小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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八月十一日(火)



―――沖縄 久米島『はての浜』


「「うーみー!」」


「やっぱり海といったら最初はあれだよな」


「そうですね」


「それよりいいんですか?仕事をしなくて・・・・・」


「フハハハ、母上から『何としてもあの男を手籠めにせよ』と申されてこの旅行を

行く事を許してくれたのだ」


「手籠めにしろって・・・・・」


「トーマ、手籠めってなーに?」


「それはですね・・・・・」


「はいそこ!ユキに変な事を教えようとしない!」


「冗談ですよ。なんなら私が手籠めにしてみましょうか?」


「―――蛇のエサにしようか?」


「申し訳ございません」


「若、一誠さんの逆鱗に触れちゃあ不味いって」


「ですね。流石に私も命が欲しいです・・・・・」


「さて、女子組は水着に着替えて―――」


「「「「着替えた」」」」


「・・・・・服の下に着ていたか」


「皆さんの水着姿は素晴らしいですね」


「まあ、確かにそうだけどよ。俺としたら元気にはしゃぐ小さな女の子がいたらな・・・・・」


「はいはい、仮にいたとしても犯罪の道には進むなよ。それじゃあ、遊ぶとしよう」


「はいはい!ビーチボールをしたい!」


「それだと一人余るな。じゃあ、審判は俺がやる。このクジを引いてコンビができたら始めよう」


六人は一誠が作っておいたクジを引いてビーチボールを始めた。―――その時だった


「イッセーをGETだぜ!」


「・・・・・百代?」


「ああ!久しぶりだな!」


「うん、久しぶりだな。そして偶然にも百代も沖縄に遊びに来ていたのか」


「私だけじゃないぞ?風間ファミリーと来たんだ!」


「風間ファミリー?・・・・・ああ、あいつらか」


一誠の視界に直江大和、風間翔一、師岡卓也、島津岳人、川神一子、黛由紀江、椎名京、

クリスティアーネ・フリードリヒがいた


「百代?」


「あ、揚羽さん!久しぶりですね」


「うむ。久しぶりであるな、お前も遊びに来ていたのか」


「ええ、そうですよ。・・・・・ところで一誠」


「何だ?」


「ハゲ達から感じる力がもの凄いんだがどういう事だ?揚羽さんに至っては何倍にも力が上がっているぞ。

私と同等かそれ以上の力だ」


「あー、それは・・・・・」


「ふふ、百代よ。我と一誠は思想相愛なのだ」


「・・・・・なに?」


「我だけではないぞ?あそこにいる女達も一誠の女だ」


「・・・・・」


「フハハハ!百代、お前は出遅れた。我らより遅れているぞ!」


「・・・・・一誠、揚羽さんの言う事は本当なのか?」


「・・・・・事実だ」


「―――っ」


「だけど百代。俺はお前も好きだぞ?」


「えっ・・・・・?」


「俺は欲張りでな。俺に好意を抱いている女を全て愛したいんだ」


一誠はそれだけ言うと揚羽を引き連れて燕達の方へ行った


「一誠さん、百代ちゃんと何を話していたの?」


「告ってきた」


「わぉ、素直に言ったね」


「嘘は言わない。さてと、今度はサーフィンでもしよう」


「うん!」


その後、一誠達は思う存分に楽しんだ。が、途中で二人組の男といた二人組の女が一誠に気づき、

媚びろうとしたが揚羽達に阻まれてしまった


「彼に何か用かな?」


「ふふ、まさかだけど言い寄ろうなんてしないよね?」


「あははー」


「我等と少し話をしようではないか?」


「「し、失礼しましたー!」」


―――今度は


「そこの綺麗なお嬢さん達。一緒に遊ばないかい?」


「サーフィンをしようぜ」


「―――天罰を下そうか?」


バチバチッ!


