―――夜、丹沢
「こんな所にいたいか」
「ああ、一誠・・・・・」
「これでお前は3回も負けたな」
「・・・・・ぐっ」
「だけど、思いきり戦えて満足しただろう?」
「ああ、凄く楽しかったのは間違いない。・・・・・でも、負けたから悔しいぞ」
「それでもこれからのお前は、敗北しか味わう事ができなくなるがな」
「ううー!」
「敗北を積み重ねて強く成る事が真の強さだと俺は思うぞ」
「・・・・・なんだよ、説教を言う為に来たのかよ」
「飴と鞭を与えに来ただけだ。で、次に与えるのが・・・・・ほら」
「え?」
「プレゼントだ、誕生日おめでとう」
「・・・・・一誠・・・・・」
「この大戦が終わってから渡そうとずっと持っていたんだ」
「・・・・・開けていいか?」
「ああ」
「何だろう・・・・・一誠から何か貰うのはあの金魚以来だ・・・・・指輪?」
「綺麗だろう?それにサイズは合う筈だ」
「・・・・・」
一誠は指輪を百代の右薬指にはめた
「こういうのが好きそうだからな、プレゼントはこれにした」
「・・・・・こんなに女の子してる贈り物ははじめてだな」
「受け取ってくれるか?」
「・・・・・ああ・・・・・その、何と言っていいか・・・・・あ、ありがとうな、一誠・・・・・」
顔を赤らめて百代は一誠に感謝の言葉を言った
「大切にするな・・・・・これ」
百代の表情を見て一誠は嬉しそうに頷いた―――刹那
「とうっ!」
「っ!?」
「誕生日おめでとう!百代ちゃん!はい、私から誕生日プレゼントだよん!」
「モモ先輩、誕生日おめでとう」
「おめでとうございます」
「おめでとー」
「おめでとうで候」
燕が登場すると冬馬、準、ユキ、ユミが現れて百代に誕生日プレゼントを渡した
「みんな・・・・・」
「まっ、俺だけじゃないってことさ。百代の誕生を祝う奴は」
「・・・・・ふふ」
「「「「「「?」」」」」」
「いや、なんでもない」
百代はクスリと笑みを溢すと「ありがとう」と声を殺して呟いたが
「・・・・・」
一誠は百代の呟きを聞きとるが敢えて何も言わなかった。ただ、百代を祝う冬馬達を見て微笑むだけだった。
―――こうして川神大戦はF軍の勝利となって戦いの幕が降ろされた