小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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七月十三日(月)



―――ついに、期末考査が始まった


「さあ、皆の努力の成果、見せるでおじゃ!成績上位の者は名前が張り出されるでおじゃる。己の力を

誇示してみぃ!試験開始!」


皆が筆記していく音が聞こえる


「赤点なぞ取ろうものなら麻呂が許さん。良いな。赤点は補修で夏休み消滅。心しておじゃれ!」


「(・・・・・はぁ、またつまらない問題だな。紋白の問題の方がまだ面白かった方だぞ)」


「麻呂がリラックスする歌を吟じてやろう」


「(・・・・・なに?)」


「麻呂〜麻呂〜麻呂〜耽美な麻呂〜♪」


「(・・・・・ウザい)」


「(一誠さん・・・・・、流石にあれは無いよ・・・・・。それにあの歌で集中できない

人もいるようだよ)」


「(・・・・・黙らすか)」


一誠は瞳を煌めかせて歌い続けている教師を停めた


「(・・・・・あいつを停めた。終るまではあのままの状態だ)」


「(ありがとう!でも、何をしたの?)」


「(時を停めた)」


「(・・・・・漫画でいうと相手の動きとか落ちる物体を停める力で当っている?)」


「(・・・・・ああ、そんな感じだな。ほら、問題を解いていけ。俺はもう終わったがな)」


「(はやっ!もうなの!?)」


「(・・・・・つまらない問題だった)」


「(もう、そちらは終わったようですね?)」


「(・・・・・冬馬か)」


「(俺もだぜ。いやー、一誠さんが出した課題がそのまんま出てきたぞ。予想で出した問題が的中したな)」


「(僕も終わったよー!)」


「(皆、もう終わったんだ。・・・・・私も今、終ったところだけどね。全問正解は間違いないと思うよ)」


「(今回もまた一誠さんが一番ですかね)」


「(・・・・・勘だ。全員、一番に成る)」


「(おいおい、それって俺も入っているんだよな?有り得ないと思うんだけどよ)」


「(・・・・・復習すれば確実)」


「(マジか。なら、英雄の奴を抜かしてやろう)」


「(ごぼう抜きー♪)」


「(百代ちゃん達の方はどうなっているんだろうね?)」


「(呼んだかー?)」


「(おっ、終ったんですかね?)」


「(ああ、見事に一誠の問題と一緒だったからな。頼れる先生で私は嬉しいぞ)」


「(私も終わったで候)」


「(お疲れ様です)」


「(では、残りの時間まで話でもしましょうか)」


「(ホント、こういう時の念話って便利だねー。遠く話せるし声を出さずに話せる事が出来るんだもん)」


「(携帯撲滅だな)」


「(NO!携帯は必要です!特に写真機能は!)」


「(・・・・・お前は何を言っているんだ?)」


「(何時もの事ですよ)」


「(・・・・・ロリコンか)」


「(はい、その通りです)」


「(そういうトーマは女の子や男の子ばっかりの写真が保存されているよねー)」


「(Sって個性的な人達ばかりだね・・・・・)」


「(・・・・・俺もそう思う)」


その後、一誠達は授業が終わるまで念話で話をしていた




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



七月十七日(金)