「「し、失礼しましたー!」」


揚羽達に言い寄ろうとした二人組の男達を金色の翼を大きく広げて威嚇し追い払った



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



八月十二日(水)


―――沖


「さて、此処まで浜と離れれば大丈夫だろう」


「一誠さん?此処で何をしようと・・・・・」


「遊び兼修行だ」


「えっと、俺達も?」


「―――ドラゴンに転生した以上、コントロールぐらいできないとダメだぞ」


「はい、すいませんでした」


一誠と燕、ユキにユミ、そして準、冬馬、揚羽もドラゴンに転生した元人間が大海原の上空にいた


「それで、何をしようとするのだ?」


「お前達の体には魔力がある。それは気とは別のエネルギーだ。今日は魔力のコントロールの修行だな。

魔力で海水をボールにするんだ」


一誠が海水に手を付け掴むようにして持ち上げると―――大きな海水の塊が一誠の手に握られていた


「なるほど、そういうことですね」


「お前達はこのぐらいの大きさが目標だな。この方法は結構難しいぞ。雲を掴むような感じだからな」


「コツはどうやるんですか?」


「魔力を流しながらイメージするんだ。大きさと形をな。それとこれは集中力も必要だ。

気を抜くとこうなる」


「あっ、形が崩れた」


「まあ、冬馬達ならできるだろう。取り敢えずやってみろ」


一誠に促されて海水に手を付け始めた。


「「「「「「・・・・・」」」」」」


意識を集中して魔力を流しゆっくりと手を何かを掴むようにしながら持ち上げる。


「・・・・・」


その光景を見て一誠は感服した。全員の手に海水の塊があったからだ


「で、でき―――あっ!」


「集中力が途切れたな。もう一度」


「一誠さん、これをどうすればいいんですか?」


「俺に投げてみろ」


「投げる?」


「ああ、ほら、投げろ」


「―――行きます!」


大きな海水の塊が一誠に向かって行ったが一誠は手を突き出してキャッチした


「えっ?」


「海水の塊を掴めれるから当然、こういう事も出来る。ほら、返すから掴んでみろ。両手でも良いから」


そう言ってユミに海水の塊を返した。慌てて両手を突き出して海水の塊をキャッチしようとしたが


バシャンッ!


