小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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七月三十一日(金)



「ふうん、昨日そんな事があったのかい」


「うん、私も一誠君と同じ人間に成ったんだよー」


「ドラゴンに成ったなんてすげえじゃねぇかタツ姉!」


「タツ姉の名前は言い方を変えればドラゴンだしな。リュウもドラゴンだったな」


「・・・・・普通に受け止めているお前等が凄いと俺だけしか思っていないのか・・・・・?」


「ほら、翼も出せるよー」


「「おおー!」」


「蒼い翼だね。ブルードラゴンかい?」


「・・・・・というかお前等は辰があれで良いのかよ?ドラゴンに転生してしまったんだぞ」


「辰は辰で私達の家族だ。家族の一人がドラゴンになったからって何だってのさ?」


「・・・・・家族の鏡だな」


「ふふ、嬉しい事を言ってくれるね」


「おい一誠!俺もタツ姉みたいになりたいぞ!」


「竜兵、お前は絶対に力に呑まれるからダメだ。邪龍になるぞ」


「邪龍?」


「邪悪な龍の事だ。竜兵、お前は膨大な力に呑まれたら家族である亜巳達に牙をむくんだぞ」


「マジかよ・・・・・」


「特にお前みたいな暴れたい、破壊したい、欲望のままに生きる奴は大抵そうなる。自制心をしっかり

持たないと駄目だ」


「ぐっ・・・・・」


「辰はこの中で無害な存在だから安心しているけどドラゴンの力を味わったら最後、力を振るいたくて、

振るいたくて仕方が無くなって最悪、色んな物を破壊し尽くして大切なものを失くす。それでもいいのか?」


「・・・・・」


「ドラゴンは力の塊だ。自分と同等かそれ以上の存在がいなければ孤独になるぞ。俺のようにな・・・・・」


「・・・・・分かった、もう言わねぇよ。亜巳姉達を傷つけたくねぇからな」


「・・・・・ある程度の歳になったら考えてやるよ、未成年君。ドラゴンに成るのはまだまだ早い」


「じゃあ、お前は何時から天使に成ったんだよ?」


「1つだけ訂正させてもらうぞ。何も俺は正真正銘の天使じゃない。神器という力でなったんだ」


「神器・・・・・?」


「神器というのは『聖書の神』が作ったシステムで先天的に神器を宿すのは人間、もしくは人間の血を

宿した者のみだ。それで―――禁手」


「おっ、天使に成った」


「この状態は禁手、または禁手化といって神器の力を高め、ある領域に至った者が発揮する力の形。

基本的には元の力のスケールアップだが使い手の認識によって別物に化ける事もある。使いようによっては

世界の均衡を崩す力と言う意味でそう呼ばれる」


「「「「へぇ・・・・・」」」」


「他にも神器を複数所持しているけど使う機会がないからまた今度教える」


「じゃあ、その神器っていう力は俺達にもあるのか?」


「・・・・・神器を所持していたとしても気付かずにいるほうが殆どだ。知っていても自分が神器を

持っているのか解らない上に神器の能力は色々とあるから何時、どんな時に力が解るのか俺も解らない」


「一誠は自分が持っていたのを解っていたのか?」


「教えられた方だな。で、その力の扱い方を教わった」


「じゃあ、ドラゴンに成ったタツ姉も持っていないんだ」


「そうだと思う」


「辰は私達の中で強いのに更に強く成ったのか。まあ、川神百代以上の力が手に入ったって言うんなら

良い事尽くめか」


「身体能力も上がっている筈だ。人間型のドラゴンだからな」


「一誠君、私は空に飛べる?」


「翼があるから飛べるぞ」


「わーい、何処でも自由に行けるねー」


「「いいな・・・・・」」


「そこ、気持ちは分かるけど羨ましがるな」


「「だってよ・・・・・」」


「おーい、お前等。元気にしているかー?」


「あっ、師匠だ」


「ん?辰の背中に翼が生えているのは俺の目の錯覚か?」


「―――事実であり現実だ」


「・・・・・真剣と書いてマジか?」


「「「「「・・・・・」」」」」


一誠達は同時に頷いた


「そうかよ、まっ、どうでも良いな」


「軽いな!?もう少し驚くとかそうリアクションをしろよ!人間じゃ有り得ない物を持っているんだぞ!?」


「おおー、驚いたな。これでいいか?」


「・・・・・もういい。で、鍛錬か?」


「おうよ。弟子ども、何時もの場所に行くぞ」


「辰、ドラゴンになった同時に魔力も手に入った筈だ。だから魔力の使い方を教えるぞ」


「うん、お願いね」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――原っぱ



「じゃあ、最初は飛行の訓練をしよう。翼を出せ」


「うん」


「―――禁手」


辰が翼を出すと一誠は天使に成った


「空を飛ぶイメージをして見ろ」


「・・・・・」


辰は目を閉じて自分が空を飛ぶ姿をイメージしているようで辰の体が地面から離れていった。

その光景を見て頷いて一誠は口を開いた


「そのまま翼を羽ばたいて上空に行くぞ」


「ん、解った」


バサァッ!


そう言って翼を羽ばたかした辰は生身の体で人生初の飛行をした


「おおー、師匠達が小さーい」


「上空から見ればそんなものだ。辰、俺が先に飛ぶから俺に続いて来るんだ」


「はーい」


先頭に飛ぶ一誠に続いて飛ぶ辰。その速度はかなりの速さであった


「(この速度に付いてこられるのか・・・・・身体能力もドラゴンに転生する前よりかなり上がっている

ようだ。正直驚いたな)」


「一誠君、飛ぶって気持ち良いんだねー!」


「(速いっ!?)」


飛び慣れたのか一誠の隣に並んできた辰に目を大きく開いた


「あははー♪」


「楽しそうだな」


「うん、一緒に寝るのも幸せだけど一誠君と一緒に飛ぶのも楽しいんだよー」


「そうか、辰がこんな短時間で飛び慣れたのは驚いたけど素直に凄いと思っている」


「ぐぅ・・・・・ぐぅ・・・・・」


「飛びながら寝た!?」


「ふぁ・・・・・ごめん、気持ちよくてつい寝ちゃったよ・・・・・」


「立って寝るのもそうだけど飛びながら寝た奴を見たのは初めてだぞ・・・・・」


「そうなんだー」


「そろそろ戻るとしよう」


「はーい」


旋回して釈迦堂達がいる原っぱに数十秒で戻る二人。


「さて、飛行の訓練は今後もやるが主な鍛練は魔力の扱い方だ」


「魔法使いのような事ができるの?」


「魔法と魔力の違いは犬と狼のような違いだ。更に簡単に言えば魔力はイメージしたものを発現する

―――つまりは想像力と創造の力が必要なもので」


一誠は手のひらからボウッ!と手のひらサイズの火の玉を出した


「魔法は術式で超常現象を発動させる術式を扱うだけの知識、頭の回転と計算力が必要なものだ」


「例えばこんな風に」と言って腕を上にあげて手のひらを翳すと光の塊を空に放った―――次の瞬間、

空から白い小さな結晶が振ってきた


「わー、雪だー!」


「これが魔法の力だ。辰は魔力重視で教えるぞ」


「はーい!」

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