小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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「ははは!そら、行くぜ!」


釈迦堂が嬉々として敵の先手とぶつかった。最初の初撃で相手は倒れ込んだ


「一誠の奴は面白いパーティに誘ってくれたもんだ!―――川神流、無双正拳突きぃ!」


百代の得意とする必殺技のストレートパンチが敵兵の腹部に直撃した途端に相手は味方を巻き込みながら

吹っ飛んでいった


「板垣亜巳、行くよ!」


「板垣天使もいくぜぇ!」


「板垣竜兵の名を知っている雑魚は下がっていろ!」


棒、薙刀を振るい敵陣に切り込み道を作ると竜兵が己の拳と足で更に広げる


「げっ!板垣兄弟姉妹じゃないか!一誠さん、そりゃあ無いぜ・・・・・」


「フハハハ!誰であろうとも我は臆せんぞ!―――行け!あの野蛮な獣共を囲み、包み、

封じ込め倒すのだ!」


既に300対70の戦いが始まっていたが釈迦堂達の働きにより50人ほど倒している。


―――同時刻、東山


一誠と辰はのんびりと東山を登っていた。東山を奪おうとしている味方と共に


「自然が豊かでいいな」


「そうだねぇ〜、自然の中で寝るのもいいかもしれないね〜」


「ああ、合戦なんてやめて昼寝でもするか?」


「だいさんせ〜い」


「おい!なにのんびりと話しているんだよ!?」


「俺達を馬鹿にしているのか!」


「辰、昼寝を邪魔する馬鹿な奴がいるぞ」


「こらー!昼寝を邪魔する奴は許さないぞー!」


「な、何なんだ、こいつ等は・・・・・!?」


「くそ、人形のくせに!」


「・・・・・人形?」


「ああ、俺の事を人形って馬鹿にする奴がいたんだっけ?まあ、―――そんな奴等には天罰を下すとしよう」


大天使化となって翼に電気を迸らせた


「げっ!天使になったぞ!」


「悪いなぁ、もう人形は卒業した。―――今は天使だ」


「俺達が天使に叶う訳無い!にげ―――」


バチチチチチチッ!


