小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

八月三十一日(月)


―――ついに、川神大戦の日がやってきた。川神学園全校生徒は朝の始発で決戦の地、丹沢へと向かう。

それぞれが動きやすい恰好をしてきた


「いやー、楽しみだね♪」


「そうだなぁー、向こうには冬馬、ユキ、準、ユミ、百代がいる。一筋縄はいかない」


「一誠さんの修行で私も強く成った!」


「―――まっ、直江の奴は知らないだろうな。―――あいつらがドラゴンに転生したって言う事を」


「百代ちゃんはしていないんでしょ?」


「加えて言えばユミ達と燕がドラゴンに転生したという事も知らない」


「そっか」


「そういえば、持って来たか?」


「ん?ああ、うん!持って来たよ!」


「終ったらしような」


「ふふ、気に入ってくれるといいなー」


「そうだな」


「ところで百代ちゃんを兵力にするとどのぐらい?」


「百万・・・・・ってところか?」


「うわ、圧倒的・・・・・一誠さんは?」


「―――∞だ」



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



―――丹沢


丹沢では、多くの参加者達が集結していた。一誠と燕もF軍の陣地に向かう


「覚書を書いていない者はいないなー!必ず書くようになー!」


小島梅子が最終確認をしていた


「一誠さん、一誠さん。凄いですよ。マスコミがたくさん来ていますよ!」


「ああ、かなりの数の気が感じる。既に実況中継中だろう」


『今日、ここ丹沢で、昔と同じ「合戦」が学生達によって再現されようとしています。生徒達の目は、

心なしかギラギラとやる気に充ちています。今日は川神学園の学長、川神鉄心さんに

お話を伺いたいと思います』


『ふぉふぉ。よろしくお願いするぞい』


『闘争によって因縁の決着を付けるという手段に多くの抗議が寄せられたようですが・・・・・』


『なぁに。闘争ではなくスポーツだと思えばいい。武器もレプリカ。矢もワシの活かしたアレンジで先端に

吸盤がついとる。刺さらん。ベタッとくっつく』


『しかし、ケガ人は確実に出るでしょうね』


『子供が外で遊べばケガもするわい。我等、教師陣が責任を持って見張っておるので暴行やリンチなどは

起きんよ。惨事にはせん』


『この合戦の勝利条件は?』


『総大将・・・・・つまり敵のクラスの委員長に縄を打てばそこで終わりじゃ。それ以外に決着はない』


『弓矢以外に使用していい武器は?』


『禁止は鉄砲と騎馬ぐらいじゃのう。騎馬は学校の敷地内で無いとダメと言われてのぅ。矢は急所に当れば

即リタイア。そうでない所も3本当たれば終わりじゃ』


『そして、武具はレプリカや、みねうちのみ有効と・・・・・なるほど、これは本格的ですねぇ・・・・・』


『S組の軍とF組の軍、どちらにつくかは個人の自由。人材の奪い合いから戦いは始まっておる』


『全校全員参加している訳ですね。凄いですね』


『他に外部からの助っ人枠も50人まで有りなんじゃ。人数で劣るF組は強力な助っ人を用意しておった。

さらにF組には天使がおる。武神、川神百代と対決したら勝敗は解らないのう』


『今、世間を騒がしている天使であり「ファントム・イリュージョン」の料理長、兵藤一誠君ですね!私、

彼の大ファンなんです!後でサインと握手を―――』


「一誠さん、何処にいても人気者ですね」


「かったるい」


「一誠さん、今回の大戦でどの位の力で行くんですか?」


「ゾラード達を出すのはまず無い。龍化にはなるがな」


「あれは卑怯と反則も良いところだよん」


「だよなー」


「あれは勝てる気がまったくしないよ・・・・・」


「簡単にドラゴンが人間に負けたらドラゴンとしてのプライドが許さないからな」


「私も一応ドラゴンですケド?」


「新米のな?」


「うー!絶対に勝ってやるんだから!」


「はは、頑張って勝て」


一誠と燕が話に夢中になると黛がやってきた


「あ、ああの!作戦会議をするので来てください!」


「ん?別に行かなくてもいいと思うんだが・・・・・」


「取り敢えずは聞くだけ聞こう?」


「・・・・・しょーもない」



―――2−F軍営会議



「スパイ達から届いたデータをまとめた布陣図だ」


「うわー。敵の総大将、なめてるなー、正面の先鋒だよ」


「九鬼の奴、かっこいいじゃねぇか」


「数を恃みに突撃してくるね、これは」


「望む所よ。アタシとタッちゃんで押し返すわ」


「なるほど・・・・・、ユミちゃん達は此処にいるんだね」


「百代は奥にいるのか・・・・・」


「兵藤」


「・・・・・なんだ?」


「お前には色々と動いてもらうぞ。軍師としての命令だ」


「・・・・・はっ、断わる」


「・・・・・」


「俺と燕で遊撃隊として好きにやらせてもらう。F組が負けようが勝とうが俺にはどうでも良い事だ」


「おい、その発言はどうかと思うぞ!」


「そ、そうです!喧嘩をしないで皆さんと一致団結してS軍に勝たないと!」


「―――俺一人でも勝てる。というか、俺を舐めているのか?天使であり龍である俺を」


「「「「「「「「「「・・・・・っ」」」」」」」」」」


「それにしても、先方にいる英雄を直ぐに倒しても良いんだけど、それじゃあ面白くないなぁー」


