小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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七月十一日(土)



―――川神院


「お邪魔しまーす!」


「・・・・・邪魔するぞ」


「「お邪魔します」」


「お邪魔するで候」


「お邪魔ー」


「お、おおお邪魔します!」


「お、お邪魔します!」


「ようこそ川神院と同時に私の家へ」


「・・・・・期末考査は直ぐ目の前、今日と明日の二日間は勉強に集中してもらうからな」


「ああ、分かっているさ・・・・・。それじゃあ、こっちだ」



一誠、ユミ、冬馬、準、ユキ、燕、由紀江、伊予の8名は期末考査に向けて勉強会を川神院でやる為に

訪れていた。百代に広い広間に案内されて百代を含んだ一誠達は勉強に必要なものを出して準備をする


「・・・・・俺が纏め上げた課題だ。できるだけ頑張って解け」


「ありがとうございます」


「もしかして、この問題が期末考査に出るとか?」


「・・・・・そんなことしたらカンニングだろうが。予想して作成した課題だ」


「勘という訳ですね?」


「・・・・・そういうことだ」


「一誠さんの勘ってもの凄く当るからね」


「キャップと同じ豪運か?」


「・・・・・さあ、俺も分からないな。取り敢えず始めよう」


―――数時間後


「も、もう・・・・・無理・・・・・」


「・・・・・集中力が足りないなぁ。まあ、甘い物を食べながら一先ず休憩しよう」


パチンと指を鳴らした途端にテーブルに金色の魔法陣が展開して大量の甘い食べ物が現れた


「おおっ、一誠さんの手作りですか?」


「・・・・・当然。カロリーも控えめに作ってある」


「イッセー先輩って魔法使い・・・・・?」


「・・・・・魔法使いじゃない」


「ふふ、まだ一誠さんの秘密を教える訳にはいきません。知りたいのであれば常に私達と行動をしないと

いけませんよ?」


「おい、私はどうなんだよ?」


「百代ちゃんはもう少しかな?」


『まゆっち!友達の事をもっと知らないとダメかもしれねぇぜ!友達から親友にランクアップの為に!』


「はい!そうですね!」


「・・・・・松風没収」


「ま、松風ぇ〜!」


『ま、まゆっち〜!』


「・・・・・兎も角、食べよう」


「「「「「「「「いただきます!」」」」」」」」


「―――うん、甘すぎなくて丁度いいね」


「美味しー」


「イッセー先輩が作った饅頭、とても美味しいです・・・・・」


「可愛い食べ方ですね。猫みたいですよ」


「・・・・・それに対して百代は豪快に食べるな」


「食べ方なんてどうでも良いだろう。このケーキ、美味いな・・・・・」


「ホールを丸かじりって・・・・・」


「あぅあぅ、モモ先輩。皆さんの分まで食べないでください」


「じゃあ、まゆまゆの肉まんを食って良いか?」


「ふぇえええ〜!?」


「・・・・・デコピン」


「ごめんなさい!」


「モモ先輩って一誠さんに弱いんだな」


「百代はデコピンを誰よりも食らっているで候」


「あれは痛かった・・・・・。しかもモモ先輩のパンチも食らった一瞬、花畑が見えたぞ」


「それって三途の川の事だよね!?」


「準が私達より先に凄い体験をしたのですね」


「いいなー、僕も行きたいなー」


「ダメダメ!ユキはまだ早いからダメ!」


「そうですよ。ユキ、まだ早いです」


「・・・・・(俺も言ったことあるがな)」


「そういえばイッセー先輩。知っていましたか?」


「・・・・・何がだ?」


「一部ですけど一年生の間でイッセー先輩のファンクラブができたんですよ」


「あっ、私もその話を耳にしました」


「「「「「「はい?」」」」」」


「『兵藤一誠ファン』略して『HIF』。主なメンバーは弓道部ですが、他にも何人か加入している

みたいなんですよ」


「・・・・・ユミ、知っていたか?」


「・・・・・私も知らないで候。何時の間にそんなファンクラブが結成したので候・・・・・」


「結成した理由はイッセー先輩の事を尊敬している生徒や弓道で指導してくれる時の先輩が優しくて

カッコよくて素敵だから、先輩と手が触れ背中から抱き締めるように指導してくれる時、温かくて全てを

