小説『真剣でD×Dに恋しなさい!『完結』』
作者:ダーク・シリウス()

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九月七日(月)


―――1−C


「伊予、由紀江」


「あっ、先輩・・・・・」


「一緒に昼飯食べようぜ」


「はっ、はい・・・・・」


「・・・・・」


「・・・・・?」


1−C組の教室の空気と二人を見る視線が明らかにおかしいと気付く


「何か遭ったのか?」


「「えっ・・・・・?」」


「二人を見る視線が奇異なものを見る視線だからな・・・・・。同時に人を嘲る視線もあるしな」


「「「「「「「「「「・・・・・」」」」」」」」」」


「お前等、その視線でこの二人に向ける理由を話してもらおうか?」


「べ、別に私達はベイ子とストラップと会話している黛さんの事を馬鹿にしては・・・・・」


「バ、バカ!」


「―――ベイ子?」


「「ヒッ!?」」


二人の女子生徒の前に瞬時で移動した。突然目の前に現れた一誠に驚愕と恐怖を抱いた


「知っていそうだな、俺に詳しく話してもらうか?一言一句も隠さずに。仮に1つでも隠したなら」


シャアアアア・・・・・


「「―――っ!?」」


「こいつらのエサとなると思え」


―――屋上


「全く、武蔵小杉には困ったで候。二人共、私の後輩が迷惑を掛けて申し訳ないで候」


「いえいえ!先輩が謝る事ではないですよ!」


「そ、そうです!」


「一年の方も色々とあるんだなぁ」


「人の趣味を蔑む事は良くありませんね」


「前に人の過去を話題にして言うなって言ったばかりなんだがな」


「ん?前にもあったのか?」


「椎名の過去の事でな」


「・・・・・詳しく教えてくれないか?」


「いや、既に終った事だ。百代が介入する事は無いぞ」


「・・・・・そうか。でも今度は、まゆまゆの悪口を言うそいつには少し話し合いがする必要があるなー」


「手をゴキゴキと鳴らしながら言うセリフじゃないですよモモ先輩」


「百代ちゃん、落ち着いてよ」


「・・・・・」


「伊予、別に気を落とす事でもないと思うぞ」


「どうしてですか・・・・・?」


「野球に対して情熱を燃やし過ぎたあまりにチームメイトと大喧嘩した。つまり伊予はそれほど野球が

好きだから、そのチームメイトの為に言ったから大喧嘩になったんだろう?」


「はい、そうです」


「―――お前等、別に悪い事でもないよな?」


「ええ、人の趣味を悪く言うつもりもありませんし、人の趣味はそれぞれですからね。

胸を張っても良いと思いますよ」


「うん!それなら準は小さな女の子が大好きなロリコン野郎だよー?キミより

このロリコン野郎の方がよっぽど重症だ!」


「こらこら、ユキ。人に指を指してはいけません!そして、ロリコンを馬鹿にするな!

俺はただ小さい女の子を見て―――」


「まっ、このハゲよりお前は良いってことだ」


「あっ、あははは・・・・・」


「周りがなんと言おうと私達は悪くも言わないよん。寧ろ、自己紹介の時に言って欲しかったなー?」


「言うのが恥ずかしくて・・・・・」


「・・・・・俺もたまに野球を見る事があるけどあの野球の監督、どうして余計な事をするんだろうな。

良いところで他の選手を変えてそれで逆転されたら世話が無い」


「―――ですよね!あの監督、大人しくベンチで座っていればいいのに

何で余計な事をするんだよって感じですよ!」


「クリンが投げると無援護って有り得ないんだが」


「あっ、私もそう思ったよ。何時もそれで点が取れてないんだよね」


「そうなんですよ!もう、援護すれば点が入るというのに無援護すれば

良い事があると前の球団からジンクスとして―――はっ!?」


「ん、また一つ伊予の事が解った」


「ふふっ、熱中する程に可愛いいですね」


「私は良く分からんが、まぁ、良いんじゃないか?」


「ウェーイウェーイ♪」


「変・・・・・とは思わないんですか?」


「変じゃないだろう。それを言ったら松風と話す由紀江は何なんだ?」


「『はうっ!?』」


「まっ、物や花、動物に話しかける事は誰でも良くある。愛情があるからできる事だ」


「準の言う通りだ」


「あぅあぅ、その慰めが心に染みますぅ〜」


『感激だぜ〜!』


「―――だけど、自分じゃあ言えない事を松風に言わすのは良くないと思う」


「『えっ・・・・・?』」


「由紀江、何時までも松風と会話を続けると良くないぞ。お前を受け入れている奴等は気にせずに

接しているけど、お前を知らない奴等からして見れば変な奴だと認識されて友達ができない」


「・・・・・」


「そろそろ一人でやって行かないか?お前は一人じゃない。俺達や直江達もいる。クラスは伊予がいる」


「いきなりそう言われても・・・・・」


「いや、前々から思っていた。だが、直ぐにしろとは言わない。時間を掛けてゆっくり

他の奴等と一人で接してみろ」


「・・・・・はい」


「由紀江の心次第だ、頑張れ」


一誠は由紀江の頭を優しく撫でた。由紀江も一誠は自分の為に言ってくれたと理解しその瞳に

決意とも言えるものを秘めた

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