小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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七月九日(木)



「お前達、ちょっと頼みごとが―――」


「・・・・・なんだ?」


「・・・・・その前にこの屋上は一体何なんだ?」


「・・・・・質問の意味が分からない」


「・・・・・何故、屋上に膨大な水と魚達が泳いでいるんだ?」


「・・・・・俺の力。大体、屋上に入る時は何時もこんな感じだ」


「・・・・・お前の力と才能には驚かされるがこれは有り得ない現象だ」


「でも先生。夏には最適ですよ?それに魚達の遊泳を見ながら食べる食事は美味しいです」


「・・・・・後片付けはちゃんとしている。それより頼み事って何だ?依頼か?」


「まあ、個人的の頼み何だがそれでも話だけ聞いてくれるか?」


「・・・・・ん、分かった」


「お前達、魍魎の宴と聞いたことあるか?」


「っ!」


「・・・・・魍魎の宴?」


「ああ、良く解らんがちらほら私の耳に入ってくるんだ。で、その宴は一体どういう目的で開いているのか

知りたい。私自ら探してもいいのだが、それだと私が探っていると気付かれて宴がやらないと思う。

そこでお前達が私の代わりに魍魎の宴を探って欲しいのだ」


「・・・・・仮に真面目な宴だったら?」


「正式に教師の承諾をもらってからやるようにと注意するだけだ」


「・・・・・宴を開く理由とその宴の内容が碌でもないものだったら?」


「私が直々に制裁する!」


「・・・・・っ!」


「・・・・・


「・・・・・分かった、こっちも探してみる。『協力者』もいるしな」


「うん、お前ならそう言ってくれると信じていたぞ」


「・・・・・ついでに聞くけどその宴の主催者と参加したメンバーも一蓮托生、連帯責任でお仕置きしても

良い?」


「・・・・・程々にな」


小島がそう言って屋上から去った。同時に一誠は準に視線を向けた


「・・・・・準、何か知っているんだろう?」


「な、何の事だ?俺には何も分からないんだが・・・・・」


「おや?確か、準は『魍魎の宴があるから行けない』とかこの間言っていましたよね?」


「言ってたー、行ってたー」


「わ、若!ユキ!」


「ほほう?ハゲ、隠し事するなんていい度胸じゃないか」


「ははは、べ、別に俺は何にも・・・・・」


「準」


「な、何ですか?一誠さん」


「話して―――くれるよな?」


「はい、全てお話しします」


一誠の背後にドス黒いオーラでできた不動明王がいたと後に準は語った。準は魍魎の宴の事を洗いざらい

全て一誠達に教えた。


「・・・・・確かに魍魎の宴だな。百代、暴れられるぞ」


「ふふふ、嬉しいなぁー。こんな形で暴れられるなんて」


「・・・・・体育館の出入り口は全て封鎖した後、俺達は体育館に入る魍魎共をお仕置きする」


「井上君、私達の商品とか売りだされている?」


「はいそうです!主に写真だけですが!」


「ふーん、無断で写真を撮って売るそいつは許せないよん・・・・・」


「部員の皆に知らせて一緒に参加させるで候」


「・・・・・それじゃあ、放課後。屋上に集合だ」


「「「「「「了解」」」」」」


「・・・・・さて、準」


「は、はい!」


「・・・・・一蓮托生、連帯責任としてお前もお仕置きをしないといけない。どっちがいい?百代に思いきり

殴られる刑と俺のデコピンの刑、好きな方を選ばせてやる」


「ど、どっちも死に繋がる予感がしますがぁー!?」


「・・・・・蛇の腹の中に入りたいか?」


「一思いに両方でお願いします!サーーー!」


「「分かった」」


ドッ!ドンッ!


「ぐはぁぁ・・・・・!?」


「あーあー、こういうのって自業自得っていうんだっけ?」


「少し違いますが・・・・・まあ、この場合は準が悪いですね」


「まあ、井上君はこれで済んで良かったね」


「魍魎の宴にいたらこれ以上の仕置きを味わわせられていたかもしれないで候」


「あー、放課後に成らないかなぁー!」


「・・・・・楽しみだな」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――放課後 屋上



「私も一緒にか?」


「・・・・・先生もいた方が都合良いかと思って」


「部員達も魍魎の宴の事を話したら参加すると言って連れてきましたで候」


「仮に自分のクラスもいたらそれこそ制裁ですよ」


「まあ、確かにそうだが・・・・・」


「仮に男性教師もいるかもしれませんよ?」


「黙認して自分も参加する教師などいるとは思えないんだが・・・・・」


「・・・・・いないのならいないでそれでもいい。魍魎共を屠るだけの事」


「まさか、井上まで参加していたとはな・・・・・」


「す、すいませんっす!」


「だが、既に兵藤達に制裁されたようなので許す。次は無いと思え」


「は、はい!」


「さて、それじゃあ行こうか」


「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」


―――体育館


一誠達は体育館の入り口に到着した。体育館前には見張り役だろう一人の男子生徒がいた。すると一誠達の

存在に気付いた男子生徒は慌てて体育館の中に入ろうとしたが


「っ!?」


「・・・・・」


ドゴッ!