包んでくれそうなあの感覚が好きとか、そういった理由で結成したようで」


「・・・・・前半はともかく後半はなんなんだ・・・・・?」


「妬けますね。一誠さんのファンクラブなんて・・・・・」


「・・・・・指導を止めようかな・・・・・」


「それはダメで候!」


「ところで、まゆまゆ達はそのファンクラブに入っているのか?」


「い、いえいえ!私達は入っていません!」


「そ、そうですよ!」


「そうか?入ってそうな感じがするんだけどなぁー」


「というか一誠さんはカッコいいのにね」


「だな。エレガンテ・クアットロの一人にとして数えられるほどのカッコいいからな」


「エレガンテ・クアットロ?」


「ああ、モモ先輩と他の三人を含め武道を極めた人は武道四天王って呼ばれているだろう?で、

エレガンテ・クアットロというのは川神学園の中で一番のイケメンが

四人いることをエレガンテ・クアットロと言うんだ」


「・・・・・そのメンバーは?」


「一誠さんと燕先輩のクラスに入る風間翔一と源忠勝、3−Sにいる京極先輩、最後は此処にいる若だ」


「いやー、照れますね」


「そうだったんだ。凄いねー」


「・・・・・そもそも、そんな二つ名が有ったんだな」


「ですが、一誠さんがあの時の姿に成ったら私は負けますよ」


「あの時の姿・・・・・?」


「一誠、まゆまゆ達にも見せてみろ。面白い反応をしてくれるかもしれないからな」


「・・・・・実際、百代が見たいんじゃないのか?」


「うん、実はその通りなんだ」


「・・・・・素直だな」


一誠は立ち上がり、七夕祭りの時の姿になった


「「・・・・・」」」


「・・・・・伊予、由紀江」


「「―――っ!?」」


「・・・・・どうだ、本来の力の一つの一部を解放した俺の姿は?」


二人に問う一誠。由紀江と伊予は顔を赤く染めて一誠から視線を外すように下を向いた


「「か、カッコいいです・・・・・」」


「・・・・・そうか」


「んー♪やっぱり一誠はカッコいいなー」


「・・・・・何故に抱きつく」


「いや、本当に温かいかなと思って抱きついたんだけど・・・・・お前、抱き心地が良い上に

温かいなぁ・・・・・。ずっとこのままいたいぐらいだ」


「・・・・・抱き枕か」


「・・・・・ぐぅ」


「・・・・・こいつ寝たよ」


「幸せそうに寝ているね」


「立ったままで寝るとか器用だな」


「あ、あの先輩。私も抱きしめてもらってもいいですか?」


「・・・・・来い」


「で、では・・・・・」


伊予が一誠の胸に顔を埋め伊予の背に腕を回して抱擁する一誠。


「本当だぁ、温かぁい・・・・・」


「・・・・・」


そして、伊予も眠った


「イッセー、僕もー!」


「あ、ああの、差し支えなければ私も・・・・・」


「私もで候」


「私も抱きしめて欲しいなー」


「・・・・・しょうがない。勉強会はここまでだ」


一誠はこの状況に嘆息する。―――数十分後


「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」


一誠に抱きついたり、中心にして寝ている一誠達。


「ふぉふぉふぉ、皆、幸せそうな顔や嬉しそうな顔をして寝ているのぅ」


「ええ、百代もそんな顔をしていますネ」


「兵藤が百代の支えとなってくれれば安心じゃわぃ」


「彼が唯一、百代と戦って勝った少年ですからネ」


「うむ。それに最近の此奴は少しずつ変わってきとると報告が届いている」


「クラスの方は変わらずの様ですガ・・・・・」


「まあ、そこはワシらの力ではどうしようもない。当人達でなんとかするしかないのぅ」


「それでは、現状維持ト?」


「そうするしかないのぅ。下手に刺激を与えたらなに仕出かすか分からん」


「総代、仮に総代と彼が戦って勝てると思いますか?」


「というか、まだまだ此奴は力を隠し持っているようでワシでも敵わんわい。精々もって30秒かのぅ」


「たったの30秒・・・・・。計り知れない力を持っているのですネ」


鉄心とルーは一誠を見詰めながら言葉を交わし合った


「まあ、此奴は戦いに魅入られておらんし大丈夫だろう」


「百代も彼を見習ってほしいものでス」


「はぁ、全くじゃわぃ・・・・・」

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