「―――っ!?」


「集中力がなかったようだな」


海水の塊がユミに直撃して形が崩れて海に戻った


「ふむ。最後まで集中しないとダメのようだな」


「そう言う事だ」


揚羽から投げられた海水の塊を受け止めながら肯定した


「ほら」


「うむ」


一誠に返された海水の塊を難なく形を崩さずに受け止めた


「ん、揚羽は合格だな。流石は四天王と言ったところか」


「フハハハ、当然だ!」


「むっ、負けていられない!」


「そうだ、その根性もまた必要だ。全員ができたら海水で色んな事をしよう。自然と慣れてくるからな」


「例えば?」


「・・・・・こいつらに当てるとか?」


大海原に三つの魔方陣が現れた。そこから―――


『イエーイ!』


『海か、戦争以来だな』


『ふふ、面白そうですね?』


三匹のドラゴン、ゾラードとメリア、サマエルが出てきた


「あっ、久しぶり!」


「おおー!ドラゴンだー!」


「でかっ!かなり、でかっ!」


「これが・・・・・ドラゴン」


「準の言っていた通りですね」


「またこの目でドラゴンを見る事ができるとは・・・・・」


「海水でできたボールをこいつらに当てる。飛行の訓練にも成るしな」


『キミ達に僕達を当てる事ができるかな〜?』


『そう簡単に当るとは思いませんがね』


『我等、正真正銘のドラゴンがドラゴンに転生した人間の攻撃に当る訳が無いな』


「「「「「「・・・・・」」」」」」


「まあ、ようするにだ。―――悔しかったらこいつらに当ててみろって事だ」


「「「「「「上等っ!」」」」」」


「ステージはこの海だ。空へ逃げちゃダメだぞ」


『解ったよー!』


「それじゃあ、コントロールが慣れた次第に始めよう。揚羽は更に大きな海水の塊を掴めるように

もう一度だ」


「「「「「「はいっ!」」」」」」



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――温泉


「あー、あのドラゴン達。いくらなんでもすばしっこいにも程があるだろう・・・・・」


「全くですね。あの巨体で軽やかにかわすとか有り得ませんよ」


「ははは、そういうもんだよ。ドラゴンっていうのは」


「それにしても昨日も思ったけど、モモ先輩がまさか俺達まで此処の宿泊代と食費代を

タダにしてくれるなんてな」


「はい、ありがたいですね」


「このペンションじゃなくて俺の家に泊まる道も合ったんだがな」


「それはまた今度ですね」


「だな、一誠さんの家は気に入ったぜ。特にあのゲームが・・・・・」


「あのゲーム?」


「ああ、『リアル人生ゲーム』ですね。もの凄く熱中してゲームをしていましたよ」


「・・・・・あれか、何となく作ってみたんだけど余程気に入ったんだな」


「あれはまさしく『神』だ。もう少しで結婚できそうだったんだが・・・・・」


「できそうだったが?」


「・・・・・交通事故で俺(主人公)が命を落としてしまった」


「あー、お気の毒に・・・・・」


「切ないですね・・・・・」


「『準にぃ!準にぃ!死なないで!お願いだから私を残して死なないで!』―――あの時の言葉が今でも

俺の脳裏に浮かんで・・・・・うっ、ぅぅぅ・・・・・っ!」


「バッドエンドルートに進んだか・・・・・。ルートは色々とあるから攻略は一苦労するぞ」


「次がありますよ。準、頑張ってください」


「・・・・・ああ、準にぃは頑張るよ!」


「・・・・・準の反応をみると売れそうだな。―――商売してみようかな?」


「お願いします!あの子を救う為にもあのゲームがどうしても必要なんです!」


「はいはい、解ったから涙を流しながら顔を近づけるな。近い、近いから・・・・・」


「ふふ、一誠さんは本当に凄いですね」


「暇つぶしに作っただけなんだけどな」


「それで作っちゃう一誠さんが凄いって。・・・・・さて、そろそろ出ますかねー」


「ん、そうしよう」


―――寝室


とある一室で一緒に寝ている準と冬馬が寝ている最中、一誠が起き上がって静かに寝室から出た。


「・・・・・」


暗闇の廊下を歩き外へ出ると夜空は満月の光に照らされていた


「何時見ても満月は良いな・・・・・」


「―――お前は満月が好きなのか?」


「・・・・・そうだな、満月が好きだ」


「何か思い出があるのか?」


「いや、ただの好みなだけさ」


「そうか」


「で、どうしたんだ?」


「お前から感じる気が遠ざかって行くのが気づいてどうしたのかと思ったんだ」


「そう、まあただの夜景を見に来ただけだ」


「・・・・・一誠」


「ん?」


「私の事が好きなのか?」


「一人だけ愛せないんだがな、それでも全力で愛するつもりでいる」


「ライバルが多いなぁー、特に揚羽さんが一番の強敵だ」


「向こうもそう思っているぞ」


「ああ、だろうな」


「・・・・・百代」


「ん?」


「俺の事が好きなのか?」


「うん、好きだぞ」


「そうか、嬉しいよ」


「ふふ、イッセー!」


百代が一誠を押し倒した―――と思ったら一誠が百代を押し倒した


「俺を押し倒すのはまだまだ早いな」


「まさか、この私が押し倒されるとは・・・・・」


「嫌か?」


「・・・・・嫌じゃない」


「はは、さてと、それじゃあ寝るとするか」


「ああ、そうだな」



翌朝、最後に嵐が来たが揚羽達は一誠の能力で帰る事ができた。こうして一誠と揚羽達の楽しい

沖縄旅行は幕を閉じた

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