・・・・姉さん、次の店に行こうよ」


「あっ、ああ・・・・・、じゃあな、皆」


大和に促されて百代は大和と一緒に何処かへと向かって行った。その後、一誠達は解散して家に帰った。

一誠達の七夕祭りは終了する

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