―――期末考査は全ての科目が終了した


「・・・・・つまらない時間だったな」


「その言葉を言える一誠さんが羨ましい」


「まあまあ、期末考査もようやく終わりましたから」


「一誠と遊べるるー♪」


「あー、やっと解放された気分だよん!」


「また何回かやるんだけどな」


「・・・・・次はサボろうかな。Fだからこれ以上失うものは何もない」


「その言葉を言える一誠さんが羨ましいです」


「若、さっき俺が言ったセリフだぞ」


「あははー!」


「あっ、あれって宇佐美先生じゃない?」


「その傍にいるのは梅先生か。まーた、誘っているんだろうなぁ」


「・・・・・断れたか。小島が先に行ったからな」


一誠達は2−S担当の宇佐美巨人に近づいた


「先生、またフられたのか。泣いたらダメだぜ」


「ドンマイですよ、今はジャブを刻むと思って」


「あぁ・・・・・氷は何時か溶けるもんだよな」


「・・・・・あの一件の事で更に仲が進展しなくなったのによくやるな」


「永久凍土って知ってる〜?僕は知ってる」


「先生、しつこい男は嫌われるよん。私は嫌いだケド」


「お前等・・・・・なんか最近俺に反抗的だな。というか、兵藤。お前があそこに来なければ良かったんだ

と思うんだが?」


「・・・・・じゃあ小島の所為だな。小島の頼みで俺達は準の情報であそこに行ったんだからな。・・・・・

それとも宇佐美先生が小島先生の所為だと言って来ようか?そしたら見向きもしなくって話しかけても

無視すると思うけど」


「ごめんなさい。俺が悪かったです。許してください」


「・・・・・弱っ」


「そういやお前達。チャイルドパレスって知ってるな?」


「ええ。工業地帯の入り口にある、秋にオープンする大アミューズメント施設ですね」


「クラスでも噂に成るよな、時々。で、俺達に何か?」


「どうにも不良達の溜まり場に成りそうだ。だから近寄らんようにな。彼女が行きたいと言っても」


「そこまで禍々しいものでもないかと思いますが」


「・・・・・これでもちとは修羅場をくぐってる。で、その勘が言うんだが・・・・・あそこはどうも

キナ臭い・・・・・何か起こるぜ」


「だったらさっきのホームルームで皆に言ってやれよ」


「あの優等生達は、あそこにゃいかんだろう。ただお前等・・・・・特に兵藤、お前は結構フラフラして

いるからな。親不孝通りでお前の姿を見掛けると同僚や俺の目にも入っているほどだ」


「・・・・・俺が何処に行こうが関係ないだろう」


「お前、普通は川神学園の生徒はあそこに行くのはダメなんだぜ?」


「・・・・・俺の勝手、心配される程、弱くないし。逆に蛇のエサにする」


「その報告もたまに入る。ちと、やりすぎなんじゃないか?」


「・・・・・一般を悪から守って何が悪い?警察が親不孝通りを干渉しないってどれだけ役立たずなんだよ。

日本も腐敗して借金大国。官僚達は汚職にまみれた老害に操られている人形ばかり。さらにはマスメディアを

操作し足の引っ張り合い。―――そんな国に俺は絶望しているんだ。嘆かわしいもんだよ。全く・・・・・」


「お前・・・・・」


「それに魍魎の宴を黙認していたお前なんかの言葉は無に等しいぞ」


「ぐっ!胸が痛いぜ・・・・・」


「・・・・・戦争を止めた天使とアメリカ人達はこの結果に悲観するだろうな」


「「「「・・・・・」」」」


「天使ねぇ・・・・・。おじさん、見た事無いんだけど一体どんな奴何だろうな」


「・・・・・さぁな。俺も会ってみたいもんだよ、じゃあな」


「・・・・・一誠さん、あまり自虐をするような事をしないでください」


「・・・・・分かっている」


「この国の事を、どう思っていますか?」


「・・・・・全部が悪いって訳じゃないのは理解している。故に国を良くしていこうとする人間達が

いる事も知っているつもりだ」


「そうですか・・・・・」


「・・・・・昔は本当に良かった。自然が豊かで動物も溢れ住んでいた。人間だって悪い奴もいれば良い

奴もいた。お人好しな奴もいたもんだよ。―――だが、人間は俺達の事を忘れ、

環境を破壊し地球を汚染し始めた」


「・・・・・あんたが住んでいた世界はどんな世界だった?」


「―――はは、変わらないさ。この世界と俺がいた世界は全く同じだ。唯一、違うのは第二次世界大戦に

勝った国がいるのといないのと。百代や燕、揚羽達のような武闘家も存在していない。川神院はあるけど

ただの寺だ」


「そうなんだ・・・・・」


「・・・・・代わりに俺のような存在が数多くいた。しかし、そんな人の力とは思えないものを持った

人間は周囲に暴力を振るわれ、親には虐待され、追い出される過酷で悲惨な目に遭っている」


「酷いですね・・・・・。一誠さんもそんな目に・・・・・?」


「・・・・・いや、俺は幸せな方だった。だから俺はそんな目に遭っている人間がいると知って救済をしよう

と力を付けてきた。結果、俺は最強の力を持った。愛しい仲間と家族、少女達という絆を・・・・・」


「一誠さんの好きな言葉は一体何ですか?」


「・・・・・『絆』だったな。今は無い」


「・・・・・そう」


「じゃあ、僕が一誠の好きな言葉の『絆』をもらうねー」


「・・・・・好きにしろ」


「うん!」

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