「「「「「「「「「「いぎゃああああああああああああああっ」」」」」」」」」」


丹沢で膨大な質量の雷が発生した。東山を制圧しに来たS軍の部隊は全て地面に倒れた


「・・・・・味方だとこれほど心強いものは無いね」


「逆に敵だと考えると勝ち目なんて全くないな」


「ん、敵が登ってくるな。一年部隊だな」


「ああ、任せていいか?」


「辰、昼寝はこの合戦が終わってからだな」


「じゃあ、その間は一誠君の背中で寝るよ〜」


「ああ、その間は一年を説得でもするか。流石に一年に力で捻じ伏せるのは酷だ」


直江の言葉を無視して一誠は辰と会話をしながら一年部隊の方へと歩み寄る



―――中央戦線



「おおおおおおおおおおおおっ!」


竜兵が雄叫びをあげながら敵兵の顔面に拳を直撃させた。すかさず別の敵兵の胸倉を掴んで地面に

叩きつけると纏まっている敵兵に向かって思いきり放り投げた


「はっはっはぁ!楽しいな!楽しくてしょうがねぇ!辺りは敵だらけだ!」


周囲が敵だらけでも竜兵は楽しんでいた。それどころか自分からそうなるようにした。


「さあ、もっと俺を楽しませろおおおおおおおおおおおおおおお!」


「「「「「ひぃっ!?」」」」」


咆哮とも言える声を上げ、今日気の笑みを浮かべた竜兵にS軍の部隊が恐怖を抱いた


「さ、さすまたで捕らえるんだ!」


一人の部隊長がそう指示するとさすまたを持っていた敵兵達が360度からさすまたが伸びてきた。


「そんな小細工は俺には通用しないぞ!」


一本のさすまたを逆に掴み腕に力を籠めた竜兵はさすまたを未だに持っている敵兵ごと持ち上げて周囲を

薙ぎ払う様に腕を横に振った


「「「「「うわああああああああああっ!」」」」」


「ふん!他愛もない。もっと俺を楽しませてくれる奴はいないのか!」


「(竜兵、まだ中央で戦っているな?)」


「ああ?それがどうかしたか」


「(味方が総大将を誘き寄せようと後退しているのが解るか?)」


「・・・・・ああ、何時の間にかいなくなっているな。敵大将も一緒にな」


「(お前がいる先にS組部隊がいる。その中に強敵が一人いるから大将がその部隊と合流をするのを

釈迦堂達と阻止してくれ)」


「―――へぇ、骨のある奴がいるんだな?」


「(お前の目で見て判断しろ。さっき釈迦堂達にも知らせたから一緒に行動して倒せ)」


「解ったよ。で、お前は何処で何をしているんだ?」


「(―――弓兵部隊を寝返らせていたところだ)」


―――少し前の東山


「いたいた、ユミ達弓道部の弓兵部隊」


「一誠さん・・・・・」


「単刀直入で言う。寝返ってくれないか?」


「・・・・・」


「正直言うとお前達を傷つけるのは心がもの凄く痛むんだ。だから寝返ってはくれないか?」


「そ、それは・・・・・」


「できないか?」


「・・・・・はい」


「・・・・・そうか、じゃあ使いたくなかったけど奥の手を使おう」


「・・・・・?」


「この大戦が終わったら弓道部にはもう行かない」


「「「「「「「「「「―――っ!?」」」」」」」」」」


「当然、ユミ達部員の指導も一切しない」


「「「「「「「「「「そ、そんな!?」」」」」」」」」」


ユミと弓道部の部員達が一誠の言葉に衝撃を受けた


「短いようで長い間だったがお前達の指導は楽しかった。―――じゃあな」


「待って!F軍に寝返るからそれだけはやめて!私達は貴方が必要なの!私達を見捨てないで!お願い!」


「ん、分かった。じゃあ、さっきの話は無しにする」


「「「「「「「「「「・・・・・・」」」」」」」」」」


一誠がさっきの言葉を取り消した事により安堵の胸をなでおろしたり、一誠の言葉を聞いて安堵した

弓道部の部員達


「一誠さん、酷いです」


「ははは、悪いな。でも、お前達を傷つけたくないのは本心だ」


「・・・・・もう」


「大戦が終わったら何時も通りに指導するから安心しろ」


「言葉だけじゃあ信じられません。行動で示してください」


「・・・・・こうか?」


一誠はユミを抱きしめた。ユミも抱き返して一誠と抱擁を交わす


「温かい・・・・・」


「これで信じてもらえるか?」


「もうちょっと・・・・・」


「・・・・・」


「「「「「「「「「「(いいなー)」」」」」」」」」」


その後、一誠は竜兵に念話で話しかけ次の行動を指示した


「東山はほぼ制圧した。―――さてと、準の奴はどうしているかな?」


―――中央戦線


ドーンッ!ドーンッ!


