小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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九月二日(水)



「ん、10本中7本が中央に当るようになったな。凄いぞ」


「ありがとうございます!」


「この調子で頑張れ」


「は、はい!」


「せんぱーい!私のも見て下さい!」


「こっちもお願いしまーす!」


「分かった、順番に見てやるよ」


弓道部の部員達に指導する風景をユミは首を何度も縦に振って口を開いた


「うんうん、皆の実力が上がってきている!これも一誠さんの指導のお陰だよ!」


「こいつらが飲み込み早いからだ、ユミだって射てば殆ど外す事も無く中央に刺さるだろう?」


「それも一誠さんの指導の賜物だよ!」


「・・・・・」


ポリポリと頬を掻き照れ臭そうな表情を浮かべた。


「ユミ、休憩時間だ」


「あっ、本当だ。皆!片付けをしたら休憩に入って!」


「「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」」


ユミの号令に部員達は片付けをし始めて休憩に入った。


「兵藤先輩、知っています?」


「何がだ?」


「椎名先輩の事ですよ!」


「・・・・・椎名?」


「学校の裏掲示板に椎名先輩の事が色々と書いてあったんですよ!」


「例えば?」


「椎名先輩が淫売の母親の子供と、それで小学生時代じゃあ『椎名菌』って、いじめられていた

らしいんですよ!」


「ちょっと、そういう話は良くないわよ」


「でも、凄いらしいんですよ。虜になった父親の所為で家庭崩壊したとか。そこまで綺麗だったのかって

褒めてるんです」


「武蔵さん、その話は本当?」


「掲示板に色々書いてあったわ!多分だけど水面下じゃあ椎名先輩の過去を知っている人は

私の他にいると思うわ!」


「へぇ、あの椎名さんにそんな過去があっただなんて・・・・・」


「とても信じらられないわ・・・・・」


「・・・・・え、って事は、まさか・・・・・椎名さん。あの男女仲良しグループの男子達・・・・・」


「それ有るかもしれませんよ!」


「はいはい、いい加減にする!これ以上は怒るよ!」


「もういいじゃないですか、幽霊部員ですし此処にたまにしか来ない人なんだし」


「人の悪口は自分の品位を下げる。覚えておいて」


「でも椎名さん・・・・・そっか、そうなんだ」


「―――1つ、お前等に言うぞ」


「「「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」」


「どんな辛い事や悲しい事、人には言えない事は誰も抱えている事だ、そんな過去を椎名が抱えているように

お前達も一つぐらいは人には言えない秘密があり過去を抱えている筈だ」


「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」


「淫売の娘?椎名菌?何時の話をしているんだよ、くだらない。お前等が話を広げる事もないだろう。

違うか?」


「「「「「「「「「「はい・・・・・」」」」」」」」」」


「言葉は時には人の心を傷つける事があるんだ。それをお前達は容易く、無自覚で、自覚して言ってみろ。

言われたそいつはどんな気持ちに成るか解っているのか?」


「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」


「武蔵、そんなくだらない話を二度とするな。する暇があったら弓の腕を上げておけ、時間の無駄だ」


「で、ですが・・・・・」


「―――いいな」


「は、はい!申し訳ございません!」


「椎名の話は忘れろ。忘れられないのなら弓道部にいる資格が無いと思え。部活の邪魔だからな」


「「「「「「「「「「・・・・・はい、解りました・・・・・」」」」」」」」」」


一誠は部員達にそう告げると尻目で背後を見た


「・・・・・」


外には椎名京が佇んでいた。


「・・・・・休憩時間は終わりだ、練習を始めろ」


「「「「「「「「「「は、はい!」」」」」」」」」」


慌てて弓矢をとり、練習を始める


「・・・・・ありがとう」


京は小さな、本当に小さな声で一誠に感謝の言葉を言うとその場から去って行った。一誠は京の言葉を

聞き取り、嘆息した


「・・・・・別に、お前の為に言った訳じゃねえよ」


「一誠さん?」


「いや、独り言だ」


「はあ・・・・・?」


「ほら、ユミも練習をする!」


「わ、解りましたよ〜!」





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