一誠が先回りして男を気絶させた後に縄で逃走しないように縛り上げて放って置いた


「既に始まっているようで候」


「・・・・・出入り口にこいつらを配備させる。出て来ようとする魍魎共はこいつらで取り囲ませる」


シャアアアアアアアア・・・・・


「大蛇ですか、味方に成ると心強いですね」


「・・・・・さて、配置についた。―――狩りの始まりだ」


一誠が体育館の扉を勢いよく開け放った。中は薄暗く、異様な熱気で包まれた男子生徒達が大勢集まっていた


「げっ!何で此処に梅先生がいるんだ!?」


「鬼小島にばれたぞ!?鞭で叩かれちまう!」


「って、同じ魍魎の井上もいるじゃねぇか!あいつ、裏切ったな!?」


「矢場先輩と弓道部の部員達もいるぞ!?」


「ぎゃー!百代先輩もいるぞー!?」


「あっ、人形もいるじゃんか!」


「ま、松永先輩もいるよー!」


「・・・・・全く、こんな宴にこれほどの人数が集まっているとはな・・・・・。お前がこの宴の主催者か

―――福本おおおおおおおおおおおおおおっ!」


「ぎゃあああああああああああああああああああっ!?」


「それと、何で此処にいるのか教えていただきますかなぁ・・・・・、宇佐美先生?」


「あはは、いやー小島先生、私はただこいつらが生き過ぎないように目付役としているんですよ」


「・・・・・それじゃあ、バナナを食べようとしている小島の写真を持っているのは何故?」


「ひょ、兵藤!?何時の間に・・・・・!」


「宇佐美先生・・・・・」


「な、何でしょうか・・・・・」


「―――教師とありながらこの体たらく。許し難い事だ!よって、あなたも制裁の対象に入れます!」


バシンッ!


小島の鞭が体育館中に響いた


「無論、この宴に参加した者達も全員だ!福本!特にお前は厳しい処罰を与える!覚悟しろ!」


「「「「「に、逃げろおおおおおおおおおおおお!」」」」」」


「・・・・・退路は既に断っている」


ドガンッ!


シャアアアアアアアアッ!


「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」


「だ、大蛇だあああああああああああああああああああああっ!」


「全ての出入り口に大蛇がいる!」


「・・・・・まさか、お前も参加していたとは思わなかったぞ・・・・・大和」


「ね、姉さん。俺はただ見に来ただけで」


「じゃあ、百代の写真を持っているのは何でだ?」


「ひょ、兵藤!?」


「はあ、私は呆れたぞ。大和、裏からコソコソと私の写真を買うなんて・・・・・。

お前達もだぞ、ガクトとモロ?」


「「ひぃっ!」」


「―――ふふ、暴れられる機会が来たんだ。思いきり私は暴れるぞおおおおお!」


「弓兵隊!徒弓開始!魍魎共に一斉射撃!一誠さんに指導してもらった成果を今発揮する時で候!


「「「「「「「「「「はい!主将!」」」」」」」」」」


シュバババババババババッ!


「いてええええええええええっ!」


「レプリカの矢の雨が来るぞおおおお!逃げるんだあああああ!」


「逃げるって何処にだよ!?大蛇に出口をふさがれて体育館前の入り口には人形達が塞いでいるんだぞ!」


「皆で行けば逃げれる!行くぞ!」


「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」」」」


「はっはー!私から逃げられるとでも思ったかぁ!?」


「百代には気にせず矢を射続けるで候!」


「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」


「私も加わるぞ!」


「私も!許せないんだから!」


「梅先生だあああああああああああ!」


「松永さん!ごめんなさい!許して!」


「許さない!」


「いぎゃああああああああああああああ!」


「・・・・・俺達がしなくても大丈夫そうだな」


「私達はこちらに逃げてくる魍魎を倒せば良いだけです」


「そうだねー」


「・・・・・すまない、同志達よ」


そして、数分後には魍魎達は死屍累々と化となった


「全く、お前達の行動には呆れて何も言えないぞ。この事は各クラスの先生と学長に報告する。

期末考査直前だと言うのにお前達は勉強するどころかこんな碌でもない宴に参加して・・・・・」


「「「「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」」」」


「島津や福本は兎も角、直江。まさかお前までも参加しているとは私は信じられなかったぞ」


「す、すいません・・・・・」


「全員!夏休みは無いと思え!夏休み期間は全て補習に充てるからな!」


「「「「「「「「「「何いいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!?」」」」」」」」」」


「・・・・・文句あるか?」


シャアアアアアアアアアッ!!!


「「「「「「「「「「よ、喜んで補習を受けます!」」」」」」」」」」


「宇佐美先生、あなたとはじっくりと話し合う必要がありますね?」


「いやー、小島先生とじっくり話し合えるなんて・・・・・ごめんなさい」


「・・・・・兵藤、今回は礼を言う。ありがとう」


「・・・・・別に、俺は特に何もしていない。寧ろ、百代達が頑張ったぞ」


「ああ、だが。お前の力でもあるんだぞ?川神を動かし、弓道部で指導していた部員達も力を貸してくれた」


「・・・・・自分のグッズを売られているかもしれないと弓道部は怒って参加したんだろう」


「それは違うで候。一誠さんに指導してくれた恩も返す為に一誠さんに協力してくれたで候」


「「「「「「「「「「はい、主将の言う通りです!」」」」」」」」」」


「私が知らないところで私のグッズも売られている事にムカついたからなぁー。だけど、一誠のお陰で

楽しめたぞ。ありがとうな」


「私もです!」


「・・・・・まあ、これで一件落着だな」


「依頼だったら100は堅いな」


「そうですね。何せこの規模でしたから」


「まあ、今回はお前達のお陰だ。タダという訳も何だから私が何か奢ってやろう。それが報酬だ」


「・・・・・良いのか?」


「ああ、良い働き振りだった」


「・・・・・分かった。ごちそうになる」


「「「「「「ありがとうございます!」」」」」」

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