「私は百代ちゃんと戦ってみたいね」


「百代はまだ動かないと思うぞ?静観するつもりだ」


「じゃあ、派手に動けば―――」


「ああ、戦いたくて仕方が無い百代は待ち切れずに出てくるかもしれないな」


「ふふ、百代ちゃんを倒せば松永の家名もさらに広がるね!」


「『アレ』は使えないだろう?」


「あっ、そうだった。でも、頑張って勝つよ」


「さてと、厄介な忍足あずみは何処にいるかな?隠れながら移動する隠遁はかなりの実力者じゃないと

気付く事ができないからな」


「本陣に結界を張れば大丈夫じゃない?」


「そうするつもりだ」


「ユミちゃん達と勝負するのって不思議な感じだよ」


「これも運命ってやつなんだろうさ」


「一誠さん、東と西、どっち行きます?」


「東」


「それじゃあ西は私ですね」


「英雄がいる中央は直江達に任せれば問題ないだろう」


一誠と燕は直江の作戦をそっちのけでどんどん話を進める


「おい、大和。松永先輩はともかく兵藤を好きにさせていいのか?集団行動を乱しているのは

あいつだけだぞ!」


「・・・・・この中で一番の戦力は兵藤だ。姉さんを倒せなくとも抑えてくれれば問題ない」


「だけど、協調性が全くないよね」


「今に始まった事じゃない。それに京、お前もそうだろうが」


「それにしても大和、こっちの助っ人は誰なの?」


「『数人の助っ人はこっちで用意する』・・・・・って兵藤が言っていたよな?」


「ああ、この大戦に参加する条件として俺は飲んだんだけど一体誰を呼んだんだ?」


「あー、それは俺達の事だわ」


「「「「「「「「「「―――っ!?」」」」」」」」」」


直江達は一誠が用意した助っ人について話しあっていると背筋がゾクリと悪寒を感じた。声がした方に

振り向くと五人の男女がいた


「うへー、いっぱいいるなぁー?」


「ヒャッハ!いっぱい暴れてやろうじゃんよ!」


「久々に楽しめそうだねぇ?」


「全くだな」


「ふぁ・・・・・眠いな〜」


「しゃ、釈迦堂さん!?」


「おー、一子。元気にしていたかぁ?」


「えっ、じゃあ、兵藤君が用意した助っ人というのは釈迦堂さん達のことだったの!?」


「まっ、そう言う訳だ。雇われている身だからな、しっかり働かせてもらうぜ」


「おおー、釈迦堂さんと一緒に戦えるなんて凄い!」


「よろしく頼むぜ?」


「あたし等は自由気ままに動くさね」


「ところで釈迦堂さん、その人達は?」


「ん?ああ、弟子達だ」


「えっ!釈迦堂さん、まさか・・・・・その人達に川神流を・・・・・!?」


「そういうこった」


「本来、川神流の技は門外不出の筈です!勝手に弟子を作り、川神流を教えたらダメですよ!」


「かてぇ事を言うなよ一子。それより今は合戦だろ?」


「そ、そうですけど・・・・・」


「戦いを楽しまなきゃ損っていうもんだ。―――お前の戦いを見させてもらうぜ?どれぐらい

成長したのか見たいしな」


「は、はい・・・・・」


「一誠君〜、一緒に行っても良いかな〜?」


「そう言いながら背中にひっつくな。別に良いけどよ」


「ぐぅ・・・・・、ぐぅ・・・・・」


「寝たか、まあいい・・・・・竜兵」


「なんだ?」


「暴れてもいいけど襲うなよ?味方にもだ」


「ちっ、解ったよ」


「お、襲う?」


「(どうしてここに板垣竜兵がいるんだ・・・・・っ。あいつの差し金みてぇだが随分と親しそうにして

いやがる。まさか、一緒に暮らしているのか・・・・・?)」


「ところで一誠。百代は何処にいるんだ?」


「一番奥にいるぞ」


「―――此処にいるって事は静観のつもりか?」


「最初はそうだろうけど派手に暴れたらその内に来るだろう。お前と同じで戦闘狂だからな」


「ははは!だな!」


「亜巳、天、竜兵は中央に進んで敵と好きなだけ戦え」


「中央・・・・・おっ!総大将がいるじゃん!簡単なゲームになりそうだなぁー」


「簡単にはいかないだろう。向こうにはこっちより兵力があって強敵がいる。難易度は高いぞ」


「上等!そのほうが面白いじゃん!」


「お前ならそう言うと思った。おいチビ、シメの一言を言え」


「チビじゃないです!・・・・・では軍師さん、シメの一言を」


「はぁ、こんな奴が総大将だなんて・・・・・」


「そこは大将が」


「大将として命令します」


「・・・・・分かった、―――みんな、やってやろうぜ!」


「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」」」」」


F軍の拳が天を突き上げる。開戦を間近にして体調がそれぞれの部隊に戻る。


「皆、楽しもう」


「うん!」


「ぐぅ・・・・・」


「ふふ、血が騒ぐねぇ」


「ゴルフは使えないから慣れない薙刀で使わないといけねえのかよ・・・・・」


「とことん暴れてやるぜ」


「給料分はしっかりと働くぜ」


一誠達はそれぞれの場所に向かった。一誠と辰は東、燕は西、釈迦堂と辰を除いた板垣兄弟姉妹は中央

―――そして


『川神大戦!―――開戦!』


川神大戦が今、始まった

-44-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




真剣で私に恋しなさい!S 大判マウスパッド 川神百代
新品 \2000
中古 \
(参考価格:\500)