空に花火が上がった。空に咲く火花を見て準は悟った顔をした


「この合図は」


「伝令っ、森から伏兵です」


「やはりか」


「何人来た?」


「10名程度かと」


「フハハハハ!物の数ではないわ!」


「伝令!今度は逆方向から伏兵!」


「今度は何人来た?」


「また10名程度かと」


「蚊トンボだな、側面の兵で対応しろ。構わず追撃をかけよ!」


「この程度で終わる筈が無いが・・・・・」


「伝令っ、またも森から伏兵です、10名!」


「フハハハ!構わぬ!構わぬ!」


「逆方向から伏兵、10名!」


「各個撃破せよ」


「さ、さらに森から伏兵です」


「な、何回来るんだ。またも逆方向から!」


「忌々しい!構わぬ、惑わされるな!」


「(おいおい、いくらなんでも無視し過ぎるだろう。既に囲まれている事に気づいて欲しいもんだよ全く・・・・)」


「―――退却中止!転進!ぶつかるぞ!」


「待ってましたー!」


「お、逃げるのを止めたか!」


「構わん、このまま押し込むのだ!」


「も、森から伏兵ーッ!」


「逆方向から伏兵!終わりがありません!」


「ちぃ、奴等、何部隊伏せているのだ・・・・・!」


「何時、伏兵来るか分からねえから士気に影響出てる」


「落ち着け!数は我等が上である!落ち着いて各個撃破すれば物の数ではないわ!」


「お、流石は総大将・・・・・!!」


その時、井上準は横から凄まじい圧力を受けた。その正体は―――


「クリスティアーネ・フリードリヒ推参!」


クリス率いる白の隊も伏兵として現れた。


「敵部隊を刺し穿つ!」


触れた兵からはね飛ばされていく。今までの伏兵とは数も威力も段違いでその光景を準は目を大きく

見開いて呟いた


「部隊がモーゼの十戒みてーに割れていく・・・・・!」


「なんだ、あの部隊は。凄まじいではないか」


「やべぇぞ、隊列がズタズタになっちまった」


英雄隊を断ち割ったクリスが反転してまた突っ込んでいく。それに乗じてF軍の圧力が増した


「ち、これでは纏まらんな。一時退く」


「良い決断だ。なに、直ぐに立て直せる」


「―――大将の首は・・・・・あそこかぁぁぁ!」


クリスが秀を目掛けて猛然と突っ込んでいく。英雄隊の兵士は気に満ちたレイピアの突撃を止められない。

この時、クリスは勝利を確信した


「届くっ・・・・・」


「いや、それは欲張り過ぎだね」


「っ!?急に強く・・・・・!」


が、最後の壁2枚が厚かった。九鬼英雄の周囲の人間は、流石に精強だ。流石のクリスの突進も準に

止められた


「前に出過ぎたな!親衛隊で包囲して倒す!」


「くっ、気負い過ぎたか・・・・・」


―――刹那


「ちょっと待ったぁー!」


川神一子が踊るように薙刀を振り回し、乱入して来た。それでも英雄は退こうとして親衛隊と準と共に

撤退しようとする


「構うな、退け!すぐに立て直―――」


その時、英雄に目指して1つの部隊が突っ込んできた


「黒の隊、見参!行っくぜー!」


退却しながら纏まりつつあった英雄隊が再び崩される。英雄は黒の隊の隊長―――風間翔一に激昂した


「風間ぁぁぁぁっ!」


「10回目の埋伏兵―――!何て真似しやがる」


「突っ込め!大将首とれるぞー!」


黒の隊と共にいる島津岳人が凄まじい勢いで敵を吹っ飛ばす


「英雄逃げろ!此処は俺に任せろ!」


「準?」


「親衛隊で防ぐ。お前は後方に逃げろ!」


「―――大義であった、ロリコン」


「本当に感謝してんのかテメェ!」


そう言いながら英雄と最後のたて役の数人が離脱した。


「手のかかる君主を持つと苦労するぜ」


親衛隊が黒の隊の行方を阻む。だが、勢いに乗っている風間達の敵ではなかった。次々と外様の助っ人達が

なぎ倒されていく。―――同時に準は気付いていなかった。後方には既に釈迦堂達が一誠の指示によって

他の部隊と英雄隊の合流を防いでいる事を。


「此処から先はいかせん・・・・・というか、寧ろお前達を倒してしまおうと思う」


準から何とも言えない気が放たれる」


「ほざきやがれ!ぶっ飛ばしてやるぜ!」


ガクトの突撃を見て準は冷静に構えをとった。その直後、背後から凄まじい殺気を準は感じた。しかし、

準は後ろに振り返らず首だけを横にずらすと頭が有った場所に矢が飛んできた。


「ハンサムラリアーット!」


「・・・・・悪いな、俺は一誠さんに鍛えられているんでね。―――此処で惨めに倒れたら一誠さんに

会わす顔がねぇんだよ!」


ドゴォンッ!


「グホォア!?」


渾身の拳の一撃がガクトに直撃した。ガクトはなすすべもなく吹っ飛んだ。


「さーて、あちらさんの弓兵は何処にいやがる?」


そう言いながら準は矢が飛んできた方向を見る。遥か後方の木の幹に射手はいた


「・・・・・嘘?」


「おっ、此処にいたか」


「っ!?」


「悪いが此処で退場してもらうぜ」


ガッ!


「な・・・・・んで・・・・・」


「何で?決まっている。―――俺と若、ユキは一誠さんに強くしてもらった。ただそれだけの事さ」


「・・・・・っ」


F軍の弓兵が準の手刀で意識をかられた


「まっ、まだまだ天と地の差だがな」


準の視線の先には風間が率いる黒の隊が他の隊と合流する光景が見えた


ピリリッ!ピリリッ!―――ピッ!


「若、作戦か?・・・・・何!?わ、分かった!直ぐに行くぜ!」


葵冬馬からの連絡を聞いて準は慌てて―――英雄達のところへ向かった


「くそっ!一誠さん、あんたには敵わないぜ!」


S軍、および親衛隊―――全滅。英雄隊―――手負い打撃を被るも壊滅は防ぐ。が、それでも後方に

待機していた敵によって壊滅寸前


F軍忠勝隊―――負傷者多し、されど戦意増大。戦いは第2局面へと移行していた。

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真剣で私に恋しなさい! Original Sound Track ~真剣演舞~
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